ザレゴトフィアンマ ~戯言遣いとボンゴレマフィア~ 作:昆布さん
しかし積雪さん、けっこうクセになる人ですねえ。
人が使うのではありません、武器が人を使うのです。
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式岸軋騎名義で借りているホテルの一室に、その夜一人の男が尋ねてきた。
「どうも、あなたが軋識さんでよろしかったですね?」
「ああ、罪口積雪さんだな?」
ええ、と頷くと着流しを着た壮年の男を部屋に招き入れる。
積雪は早速肩から提げていた細長い鞄をおろして軋識に中のそれを見せる。
「さすが罪口商会…それも統括クラス…すげえ出来だな。」
積雪から離れて軽くそれを振ってみる。
「ああ、これだ…このカンジ…前と同じ、いや、寧ろもっといい!」
「注文の品、新しい
軋識の手に握られているのは艶消しブラックの全鉛製一体鋳造釘バット。かつて裏世界にその名を轟かせた愚神礼賛だ。必要性を感じた軋識が積雪に連絡したのはほんの一日前だというのに、ここまでの出来のものを用意してくれた。
かつて曲識の依頼で漆黒のマラカス、
罪口積雪とはそれほどの腕を持つ職人なのだ。
「で?代金…いや、代償はなんだ?」
「そうですね、私が彼と知り合ったのは7年前…彼が24歳の時でしたから、それ以前の曲識君についての思い出話で、いかがでしょうか?」
「いい商売してやがるぜ…おっと、愚神礼賛を持ったからにはもう普通に喋るわけにはいかないっちゃね。じゃあまずあいつと出会ったときの話からだ、レンのやつが初めてあいつを連れて来たっちゃが…」
夜通し共通の知人、軋識にとっては弟兼親友であり、積雪にとっては自身がファンである音楽家であり、親友であった殺人鬼、
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奇しくもそれは軋騎さんが武器を手に入れたときと同じであったのだが、ぼくはその時、一本の電話を受け取っていた。
玖渚がシャワーを浴びている間、ぼくは本を読みながらこれからのことについて考えていたのだ。
狐さんははたしてどういう手段で戦争を仕掛けてくるんだろうか?そう考えたとき、ぼくの携帯がコール音を響かせたのだ。
「はいはいっと…知らない番号だな…まあいいや。」
通話ボタンを押してGET BACKを停止させ、電話に出る。
「どちら様?」
『おめでとう、電話番号ゲットだな。電話帳に覚えさせておけよ、俺の敵。』
「!…何の用ですか?」
『『何の用ですか』ふん。決まっているだろう、明日勝負を仕掛けるから、それについての業務連絡だ。三回勝負だし、一応そう考えてはいるが、一戦落としただけでもどうなるかは想像がつかん。』
まあつこうがつくまいが同じ事だがな。と付け足して狐面の男は言う。
『で、どうするんだ?この賭け、
随分とえらそうですね。そう返してぼくは啖呵を切ってやる。
「みんなやる気十分みたいですし、ぼくはダービーとは違いますからね、はっきり言ってやりましょう。」
ほう。という声が電話の向こうから聞こえるが、ぼくは構わず宣言した。
「コール!やっつけてやりますよ、狐さん。」
『ククッ。おもしれえ,やはりお前を俺の敵としたのは間違いじゃ無さそうだ、よかったぜ。開戦は明日の午後3時だ。しっかり覚えて準備しろよ、俺の敵。』
じゃあな。と狐面の男は電話を切りかけ、そして付け足すように言う。
『覚えてるだろうな、俺の名は西東天だ。もう一度しっかり覚えて刻み込め。』
「そっちも覚えてるか怪しいモンだからもう一度教えましょう。ぼくの名は×××××です。覚えなくてもいいですよ。どうせ忘れられない名前になる。」
暫くの沈黙、回線を通して睨み合った後、どちらともなく電話を切った。
「いーちゃん、シャワー空いたよ。」
「OK、じゃあぼくもシャワー浴びてねることにするよ。」
玖渚にそう応じてぼくもシャワールームへ向かおうとして、呼び止められた。
「心配、要らないよね?」
「…当たり前だろ?友。ぼくはお前の相棒だぞ、心配しなくていいから、信頼してくれ」
一瞬考えた後に応えた言葉には嘘も偽りもない。全てが本音。混じりっけのない本音だ。
「うん、じゃあ心配しないで信じてるから、絶対戻ってきてね。」
おう。と返事をして僕はシャワーを浴びに行き、そして眠った。
・・・・・
同時刻、並盛病院。
零崎人識が入院していた病室はもぬけの空になっている。でははたして彼はどこに行ったのだろうか?それを知るものはいない。
ただ、夜の街を見下ろせる場所に成人男性にしては小柄な影が立ち、夜風を浴びている。
その唇が開いた。
「殺して解して並べて揃えて晒してやろうぜ」
「はい、零崎を始めましょう」
後ろにいる背の高い女性が影の言葉に同調して…
二つの影がそこから消えた。
・・・・・
『たしかに伝えたぞ。沢田綱吉。』
「はい、承りました。では、俺達はあなたに真っ向から立ち向かいます。」
先ほど戯言遣いにそうしたように、あるいは6年前に戯言遣いにそうしたように狐面の男は回線の向こうで綱吉に向けて名乗った。
『西東天、それが俺の名前だ。しっかり記憶して刻み込め。』
綱吉はそれに怯まずに返す。
「俺の名前は沢田綱吉、記憶に焼き付けて刻んで下さい。」
・・・・・
かくして、夜が明け、昼が過ぎ、日が傾いて…
「時間だ。」
戦争が、始まる。
というわけでシームレスバイアス復活と相成りました。実はこの武器が白蘭がらみのすごい物で・・・と。詳しくは本編の更新にて。
ちゃおちゃおー。