俺の周りには普通じゃない人しかいないっぽい   作:からっぽ

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言い訳はあとがきに……(汗


桜の咲く頃に—邂逅—

「ふえっくしょい! あー、花粉症とかだるいー」

「ちょ、先生! それ、原稿です! ティッシュじゃないですよ!」

「んー、ティッシュ取ってー」

「先生……」

 

 少し親の仕事場を覗いてみたところ、少年にはこんな光景が目に飛び込んできた。慌ただしそうに部屋を動き回る女性と、机に向かいっぱなしの女性。少年は少し安堵し、そして何か物寂しく感じた。その光景は、いつもと変わらない。

 

「おー、ありがとう、ミーちゃん」

「先生、もう先生も母親なんですから、しっかりしてくださいよ……あ、涼君」

「ん? 涼? おはよう!」

 

 背の低い寝間着姿の女の人——この少年・凪沙涼の母親なわけだが——が持っていたペンを放り投げ、少年に抱きつく。

 

「こんな立派になって……母さん、もう働かない!」

「先生、困りますよ! それにたかが幼稚園の入園式」

「ミーちゃん、わかってない! これだから独身の若い子はダメなのよ」

 

 控えめに言って可愛い。むしろ世界一可愛い子供だと言っても過言ではない、そう凪沙母は思う。父親にどことなく似ている気もする。まだ3歳児だが。

 とにかく、そんな我が子の成長を祝うのは当然なのである。

 

「先生だって新米でしょうに。それに、独身なのは先生のせいでもあるんですからね?」

「なんのことかなー」

「まったく、そうやってすぐとぼけて……あ、涼君。襟が少し曲がってるよ」

 

 眼鏡をかけた、目の下のクマがひどすぎる女性が近づいてきて、少年の制服の襟を正す。

 

「ありがとう、おばさん」

「……涼君? 私のことはお姉さんって呼んでって言わなかったっけ?」

「でも、お母さんがおばさんって呼べって」

「……先生?」

「さー、仕事仕事ー! 早くしないと入園式に間に合わないぞー!」

 

 鼻水とともに汗を流し始めた少年の母親は、さっき投げたペンを拾うと椅子に座る。なお、本日は晴天なれども日弱し。自然に発汗するほど暑くはない。

 

「もう、先生……。本当に終わらせてくださいよ? 入園式に行かないなんて、涼君が可哀想すぎます」

「じゃあ締め切りを」

「先生? たしか五日前だったはずなんですが」

「すみません」

 

 深い溜め息を吐いた後、眼鏡をかけた女性が少年の空いている右手を握る。反対側の左手には、下手なミシン縫いをされた手提げの袋。

 

「しょうがない人ですね、まったく。上と話してみます」

「ありがとう、ミーちゃん!」

 

 とにかく今は先に間に合うようにしないといけない。眼鏡をかけた、ミーちゃんと呼ばれる女性が運転する車に乗り、少年は幼稚園へと送られる。

 

「母さん、来ないの?」

「ううん、絶対に行かせるから」

「ふうん……」

 

 少年は窓の外を見る。なけなしの桜の花が風に散っていた。満開のピークはとうの昔に過ぎて、もう枝にはほとんど花は残っていない。

 

「残念だねー。せっかくの式典なのに。これも温暖化の影響かなぁ」

「おんだんか?」

「そ。地球さんが温室効果ガスっていうコートを何重にも重ねて着して、地球さんが暑いなぁって感じてるんだよ」

「そうなの?」

「たぶん」

「ふーん」

 

 少年はわかったのか、わかってないのか。適当に頷くと、手提げ袋をただもてあそぶ。縫い目は異様に目立ち、爪をひっかけて引っ張れば簡単に糸が抜けてしまいそうである。

 ふと、少年は手提げ袋の片側に自分の名前が縫われているのを見る。なぎさりょう。ただし、"よ"の字の丸い部分が潰れ、"上"と読める。

 バックミラーを覗いたミーちゃん。彼女は少年が手提げ袋をじっと見つめていることに気づく。

 

「あー、それね。お母さんが頑張って作ってくれたんだよ? 大切にしてあげてね」

「字がヘン」

「……まあ、先生不器用だからなぁ。未だにキーボードもろくに打てないんだから……」

 

 ミーちゃんはミラーに映る自分を見る。目元にはひどいクマ。先生が機械にもう少し明るくなれば、もう少しマシな顔になれるのに。そんなふうに心の中でぼやいてみる。もちろん、冗談半分ではあるのだが。

 すると、後部座席のチャイルドシートから小さな声が。

 

「母さんが、ごめんなさい」

「涼君……」

 

 なんていい子なの、ミーちゃん、感極まれり。母親とは大違いである。

 なお、目に一杯の涙を浮かべた女性が、そのせいでフラついた運転をしたためにクラクションを鳴らされたとかされてないとか。

 

 

 *

 

 

 入園式が終わった後、近くの公園に移動した少年とミーちゃん。凪沙母は今現在、幼稚園にて説明会を受けているとのこと。

 

「桜、一本だけ咲いてたね」

「うん」

 

 公園内に一本だけ、まだ花のついている桜が残っていた。その木の近くのベンチに座り、2人は母親が来るのを待つ。

 

「あれ? そこにいる子、同じ制服じゃない?」

「どれ?」

 

 ミーちゃんが指し示した方、桜の木の下。木の幹に寄りかかるようにして、1人の女の子が立っている。

 

「話しかけてみたら?」

「ええっ! でも……」

「いいじゃない。ほら、友達100人できるかなって」

 

 ポンポンと優しく背を押され、少年は送り出される。といっても、今まで自分から誰かに話しかけたことなどないのだ。いったいどうしろと。

 近くまで行くと、女の子がこちらを見た。黄色い瞳、赤紫の髪。お人形さんのような少女に、少年は一瞬固まる。

 しかし意を決して言葉を発するのだ。

 

「友達になりませんか!」

 

 

 *

 

 

「で、その後に撮った写真じゃない?」

「よく覚えてるな、梨子」

 

 とある休日の昼下がり。突然降ってきた雨で外では練習ができないので、今日は部活は休み。特にすることもなかったところ、バス停でばったり買い物帰りの梨子のお母さん(要するに未来のお義母さん)に邂逅。久々に家に遊びに来ないかと誘われたので来訪した次第である。

 お菓子を食べながらアルバムを眺めていたのだが、控えめに言って可愛い。めくるページどのページにも、可愛い子供梨子が写っている。これはバイブルですか。

 

「あ、ほら。この写真なんて特に可愛くない? おもちゃのピアノで遊んでて」

「ふふっ、ほんと」

 

 そしてアルバムを眺めながら楽しそうに微笑む梨子の可愛さといったら。昔を懐かしむ優しげな目。思わずこぼれ出る笑み。いや、世界一可愛いと言っても過言ではないだろう。

 

 これはとある休日の昼下がり。









ほんとのほんとにどうでもいいような言い訳しか書かないので、読みたくない人は全然読まなくて大丈夫です。むしろ読むな危険。




本編の方は現在超スロースピードで執筆中です。申し訳ありません。
正直間があきすぎて、「あれ、凪沙涼ってこんな感じのキャラであってたっけ」って執筆しながら思ってます。まじでやばいですね(語彙力)。




今回の特別編ですが、実は1年前の(つまり2018年)の梨子ちゃんの誕生日に向けて書き始めたものです。うまくまとまらない・オチがないということで結局ボツにしてたんですが、本編があまりにも進まなすぎということで引っ張り出して再調理してみました。たぶん腐ってます。


……許してください、なんでもしますから。










以下、本格的な言い訳(つまり最近ハマってるもの)。

注意
ラブライブ!サンシャイン!!に全く関係ないです
注意





風花雪月買いました。アネットかわいい。
ルナティックやってます。アネットかわいい。
追加サイドストーリーまだかなぁ。アネットかわいい。
剣盾買いました。着せ替え最高ですね。
月末クロスレイズ買います。たぶんまた執筆遅くなります。






あと愚痴


しんさくげーむやりたいの多すぎ
ゅぅりちゃん(剣盾女主)可愛すぎ
うつになりそう
かぜひきました
つかれがとれません
いそがしい
やっぱりバトルもの書けない
だめだ、それ以外も書けない……
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