遊戯王GX フラグブレイカー   作:順風

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第13話 終焉の火とエクゾディア

昴 手札4枚 LP4000

 

場 伏せ2枚

 

 

レアハンター 手札0枚 LP2000

 

場 カードガンナー(守)、守護神の宝札、伏せ2枚

 

終焉のカウントダウン カウント13

 

 

 

 

「俺のターン! 強欲な壺を発動。カードを2枚ドローする」

 

 強欲な壺を使用したことにより、手札は6枚。ようやく昴も攻める準備が整いつつあった。

 

「炎王獣 ヤクシャを召喚!」

 

 

 

炎王獣 ヤクシャ 効果モンスター

星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200

 

自分フィールド上に表側表示で存在する「炎王」と名のついたモンスターがカードの効果によって破壊された場合、このカードを手札から特殊召喚できる。また、このカードが破壊され墓地へ送られた場合、自分の手札・フィールド上のカード1枚を選んで破壊できる。「炎王獣 ヤクシャ」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

「バトル! 炎王獣 ヤクシャでカードガンナーを攻撃!」

「罠発動、聖なるバリア ―ミラーフォース―! 相手の攻撃表示モンスターをすべて破壊する!」

「こっちも罠発動だ!」

(砂塵の大竜巻で伏せたカードか!)

 

 目線を砂塵の大竜巻で伏せられたカードに向けるレアハンターだが、そのカードの発動が宣言されることはなかった。発動したのはもう一枚のカード。

 

「罠カード、ジェネレーション・チェンジ!」

 

 

ジェネレーション・チェンジ 通常罠

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する。その後、デッキから破壊したカードと同名のカード1枚を手札に加える。

 

 

「この効果により炎王獣 ヤクシャを破壊する!」

「自分のモンスターを破壊するだと!」

「これって……サクリファイス・エスケープ!?」

 

 その言葉とともに炎王獣 ヤクシャが破壊される音が響く。

 

「これによりミラーフォースの効果は不発に終わる。そしてジェネレーション・チェンジの効果でデッキから2枚目のヤクシャを手札に加える」

「だが、貴様のフィールドにモンスターはいない! すでに通常召喚を行っている貴様はもうターンエンドしか……」

「まだバトルフェイズは終わってない。ヤクシャが破壊されたことで手札の炎王獣 バロンの効果を発動!」

 

 

炎王獣 バロン 効果モンスター

星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200

自分フィールド上に表側表示で存在する「炎王」と名のついたモンスターがカードの効果によって破壊された場合、このカードを手札から特殊召喚できる。また、このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズ時に発動する。デッキから「炎王獣 バロン」以外の「炎王」と名のついたカード1枚を手札に加える。

 

 

「炎王と名のつくカードが効果で破壊されたことで手札から特殊召喚する! こい、炎王獣 バロン!」

「破壊をトリガーに召喚されるモンスター!? こんなモンスターがいたなんて……」

(ちっ……モンスターを破壊したと思ったらまた別のモンスターが)

 

 レアハンターのミラーフォース使用は遊戯との対戦時に場のモンスターへの対策を怠ったために敗北したからだった。ただし警戒するあまり墓地からエクゾディアを戻すカード、攻撃を防ぐためのカード、カウントダウンのためのパーツなど対策を詰め込んだ結果、本来の軸であるエクゾディアにも少し悪影響が及んでいた。

 

 その分を強力なドローソースで補えているので結果的にはプラマイ0ぐらいといったところか。ただしプラスではないようだが。

 

「破壊されたヤクシャの効果も発動! この効果により自分のフィールド・または手札のカード1枚を破壊できる。俺は手札の炎王神獣 ガルドニクスを選択して破壊する!」

「今度は手札のモンスターを破壊!?」

 

 ガルドニクスのカードが破壊されるようなエフェクトが出るが、これはディスクの仕様。時々オーバーではと思う演出をするのがこのデュエルディスクである。

 

「さっきも言ったがまだバトルフェイズは続いている! 炎王獣 バロンでカードガンナーを攻撃!」

「カードガンナーの効果発動! このカードが破壊された時カードを一枚ドローする!」

「カードガンナーの効果は破壊されれば発生する効果。不利になるのを覚悟で攻撃したのかな……」

 

 カードガンナーのドロー効果は戦闘でも効果でも発生するため、たいていはドローされてしまう。ならさっさと引かせてフィールドを空にするほうがいいと昴は判断していた。結果的にカードを1枚引かれることになるが現状ではエクゾディアは揃わない。

 

(あとは読みと判断次第か……)

 

 手札のカードに目を留める。エクゾディアを崩せるカードもそろいつつある。ダメ押しができるカードはまだ来ていないようだが……

 

「リバースカードを2枚セット。これでターンエンドだ」

「この瞬間、終焉のカウントダウンのカウントは14個目を刻む。貴様に残されたのは後3ターンだ!」

「…………」

「私のターン!」

 

 守護神の宝札の効果でこのターンからレアハンターはカードを2枚ずつドローすることが可能になっている。先ほどのカードガンナーの効果と合わせれば手札は3枚となる。守護神の宝札のドロー強化によりデッキの圧縮が行われている。さらにドローするカードも手に入れた。

 

 しかし、動こうとするレアハンターより前に動き始めた物が昴の墓地からその存在を示そうとしていた。

 

「なんだ、貴様の墓地から立ち上る炎は!?」

 

 昴のデュエルディスクの墓地置き場から立ち上る真紅の炎。その奥に浮かんでいる影は鳥の形をしている。

 

「前のターン破壊された炎王神獣 ガルドニクスの効果を発動! このカードが破壊された次のスタンバイフェイズ時にこのカードを墓地から特殊召喚する!」

 

 炎が払われ、神獣と呼ばれるモンスターが姿を現し、自分の存在を誇示するかのように鳴いた。

 

 

炎王神獣 ガルドニクス 効果モンスター

星8/炎属性/鳥獣族/攻2700/守1700

このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズ時にこのカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚に成功した時、このカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊する。また、このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから「炎王神獣 ガルドニクス」以外の「炎王」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。

 

 

 

「攻撃力2700のモンスターをいきなり墓地から!? ってあれ? さっきまでそこにいたモンスターは?」

 

 レイはガルドニクスの攻撃力に驚いていたが、同時に先ほどまでいた炎王獣がいなくなっていることに疑問を抱いた。

 

「炎王神獣 ガルドニクスはこの方法で特殊召喚した場合、フィールドのこのカード以外のモンスターをすべて破壊する。だから炎王獣 バロンは破壊された。ただしバロンが破壊されたことにより、手札の炎王獣 ヤクシャの効果を発動! このカードを手札から特殊召喚する!」

「大型モンスターの効果からまたモンスターが……となるとバロンにも何か効果が?」

「あるにはあるが、今は発動できない」

「まだ何か効果があるというのか!」

 

 レアハンターが少し焦りを含んだように語気を荒げた。二体のモンスターの攻撃力は4500、現在のライフポイント2000など容易に削り切ってしまう。少しでも安全域に戻しておきたいと考えた。

 

「私は魔法カード、至高の木の実を発動! 自分のライフポイントがが相手より低い場合、ライフを2000ポイント回復する!」

 

 

 

レアハンター LP2000→4000

 

 

 

「速攻魔法、サイクロンを発動! 貴様が砂塵の大竜巻で伏せたカードを破壊する!」

「七海さん!」

 

 砂塵の大竜巻で伏せたほどのカード。大事なものであることはレイにも理解はできた。だからこそ声を上げた。

 

「悪いが通さない。カウンター罠、マジック・ドレイン! サイクロンを無効にする。ただし相手は手札の魔法カードを1枚捨てることでこのカードの効果を無効にできる」

「……私はマジック・ドレインの効果を無効にしない」

 

 残った1枚の手札を捨てずにマジック・ドレインの効果を通したレアハンター。手札が魔法でないのか、あるいは必要なカードであったからなのか。その答えはすぐにはっきりすることになった。

 

「魔法カード、命削りの宝札! 5枚になるようにカードをドローし、5ターンが全ての手札を墓地に送る!」

 

 それがとても強力なドローソースであったということだ。サイクロンの効果を通すためにみすみす5枚のドローを捨てることはできない。エクゾディアでなくともそういう判断をするだろう。それに加えてこのデュエルの状況もある。

 

「このデュエルに5ターン後はない。だからこそのカードということか!」

 

 終焉のカウントダウンの効果がある以上、このデュエルは残り往復3ターン以内に決着がつく。命削りの宝札は自分のターンでカウントをするため5ターン後が存在しないこのデュエルではノーコストで1枚のカードから最大5枚の手札を得られるカードとなってしまっている。

 

「これで残りのデッキは14枚……もし今引いた中にエクゾディアがあったら……」

 

 命削りの宝札を発動したことでレアハンターの手札は再び0枚。つまりこの効果で5枚ドローをしている。仮に全てのパーツカードがあれば昴の負けは決まってしまう。レイの心配もピークに達しつつある。

 

「命拾いしたな。だがエクゾディアの足音も着々と迫っているぞ」

 

 ほっと胸をなでおろすレイ。エクゾディアとカウントダウン。二つの特殊勝利の条件が着々と整いつつあるのが昴にもレイにも分かった。レアハンターの背後に幻影のような感じでエクゾディアが浮かんでいるような感覚がするのだ。

 

「さらに私は魔法カード、天使の施しを発動! 3枚カードを引き、その後カードを2枚捨てる」

 

(残りのデッキは11枚。どれだけ少なくても1枚はパーツカードがあるのは間違いない)

 

 天使の施しの処理を終えたレアハンターはエクゾディアの効果を宣言しなかった。エクゾディアの効果は揃った時点で即座に発動するため、まだパーツは揃っていないということがわかる。

 

「いくらエクゾディアがいても揃う前に片を付ければそれで済む話だ」

 

 レアハンターの場にモンスターは現在存在していない。エクゾディアパーツが手札にたまっている影響で場にモンスターが出せなくなるのがエクゾディアの欠点とかつて王様が発言していた通りになっている。ガルドニクスとヤクシャの攻撃力の合計は4000を超えており、謎のコンボ攻撃がなくともライフポイントを削りきれる。

 

 しかし、当然それに対する対策というものも考えてはいるわけで。

 

「私がフィールドが空になることに対して何の対策もしていないとでも思ったか! 魔法カード、光の護封剣!」

 

 光の剣が降り注いで、昴のモンスター達の動きを封じた。

 

「光の護封剣……」

「そうだ。貴様に残されたターンは3ターン。護封剣の効果も3ターン。これがどういうことかわかるか?」

「それって……護封剣がなくなるときには終焉のカウントダウンの効果で負けるってこと!?」

「そうだ! これで貴様は攻撃をすることもできずに敗北する!」

 

 終焉のカウントダウンの効果が発動する時まで光の護封剣はなくならない。なんらかの方法で護封剣を破壊しない限り攻撃を行うことはできない。

 

「私はこれでターンエンドだ。この瞬間終焉のカウントダウンは15個となる」

 

 終焉の火が15個目を灯す。これで4分の3に到達したことになる。

 

「俺のターン! このスタンバイフェイズ、前のターン破壊された炎王獣 バロンの効果を発動! デッキから炎王と名のつくカードを1枚手札に加えることができる。俺はデッキから炎王獣 キリンを手札に加えキリンを守備表示で召喚!」

 

 

炎王獣 キリン/ 効果モンスター

星3/炎属性/獣族/攻1000/守 200

自分フィールド上に表側表示で存在する「炎王」と名のついたモンスターがカードの効果によって破壊された場合、このカードを手札から特殊召喚できる。また、このカードが破壊され墓地へ送られた場合、デッキから炎属性モンスター1体を墓地へ送る事ができる。

 

 

「さらに魔法カード、烏合の行進を発動!」

 

 

烏合の行進 通常魔法

自分フィールド上に獣族・獣戦士族・鳥獣族のいずれかのモンスターが存在する場合、その種族1種類につき1枚デッキからカードをドローする。このカードを発動するターン、自分は他の魔法・罠カードの効果を発動できない。

 

 

「俺のフィールドには獣族のキリン、獣戦士族のヤクシャ、そして鳥獣族のガルドニクスが存在している。よってカードを3枚ドロー!」

(一気に3枚ものカードを……だが護封剣を破られても防ぐ手段はある! 私の手札にはバトルフェーダーのカードがある。これがあれば直接攻撃を一度無効にできるうえに伏せカードにはガード・ブロックもある。奴のターンは後2ターン。それを耐えきるには十分だ!)

 

 条件があるものの強力なドローソースによるドローで光の護封剣を破る手段を引かれた後のことを考えているレアハンター。しかし、当の昴はというと

 

(表側守備で出せる仕様ってマジでありがたい。低攻撃力をさらさずに効果とか使えるし。これでようやくそろった。あとはレアハンター次第か。引かれれば負けだからな)

 

 モンスターを守備表示で出せる仕様に感謝しつつエクゾディアに対しての準備を整えたようだ。

 

「カードを1枚セット。これでターンエンド」

 

 終焉のカウントダウンのカウントが16個目、光の護封剣のカウントも1つ乗る。残されたターンは後2ターン。しかし、昴はそこまで焦ってはいなかった。

 

(このレアハンターのターン、確実にエクゾディアだけはつぶす!)

 

 砂塵の大竜巻で伏せたカードと今伏せたカードの2枚。発動条件に満たせる状況が訪れなかったため、しばらく伏せたままになったいたが、ようやく使う機会が訪れた。

 

「私のターン!」

 

 レアハンターが2枚カードをドローする。デッキはあと9枚となり10枚を割った。

 

「エクゾディアは揃ったか?」

「……フン、悪運は強いようだな」

 

 その手札にまだエクゾディアは揃っていなかった。引いたカードの中には封印されしエクゾディアのカードがあったが手札のパーツを合わせてもまだ完成はしていない。

 

(だが、エクゾディアをそろえなくとも終焉のカウントダウンの効果によりあと4ターンで勝利が確定する。パーツカードで揃っていないのは左腕だけだが勝てればそれでいい!)

 

 レアハンターの手札は6枚。そのうち4枚がパーツカードであり、デッキにパーツカードはあと1枚。しかし、以前のように墓地に送られて負けることのないように手を尽くした。故に勝てる。そう確信していた。

 

「じゃあ勝負といこうか。これでパーツカードを引ければあんたの勝ちだ。罠カード発動、強欲な贈り物! 相手はカードを2枚ドローする」

 

 

強欲な贈り物 罠カード

 

相手はデッキからカードを2枚ドローする。

 

 

「何だと!?」

 

 これには対戦相手であるレアハンターも驚いた。まさかエクゾディアと知っていながらドローのアシストをされるとは思ってもいなかったのだろう。

 

「七海さん……一体どうして」

 

 レイも不安げな表情でデュエルを見ている。やはりエクゾディアがいつそろってもおかしくない状況で相手にカードを引かせては意味がない。そう思っているようだ。

 

「ドロー! ……フフフ、アーッハハハハ! アーッハハハハ!」

 

 強欲な贈り物でカードを引いたレアハンターは引いたカードを見た後、突如として高笑いを始めた。昴もレイもその様子を見つめる。

 

(もしかしてパーツカードが揃っちゃった!?)

 

 特にレイには昴が何をしようとしているかわからない観戦者であるために緊張が高まる。昴もこれにかけていることもあり息をのみながら状況を見守る。

 

「私が引いたカードはこれだ!」

 

 そう叫んで昴に見せつけたカードは枠がオレンジ色……すなわち効果モンスターであった。

 

「冥界の使者……」

 

 

冥界の使者 効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守 600

このカードがフィールド上から墓地に送られた時、お互いに自分のデッキからレベル3以下の通常モンスター1体を選択し、お互いに確認して手札に加える。その後デッキをシャッフルする。

 

 

 破壊されることで通常モンスターをサーチするモンスター。エクゾディアデッキにはもってこいのモンスターである。

 

「ふぅ……賭けには勝ったか」

「なんだと! 貴様の敗北が決定的になったのにもかかわらず賭けに勝っただと!?」

 

 だが昴はそれを見てほっと一息ついた後そうつぶやいた。聞き捨てならないとばかりにレアハンターが噛みついてくる。

 

「確かにそのカードはエクゾディアを引き込むことのできるカードだ。だけど揃ってはいない。ここでは揃ったとほぼそろったの差は大きい」

「何が言いたい! 負けが決まって現実すら見えなくなったか!」

「あんたが言うなよ……。ま、それはいいとして。強欲な贈り物の効果で俺はあんたにカードを2枚ドローさせた。これによって生み出されている状況が何か分かるか? 早乙女」

「えっ!? えっと……手札が増えた?」

 

 いきなり質問を振られたことに戸惑いながらもレイは回答を出した。とはいってもおこった現象をそのまま答えただけだが。

 

「確かに手札は増えた。だけど問題になるのは手札の枚数のほうだ」

「手札の枚数……あ! 手札が8枚になっている!」

 

 デュエルモンスターズのルールの中には手札が7枚以上存在する場合、エンドフェイズにプレイヤーは手札が6枚になるようにカードを捨てなければならないとある。つまり強欲な贈り物によって引き起こされたこの状況は本来のデュエルならあり得ない状況である。

 

「フン、私がこのままエンドフェイズを迎えてエクゾディアパーツを捨てるとでも思っているのか?」

「全然思っていない」

「何!?」

「この状況はこのカードの発動条件にすぎないってことだ」

 

 昴が指さしたカードは砂塵の大竜巻の効果によって伏せられたままのカード。

 

「リバースカードオープン! 大暴落! エクゾディアパーツはデッキに全部戻ってもらう!」

 

 

大暴落 通常罠

相手の手札が8枚以上ある時に発動する事ができる。相手は手札を全てデッキに加えてシャッフルした後、カードを2枚ドローする。

 

 

「大暴落だと!?」

「こんな使いづらいカードを使うなんて……」

 

 この大暴落、大家さんのデッキが天変リチュアであったことから採用したカードである。一ターンに三枚以上カードを引くことが珍しくないうえ、リチュアは儀水鏡などのカードで手札にカードを戻すことが多いのである程度手札がたまった状態で強欲な贈り物を使えば簡単に条件に達することも多かった。実際のところは永続魔法などが多い都合上同じくデッキに投入していたバブル・クラッシュのほうが威力を存分に発揮していたりする。

 

「これでエクゾディアはデッキに戻った。残っているデッキ13枚の内ドロー促進カードがどれだけあるかは知らないが終焉の火が灯りきるまでにエクゾディアが揃うことはほぼない!」

「だが、貴様のフィールドには光の護封剣がある。いくらエクゾディアを阻止しても私に攻撃できなければ意味はない!」

「その布石も打ってある! 罠カード、デストラクト・ポーション!」

 

 

デストラクト・ポーション 通常罠

自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する。

 

 

「この効果で炎王獣 ヤクシャを破壊! 破壊したことによってヤクシャの効果も発動! 手札のネフティスの鳳凰神を破壊する!」

 

 

昴 LP4000→5800

 

「ネフティスの鳳凰神!? 確かあのカードはカードの効果で破壊されて墓地に送られた次のターン墓地から特殊召喚されてその瞬間フィールドの魔法・罠カードをすべて破壊するカード!」

「なんだと!?」

 

 ガルドニクスはまだこの世界には存在していないがネフティスは存在しているのでレイは自身の記憶を頼りにカードの効果を思い出す。

 

「さて、説明してくれた通りこのままあんたがターンエンドを宣言すればネフティスが復活し光の護封剣も破壊される。何か伏せカードを伏せているみたいだけどネフティスの効果でおじゃんだ。倒す前に聞いておく。なぜグールズが今になって復活している?」

「フフフ……それで勝ったつもりか?」

「!?」

 

 突如そんな声がした後、黒い靄がレアハンターの周りに引き寄せられるように集まり始めたかと思うと竜巻のような形状となった後再びフィールドに拡散した。何が起きたのかと二人はレアハンターの様子を見ると体の周りから瘴気のようなものが経ちこめている。

 

「デュエルを続行する! 私は手札から魔法カード、苦渋の選択を発動!」

 

 

苦渋の選択 通常魔法

自分のデッキからカードを5枚選択して相手に見せる。相手はその中から1枚を選択する。相手が選択したカード1枚を自分の手札に加え、残りのカードを墓地へ捨てる。

 

 

「私はこの五枚を選択する」

 

 そう言ってレアハンターは五枚のカードを提示する。そのカードとは……

 

「な、なんで!?」

「エクゾディア……!」

 

 エクゾディアパーツ全てであったからだ。本来手札にそろえることが本質のはずのカードを墓地に送ろうとしていることにレイは動揺を隠せない。

 

「……俺は封印されしエクゾディアを選択する」

 

 この時点でこの次に何が起きるかを予測した昴は淡々とカードを宣言する。恐らくどれを選んでも変わらないと確信していたからだ。

 

「魔法カード、暗黒界の取引を発動。カードを一枚引き、その後カードを一枚墓地に送る」

 

 互いに効果処理を行うが、昴はこのときに引いたカードでない方を墓地に送ったことを確認している。つまり墓地にエクゾディアがすべてそろったことになる。

 

「魔法カード貪欲な壺! 五枚のモンスターをデッキに戻し、カードを2枚ドローする!」

 

 

アステカの石像

アクア・マドール

ホーリー・エルフ

カードガンナー

機動砦のギア・ゴーレム

 

 

「そして魔法カードエクゾディアとの契約を発動! ライフを2000を支払い、エクゾディア・ネクロスを儀式召喚する!」

 

 

エクゾディアとの契約 儀式魔法(アニメ効果)

自分の墓地に「封印されしエクゾディア」「封印されし者の右腕」「封印されし者の左腕」「封印されし者の右足」「封印されし者の左足」全てが存在している時に発動する事ができる。2000ライフポイントを支払うことで手札から「エクゾディア・ネクロス」を降臨させる。

 

エクゾディア・ネクロス 儀式モンスター (アニメ効果)

星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 0

このカードは「エクゾディアとの契約」の効果でのみ儀式召喚及び特殊召喚が可能。このカードは戦闘とモンスター・魔法・罠の効果によっては破壊されず、戦闘を行う毎に攻撃力が1000ポイントアップする。

 

 

 場に現れたのはレアハンター同様の瘴気を纏ったエクゾディア。海馬がエクゾディアの亡霊と呼んだモンスターである。

 

「な、何これ! エクゾディア……なの?」

(やっぱりエクゾディア・ネクロス! どんなデッキ構成してんだよ普通なら間違いなく事故るぞ!)

 

 様々なギミックが入りもはやよくわからない状態になっているが結局はうまく回るレアハンターのデッキに苛立ちを覚えつつも目の前の状況を整理する。

 

(あのモンスターの攻略法は難しいものじゃない。破壊を介さない除去か墓地のパーツカードを除外するかだ。だけどこのデッキの性質上破壊を介さない除去を持つカードはない。除外を行うカードは入っているが……ネクロスの効果が厄介だな)

 

 ネクロスの効果は上記のテキストのような一見すると完璧に思える効果ではあるが、実際は五つのパーツカードそれぞれに別々の効果が宿っている。元の世界では一枚取り除けば自壊するので大した問題はなかったが別々に効果が宿っているとなると話は別だ。

 

(正直本体に不死能力があることしか覚えてない! どれがどの能力だったか……間違えれば負ける)

 

 だいぶ昔のことになっているからかそのあたりのことはうろ覚えになっていた。まだ遊戯王プレーヤーとしては未熟だった小学生のころだったのも一因だろう。

 

「行け! エクゾディア・ネクロス!」

 

 亡霊となったエクゾディアが右の拳を構える。標的は守備表示で存在しているキリンだ。

 

「エクゾディア・クラッシュ!」

 

 構えた拳を振りぬいてキリンを破壊した。辺りには攻撃の余波なのか風が強く吹いている。

 

「守備モンスターに攻撃しただけってのに!」

 

 闇のデュエルとはこういうものなのかと昴は理解する。特殊勝利がメインのエクゾディアであったため大きなライフの変動が起きていなかったこともあって気が抜けていたようだ。

 

「エクゾディア・ネクロスが戦闘を行ったことにより攻撃力が1000ポイントアップする!」

 

エクゾディア・ネクロス ATK1800→2800

 

「ガルドニクスの攻撃力を上回った!?」

「フフフ……不死身となったエクゾディアに勝てるモンスターはいない! 護封剣を破壊されようが私の勝利は揺るがない! 私はこれでターンを終了する。終焉の火はこれで17個目を刻む!」

 

 残る火は三つ。昴に残されたターンは後2ターン。手札にパーツを除外できるカードはない。

 

(かなりまずい状況……だけどまだ負けたわけじゃない)

 

 そう思いデッキトップに手をかける。

 

(必ず逆転する! そう念じろ!)

 

 自己暗示ではある。しかし、この世界を生き抜くには引きがいいとか悪いとかは言っていられない。やる気になればデュエル関係ならどんなことでも起こせる世界なのだ。

 

「行動するか、しないかだ!」




ごめんなさい。まだ続きます。ここまで来るとどんでん返しでも何でもないのはお分かりだとは思うのですがここで切らせてもらいました。

補足事項としていくつか挙げておきます

・ネクロスと契約の効果

アニメでは儀式モンスター・儀式カードであったのでそれに合わせて効果を作りなおしました。アニメ版だとしても対策がないわけではないのでこれでいいかなと

・苦渋の選択について

時間軸としては3月後半なのでこの当時の制限リストで言うと禁止の扱いになっています。しかし、この3カ月後ぐらいのセブンスターズ編の最中に万丈目が使用しているので特例として使えることにしています。

まぁ……こだわりすぎなくてもいいような気もしますが。制限復帰したりしているカードはその当時は禁止でも特例扱いで使用する可能性があることは頭に入れておいてください。

あり得そうなの筆頭は死者蘇生とかかな?

さすがに次回になれば終わるはずです。事後処理がすんだらようやく第1期後半に突入していきます。

……文才欲しいな。



ではまた次回。学校始まるので更新できればとは思うんですが……
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