模型戦士GPフレンズ ちょっと変わった、僕らのトモダチ   作:来迎 秋良

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今回は戦闘シーンくらいで、あまり長くはないです。
ですが今回変形機構アリの戦闘を意識してみました。
上手く描写できているといいのですが。


03 光と影

次皿とバトルをした翌日。僕は耳元に感じるくすぐったい感触で眼を覚ました。

何かと思ってそっちに顔を向けると、目の前にはツバサの顔があった。

 

(……え?)

 

その瞬間に昨日、同じベッドで寝たことを思い出したけど、なぜか動けない。

首を動かして体を見てみると、しっかりとツバサに抱きしめられていた。

 

(えええええ?)

 

動けなかった僕はどうにか右手をツバサのホールドから解放し彼女の頬をつつく。

 

「いい加減起きろー。僕が動けないじゃないか」

「ん、にゅ。睦月さぁん? ……うぁ!?」

眼を覚ましたツバサが現状に気付き慌てて飛び起き、後ろを向く。

僕は起き上がって彼女に声をかける。

 

「あー、うん。おはよう?」

「は、はい。おはようございます睦月さん……」

彼女が抱きついていたのはどうやら無意識らしく、耳まで真っ赤になっていた。

 

「えーっと、それじゃ準備しようか。まずはこのパーツとコレを……」

僕が全パーツを確保する間に彼女は洗面所で身だしなみを整えてくる。

 

「……よし、準備完了。ツバサ、キミはどう?」

「私も準備できました! 睦月さん、行きましょう!」

「善は急げ、って言うからね。てなわけで母さん、行ってきます!」

「うむ! 二人とも、今度は負けるなよ!」

「「はいっ!」」

僕とツバサは母さんに言って家を飛び出す。

 

目的地は町外れの廃工場。アイツ……次皿が指定してきたのはそこだった。

 

 

「お~? お前あんときのAGE-2のマスターかぁ!? 本当に来たんだな!

 いっやぁ、ま~たパーツくれるなんてありがとうなァ!」

中に入った僕らを見て口が裂けたような笑みを見せる次皿。

どこからか現れたGサイフォスフルウェポン、通称『サイ』が彼をかばう。

 

「マスター、お離れ下さい。後は私が」

「お、サイ。 お前やる気だな。ま、ちゃちゃっとヒネってやってくれ」

次皿の物言いに流石に僕もツバサも頭にきた。

 

「「ツバサ(私)は負けない!」」

ツバサはビームサーベルを、相手はヒートソードを展開してにらみ合い、

サイが上空にバンディッツのマークを展開してバンディッツマスターを呼ぶ。

 

「このバトルは、我・バンディッツマスターが統括する。

 敗者は強者へと代償を渡すべし、それがこのバトルのルール。

 されば……ただ戦え。バンディッツバトル、開始である!」

バンディッツマスターが振り下ろした剣が鈍い音を響かせ、

その音を合図にツバサとGサイフォスは剣を打ち合わせる。

 

 

「今度こそ勝ちます!」

「今回は本気か、AGE-2のお嬢さん!」

二撃、三撃と剣を交わし、とうとう両手でビームサーベルをブチ当て

その反動で距離をとった勢いのままコンクリートの柱の影に隠れる。

 

「そんな物じゃ、隠れた事にならないぞ!」

その声と共にサイは柱をドッズバスターで打ち抜くが、そこにツバサは居ない。

怪訝な顔で辺りを見た彼だが、何かに気付き後ろに跳び退る。

直後、上から銃弾の雨が降り注ぎ、そちらを彼が見たとき、

『天井に立った』ツバサがブレードボウ・ガトリングモードを構えていた。

 

「外した!」

「慌てるなツバサ! 大丈夫、押し込め!」

「はいっ!」

睦月の声に応え、ツバサは天井を蹴ってダイブ。

サイはさらに後退し、床に叩き込まれたツバサの拳はコンクリートを砕く。

そのまま拳を基点に両足を回し、カポエラの要領で蹴りをサイの腕に叩き込む。

叩き込まれたサイはたまったものではなく弾き飛ばされ、

腕に装備されていたドッズバスターについているクローが壊れる。

 

「やっぱりパチ組み! ツバサ、勢いで押し込むよ!」

「そうはいかないよ、少年!」

サイは背後から特殊な剣『スネークソード』を取り出した。

 

「うっそ、立体化されてない武器じゃっ……!」

「はっは、俺様が自作したんだよ! やっぱこういう武器もほしいからな!」

やたら気合が入ったスネークソードは威力もケタ違い。

ifsユニットの最大出力で回避したツバサが居た場所の足元には大きな裂け目が

走り、後ろにあった柱は真っ二つに切り裂かれていた。

 

「どうだね、マスターから与えられたこの武器は!」

「凄いですね……でも、私だって睦月さんに貰った武器があります!」

ツバサは再びブレードボウを掴みなおし、ブレードモードへと変形させる。

 

「先ほどの武器か。だが、急ごしらえで簡単に相手をできると思わない事だ!」

サイは言い放ちスネークソードの刀身を分解、鞭のように攻撃。

それを横に転がる事で回避すると再び柱の影に隠れる。

 

「だから無駄だと言っている!」

彼は難なく柱を叩き切り、後ろにいるツバサも攻撃しようとする。

しかしそこにツバサはおらず、視界の端を光が走ったのを見てそちらを見るが

そこにも居ない。

 

「こっちです!」

「っ!!」

ツバサは完全にガンダムそっくりの姿『MSモード』へ変身し飛行形態へ変形、

その推力を活かして突撃しドッズライフルの銃口をスネークソードに叩きつける。

 

「ぐ……」

「御免なさい……ドッズライフル!」

そのままゼロ距離からドッズライフルを叩き込み、スネークソードを粉砕。

さらにそのエネルギーで吹き飛ばされたサイに、ブレードボウを持ちなおし、

大きく後ろへまっすぐに引き、それをサイに向け突き出す。

 

「これで、終わらせます!」

ツバサは叫ぶとダメージで動けないサイに向けブレードボウを突き出しつつ突撃。

サイはその攻撃を受け流そうと腕を突き出してくるが、

その腕もろとも、胴体を刺し貫く。

 

「ぐあぁぁぁぁぁっ!」

「サイィィィッ!」

そのままサイはガンプラ状態へ戻り、地面に落ちた彼を次皿が拾い上げる。

 

 

「テメェ、この……!」

「正式にバトルはバトル、僕らの勝ちだから文句は言わせない。

 ……僕らの勝ちだぜ、バンディッツキング!」

「チッ……。勝者、AGE-2『ツバサ』。マスター・睦月、パーツを選択せよ」

バンディッツキングの言葉に、睦月は答える。

 

「この間僕らから奪ったパーツ全て!」

「あっ、くそっ!」

僕の言葉と共に奪われたAGE-2ノーマルの腕とダブルバレットの腕が飛び出し、

僕の手元へと帰ってくる。

 

「やりましたね、睦月さん!」

「ああ! ありがとね、ツバサ!」

僕とツバサはハイタッチし、そのまま次皿を一瞥し入り口へと向かう。

そして出掛けに、僕は次皿の方へ向き直る。

 

「あの……次皿」

「あァ? まだなんか用かよ、負け犬にさァ」

やさぐれている彼は、まるで拗ねた子供のようだった。

よく見ると、彼は年上に見えていたが同世代程度らしい。

 

「……また一緒にバトルしてよ。今度はまともなバトルで。

 Gサイフォスがきみを信用してたのはわかったし、あのソード、凄かった。

 あんな風にパーツ奪われるのは嫌だけど、バトルは楽しいらしいし。

 ね、ツバサ」

「はい。サイさん、ちょっと荒削りな感じがしましたけど、強かったです。

 また、今度は普通に、戦いたいです」

彼女は次皿にお辞儀。これに驚いたのは当の次皿だった。

 

「おいおい、俺はお前らからパーツ奪ったんだぜ!

 それを何だ、また戦ってくれだぁ!? お人よしにもほどがあんだろ!」

慌てる彼を見て僕とツバサは小さく笑いあい、再びお辞儀して廃工場を出る。

その後も何かを言っていたが、聞いていないフリをした。

 

 

廃工場から帰る途中、僕はツバサの『フルスペックモード』について聞く。

 

「それにしてもツバサ、君ってガンダムそのものの姿にもなれたんだね。

 変形もできるなんてビックリしたよ」

「でも、あの姿だと人じゃないみたいだから嫌いなんです。

 やっぱり人みたいに見てもらえるこっちの姿の方が私は好きですねー」

言いつつ久々にのんびりとできる彼女は立ち上がりくるりとその場で一回転。

その動きでスカートがふわりと広がり、彼女の可愛さを引き立てていた。

 

「ん、確かにその格好の方が可愛いよね。僕もこっちの方が好きだよ。

 にしても、これからどうしようか? 君の強化のアイデアでも考えようかな……」

そんな事を話している僕のポケットに入れていた携帯が鳴った。

着信を見ると、相手は麗流。電話に出た途端、彼女は慌てた声を出す。

 

「睦月っ、たたたたっ、大変! 早くウチに来て! はやくーっ!」

彼女の切羽詰った声を聞いた僕と、何かを察したツバサは顔を見合わせ走り出す。

 

そして麗流の家の模型店『サイド7』の上の階、麗流の部屋で、

僕とツバサは驚くような光景を目にした。

 

続く。




麗流「ど、どうしよう睦月、この人!」
??「マスター、俺がいるのはそんなにおかしい事ですか?」
睦月「もしかして、君も……」

新たな人物の登場により、麗流にも相棒が?
彼女の前に現れる新たな人物の、その能力とは!

次回・模型戦士GPフレンズ

第四話『クォーター』

新しい友達だよ、ツバサ!



 睦月「睦月と!」
ツバサ「ツバサの!」
 二人「「Gペディア!」」

 睦月「第二回のこのコーナー、今回は『フルスペックモード』についてです」
ツバサ「フルスペックモードは私たちGPヒューマンがMSの姿になった状態のことで、
    前回の説明にあった『MSモード』のことでもあります」
 睦月「この状態だと変形や人体の構造的限界を無視した可動域が実現できるけど、
    ツバサたちGPヒューマンは人間としてみてもらえないからこの形態は
    苦手らしい。だから変形時とか、限られた時にしかならないね」
ツバサ「はい。だからいつもは人間そっくりの『ヒューマンモード』か、
    その状態でアーマーを装着した『バトルモード』でいます」
 睦月「それとあと一つ『ドールモード』って形態があるけど、
    これは次回以降のおたのしみってことで」

ツバサ「そうですね。それではそろそろ終わりにしませんか、睦月さん」
 睦月「ん、たしかに長々と書いてもアレだしね。
    それでは皆さん、また次回お会いしましょう!」
ツバサ「また次回、ですね」
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