タイトルが自分への戒めみたいになっている件。
「はぁ……はぁ……なんとか逃げ切れたか?」
杏子と静香ののデュエルは終わったのだが、杏子の出したカードが少々まずかった。なにせこの世界ではほとんど流通していないレアカードであるブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガールが同時に現れたのだ。特に後者は熱狂的なファンが存在するほどのモンスターである。事実、デュエル終了後に囲まれた杏子には『いくらでなら譲ってくれるか』という話もあったほどだ。
このままでは埒があかないうえ、ナンパ(静香と杏子に限る)を始めたりしたので昴を含めた全員がこの集団から逃走することを余儀なくされたのだった。
「うん、追ってくる人はいないからたぶん大丈夫だろう」
「はぁ……疲れた……」
「そうですね……」
全力で逃げてきたためか皆息が上がっていた。特に静香は運動慣れしていないのか一番しんどそうにしている。
「杏子は思ったほど息が上がってねぇみたいだけど」
「ダンスも結構体力使うのよ? アメリカの学校の授業って日本である程度トレーニングはしてたけどそれでもきついぐらいだったんだから体力ぐらい付くわよ」
(本当にアメリカに留学してたのか……夢に向かって邁進してるって感じだな)
原作終了後の動向は昴も知る由もなかったので一介の原作ファンとして感慨深いものを感じていた。
「さて、それはそうとしてだ。杏子、あのブラック・マジシャンとブラック・マジシャンガールはどこで手に入れたんだ?」
「海馬君の
全員の息が落ち着いてきたので城ノ内がこの場の当事者以外が気になっている質問を杏子にぶつけた。
「ああ、あのカードは元々はサンプルカードだったの」
「サンプルカード? 遊戯さんが使っている絵柄じゃだめだったんですか?」
「確かに遊戯君の持ってるカードの絵柄以外のをわざわざ作る理由は僕にもよくわからないな」
昴が一番に質問をぶつけた。昴としてはこの絵違いができた経緯がよくわからなかったのでかなり興味を示していた。御伽もそこに疑問を感じたようだ。
「ダンスの実習を遊戯にも見に来てもらった後ペガサスに遊戯が呼ばれたからついて行ったときにもらったの。大会の賞品にするためにブラック・マジシャンとブラック・マジシャンガールのカードを新たに作ろうしたら海馬君が反対したらしくて……」
「なんで海馬が反対するんだよ!」
「なんでも『あのブラック・マジシャンは遊戯が使ってこそ価値のあるものだ。キング・オブ・デュエリストの名を汚すのは俺が許さん!』とか言ったみたいで……」
「海馬君らしいね……」
(まぁ社長はある意味でツンデレだからな……)
ブラック・マジシャンの絵柄に関する海馬の主張に対して昴はそんな感想を抱いた。デュエリストと認められればある程度は擁護するのが海馬なのだ。(ただし認めてはいても最強は自分であるというところは揺るがないのだが)
「そんなことがあったからだと思うけどペガサスは新しく作った絵柄を遊戯に見てもらおうと思ったみたいで」
「なるほど……それで遊戯君が呼ばれたってわけか」
「うん。絵柄に関しては特に問題なかったみたいでペガサスが記念にって遊戯にブラック・マジシャンとブラック・マジシャンガールを渡したんだけど、遊戯はデッキに一枚しか入れなかったから同席してたあたしにくれたってわけ」
「そうだったのか……」
その時もらったのはブラック・マジシャンだけだったがペガサスの好意で(なんでも師匠と弟子がそろっていないと意味がないとか)ブラック・マジシャンガールも手に入れていた。余談だがその時杏子の脳裏には某エロペンギンの言葉がよぎったそうだ。
さて、ブラック・マジシャンについての話が終わった。ということでデュエルの反省会が始まった。なお、ダメージステップの説明については昴がもう一度解説を加えているが、静香や杏子などはともかく城ノ内が非常によくわかっていなかったので説明が長引いたりもした(なお、その間に当人たちはなんとか理解はできた模様)
「デュエルを見返してみると静香さんのデッキには全体的にアタッカーが不足しているというのがあると思います。デッキのモンスターを見る限りイマイチ統一感が薄いのも欠点でしょうね。対照的に杏子さんのデッキは魔法使いでほぼ統一されていますが、中盤息切れしている感じがしました。それは構築次第ってところでしょうか」
最後にデュエルの総評としての昴の個人的な意見を述べた。正直静香のデッキは何で回ったのか理解できないところではあるが身近にそういう例がいるので突っ込むのをやめた。
「なるほど……あんまり怖くないカードを選んでデッキを組んだのですけど……」
「怖くないっていう意味のカテゴリなら天使族あたりを中心に組んでみるのもいいかもしれないですね。中心カードがジャンヌである以上。あ、そういえば……」
昴は自身のカードが入っているケースの中から一枚のカードを取り出し、静香に見せた。
「昨日のパックに入っていたものです。必要なら譲りますけど……どうでしょう?」
「守護天使 ジャンヌ……でも……いいんですか?」
「同じカードは持っているので。これにはライフ回復の効果もありますし融合モンスターでは出しづらいでしょうから」
「わかりました。ありがたく使わせてもらいます」
静香は守護天使 ジャンヌを大事そうに自身のデッキケースへとしまった。
「よーし静香ちゃん! 今度は俺とデュエルだ!」
「ごめんなさい本田さん。デッキを少し組みなおしたいのでデュエルはまた今度でいいですか?」
「え……? あ、ああ! デュエルできるなら俺はいつでもいいぜ!」
「静香ちゃん、できれば僕ともデュエルしてほしんだけど……」
「お前らいい加減にしろ!」
このときのシスコン城ノ内の叫び声は四方数百メートルほどに響き渡ったというがそれが城ノ内のものとは運よくわからなかったようである。
○
「ということがあったんですよ」
「へぇ……伝説の一角と戦えるなんて運がいいわね~」
「ま、結局負けましたけどね」
昴の暮らすマンションの管理人室で昴はとある女性と歓談しつつデュエルモンスターズをしていた。二人とも椅子に座って机を挟んで向かいあっておりデュエルディスクは使用していない。
「これで終わり。ダイレクトアタック」
「……また負けた。大家さん本当に強い」
この女性、このマンションの大家で、天涯孤独である昴を気にしてか、春休みの間時々こうやって昴とデュエルをしている。が、今のところ昴の勝率は二割ほどではっきり言ってほとんど歯が立っていない。
「きれいな顔してエグイ手使いますね……」
「全力で勝ちを狙いに行かないと相手にも失礼よ。手を抜かれてうれしいと思う人はいないでしょ?」
「……まぁ、そうですけど」
ちなみにこの大家、年齢がよくわかっていない。大したことでもないので昴も気にしないことにしているようだ。
「さて、私は見回りに行ってくるけど、七海君はまだここにいる?」
「いえ、もう夕方ですし帰って夕食を」
「……スーパーとかコンビニの総菜だけで済ませちゃダメよ? バランス崩すから」
「家にいるときは料理はするようにしてるので」
昴はデッキを片づけながら、大家さんは机に置いてあったカップを洗いながら会話をする。すると大家さんがキッチンの窓から見える駐車場に違和感を感じた。
「あら? なんだか見たことのない車があるわね?」
「車を変えたのでは?」
「いいえ、あの場所に止めてるのは207号室の木元さん。あの人ドイツ車好きなのにあの車は日本の車。たぶん勝手に止めたんでしょうね。ちょっと行ってくるわ」
(大家さん怒らせると怖いからな……大丈夫か?)
実は昴も転生初日、デュエルディスクをはじめてつかったときに興奮しすぎて周りの住民に迷惑をかけて大家さんにきつくお灸も据えられている。
「七海君! ディスク二つ持ってこっちに来て!」
片付けがひと段落し部屋に戻ろうかとしたタイミングで大家さんの叫び声が聞こえてきた。声に少々狼狽が入っているようにも聞こえる。
急いで昴がディスクを持って表に出ると……昴にとってはある意味なじみのあるコートを背負った二人組と大家さんが対峙していた。
「七海君! あそこの廃ビルに行って! 女の子が誘拐されているみたいなの!」
「誘拐!?」
「ここは私が食い止めるから。急いで!」
「は、はい!」
見ると一人の女の子がフードをかぶった男のうちの一人に抱えられて走って行くのが見える。昴がデュエルディスクを一つ大家さんに渡すと、自身は少し向こうにある廃ビルに向けて走り出した。
行かせまいと邪魔をしようとするが、その道を大家さんが塞いだ。
「あなたたちの相手は私よ。二人まとめてかかってきなさい!」
「この女! ふざけやがって!」
「俺達新生グールズに楯ついたこと、後悔させてやる!」
(グールズ? 確かバトルシティの時に暗躍していた組織で今は壊滅したって聞いたけど……ま、早く倒して聞き出すしかなさそうね)
フードをかぶった男二人組がデュエルディスクを構える間、大家さんはかつてのバトルシティの際に友人の警察関係者から聞いた話を思い出していた。
「「「デュエル!」」」
○
「私の先攻、ドロー!」
人数差がある場合は少ないほうが先行となるルールなので先攻になっている。なお、ライフポイントはすべてのプレイヤーが4000となっている。
(ルール上最初のターンは攻撃できない。早めに布陣を整えておきたいところね)
「私は手札の黄金の天道虫を見せて効果を発動! ライフを500回復するわ」
黄金の天道虫 効果モンスター
星1/光属性/昆虫族/攻 0/守 0
1ターンに1度、自分のスタンバイフェイズ時に、手札のこのカードを相手に見せて発動できる。自分は500ライフポイント回復する。この効果を使用した場合、エンドフェイズ時まで手札のこのカードを公開する。
大家さん LP4000→4500
「モンスターを裏守備表示でセット。カードを2枚伏せてターン終了よ」
TURN1
大家さん 手札3枚 lP4500
場 伏せ1体、伏せ2枚
グールズの手下1 手札5枚 LP4000
場 なし
グールズの手下2 手札5枚 LP4000
場 なし
「俺のターンだ! 俺はゴブリン突撃部隊を召喚!」
ゴブリン突撃部隊 効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻2300/守 0
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、次の自分のターンのエンドフェイズ時まで表示形式を変更できない。
「そして装備魔法、デーモンの斧を発動だ!」
デーモンの斧 装備魔法
装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、自分フィールド上に存在するモンスター1体を生け贄にする事でこのカードをデッキの一番上に戻す。
ゴブリン突撃部隊 ATK2300→3300
「俺は……」
「ちょっと待って。リバース罠オープン! マインドクラッシュ!」
マインドクラッシュ 通常罠
カード名を1つ宣言して発動する。宣言したカードが相手の手札にある場合、相手はそのカードを全て墓地へ捨てる。宣言したカードが相手の手札に無い場合、自分は手札をランダムに1枚捨てる。
「スキルドレインを宣言するわ。手札に持っているのなら墓地に捨てて?」
「くそっ……せこい手使いやがって!」
手下は手札にあったスキルドレインを捨てながら大家さんのカードを批判する。ピーピングと呼ばれるこういったデッキはこの世界ではあまり好まれてはいないようだ。
手下1の手札
ダーク・ヒーロー・ゾンバイア
スキルドレイン
デビルドーザー
地雷蜘蛛
「せこい? 女の子を誘拐しているようなあなたたちに言われたくはないわ」
「ちっ……俺はこれでターンエンドだ」
「俺のターン! 俺は暗黒界の斥候 スカーを守備表示で召喚、カードを1枚伏せてターンエンドだ」
TURN3
大家さん 手札3枚 lP4500
場 伏せ1体、伏せ1枚
グールズの手下1 手札3枚 LP4000
場 ゴブリン突撃部隊(攻)、デーモンの斧(ゴブリン突撃部隊)
グールズの手下2 手札4枚 LP4000
場 暗黒界の斥候 スカー(守)、伏せ1枚
「私のターン! 黄金の天道虫の効果でライフを500回復するわ」
大家さん LP4500→5000
「まずは反転召喚、リチュア・エリアル!」
リチュア・エリアル 効果モンスター
星4/水属性/魔法使い族/攻1000/守1800
リバース:デッキから「リチュア」と名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる。
「リチュア・エリアルの効果で私はデッキからリチュア・ディバイナーを手札に加えるわ。そして永続魔法、天変地異を発動!」
天変地異 永続魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、お互いのプレイヤーはデッキを裏返しにしてデュエルを進行する。
「さぁ、デッキを裏返してもらおうかしら?」
「なんなんだこいつ! 変なカード使いやがって!」
「大口叩くだけのバカなのか?」
各プレイヤーのデッキトップ
大家さん ヴィジョン・リチュア
手下1 禁じられた聖杯
手下2 暗黒界の狂王 ブロン
手下1が思わず声を上げたのをみて手下2もあおるように発言をする。
「このデッキの本領はこれから。永続魔法、デーモンの宣告を発動よ」
デーモンの宣告 永続魔法
1ターンに1度だけ、500ライフポイントを払いカード名を宣言する事ができる。その場合、自分のデッキの一番上のカードをめくり、宣言したカードだった場合手札に加える。違った場合はめくったカードを墓地へ送る。
「ライフを500支払って効果を発動。ヴィジョン・リチュアを宣言。当然デッキの一番上にあるので手札に加えるわ」
「そんなのありかよ……」
大家さん LP5000→4500
「私はリチュア・ディバイナーを攻撃表示で召喚」
リチュア・ディバイナー 効果モンスター
星3/水属性/海竜族/攻1200/守 800
1ターンに1度、カード名を1つ宣言して発動する事ができる。デッキの一番上のカードをめくり、それが宣言したカードだった場合手札に加える。違った場合、自分のデッキの一番上に戻す。
「リチュア・ディバイナーの効果。イビリチュア・ジールギガスを宣言。宣言通りなので手札に加えるわ」
「1ターンにドロー3枚だと! インチキ効果もいい加減にしろ!」
昴が聞いていれば何かしらの反応があったのだろうがあいにく彼は今いない。ちなみにこれは正確にはドローではなくめくって確認し、手札に加えるというものである。
「はぁ……今の若い子は怒りっぽくって困るわね……。手札から儀式魔法、リチュアの儀水鏡を発動。ヴィジョン・リチュアを生け贄にイビリチュア・ジールギガスを降臨させるわ」
ヴィジョン・リチュア 効果モンスター
星2/水属性/海竜族/攻 700/守 500
水属性の儀式モンスターを特殊召喚する場合、このカード1枚で儀式召喚のための生け贄として使用できる。また、手札からこのカードを捨てて発動できる。デッキから「リチュア」と名のついた儀式モンスター1体を手札に加える。
イビリチュア・ジールギガス 儀式・効果モンスター
星10/水属性/水族/攻3200/守 0
「リチュア」と名のついた儀式魔法カードにより降臨。1ターンに1度、1000ライフポイントを払って発動できる。デッキからカードを1枚ドローし、お互いに確認する。確認したカードが「リチュア」と名のついたモンスターだった場合、フィールド上のカード1枚を選んで持ち主のデッキに戻す。
「なっ!? なんでレベル2のモンスターからレベル10のモンスターが!?」
「ヴィジョン・リチュアは1体で水属性儀式召喚の生け贄に使うことができるわ。だからレベル10でも問題なく出すことができるの。さて、ジールギガスの効果で1000ポイントのライフを払ってカードを1枚引く。引いたカードはリチュア・アビス。モンスターカードよ」
大家さん LP4500→3500
デッキトップ リチュア・ビースト
事実に基づいてデュエルを進めていく大家さんに対して二人はもう唖然とするしかなかった。ビートダウンが主流のこの世界でこんなデッキを使う存在と出会うことがなかったのは不幸といえるのかもしれない。
「ジールギガスの効果によってあなたのフィールドのゴブリン突撃部隊をデッキに戻すわ」
大家さんが手下1のほうを指さすとゴブリン達はデッキに撤収していき、デーモンの斧は使用者をなくし砕け散った。
「あ……ああ……」
手下1のフィールドにモンスターはなく、手札もすべて知られている。そしてフィールドのモンスターの攻撃力の合計は4000をはるかに超えていた。
「バトル、イビリチュア・ジールギガスとリチュア・ディバイナーでダイレクトアタック!」
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
手下1 LP4000→800→-400
ライフが0を刻んだ後、手下1の指先あたりが光ったかと思うと倒れてピクリとも動かなくなった。同時に発光もしなくなっている。
「わ、ワンターンキルだと!?」
「さて、あとはあなただけね。もうなくなったはずの組織がなんであるか聞きたいところなんだけど……答えてはくれないわよね?」
「当たり前だ!」
手下の一人を一ターンで満タンからゼロに持っていったことにもう一人の手下は驚いているが正直不気味にも感じていた。
「リチュア・エリアルでスカーを攻撃!」
大家さんはデュエルを再開し、残りのモンスターへの攻撃を宣言する。
リチュア・エリアル ATK1000
VS
暗黒界の斥候 スカー DEF500
「暗黒界の斥候 スカーの効果発動!」
暗黒界の斥候 スカー 効果モンスター
星2/闇属性/悪魔族/攻 500/守 500
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキからレベル4以下の「暗黒界」と名のついたモンスター1体を手札に加える。
「デッキから暗黒界の術師 スノウを手札に加える!」
「ずいぶん粘るわね……私はこれでターンを終了するわ」
TURN4
大家さん 手札2枚 lP3500
場 イビリチュア・ジールギガス(攻)、リチュア・ディバイナー(攻)、リチュア・エリアル(攻)、
天変地異、デーモンの宣告、伏せ1枚
グールズの手下2 手札5枚 LP4000
場 伏せ1枚
(スカーの効果でサーチをしたせいでデッキの一番上が変わってしまった……しかもよりによってサイクロン。運がないわね……)
「俺のターン! サイクロンを発動! 天変地異を破壊する!」
「もう少し持つと思ったんだけど……」
「カードを2枚場に伏せ手札抹殺を発動! 互いのプレイヤーは手札をすべて捨て、その枚数分ドローする!」
大家さんの捨てた手札
黄金の天道虫
リチュア・アビス
手下2が捨てた手札
暗黒界の術師 スノウ
暗黒界の軍神 シルバ
「墓地に捨てられたスノウとシルバの効果を発動!」
暗黒界の術師 スノウ 効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1700/守 0
このカードがカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、自分のデッキから「暗黒界」と名のついたカード1枚を手札に加える。相手のカードの効果によって捨てられた場合、さらに相手の墓地に存在するモンスター1体を選択し、自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する事ができる。
暗黒界の軍神 シルバ 効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻2300/守1400
このカードがカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、
このカードを墓地から特殊召喚する。
相手のカードの効果によって捨てられた場合、
さらに相手は手札を2枚選択して好きな順番でデッキの下に戻す。
「シルバの効果により自身を特殊召喚! スノウの効果によりデッキから暗黒界の取引を手札に加える! そして手札に加えた暗黒界の取引を発動!」
暗黒界の取引 通常魔法
お互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。
大家さんが捨てたカード
ADチェンジャー
手下が捨てたカード
暗黒界の武神 ゴルド
「ゴルドの効果を発動! 効果で捨てられた時このカードを特殊召喚する!」
暗黒界の武神 ゴルド 効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻2300/守1400
このカードがカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、このカードを墓地から特殊召喚する。
相手のカードの効果によって捨てられた場合、さらに相手フィールド上に存在するカードを2枚まで選択して破壊する事ができる。
「さらに永続魔法、一族の結束を発動! 墓地のモンスターの種族が1種類の時、800ポイント攻撃力アップだ!」
暗黒界の軍神 シルバ ATK2300→3100
暗黒界の武神 ゴルド ATK2300→3100
「これはまた大きいのをならべたものね。でも、ジールギガスの攻撃力には及ばないようね」
「自分のフィールドをよく見るんだな。あんたのフィールドには低攻撃力のモンスターが2体もいる。ジールギガスをわざわざ倒す必要なんてねぇんだよ! バトルだ! 行けゴルド、シルバ! あの雑魚モンスターたちを始末しろ!」
金の銀の悪魔が攻撃をしようと動きだした瞬間、大家さんのフィールドに動きがあった。ジールギガスが2体のモンスターの前に壁となって立ちふさがったのだ。
「私はあなたの攻撃宣言時に罠カード、立ちはだかる強敵を発動させてもらったわ」
立ちはだかる強敵 通常罠
相手の攻撃宣言時に発動する事ができる。自分フィールド上の表側表示モンスター1体を選択する。発動ターン相手は選択したモンスターしか攻撃対象にできず、全ての表側攻撃表示モンスターで選択したモンスターを攻撃しなければならない。
「これによってゴルドとシルバの攻撃はジールギガスへの攻撃に変更されるわ。さぁ、いらっしゃい……」
ジールギガスが吠え、風が2体を吸い寄せるような状態になっている。ゴルドとシルバも抗うが、吸い寄せられたところでジールギガスが薙ぎ払い、2体は爆散した
手下2 LP4000→3800
「壁を壊さずにすり抜けようなんて考えはダメよ。壊すならどうやっても構わないけどね」
「くっ……一時休戦を発動。これでターンエンドだ」
一時休戦 通常魔法
お互いに自分のデッキからカードを1枚ドローする。次の相手ターン終了時まで、お互いが受ける全てのダメージは0になる。
TURN5
大家さん 手札3枚 lP3500
場 イビリチュア・ジールギガス(攻)、リチュア・ディバイナー(攻)、リチュア・エリアル(攻)、
デーモンの宣告
グールズの手下2 手札1枚 LP3800
場 一族の結束、伏せ3枚
「私のターンね。2枚目の天変地異を発動。またデッキを裏返してもらうわ」
「くそっ……」
「イビリチュア・ジールギガスの効果を発動。1000ポイントライフを払ってカードを1枚引くわ」
「させねぇ! リバースカードオープン! 速攻魔法、エフェクト・シャット!」
エフェクト・シャット 速攻魔法 (アニメオリジナル)
モンスターの効果を相手が発動した時に発動可能。その効果を無効にし、そのモンスターを破壊する。
大家さん LP3500→2500
「あら……やればできるじゃないの」
「それはどうも!」
「でもダメね。いいところまで行っているのに、結局はグールズに身を落として」
「うるせぇ! 早く続けろ!」
そう叫ぶ手下2の声は核心を突かれた動揺を隠すための物のようにも見えた。
「デーモンの宣告の効果を発動。シャドウ・リチュアを宣言。宣言したカードだから手札に加えるわ。続けてリチュア・ディバイナーの効果も発動。至高の木の実を宣言。これも宣言したカードだから手札に加えるわね。手札に加えた至高の木の実を発動。この効果で2000ポイントライフを回復するわ」
大家さん LP2500→2000→4000
「ライフが元に戻っちまった……」
「まだ行くわよ。墓地のリチュアの儀水鏡の効果を発動。このカードをデッキに戻して墓地のジールギガスを手札に加えるわ。続けてシャドウ・リチュアの効果発動」
シャドウ・リチュア 効果モンスター
星4/水属性/海竜族/攻1200/守1000
水属性の儀式モンスターを特殊召喚する場合、このカード1枚で儀式召喚のためのリリースとして使用できる。また、手札からこのカードを捨てて発動できる。デッキから「リチュア」と名のついた儀式魔法カード1枚を手札に加える。
「デッキからリチュアの儀水鏡を手札に加えるわ」
「またあのモンスターが出てくんのかよ……」
「残念だけどこのターンは出せそうにないのよね……カードを3枚セット。モンスター2体を守備表示にしてターンを終了するわ」
TURN6
大家さん 手札3枚 lP4000
場 リチュア・ディバイナー(守)、リチュア・エリアル(守)、
天変地異、デーモンの宣告、伏せ3枚
グールズの手下2 手札1枚 LP3800
場 一族の結束、伏せ2枚
「俺のターン! 暗黒界の雷を発動! 手札の暗黒界の狩人 ブラウを捨てて伏せカード1枚を破壊する!」
「あら、ミラーフォースが破壊されてしまったわね……」
「捨てたブラウの効果発動! 捨てられた時カードを1枚ドローする!」
暗黒界の雷 通常魔法
フィールド上に裏側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する。その後、自分の手札を1枚選択して捨てる。
暗黒界の狩人 ブラウ 効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1400/守 800
このカードがカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする。相手のカードの効果によって捨てられた場合、さらにもう1枚ドローする。
「続けて貪欲な壺を発動! ゴルド、シルバ、ブラウ、スカー、スノウの5枚をデッキに戻し、カードを2枚ドロー! さらに暗黒界の取引を発動! カードを1枚引き、その後1枚捨てる! 墓地に捨てた暗黒界の導師 セルリの効果を発動!」
暗黒界の導師 セルリ 効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 100/守 300
このカードがカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、このカードを相手フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。このカードが「暗黒界」と名のついたカードの効果によって特殊召喚に成功した時、相手は手札を1枚選択して捨てる。
「相手フィールド上にこのカードを特殊召喚! その効果によって俺は手札のカードを墓地に捨てる。俺が墓地に捨てるのは暗黒界の魔神 レインだ!」
「……相手のモンスター効果によって捨てられると相手のモンスターか魔法・罠カードをすべて破壊するカードね。私はジールギガスを墓地に送るわ」
暗黒界の魔神 レイン 効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2500/守1800
このカードが相手のカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の全てのモンスターまたは全ての魔法・罠カードを破壊する
「効果によりこのカードを特殊召喚! そして効果発動! あんたのコンボはここで崩させてもらう! 魔法・罠カードをすべて破壊しろ!」
「まだまだね。ブレイクスルー・スキルを発動。レインの効果を無効にするわ」
ブレイクスルー・スキル 通常罠
相手フィールド上の効果モンスター1体を選択して発動できる。選択した相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。また、墓地のこのカードをゲームから除外し、相手フィールド上の効果モンスター1体を選択して発動できる。選択した相手の効果モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できず、自分のターンにのみ発動できる。
「ちっ、メテオ・レインを発動! 守備モンスターを攻撃したときダメージを与える! バトル! レインでリチュア・ディバイナーを攻撃だ!」
「攻撃の無力化よ。バトルフェイズを終了させるわ」
「く……そ……」
手も足も出ないという言葉がパズルのピースのようにしっかりとはまるような光景が広がっている。どんな手を打っても防がれ、かわされる。彼は苛立ちとともに若干の恐怖すら覚えていた。
「俺は……これでターンエンドだ」
TURN7
大家さん 手札3枚 lP4000
場 リチュア・ディバイナー(守)、リチュア・エリアル(守)、
天変地異、デーモンの宣告
グールズの手下2 手札0枚 LP3800
場 一族の結束、伏せ1枚
「私のターン。デーモンの宣告の効果でサルページを宣言し手札へ、リチュア・ディバイナーの効果でメテオ。ストライクを宣言し手札に加えるわ。手札からリチュアの儀水鏡を発動。場のリチュア・エリアル、リチュア・ディバイナー、暗黒界の導師 セルリを生け贄にイビリチュア・ソウルオーガを儀式召喚」
大家さん LP4000→3500
イビリチュア・ソウルオーガ 儀式・効果モンスター
星8/水属性/水族/攻2800/守2800
「リチュア」と名のついた儀式魔法カードにより降臨。1ターンに1度、手札から「リチュア」と名のついたモンスター1体を捨てて発動できる。相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して持ち主のデッキに戻す。
「墓地のリチュアの儀水鏡の効果でジールギガスを手札に戻す。続けてサルページを発動。シャドウ・リチュアとヴィジョン・リチュアを手札に戻して2体の効果を発動。デッキからリチュアの儀水鏡とジールギガスを手札に加えリチュアの儀水鏡を発動。ジールギガスを生け贄としてジールギガスを降臨させるわ」
大家さんのフィールドには大型の儀式モンスターが2体。大きさもさることながら天変地異を使ったドロー加速、必要ないカードが来たならシャッフルすることでデッキトップを変えてくるなどまさに対戦相手である彼には悪夢のような状況だった。セルリが墓地に送られたことによって一族の結束の効果で攻撃力が上がっているのだがそれにすら気付いていない。
「しゃきっとしなさい!」
「!?」
意識が飛んでいた彼は大家さんの一喝によって意識をこちらに戻された。
「あなたの目の前にあるのは大きな壁かもしれない。高くてとても登れないものなのかもしれない。でもね、さっきみたいに取りかかりもせずに他の道を探そうなんて虫がいい話は世の中にはないの」
「…………」
「待っているだけの人に未来はない。それと今日の負けを心に刻んでやり直してきなさい。戻ってこれたら部屋ぐらいは用意して待っててあげるから」
「……はい、ありがとうございます」
そう言って彼はフードを脱ぎ、一礼した。
「ジールギガスの効果を発動。カードをドロー。ドローしたカードはイビリチュア・ガストクラーケ。よってレインをデッキに戻すわ」
大家さん LP3500→2500
「速攻魔法、暗黒界に続く結界通路を発動します墓地のセルリを守備表示で特殊召喚」
「……あがくことも取っ掛かり。いい変化ね。手札からメテオ・ストライクをジールギガスに装備。これにより守備モンスターに貫通ダメージを与えるわ。バトル、ジールギガスでセルリを攻撃!」
イビリチュア・ジールギガス ATK3200
VS
暗黒界の導師 セルリ DEF100
手下2 LP3800→700
「ぐっ……ぅぅ!」
「これで最後。イビリチュア・ソウルオーがでダイレクトアタック!」
手下2 LP700→-2100
「ぐわぁぁぁ!」
春休み終わらなかった。なんとか近いうちには続きだせるようにします。
突貫工事だったので(一応確認はしてますが割とザルと思われる)なんかしらのミスがある可能性が……
レインの効果はゴルドと違って別にチェーンを作るとか、暗黒界は天罰じゃ発動しないとかその辺はチェックはしてますけど。
最後のほうは効果の全文は載せませんでしたが単に疲れただけです。必要なら後で効果だけ加えておきます。
追記 対戦相手はグラファと門は持っていません。