名も無きバケモノ   作:執筆使い

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表と裏の激突

 

『やはり、食い足りない』

 

人間を一人捕食したところで、カレの飢えはちっとも満たされはしなかった。肉片一つ残さず食べてもそれが埋まることはない。

 

 

だからカレは遥か先の遠くを見つめている。そこにいるやつらは自分の飢えを満たしてくれるだろう。そんな淡い期待を胸に女王が載って居るそれを背に前へ一歩歩み出す。

 

 

「グルルル...」

 

 

カレにとって、生まれて初めての心が踊る狩りが始まろうとしていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らは怯えていた。たった一人の生物がやって来てしまったことに対して。だがそれがなんなのか、どういった感情なのかが理解出来なかった。

 

 

「じょう...」

 

 

人に比べて、進化の質は高くとも年が短い彼らに恐怖の具体的理解を求めるのは酷であろう。

故に彼らは動いた...動いてしまった。その恐怖の元を断ちに...

 

 

「「「「じょう!!!」」」」

 

 

数は100匹。質は少し低め。彼らは『別働隊』がいない今、現状最大限の戦力を持ってヤツを殲滅しに来た。

 

 

1000m...

 

 

500m...

 

 

100...

 

 

50...

 

 

10...9...8...7...6

 

 

カレに迫り来るテラフォーマーの群。ただただ無表情に人知を超えたスピードで近づいてきているのがわかる。だが、カレは一歩も動こうとしない。

 

 

5...4...3...2...

 

 

 

 

 

ザシュ

 

 

「じょ...う?」

 

 

態々食事を待つ馬鹿はいねぇ。とでも言わんばかりにカレは瞬時に一匹の首を刈り取った。そして頭をすぐさま口に頬張り戦闘を続行する。

 

 

ザンッ

 

 

足りない

 

 

ザシュ

 

 

まだ足りない

 

 

グチュ

 

 

もっと俺の飢えを満せ...

 

 

グジュ

 

 

「グルォォォォォォ!!!」

 

 

カレは雄叫びをあげながら、ゴキブリの群れを縦横無尽に駆け巡るのだった。

 

 

 

 

 

 

Side ???

 

「いいぞ、00...嫌、アンノウンよ!!」

 

我々の一族はとうとうカレらの力をこの手にすることが出来た。私のご先祖がカレに出会ったのは2004年11月6日に南極を調査した時だとされている。その時に訪れたご先祖...チャールズ・ビショップ・ウェイランドは死んでしまったけど、その調査は我々一族に多くのものをもたらした。ヤツらの技術とその力の情報を...

 

 

すぐさま一族はあらゆる人脈を使いヤツらに関する情報を調べ上げて...とうとう発見したのだ!!

 

「偉大なる我が先祖よ...貴方達が追い求めていたものはあらゆる生物を凌駕する最強として、今この時代に君臨しています」

 

アネックス計画?Eウイルス?ラハブ?進化したゴキブリ?そんなものなど我が一族が作り上げた最強の遺産の前では霞んで見える。

 

『随分と愉悦に浸っているようだな...ウェイランド』

 

「...小言か?グスタフ」

 

『貴様が計画に干渉している事はわかっているのだぞ』

 

「ほぅ...随分とコズミックの連中が煩かった訳だ。お陰で人型アンドロイドが大量に壊れてしまった」

 

『...わからんな。その神をも否定する貴様の態度』

 

「貴方こそ...人を神に祭り上げて、気が遠くなる程長い間無駄な行為をしているということが私には理解できない」

 

『若造にわかってもらえるなんざ、ハナっから期待はしてない』

 

やはり邪魔だな。ニュートンの一族。数百年も前から我々の一族と馬が合わなかった。時には小競り合いなどをした事もあったと言われてる。

 

「...ッククククク...ハッハハハハ!!!」

 

『何がおかしい?』

 

「既に三体目を火星に送った。奴は00と01とは違い私の命令を忠実に聞く傀儡でな...貴方がいう人類の到達点とやら...果たしてどうなるか楽しみでつい笑ってしまった」

 

『ほぅ...まるでその三体目がジョセフ以上の様な口ぶりだな...』

 

「ええ。奴は総合的な戦闘力では00と互角以上ですから」

 

『人間を...我々の計画を甘く見るなよ』

 

「貴方こそ、最高傑作を甘く見ないで貰いたい」

 

 

そろそろアネックス計画も中盤へ入り出しただろう。じきに02が全てを殺し尽くし、我々の計画に邪魔なラハブをも潰してくれるだろう。所詮00と01は駒に過ぎない。ウェイランドの力を見せるための捨て駒にな...!

 

 

「ハッハハハハ...アッハハッハッハハ!!!」

 

 

 

To be continued...

 

 

 

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