やはり俺が悪魔と契約するのは間違っている。   作:コアラッコ

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※このエピソードには被虐のノエルのネタバレ要素が含まれております。


Chapter 1, Episode 7 ~The 2nd Contract~

{DAY2 12:24PM}

 

ノエル「……まだ整理できないことはありますわ。でも、わたくしの置かれている状況はわかりました。」

 

ノエル「そして、あなたがなぜここにいるかも……わかりましたわ。」

 

カロン「ほう、答えあわせしてやろう。」

 

ノエル「……あ、あなたは、わたくしに第二の契約の代償を払わせるためにここにいる。」

 

ノエル「命を助けた代償に、命をささげろと言うためにここにいるのでしょう……!?」

 

カロン「……クク、ククク……。」

 

 

カロン「ーー不正解だ、小娘。」

 

ノエル「……え?」               八幡「ん?」

 

カロン「私はそんな意味のない取引は望まない。いいか、悪魔の契約とはもっと汚いものであるべきなのだ。」

 

カロン「人間が自分の魂を賭け金に、イカサマをしようとする!愚かで、醜く、笑えるものでなければならない!」

 

カロン「腕をもいで富を!命を削って幸福を!そういうバカらしい欲望こそ、高潔なる悪魔の願いの本質!」

 

カロン「自らの体を切り売りし、血を流しながら黄金の山に頬ずりする…… その光景こそが最高のショーなのだ!」

 

カロン「それがどうだ、ラッセルたちは契約の穴を突きお前は悪魔がどういうものかすら理解せずホイホイ契約するアホだ!」

 

カロン「これでは興醒めもはなはだしい!!ふざけないでいただきたい、悪魔をもっと恐れ、うやまいたまえ!」

 

ノエル「な……。」               八幡「うわぁ……。悪魔ってクールっていうよりイかれてるって言った方が正しく思えてきた……。」

 

 

ノエル「なんなんですの、いきなり逆ギレしないでくださいまし!ふざけないでいただきたいのはこっちですわ!」

 

ノエル「言ってることも意味不明ですしそんなに大事なことなら、ちゃんと契約前に説明してくださいまし!!」

 

ノエル「だいたい、代償で両手足を奪うつもりだったなら契約の前に……」

 

ノエル「『こういう代償を払ってもらうけどそれでもいい?』と確認するのが常識ってもんではなくて!?」

 

カロン「だからそれをいちいち説明してやる義務なんかないんだよ!悪魔の契約は悪魔が一方的に決められるってさっき言っただろ!」

 

カロン「しかもその上で、私は確認してやっただろう!お前の意思で、悪魔の契約で、殺しを願うのかと!」

 

ノエル「もっとわかりやすく言わなきゃ伝わりませんわ!」

 

カロン「このゆとりお花畑娘が……!」

 

ノエル「鳥頭!」

 

カロン「鳥ではない!!悪魔だ!!」カァーッ!

 

 

八幡「あの、いつまで喧嘩してんの? ……俺一応主人公なのにさっきからずっと空気だよ?」

_________________________

 

 

 

ノエル「……はあ、もういいですわ。」

 

ノエル「わたくしもあなたも、望まない契約だった。契約は取り消しますから、両手足を返してくださいまし。」

 

 

カロン「……バカが、物事はそうつごうよくいかない。」

 

八幡「殺しちまった人間は蘇らないし、悪魔の契約を無効にすることはできないだろうからな。」

 

ノエル「…………!」

 

カロン「だからこそ、お前は抱えていくのだ。その傷を……一生な。」

 

ノエル「……そんな……。」

 

ノエル「手足がなければ……ピアノを弾くことすらできませんわ……。」

 

ノエル「……こんなことになるなんて……。こんな……。」

 

ノエル「わたくしはただピアノで一番になりたくて…… それだけで……。」

 

八幡「…………。」               カロン「…………。」

 

 

カロン「……ふん、そんなお前にいい知らせがひとつ。」

 

ノエル「……え?」

 

カロン「私は機械じゃないから、多少の融通は利かせる。」

 

カロン「……ステラステージの社長を殺せという願いはお前が言わされた願いだ、そうだな?」

 

ノエル「……そうですわ。」

 

カロン「両手足を失うと知っていたら、契約しなかった?」

 

ノエル「当たり前ですわ!」

 

カロン「……よし、ならばあの契約は『間違ってしまった契約』だ。契約そのものは取り消せないが、特別に……」

 

カロン「もし、この契約が叶えた本当の願いをぶっ壊すことができたら。私はお前が払った代償を返してやろう。」

え、かなりっていうかものすごく融通がきくじゃねーか、     あくまの ちからって すげー(棒

 

ノエル「本当の願い……? ……ど、どういうことですの!?」

 

カロン「……わけあって、私はバロウズと面識がある。だからこそ知っているわけだが……」

 

カロン「ヤツは表面上は善人ヅラをしているが裏では極悪にまみれたラプラス一番の大悪党。」

 

八幡「あの市長なんか胡散臭いんだよなぁ……。お前を悪魔と契約させる時に言ってた、式典素者があーだこーだってのまったくのでっちあげだと思うんだが……。」

 

カロン「単純にヤツの金儲けにとってステラステージの社長がジャマだったから、それだけだろう。」

 

ノエル「…………。」

 

カロン「だから、お前はてきとうな作り話でてきとうに騙されバロウズたちの願いを、お前の言葉で願ってしまった。」

 

カロン「だから本当の願いはバロウズの金儲け。」

 

八幡「その市長(w)の金儲けをメチャクチャにできればチェルクェッティの手足を返してくれる、ということか。」

 

ノエル「バ、バロウズ市長と……戦うと言うことですの……?」

 

カロン「……復讐というわけだ。」

 

カロン「お前を利用してハメた、憎き市長……。ヤツの、他人の骨で組まれた血まみれの玉座をぶっ潰してやれ。」

 

ノエル「……復讐……。」

 

カロン「お前は私に『助けて』と願ったな。その契約は、お前が復讐をとげるまで続く。」

 

カロン「はっきり言って私自身も……高潔なる悪魔の契約を利用したヤツらにハラワタが煮えくり返っている。」

 

カロン「……お前は、バロウズたちに復讐して手足を取り戻すために私という戦力が必要だ。」

 

カロン「そして私は、このふざけた契約をぶっ壊すために契約者本人であるお前の協力が必要だ。」

そして俺は、俺は………… あれ?俺別にいなくてもいいんじゃね?

 

カロン「気に食わないが…… 我々はお互いの目標のためにお互いが必要なのだ。」

 

ノエル「……わたくしは、許せませんわ。」

 

カロン「そう、お前はシビラもバロウズも許せない。」

 

ノエル「……そのお話が本当だとしたら、許せませんわ。でもわたくしはあなたの言うがままを信じることはできない……。」

 

ノエル「たしかにシビラさんにひどいことをされた記憶は……あります。バロウズ市長にあの場所に呼び出された記憶も……。」

 

ノエル「……でもやっぱり……なにかの間違いなのではないかと、思ってしまいますの。」

 

カロン「私の言うことがデタラメだと疑っているのか?」

 

八幡「……いや、違うな。人に言われるがままに行動したせいで今に至るんだからな。」

 

カロン「両手足を失えば、さすがにイヤでも慎重になるか。いやはや、まったくもってその通りだ。」

 

ノエル「…………。」

 

カロン「いいだろう、だったらどうする?情報収集でもして裏を取ってみるか?」

 

 

ノエル「……いえ、そんな必要はありませんわ。」

 

 

 

ノエル「ーー本人に、直接聞けばいいんですのよ。」

 

八幡「…………。」               カロン「…………。」

 

 

八幡/カロン「は?」

 

八幡「いやいやいや、市長官邸はいわば市長の本拠地だぞ!?いきなり一番警備がきびしい場所に行くやつがあるか!ド○クエで例えるならLv1のパーティで魔王城へ突撃するような自殺行為だぞ!?」

 

ノエル「べつに殴り込みに行くわけじゃありませんわ!文字通り、お話をうかがうだけでしてよ!」

 

カロン「なるほどわかった、やっぱりお前バカだろう。ヤツらにとってお前も八幡ももう死んだ人間なんだよ。」

 

カロン「よけいなことを知ってる、始末したはずの人間が玄関から『どうもこんにちは』なんて訪ねてきたらどうする?」

 

八幡「丁寧に確実に絶対に捕まって生贄かなんかにされるか、丁寧に確実に絶対に殺されて終わりだな。」

 

ノエル「そんなこと言っても、わたくしは市長に直接お話を聞かなければ信じませんわよ!」

 

ノエル「だって市長が悪人だなんて…… ラプラスに住む誰もが信じられませんわ、そんな話!」

 

カロン「……思い込みの激しい娘だな、これじゃバロウズに目をつけられてもおかしくないというものだ!」

 

ノエル「嫌ならべつについてこなくてもいいんですのよ。」

 

カロン「このままお前を行かせたらコロッとお前が死んで契約の取り消しができなくなるだろうが!」

 

八幡「……もしかして俺もその復讐を手伝わないと口止めに殺される……とかじゃないよな?」

 

カロン「別に私は鬼畜ではないからな。わざわざ死にに逝けなどとは言わん。」

 

カロン「まあこのままだとバロウズに命を狙われ続けるだろうけどな。私達と共に行動した方が生存率は高いとおも「ぜひお供させてください、できる限り協力しますんで」……。」

俺だって普通の人間?なんだから死にたくないのは当然だ。むしろいつも消極的である俺が自らの意見を主張したことを褒めて欲しいくらいだぜ。

 

ノエル「…………そ、それで、どうするんですの?」

おいチェルクェッティ、なんだその『なんかかわいそうで見苦しい姿を見てしまった』という表情は。やめてください、俺の豆腐以下の防御力じゃ精神的ダメージがでかすぎるんです。治癒力だけはプラナリア並だけどね!

 

 

カロン「……ちっ、今回だけだぞ!」

 

カロン「本当はお前がバロウズへの復讐を決めないかぎり私がお前をこれ以上助けてやる理由などないが……」

 

カロン「今死なれると困る。特別に市長官邸に忍び込む手助けをしてやる……!」

 

 

 

ーーかくして、少女と悪魔とついでに俺の、復讐劇が始まろうとしていた。

 

 

 

 

                              ーEpisode 7 Endー

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