{DAY2 2:16AM}
八幡side
.....ドガァァァァァン!
八幡「はぇあ!? な、なんだ今の轟音?まさかもう悪魔が召喚されてしまったのか...」ハァハァハァ
八幡「ハァ、ハァ、ふぅ~...や、やっと最上階か...この廃ビル何階建てだよおい...」ハァ...ハァ...
もうすぐ屋上だから慎重に進んだ方が安全か、流石にこの距離なら会話も聞こえてくるし...今全くと言っていい程何が起きてるのかわかんねぇし...いや、ぐずぐずしてる暇ねえな、走るか。 ハァ...ハァ...
【――大悪魔カロン。召喚の儀に応じ参上した。】
八幡「この声は... あ、悪魔か!?」
「......!!こ、これが......悪魔......。」
【...なんだ、今回の契約者はずいぶんと若いな。小娘よ、お前は私になにを願う?】
「......あ......えっと......。」
【......願いがあるから私を呼んだのだろう。口にしなければわからん。】
八幡(くそ、屋上に上がるにはどこから行けばいいんだ!時間がもう無い!)タッタッタッ
「............。......ス、ステラ......。」
「......海運会社、ステラステージの......。」
「社長を......社長を......!」
――殺してくださいまし!!
八幡「ちくしょう、チェルクェッティの奴、願いを言っちまった!」タッタッタッタッタッタッ
(ばれるの承知で突っ込むか?そもそも悪魔の戦闘力は未知数、そしてシビラはヘリを所持している... 絶望的だが、とりあえず、契約さえ中止に出来ればそれでいい!生きていろよ、チェルクェッティ!)
{DAY2 2:18AM}
ノエルside
【............。】
【......なるほど、殺しか。】
【では聞くが、なぜステラステージの社長を殺したい?】
【言ってみろ。】
ノエル「そ、それは......ピアノコンクールをあるべき姿に......。」
【あ?なんだそのつまらん理由は。本当にそれがすべてか?】
ノエル「そ、そうですわ......。」
【......嘘だな、それはきれいごとだ。人というものが人を殺す理由など一つしかない。】
【そうすることで、自分が得をするからだ......!】
【さぁ、お前の本当の......汚い欲をさらけだしてみろ。それが言えたら契約を結んでやろう。】
な......なんなんですの、このかた......!?これが悪魔なんですの......?
【つまらん理由しか言えないのなら......さっさと帰るんだな。それはお前に私と契約する資格がないということだ。】
ノエル「............。」
でも、このままでは契約が結べませんわ......。ここまできてしまったら、もうあとには退けないのに......!
シビラ「............。」
ノエル「............が、............に......。」
【......ん?】
ノエル「......わたくしが......式典奏者になりたいから......ですわ!」
【............。】
【......クク。ククク......。】
【式典奏者になりたいから、悪魔の契約で殺しを......!?ああ、それは素敵だな、小娘!正気か?】
【なんという矛盾、だがそれこそ人の欲望だ!愉快愉快、やはりこうではなくては......!】
ノエル「な、なにをわけのわからないことを......。これでいいのでしょう、早く願いを叶えてくださいまし!」
【......いいだろう、だが最後にもう一度だけ聞いておくぞ。お前の意思で、悪魔の契約で、殺しを願うのだな?】
ノエル「? そ......そうですわ!できるのなら......お願いしますわ......!」
【............。】
【......よし、気に入ったぞ。お前の欲望とその末路......私と契約を結ぶのにふさわしい。】スッ
――パチンッ.....。
【......はい、終わり。殺したぞ。】
ノエル「......え、そんな簡単に......?」
【それが悪魔の契約というものだからな。信じられないなら明日のニュースを待つことだ。】
ノエル「......シ、シビラさん!やりましたわ!」
シビラ「......ええ、素晴らしい成果です、ノエル様。あらためて明日、死を確認させていただきます。」
ノエル「こ、これで......わたくしは式典奏者に......。」
【......おい。】
グチャッッ...
{DAY2 2:19AM}
八幡side
ギイィィィィィ.........ガタンッ...
――屋上への扉を開けた彼の眼に映ったのは、
鳥頭の悪魔に、四肢を切り落とされ、バラバラにされる、――
――ノエル・チェルクェッティの無残な姿だった。
八幡「.........えっ?」
ノエル「......ッガ!?」ドサッ
シビラ「なっ!?まさか部外者がいたとは...」
八幡「お、おい...チェ、チェルクェッティ...?チェルクェッティ!?ど、どうして...」ギロッ
【少年、怒りを鎮めろ。契約後には代償を払うのを忘れるな。そこの小娘の魂で大企業の社長の殺害を支払うなら、まあ......。】
【両手両足、といったところだろう。言っておくが器の価値が違い過ぎる、これでもサービスした方だぞ。】
【それに少年よ、どうやらお前からも"匂い"がするようだ... 悪魔の契約がこれで初めてではないだろう?何をそう身構えている?】
八幡「......どういう意味だ? "俺"は一度も悪魔と契約なんて交わしてないぞ?」
【.........ほう、それは... 興味深いな】
ノエル「......!?............!?」
【............?】チラッ
【......ところで、シビラ・ベッカー。】
【この娘、どうも自分の体がふき飛んだことに驚いているように見えるのだが......。】
シビラ「......それはあなたの感想でしかないですよ、カロン様。」
【悪魔の契約には"代償"があることを、この娘はちゃんと知っていたか?】
八幡「............。」ジロッ...
シビラ「............。」
シビラ「......私は彼女に悪魔を紹介しただけですのでなんとも。」
【............!】
【ふざけるなよ、女......!それで言い逃れできると思っているのか!?】
【この娘の願いは、自分の命をかけた軽率で醜い野望ではなかったのか、と聞いている......!】
シビラ「落ち着いてください、私はただ事実を述べているだけです。」
シビラ「ノエル様とカロン様の間に契約が成立した。だからあなたは社長を殺し、ノエル様の手足を奪った。」
シビラ「そこに悪魔としての間違いはないように思えますが。」
【私が誰とどういう契約を結ぶかは私のポリシーにのっとり私が決める!】
【お前やラッセルが悪魔の契約を利用していることが私の耳に入っていないとでも思っているのか!?】
【お前らのつごうで安々と悪魔を呼ぶな......!この娘もラッセルの差し金だな!?】
シビラ「......市長のことについては、市長に直接どうぞ。」
......た......。
八幡「! チェルクェッティ!」
シビラ「おや?」
......たす......けて......。
シビラ「これはもうしわけないことをしました。すでに死亡されていると思っていたのですが......。」
シビラ「そのままでは苦しいでしょうに。部外者は後で始末するとして、今、楽にしてさしあげましょう。」ガシッ スタスタスタ
八幡「お、おい......な、お前、一体なにを......!?」
ノエル「......どう......して......こんな......。いったい......なにが......。」
シビラ「ごきげんよう、ノエル様。」スタッ
八幡「おい......や、やめ......!」
ノエル「たすけ......」
八幡「やめろおおおぉぉぉ!!!!!」ダッ!
シビラ「.........。」パッ
八幡「ま、間に合えぇっ...!」バッ ガシィ!
八幡「あぶねぇ、ギリギリ間に合った.....ドン!.....え?」
シビラ「......まさかノエル様を間一髪で救うとは思いませんでした、おみごとです。が、所詮は無駄な努力でしたね。あなたを処分する手間が省けました、ありがとうございます。」チャキ
八幡「く、くそ、が......」フラッ
ヒュゥゥゥゥゥ..........ドサッ
【............。】
シビラ「......では、カロン様、お疲れさまでした。もしまた召喚させていただくことがありましたら、なにとぞ......。」
【お前も、ラッセルも......あまり悪魔をなめていると痛い目にあうぞ。】
シビラ「ご忠告ありがとうございます。」スタッスタッスタッ...
【............。】スタッスタッスタッ...チラッ
【......!】
【血痕は見えるが、少年と小娘の死体が無いだと? あの少年は、やはり、】
―――"魔人"、だったか......
{DAY2 2:22AM}
―Episode 4 End―
※キャラクター情報にカロンが追加されました
※キャラクター情報"ノエル・チェルクェッティ"、"シビラ・ベッカー"が更新されました
Sacrifice:【生贄、犠牲】
次回、八幡の過去について語られます。やっとオリジナル展開に持ち込めた...