悠久雨模様 〜 What a lovely day 作:くれなゐ
空は暗くなり、外は静まり返っている。
それとは正反対に、ある酒場では明るく騒がしい二人が酒を呑みながらが愚痴を語り合っていた。
因みに私、宇佐見蓮子と浅間伊佐美の事だ。
「ぷはぁー、やっぱいいわぁ」
「……まだ呑むんですか?」
「当たり前じゃない、ウワバミと恐れられるこの伊佐美さんを舐めんじゃないわよー」
良い人なんだけど……酔うと少し面倒だ……
まぁ今回は私から誘ったので文句は言えないのだが。そうそう、今日はメリーを誘っていない。理由はメリーが伊佐美さんの犠牲者になってしまうからだ。
「……You drink too much. 脱水状態になりますよ?」
「そんなこと気にしてたら楽しく呑めないじゃない。さぁ蓮子ちゃんもまだまだ呑まないと」
この人、いつかは酒に釣られて黒豆に封印されるのではないのだろうか?
「私は少しずつ呑むので。それより聞いて下さいよ伊佐美さん――」
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不老不死の薬。
その研究が実際に進んでいる事を知っているだろうか?細胞分裂が止まるという事は死を意味している。
そして、その細胞分裂の低下を防ぐ、さらには上げる薬が研究により進んできているのだ。
ただ、それだけではまだ1歩ですらない。
そう思うと不老不死の実現には程遠い。
問題はまだまだ残っている、だがそれでも確実に夢は現実へと変わっていっているのだ。
っと、ここまで言っておいて何だが……
私が考えていた不老不死と、リアルで進められている不老不死は少し違う。
何処が違うか、それは生死の定義についてだ。
今研究中の不老不死の場合、所詮は生きる人間。
トラックに轢かれば死ぬし、鉄骨が刺さっても死ぬ。
「――飲む事によって、老いる事も死ぬ事もできなくなり、生死といった概念が無くなる。そんな不老不死の薬がもしも手に入ったなら使いますか?」
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「不老不死の薬があったら? 使うに決まってるじゃない。ようするに無限の時間が手に入るんでしょ? 世界中を飛び回って様々な酒を呑むわ」
「流石は伊佐美さん、ブレませんね。でも無限の時間という訳ではありませんよ。地球や宇宙にだって寿命はあります。まぁ私達からしたら限りなく無限に等しい時ですが」
「よく分かんないけど、私は酒が呑めたらいいのよ」
改めてこの人が常人ではないと理解した。
普通はもっと深く考えるのだろうけど……
多分この答えは酔っているからではないだろう。例え平常時でもそう答えたのだと思う。
「さぁ蓮子ちゃんには愚痴とか酒とか沢山聞かせてあげないと。勿論、あの子の分までね。えぇと、マエダベリーちゃん」
「マエリベリー」
「そうそう、マエルベリーちゃんの分まで聞いてもらうわよ」
おしい、ちょっと違う。
というかメリーでいい気がする。
私だって時々、忘れるし。