別働隊がカレと交戦している頃、本隊はあるものを追うために走っていた。プレデターが追うものには優先順位が存在する
1つ 武器を持っている者
2つ 1人でいる者
3つ 怪我をしてる者
そして4つ 女
今回該当したのはあとの二つ、なのかもしれない...ともかく彼らは追っていた。前方に位置する車めがけて時速300kmのその速度で追いかけていた。
「はは...参ったな...これじゃあ治せない...」
足と腕を切断されて彼らの進路に放り出された男...爆到嵐はそう呟き絶望に浸る。無理もない、増やした命とて生に対する執着は存在する。さながら嵐が吹き荒れる海に放り出された子供の様な心境であろうか。助かる術など無かった。
「「「「じょうじ」」」」
人が死ぬ間際にすることは大体決まっている。目を瞑り、その場でうずくまることだ。彼もその通りに行動し、いつ来るかわからない死におびえる。
そして、一際大きな轟音が大気の少ないこの惑星に鳴り響く。
理由は二つ
彼の目の前に丸型の乗り物が現れたことにより、彼らが少しばかり驚いていたこと。
そして、そこから出てきたものに彼らが警戒していたことだった。
「...?」
思わず頭に疑問符を浮かべる爆。見た所目の前の...恐らく背格好からして男性だろうか、兎も角目の前の彼は一言で表せば『異様』であった
「着陸、失敗。目標、既に100m先。テラフォーマー、数百体、それと第50位」
周囲の事実を淡々と述べている彼はまるで生き物とは思えないほど無機質で、増やされた自分が言うのも難だが
『まるで造り者そのものだ』
そう一人内心で思う。ともかく目の前の人物が何者か知らなず、手負いの状態である今は刺激しないでおこうと彼は息を少しばかりひそめる。
「じょうじ」
一匹がソイツに襲いかかる。本来だったら視認すらできない速度。しかし、彼は一切変態などせず目線を合わせる。
「標的接近に伴う障害、排除」
白い腕。手術を受けた爆がかろうじて見えたのはそれだけだった。何故なら、ソイツにとっての障害はゴキブリだけでなく
「50位、そしてテラフォーマー一匹。抹殺完了」
人間も含まれていたから。
三体目。彼らは本能ですぐさま現在の状況を理解した。
「障害、残り258体」
しかしながら彼らは怯むことなく、下がることなく襲いかかる。何故ならこちらには
ピッ
圧縮されて放たれる水鉄砲がそんな音を出しながらソイツの五体を貫通する。それは何発も命中して、仰け反ってしまうほどであった。
「「「「じょうじ」」」」
勝利を確信する、だが油断はしない。無数の穴から血を出しているソイツめがけてとどめを刺すべく数体が襲いかかる。
「損傷、だが、問題なし」
白く染まった全身。それが彼らの最期の光景となった。
「少しばかり強い個体、水、テッポウウオと見られる」
そこにいたのはバケモノだった。だが、前二体と比べるとあまりに異質。
体表は白く、まるで人間の如く二足で直立不動をしている。前の二体も二足歩行であるが、こちらの方がより人間らしい立ち姿だ。
尻尾は存在せず、第二の口も存在せず、眼球の様なものが二つほど存在している。
「勝率、90%」
彼らは、まるで自分たちが最も嫌う種族...人間に近い姿をしたソイツをみて今までとは違う何かを感じていた。
「グォォォォォォォォォ!!!!!」
「「「じょうじ!!!」」」
しかし、ソイツの雄叫びを聞いてすぐさま我に返り数の利を最大限に生かした攻め方をもって目の前の脅威を排除しようと襲いかかる。
「グルルルルル!!」
それが無駄だという事を彼らは知ることもなかった。
最も優れている生き物と言われて、多くの人は人間と答える。だから作ったのだった。より人間らしく、従順でいて、残忍な三体目を。それは同時にGの一族に対する最大の皮肉でもあった。
『これが、お前らが何百年もかけてきたもの...いやそれ以上の人だ』
と。だがそれと引き換えにソイツにはあるものが足りていなかった。
人であればだれもが持つもの
「全滅、戦闘時間、10分」
それが無い為にどこまでも無機質で、造られたものであったのだ。
三体目という生物は。
To be continued...