ザレゴトフィアンマ ~戯言遣いとボンゴレマフィア~   作:昆布さん

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咎凪さんが異様にしょぼい…人間関係で出てきた尖離さんが登場せずして死んでしまった影響ですねえ…うん…これ以上に書きようがなかった…兎吊木も好きだから出したかったわけだし。


標的9 人類最悪の軍隊(人類災厄の群体)

なにがどうだ、あれがどうだ。そんなのは全部、同じことだ。

 

・・・・・

 

ぼくがホテルに戻ると、玖渚が携帯電話を使って誰かと通話していた。

「うん。じゃあよろしくねー。」

ぴっ。

「あ、おかえり、いーちゃん。」

「ただいま。誰と電話してたんだ?」

さっちゃんだよ。一切の屈託もなくそういってのける玖渚。しかしぼくからすればそれはとんでもないトラウマネーム。

「マジ?」

「マジ」

 

・・・・・

 

「全く…俺ともあろう者が、破壊と真逆のことをやるハメになるとはな。」

薄緑色のサングラスの位置を整えてその男は笑う。

「だがまあ、誰あろう暴君のたのみだ。この害悪細菌(グリーングリーングリーン)、全力を持って事に当たろう。」

そういうと男…兎吊木は猛然と打鍵音を響かせ始めた。

 

・・・・・

 

咎凪鋭他は西東軍こと、正式名称フォックスファミリーの情報戦担当だ。

彼の相棒はクリザリッド99とクロゼロ2000と言う二台のノートパソコン。

そこに何か、不穏なアクセスが入った。

「んん?不正アクセスか?ハッキング…うん、面白い。ずっと後ろというのも飽きてきたところだ。真剣勝負と行こうじゃないの?この俺、咎凪鋭他が直式に相手してやるよ!」

鋭他もまた、兎吊木と同様のタイミングで打鍵を始めた。

 

・・・・・

 

「るあァッ!」

「くたばんなア!」

二人がかりの同時攻撃。右の男の正拳突きと左の男の回し蹴りを受け流し、大きく距離をとると綱吉は息をつく。

そっくりの顔をした男達を睨み付け、綱吉は両の拳にオレンジ色の炎…超高圧縮エネルギーである死ぬ気の炎を宿し、二人に聞く。

澪標(みおつくし)…だったか?何故俺達を狙う。」

綱吉の質問に二人は同時に答えた。

「「狐の旦那のためだ。」」

「失敗作とされた詰草(つめくさ)を拾ってくれた狐の旦那のため」

「失敗作とされた巻耳(おなもみ)を拾ってくれた狐の旦那のため」

俺達が世界を終わらせる。デュエットでそういうと、詰草と巻耳は再び攻勢に出る。

「一撃目…」

「二撃目…」

「三」

「四」

次々と、息のあったコンビネーションで、挟み込むように連続コンボを打ち込んでくる澪標兄弟。

全て流している綱吉だが、そのうち二人の拳が決まり始める。

「何ッ!?」

「挟み込む…」

「逃しはしない…」

「力と…」

「力の…」

「「サンドイッチ」」

そして…綱吉の体に二人の拳が迫る。

詰草の拳を跳ね上げて、巻耳の拳の衝撃に備えようとした瞬間、その行方にバンテージの巻かれた拳が割り込んだ。

「部室の前が騒がしいと思ったら…貴様ら、沢田に何をする!」

「了平!」

芝生のような白髪を短く刈り揃え、こめかみに刻まれた傷跡と鼻の頭の絆創膏が特徴的な青年…笹川了平が巻耳に指を突きつけ、吼える。

「貴様!この笹川了平が相手になる!極限にかかってこい!」

「笹川了平…」

「ボンゴレ晴の守護者…」

澪標の合気と了平のボクシング。

思いも寄らぬ異種格闘技戦が幕を開けた…

 

・・・・・

 

西日がキツい。

そんな血のように赤い世界の中で、二人の青年が睨み合う。

「クソッ…!」

「どう死ま死たか?」

隠が術をかけては問識が術を破る。術と術の破り合い、根性頼りの泥仕合だ。

しかし、軍配がどちらに上がるかは、よくよく考えてみれば一目瞭然である。

直接戦うことをせずに、絶対安全圏から戦わずして殺す、それが呪い名。対して自らの命を危険にさらして、誇りと生死を賭けるのが殺し名。

精神力の格が違う。

バリィィィーンッ!それまでひときわ大きい破壊の感覚。

「ッ!」

隠の体が、それまで問識と、直立不動で睨み合っていた隠の上半身が、大きく仰け反った。

「ここまでのようですね…では、大人死く死になさい。」

僕は他と違って始めないのです。

「では、零崎を終えま死ょう。」

懐から取り出した刃で、一瞬にして命を刈り取る。

死神のような所行を平然とこなす殺人鬼。

死神と製作所死配人と殺人鬼。殺しのハイエンド。最悪のハイブリッド。

それが零崎問識である。

 

・・・・・

 

おつかれさま。

そんな文面がモニターに現れ、鋭他は愕然とした。

「これは…しまっ…!」

クリザリッド99とクロゼロ2000の画面が一瞬で、大量のおつかれさまに変わる。

それはもう、ニコニコ動画など、物の数ではないほどの弾幕に。

過負荷。それは違法改造の旧型パソコン二台を操る鋭他にとって致命傷だ。

パチリ。とスパークが散り、鋭他の眼前で。

ぼぼんっ。

「ぐあッ!」

眼前で起こった小爆発に仰け反った鋭他の体が思い切り倒れ、床に後頭部を打ち付ける。どうしようもない致命的な角度で。

結果、脳死状態になった鋭他は、あっけなく舞台を退場した。

 

・・・・・

 

了平自慢の右ストレートをかわし、巻耳はその腹に鋭い蹴りを喰らわせる。

「ぶぐっ…」

「まだだ」

了平の左腕につけられたバングルに炎が灯っていく。

「これで終わりだ。」

奥義…と、思い切り腰を入れた正拳突きを繰り出す。

「ぐふっ!」

続く本命の一撃。狙うは一点心臓のみ。彼等二人が少しだけ囓ったかつての直木飛縁魔の必殺技。

「問答無用拳!」

ドムッ!

「ガッ…!」

しかし倒れない。

日輪のごとく燃えさかるバングルをはめた左腕をしっかりと引き絞り、溜めを作る。

「とどめにもう一撃、奥義、問答無用拳…」

そして巻耳の放つ一撃。了平はそれに応えるように、拳闘士としての天性の素質で、そもそもそれほど難しいわけではないこの必殺技を盗み取った。

そしてそれを放つ。

巻耳の問答無用拳を身をかがめて躱し、零距離で溜めを作った左拳を左胸へ向けてまっすぐ伸ばす。

極限問答無用拳(マキシマムバーニング)!」

巻耳の体が崩れ落ち、了平は座り込んでボクシング部の部室の壁にもたれかかる。

「ビッグバンアクセル!」

詰草をKOした綱吉も、疲れ切った表情だ。

しかしここまででもほんの序曲なのである。

そしてここから、曲は変調を迎えるのだ。




飛縁魔さんも好きで、どうにかこうにか、何らかの形で関わらせたいと思ってたので、澪標兄弟に絡めて問答無用拳だけ使わせて頂きました。
澪標兄弟については次の解説にて。
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