「ねね、りょーくん」
「千歌? どうかしま
「そういう寒いのはいいからさ」
「いや、千歌には言われたくないんだけど。……まあ、いいや。それで何用で?」
「お昼食べ終わったでしょ? トランプでもしないって曜ちゃんと話してて」
「トランプ?」
「そう! 梨子ちゃんもどう?」
「えっ、私も?」
「嫌だった?」
「ううん! やりたい!」
「じゃあ決まりだね! あっちの方でやるから、二人とも椅子持ってきてね!」
「待って、俺はまだやるとは言ってないんだが!?」
「でもやるんでしょ? ……梨子ちゃんもいるし」
「……はい」
「ふふっ、わかりやすいなぁ」
「うん? 千歌ちゃん何か言った?」
「なんでもないよ、梨子ちゃん! 気にしないで!」
「そう……?」
「あ、みんなこっちこっち!」
「曜。もうトランプ配ってたのか。準備が早いな」
「絶対二人とも参加してくれるって思ってたからね。私たちの絆ってやつ?」
「うふふ、曜ちゃんったら」
「この策士どm、イタッ!?」
「あっ、ごめんね、りょーくん! 足踏んじゃった!」
「……ま、いいや。ところで何やるんだ?」
「ババ抜きだよ」
「ババ抜きね。これが私の分でいいの?」
「うん、梨子ちゃんがそれで、こっちが涼君のだよ」
「オッケー」
「おおお! わたし3枚スタート!」
「はあ!?」
「え、曜ちゃんすごいね!」
「ほんとに! わたしなんて7枚だよ」
「日頃の行いが悪いからな」
「ちょ、それどーいう意味!?」
「そのまんまの意味だ」
「そういう涼君は何枚なの?」
「俺はほら、千歌より少ない」
「ええ? 不正じゃない?」
「いやなんでだよ。疑うならどう考えても曜だろ」
「涼君。人の不正を疑うなんて良くないよ」
「梨子!? 最初に疑ったのは千歌の方だからね?」
「冗談で言ったんじゃん、ねー」
「「ねー」」
「なにこのアウェイ空間……。まあいいや。じゃんけんで誰から始めるか、決めようよ」
「うん、そうだね」
「じゃあいくよ? せーの」
『さーいしょっ』
「からっ!」
「な、曜さん!?」
「はい私の勝ち!」
「いやずるくない!?」
「まあまあ。それくらいいいじゃない、涼君」
「梨子、さっきから二人に甘くない?」
「Aqoursの絆だよねぇ」
「ふふっ、そうね」
「えぇ……」
「まあとりあえず始めちゃうよ。私が千歌ちゃんのを引いてスタートね」
「オッケー!」
「いや全然オッケーじゃないんだけど」
「ハイ次、わたしがりょーくんのを引く番!」
「……はぁ。ほらどうぞ」
「うーん。これかな?」
「じゃあ次は俺が梨子のを引く番か」
「ちなみにさ、誰がジョーカー持ってるの? 枚数多いし千歌ちゃん?」
「ううん、わたしじゃないよ」
「曜、持ってても誰も正直に答えないだろ」
「あ、揃った!」
「おお、やるねえ、梨子ちゃん。じゃあ次は私が引いてっと」
「わたしはねえ、りょーくんが持ってるんじゃないかと思うよ」
「いやいや、なんの躊躇もなく選ぶくせによく言うよ」
「梨子ちゃんは誰だと思う?」
「実は私が持ってたりして……」
「え?」
「涼君、早くしてー。昼休み終わっちゃうよ?」
「いやまだまだ終わらないから! というか、梨子が持ってるの?」
「ふふっ、冗談でした!」
「冗談かい……」
「りょーくんビビりすぎ!」
「千歌だってどうせ同じくらいビビるだろ」
「そんなことないよ」
「どうだか」
「千歌ちゃーん。引いてもいい?」
「あ、ごめんね曜ちゃん。はい」
「梨子はまた減ったのか。あと少しだな」
「うん。今日は調子がいいみたい。」
「来た! あと1枚!」
「ええ!? 曜ちゃん早い!」
「じゃあ次私が引いたら曜ちゃんは上がり?」
「そうだね」
「ウノって言ってないからアウトだろ」
「はいはい、涼君負け惜しみはいいからね~」
「くっ」
「お! わたしも揃ってきたよ」
「やるじゃん。まあ俺もこれで減ったからね」
「で、私が曜ちゃんのを引いて……」
「一抜け! やった~!」
「わたしもこれに続いちゃうからね、と。ほらまた揃った!」
「あと2枚ね。まあ俺から引かなきゃ上がれないのはお気の毒だけど……お! 俺もあと2枚」
「わあ、接戦って感じだね」
「ところで誰がババ持ってるんだ?」
「ここでわたしが揃えれば……やった!」
「え、千歌上がり!?」
「てことは?」
「梨子がジョーカー持ってたの!?」
「実はそうなの」
「冗談じゃないじゃん……」
「ち、違くて!」
「私の最後のがジョーカーだったんだよね」
「あ~、曜ちゃん自分で持ってて周りに聞いたんだ」
「そういうこと!」
「紛らわしいことしてくれるな……」
「えっと。涼君が私のを引くんだよね?」
「たしかに」
「ああ、そうだったな」
「ま、待って!」
「ふむふむ、梨子ちゃん渾身のシャッフルですな。解説の渡辺さん」
「そうですねぇ。これでうまく凪沙選手を惑わせないといけませんからね」
「くっ、調子に乗って」
「はい! どうぞ!」
「ううむ、凪沙選手迷いに迷ってますね。右か、左か」
「ここは左を選んだ方がいいんじゃないかな?」
「曜は余計なこと言わんでくれ!」
「あっと! 凪沙選手、右に手を伸ばした! 引いた!」
「ジョーカーでした!!」
「危なかったぁ」
「あのねえ!」
「まあまあそんなに怒らないでよ、りょーくん」
「遊びなんだからさ」
「……もう邪魔しないでよ?」
「「ヨーソロー!」」
「本当にわかってるのかよ……。はい、梨子。どっち」
「えっと……」
「めっちゃ悩んでるね」
「どっちなんだろうね、ジョーカー」
「……」
「優し~い男子なら、わざと負けるとかねぇ」
「梨子ちゃんの泣くところなんて見たくないもんね」
「……あのね」
「怒った? 怒った?」
「怖いなぁ」
「……」
「涼君」
「……梨子、ダメだから。教えないから」
「ダメ?」
「そ、そんな目で見たって!」
「おねがい、涼君……!」
「……あーあ、堕ちたね」
「涼君ちょろすぎ……」
「わぁ! 涼君、ありがとっ!」
「……はぁ」
「あっ、ちなみに負けた人は今日の部活後にアイス奢りね」
「はい?」
「ありがとね、りょーくん!」
「聞いてないんだけど!?」
「ごめんね、涼君」
「え、梨子さん? そのてへぺろはいったい……? ねぇ、まさかグルだったんですか? 梨子さん!?」
「っていう、夢を見たんだけど」
「りょーくんの中でわたしたちって悪人みたいなイメージなの?」
「そんなことはないとは思うんだけど」
「でもあれだよね、そんな紛らわしい細工しなくても梨子ちゃんに直接頼まれたらアイスぐらい買ってくれるでしょ、りょーくん」
「……悲しいことに否定できない」
「楽しみだね、放課後」
「千歌? その含み笑いは何?」
気づいたら1年経過してました。
本編は執筆中です…。