ゼロの悪夢   作:BroBro

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サブタイトルの意味はほんの一部です。サブタイトルが思いつかなかったよ……展開大丈夫かな……
あとお気に入り100人突破ありがとうございます!やっぱりダークライって凄い……なんとか期待に応えられるよう、頑張ります!


では、続きです






学ぶ悪夢

 

 

朝食をとるためにルイズが向かった場所、アルヴィーズ食堂。そこはいかにも貴族の好む煌びやかな作りになっており、数百人の生徒達がいち早く朝食を食べていた。

 

中にはとても長い机が3つ並んでいる。左から1年、2年、3年生と机が決まっている様だ。2年生であるルイズは、真ん中の長机にある自分の席に着席した。

 

その行動の中、ダークライはキョロキョロと辺りを見回していた。理由としては、見たことの無い装飾に興味が出た事と、人間以外の者がいない事だ。後者の理由は彼でも直ぐに分かった。

 

ここは貴族の食卓である。いくら使い魔であっても所詮は下僕、貴族と同等に扱われる訳では無い。恐らく、使い魔達は貴族と共に食事できる訳ではなく、どこか別の所で食べているのだろう。

 

 

「私ハココニイテ良イノカ?」

 

 

その為、ダークライからこの質問が出るのは当然の事である。

 

これに対して、食事に手をつけ始めたルイズが少し顔を顰めながら答えた。

 

 

「あなたは常識があるし喋れる様だから食堂で食べさせてあげたかったんだけどね、入る事は許されたけど同じ食卓に並ぶ事は許されなかったわ」

 

「心遣イハ有難イ。ダガ、私ハ何処デモ構ワナイ。寧ロ、私ニトッテ居心地ガ少シ悪イシナ」

 

 

恐らく教師に掛け合ってくれたのだろう、とルイズの申し訳なさそうな顔で簡単に推測できた。

 

一日しか共に過ごしてないが、主である者の顔は笑顔の方がいい。だからダークライは簡単に気遣いと言う行為ができた。

 

それが功を奏し、ルイズの表情が少しほぐれる。

 

 

「そう言ってくれると助かるわ。だから、居心地が悪いって言葉は聞かなかった事にしてあげる」

 

「ソレハドウモ……ソレデ、私ハ何処ニ行ケバイイ?」

 

「使い魔の食事は外よ」

 

「ワカッタ」

 

 

理不尽なお許しを貰いながら、ダークライは食堂から出た。

 

実際、ダークライ種に食欲は無い。暗黒ポケモンのダークライは新月の夜になれば自然と1ヶ月分の栄養が摂取される。具体的な口と呼ばれる部位もなく、食道や、胃と呼ばれる部位もない。正直ダークライに食事は必要無い。

 

しかし、あの状況でルイズに『自分は食べる行為を必要としない』とは言えなかった。一応、空気だけは読める。

 

まあ、そのおかげで自由に行動できる時間が手に入ったのだが。

 

 

(マズハ学園内ノ探索。次ニコノ世界ノ情報収集ダ)

 

 

ダークライは日影に移動すると、ゆっくりとその影の中に入っていった。

 

学園内を全て見て回る為の最善策、影入り。移動スピードが増し、壁だろうが何だろうが移動する事ができるこの手段を用い、ダークライは学園内の散策を開始した。

 

 

約3分後、内部構造を全て把握したダークライは中庭で姿を現した。

 

 

(メボシイ所、図書館ト教員室、巨大ナ倉庫……カ。フム、今私ニ必要ナノハ図書館カ)

 

 

情報収集にもってこいだ、と小さく呟く。今度は静かに廊下を浮遊し、図書館へと向かった。

 

 

(教員ラシキ者ノ気配ハシタガ、見ツカラナケレバイイ。モシモノ時ハ少シ眠ッテ貰オウ)

 

 

青い瞳をギラリと輝かせ、図書館への廊下を進む。

 

図書館にいる教師には、今の所お気の毒としか言えないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図書館についたダークライが最初に目にしたのは大きな本棚の数々だった。

 

図書館と呼ぶには多すぎる本の数。差し詰め本のジャングルか。数々の幅の広い本棚はダークライの視界を遮り、中心に行けば行くほど本棚しか見えなくなる。方向感覚を失わせる戦略かと思うほど、その数は凄まじかった。

 

さ迷うこと数分、ダークライは気になるものを見つけた。

 

 

(……ヤドンデモ分カル、ハルケギニア語録?)

 

 

何故か、ダークライの世界の言葉で書かれたその本は、ハルケギニアの言葉や共通文字等が丁寧に書かれていた。ヤドンに失礼な表紙ではあるが、気にしてはいけない。

 

正直、言葉に乏しいダークライにとっては有り難い事である。この世界の文字を知らなければ、この図書館の本を読めなかった。

 

しかし、一体誰がこんな物を置いたのだろうと疑問が残った。同じ世界から来た者が居ると言うことなのだろうか?

 

 

(……今ハ、考エル時デハ無イ。イイ機会ダ、学バセテモラオウ)

 

 

ルイズの食事が終わるまで残りの数十分。その間に、少しでも知識を詰めておこうと、ダークライは本を読み始めた。

 

 

 

 

 

一方、ダークライの後ろの本棚では、コルベールが資料を読み漁っていた。

 

綺麗になってしまった頭頂部を天井のライトの反射で光らせている(本人の意図ではない)コルベールの読んでいる資料、それは使い魔のルーンを記した資料だった。

 

探しているルーン。それはダークライの左手に刻まれたルーンである。何人もの使い魔を見てきたコルベールも見たことの無いダークライのルーン。貴重な時間を割いてまで調べる価値は、十分にあると彼の本能が言っていた。

 

本体の存在の方が気になるが、今は自分の専門であるルーンを先に調べよう、と言う事のようだ。

 

 

(常に輝くミスヴァリエールの使い魔のルーン……そしてルーンの魔力が減りつつあるのも気になる……一体なんなんだ?)

 

 

資料でルーンの形を調べながらも頭の中で様々なことを思案する。頭のいい彼がそこまでして考え込むのにも、それ相応の理由があった。

 

 

小さいながらも、ルーンには力が宿っている。使い魔と同化しながらもルーン単体に少量の魔力がついているものだ。

 

そう、少量である。しかし、ダークライのルーンは少量どころか大量の魔力を宿していた。それだけなら、『突然変異』『新発見』として喜んで片付けられた。

 

だが問題は、その魔力が今も尚減り続けている事だ。

 

 

(膨大な魔力、その力が徐々に薄れている……理由は?どう言う意味があって?)

 

 

自問自答を繰り返すが、ルーンの正体を突き止めなければ話にならない。ルーンの魔力が"ゼロ"になったらどうなるか、まだ前例がない。

 

可能性としては、使い魔の契約が失われる事。使い魔の魔法が消える事。それは、使い魔の"死"を意味する。

 

そしてもう一つは弱体化。魔力の低下によって弱体化する可能性は十分にある。

 

もう一つは変化なし。今の所ダークライ自身魔力が減っていても普通に過ごしている。彼の反応を見る限り、これが一番可能性が高いだろう。

 

 

「……何にしても、調べる必要がある……か」

 

 

一人呟き、コルベールはまた資料をめくった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声を、書物に集中していたダークライは気付かない。1度なにかに集中すると周りの情報が入ってこないのは、ダークライの悪い所の一つである。

 

 

「私ハ…は……ダークライ…だ? ヨロシク…ア……よろしくたのム?ウム……」

 

 

『挨拶の仕方』と言うページを読み、一人ブツブツと呟く黒い生き物。本ばかりの閉鎖空間と言うこともあり、一層不気味さが増していた。

 

 

「あるじ、しゅじん、マスター……にぼし……?」

 

 

……しばらく自分の世界に入っていそうなので、今後のために少しダークライの希少性について知っていただこう。

 

純粋な悪タイプであるポケモンは、ダークライ含め6種のみである。新月の夜に活動が活発化するダークライはなかなか発見する事ができず、ダークライ種がどこから産まれてくるのかも分かっていない。実際、ダークライ本人にも分かっていないのだ。

 

代々、ダークライ種は悪夢のせいで人間や他生物に嫌われ、何もいない所に住むようになったと言う。山の奥深くや洞窟の中、中には新月島と呼ばれる孤島で住むダークライも居るようで、人間の前にはなかなか姿を表さない。

 

これだけでも希少性は高いが、このダークライはゴウディの庭で普通に姿を現し、普通にポケモンや人間と過ごしている。つまりこのダークライは、ダークライ種の中でも更に希少であると言う事だ。

 

どれもこれも、アリスと言う少女がダークライを受け入れたおかげである。もしかしたら他のダークライも、受け入れられると知れば、人間のすぐ近くで本を読むと言う不思議な光景を生み出せるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

ここで、ダークライがふと時計を見た。

 

 

「……ソロソロカ」

 

 

気が付かない内に約二十分の時間を消費してしまった。やろうと思えば数分で食堂に帰れるのでそれ程慌てる事ではないが、早く行くに越した事は無い。

 

 

「行クカ」

 

 

少々言葉を覚えてきたダークライが満足気味に影へと入り、食堂へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこ行ってたのよ!」

 

 

食堂へと戻ったダークライへの第一声がこれである。勿論、声の正体はルイズだ。どうやらダークライを探していたらしい。

 

 

「図書館ニ行ッテイタ」

 

「図書館?確かに昨日図書館に行けとは言ったけど、朝食も取らないで行ったの?」

 

「ソウダ、言語力ヲ上ゲルタメニナ。少シハマシニナッタカ?」

 

「……あぁ、確かに少し流暢になってるわね。普通に聞けば全然わからない位には」

 

「ソウカ……マダマダノ様ダナ」

 

「そうね、もう少し頑張りなさい。そんな言葉じゃ、周りから笑い者にされるわよ?」

 

「……ナカナカ厳シイ現状ダ」

 

「フフ。それで、朝食も食べずにお勉強?」

 

「……フム、説明スルベキカ」

 

 

と言う事で、ダークライは自分の体の構造を説明した。説明内容を簡単に言えば、胃ねぇよ。である。

 

この説明を全て聞き終えた時、ルイズの頭の中に言葉は一つしか無かった。

 

 

「そういう重要な事はもう少し早く言いなさい!」

 

「スマナカッタ」

 

 

ぷぅと少し頬を膨らませるルイズ。反応に困るダークライ。見合う2人。

 

シュールな光景であった。

 

 

「まあいいわ。それより、早く授業行くわよ!」

 

「授業?」

 

 

小さく返事をしたルイズは怒りながらも、疑問符を浮かばせるダークライを連れて駆け足で教室に向かった。

 

 

教室につき、扉を開ける。中には数十人の貴族と、同じ数の使い魔がいた。窓から除くちょっと大き目の使い魔とか天井に張り付いた使い魔とか。どれもこれも、ダークライの興味をそそらせる生物だった。

 

ダークライとルイズが、一歩教室へ入った。

 

 

 

 

……!?

 

 

 

 

瞬間、今まで騒いでいた使い魔達が水を打った様に静かになった。震える者もいれば、逃げ出す者もいる。窓の外にいたデカイのは既に姿が見えない。

 

それらの視線はダークライだけに注がれており、教室に殺気じみた凶悪な雰囲気が漂った。

 

 

「……ドウヤラ、私ハ随分嫌ワレテイル様ダナ」

 

 

誰にも聞こえない位の小さな声でダークライが呟く。嫌な気分では無かった。慣れとは恐ろしいものである。

 

そんな自分の使い魔の様子に戸惑っている生徒。それをダークライの威圧感のせいだと知っているルイズは静かに笑い、自分の席についた。再度言おう、慣れとは恐ろしい。それを直ぐにものにする人間も、同様に。

 

一人だけ人間がダークライを見て小さく震えているが、そんな事気にせずダークライはルイズの隣に佇んだ。

 

 

「面白いほど怯えるわね。いい気味だわ」

 

「私ハ怯エサセルツモリハ無イ」

 

「分かってるわよ。あなたに悪気が無いことぐらいね」

 

 

自慢げに鼻を鳴らすルイズ。その直後教室の扉が開き、中年の女性が教壇に立った。ざわめいていた教室が一瞬で静かになり、使い魔達も少しづつ落ち着きを取り戻していく。

 

一瞬でこの女性が教師だと、ダークライは理解した。

 

 

「皆さん。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。この赤土のシュヴルーズ、

こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」

 

 

温厚そうな声が静かになった教室に広がった。そしてシュヴルーズと名乗った教師は教室の中にいる生徒と使い魔を見回し、ダークライに視線が移った所で動きを止めた。

 

 

「あらあら、数々の使い魔を見てきましたが、ミスヴァリエールの使い魔は見た事がありませんね。変わった使い魔を召喚しましたね、ミスヴァリエール」

 

 

それはそうだろう、とダークライは思った。なんせ、彼はこの世界の生き物では無いし、幻と呼ばれたポケモンなのだから。

 

勿論、そんな事をこの場で話すほど、ダークライは愚かではない。ルイズの隣で、静かに時が過ぎるのを待った。

 

ザワザワとざわめき出す教室。理由は恐らく、教師がダークライを見た事無いと言った事だろう。

 

 

「そんな暗黒の化身見たいな奴召喚するなよ!ゼロのルイズ!」

 

 

その中で唯一、ルイズ個人に罵声じみた声を上げる少年がいた。怨みが込められたその言葉をルイズは軽くいなし、胸を張って椅子に座っている。

 

負け犬の遠吠え、弱い犬程よく吠える。ダークライと言う絶対強者を召喚したルイズには少年、マリコルヌの声はその程度にしか思えていない。

 

暗黒の化身とはなかなかいい線を行っている、としかダークライも思っていない。

 

 

「ミスタマリコルヌ、友達を馬鹿にするものではありません」

 

 

ルイズとダークライの無視とシュヴルーズの追い討ちに、マリコルヌは歯噛みした。

 

彼自身も心の中ではただの逆恨みだと知っている。だからこそ、ルイズではない、他者からの言葉は彼の心によく刺さり、感情が溢れてくる。

 

 

(絶対に……あの使い魔の秘密を暴いてやる……!)

 

 

マリコルヌの中に、更なる憎悪が生まれる。

 

そんな事は知りもしない教室の生徒とシュヴルーズは、淡々と授業を始めた。

 

この世界の四系統の魔法、『火』『水』『風』『土』。世界に根付く基本的な魔法である。

 

この世界は魔法を中心に回っており、生活の基盤として魔法を用いている様だ。扉の施錠、光の生成、etc..

 

電気も無いこの世界は、科学技術が発展したポケモンの世界と比べると異質なものである。だが、万能性は科学よりも魔法の方が高い。恐らくこの世界では、科学の出る幕は無いだろう。

 

 

土属性の魔法の一つ、錬金の授業を行うシュヴルーズは石ころを別の性質を持つ鉱石へと変える。これが2年生最初の授業でやる様な魔法かとツッコミを入れたくなるが、魔法の世界ではこれは必須科目のようだ。

 

一つ一つの動作が新鮮で、その後に繰り出される物事の数々に興味がそそられる。黒板に書いてある字はまだダークライには分からないが、何れ解いてやろうと心の中で決めた。

 

そんなダークライの隣で、ルイズは真剣に授業を受けていた。教師としては、その姿はとても嬉しいものだろう。

 

 

「それでは、今見たことを誰かに実習して貰いましょう。……ミスヴァリエール、出来ますか?」

 

 

それが故に、シュヴルーズはルイズに実習をやって欲しかった。真剣に取り組んでいる者にしっかりとした知識をつけて貰いたいと思うのは、教師として当然の事であろう。

 

しかし、教室の生徒から出た言葉は批判の言葉のみであった。

 

 

「先生、止めといた方がいいと思いますけど……」

 

 

代表して、キュルケがシュヴルーズに声を上げた。勿論その言葉の意味をシュヴルーズは問う。

 

 

「危険です」

 

 

ストレートな一言。しかし、そんな何も飾っていない言葉には強い意志が込められていた。

 

更に分からなくなったキュルケの『危険』と言う言葉に、更なる問を投げかけようとした。

 

 

「やります!」

 

 

しかし、その言葉はルイズの一声によってかき消された。気合の入ったその声に教室の生徒は絶望的な表情になる。

 

 

「お願いルイズ!止めて!」

 

 

それ程危険なのか、キュルケが必死になってルイズを止める。しかし、その程度で止まるルイズではない。

 

教壇の前に立ち、杖を振り上げる。思い描くは美しい宝石。教壇の上に置いてある石が、瞬く間に別の物質へと変わる事。

 

深く、息を吐いた。その行動で本気で錬金魔法をやろうとしている事が分かった生徒達は大急ぎで机の下に入る。

 

そんな中、ダークライは微動だにせずルイズを見守っていた。

 

 

(よし……錬金ッ!!)

 

 

魔法を溜め、全力を持って杖を振り下ろす。

 

瞬間、石が粉々に砕け、爆発が辺りを吹き飛ばす。

 

 

 

 

 

 

かに見えた。

 

 

 

 

 

 

 

「フゥアッ!」

 

 

石に変化が現れた瞬間、常人では捉えられないスピードでダークライが動き、左手を上へと掲げた。

 

同時に、机の下から闇で作られた丸い檻の様な物が出現し、爆発する寸前だった石と机を飲み込む。

 

檻の内部で爆発した石はくぐもった爆発音を教室内に漏らした。その数秒後、ダークライは左手を下ろし、闇の檻を静かに消失させた。

 

そこに残されていたのは、黒い焦げがつき、バラバラに砕け散った机だった。どうやら石は跡形もなく吹き飛んだ様だ。

 

 

「な、なにが…?」

 

 

一部始終を見ていたシュヴルーズが声を漏らす。超スピードの事態の展開に付いていけないのは当たり前だろう。

 

想定していた衝撃が訪れず、生徒達は机の下から顔を出す。それを尻目に、ダークライは教壇だった物の前で呆然としているルイズに声をかけた。

 

 

「マスター、無事カ?」

 

「い、今の……ダークライがやったの?」

 

「ソウダ。マスターガ危険ダト判断シタ緊急処置ダッタガ、間ニ合ッテ良カッタ」

 

 

更に呆けるルイズ。ダークライはその姿に少し安心した。

 

 

「ミスヴァリエールの使い魔が今のを……?でも、今の魔法って……」

 

 

ダークライが培った経験で作り出したダークホールの応用技。敵を完全に寝るまで閉じ込める技は何かを封じるのも可能である。固定物であれば、簡単に爆発力を抑えることが可能だ。

 

しかし、問題はそこではない。この世界ではポケモンの技は魔法として考えられる。ダークライの黒い技。四系統の魔法では有り得ない、対象物を封じ込める暗黒の幻影(イリュージョン)の様な魔法に、シュヴルーズは心当たりがあった。

 

 

 

それは、伝説に伝わる第0の魔法。

 

四系統の魔法と離れた幻の、強大過ぎる力。

 

爆発、幻影、記憶の消去など、不可解な力を持つその魔法の名は

 

 

 

 

『虚無』

 

 

 

 

 

 

 

 

暗黒の覇者とその主は今、伝説への道を歩み始めた。

 

 




後書きポケモン図鑑

『パルキア』くうかんポケモン
タイプ:みず/ドラゴン
高さ:4.2m
重さ:336.0km
とくせい:プレッシャー/テレパシー

『図鑑説明』
並行空間に住む、空間を歪める力を持つ伝説のポケモン。ディアルガと対なる存在だと言われているが、それ程仲が悪い訳でもない。専用技『あくうせつだん』は非常に強力で、文字通り空間を切断して敵を攻撃する。攻撃を喰らうのは敵どころでは無いのは、恐らく誰でもわかるだろう。
ディアルガと戦闘になったパルキアは街を亜空間に浮かべたが、ダークライとサトシ達の努力もあって仲直りに成功する。ディアルガはすたこらと自分の時間の世界に戻ったが、遅れたパルキアはサトシに馬鹿呼ばわりされ、なくなく空間を元に戻した。一番損な役回りをしたポケモンでもある。

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