ガヤガヤガヤガヤ
帰りのHRも終わり皆放課後の活動へと繰り出していく中、誓哉は椅子に腰かけた天井を見つめていた。
しかし実際のところ彼の目には何も映っていなかった。
映っていても、どこにも注意が向いていないので実質見えていないのと変わりはない。
そんないつもと明らかに違う様子に気を多くのクラスメイトが遠巻きに観察していたが、声をかける者はいなかった。
触らぬ神に祟りなしといったやつである。
そんな知らぬ間に周りを微妙な空気にしている当の本人はというと、何を気にするでもなく昨日のことに思いをはせていた。
「あなた・・・どうやってここに?」
いぶかしそうにこちらを見つめてくる彼女を見つめ返しながら同じような疑問を返す。
「それはこっちのセリフだよ先輩。
この状況を見て驚いてないってことは、偶然ここに居合わせたってことじゃないんだよな?」
「先輩・・?」と首をかしげるリアスだったが、誓哉が着ているものが駒王学園の二年自制の制服であるのを見て納得したように頷いて見せた。
「なるほど、あなたうちの生徒だったわけね。
でもおかしいわね、特別な経歴を持つ学園生のデータは一通り目を通しているはずなのだけれど・・・。
まぁ、それはいいわ。
それで? どうやってここには入り込んだのかしら。
今この場所は『偶然』で入り込める場所ではないのだけれど?」
彼女の視線が鋭さを増した。
どうやらこのまま返してはくれそうにない。
「ん、ん~・・・」
その時やけに間の抜けた声が聞こえてきた。
そちらに目を向ければ一誠がのんきに寝息を立てているのが見て取れた。
「「フフッ・・・」」
思わず苦笑が漏れ顔を見合わせる二人の間には、先ほどまであった緊張感はかけらも残っていなかった。
「グレモリー先輩」
「リアスでいいわよ、えーと・・・」
「龍堂誓哉だ。それでだなリアス先輩」
「なにかしらセイヤ?」
「今日のところはここまでにしないか?
同じ学園にいる以上逃げることもできないわけだし、明日改めて話し合いの場を作るってことにしようぜ?」
ふーむ、と考えるような仕草をとるリアスだったが誓哉の目にはそれがポーズにしか見えなかった。
それは正しかったらしく何秒もしないうちにこちらへと視線を向けてきた
「それは明日になれば、こちらの質問に答えてくれると考えていいのよね?」
少々意地の悪そうな笑みを浮かべるリアス。
それはこちらの出方を楽しんでいるようにも見えた。
「もちろんそのつもりだぜ。当然そちらがこちらの質問に答えてくれるんなら・・・だがな?」
そんな誓哉の言い分は聞き方によっては生意気に映るかもしれないが、転んでもただでは起きないといったその姿勢はリアスには好ましく見えた。
「いいでしょう。では明日の放課後あなたのクラスに使いをやるから待っていてちょうだい」
『行くわよ朱乃』と背後に控えていた姫島先輩に声を掛けたかと思うと次の瞬間には一誠の体と共に姿を消していた。
普通なら一誠を連れて行ったことを危険視するべきなのかもしれないが、不思議とあの人たちなら大丈夫な気がする。
あいまいな直感に任せ昨日は家路についたのだ。
そんなわけで彼女言いつけ通り教室で使いの人間を待っているわけなのだが、ふと教室の出入り口のほうが騒がしいことに気が付いた。
「き、木場君どうしたの?
うちのクラスに来るなんて珍しいよね」
「こ、この後暇だったらいっしょにお茶でも・・・」
etc,etc
黄色い声のその先には金髪の優男が立っていた。
そして誓哉の姿を見つけると爽やかなスマイルをこちらに向けてきた。
どうやら使いというのはこの男で間違いない様だ。
木場裕斗。
駒王学園二年次、オカルト研究部所属、端正な顔立ちと貴公子然とした振る舞いで女子に人気がある学園の王子さま。そして――
(リアス・グレモリーはじめ学園内に何人かいる妙な気配を持つ連中のひとりだ)
おそらく自分たちを迎えに来るのがこの男だろうことはわかっていた。
理由は単純、同学年で同性、そしてオカルト研究部唯一の男子部員であるこの男が迎えに来るのが最も平和に事が進むのは明らからだ。
「行くぞ一誠」
「お、おう!
一誠と共に出入り口のほうへと向かうとまるでモーゼの十戒のごとく人垣が割れていき、自然に木場と対峙する格好になった。
「初めまして、になるのかな? 色々噂を聞いているから初めて会った気がしないけど、よろしく龍堂誓哉君に兵藤一誠君。木場裕斗です」
「それはお互い様だろ。 まぁいいさ、龍堂誓哉だ。 よろしく」
「イケメン殺すイケメン殺すイケメン殺す」
まるで呪詛のように一誠が木場をにらみつけるが、木場は困惑した様子も見せず笑顔を崩さない。
スゲェなこいつ・・・。
「それじゃ行こうか」
俺たち三人は教室を後にした。
木場に連れられ訪れたのは駒王学園の旧校舎だった。
ここは基本的に立ち入り禁止であり、かなり古びた外見にもかかわらず取り壊されないことから学園の七不思議に数えられている。
そして唯一立ち入りを許されているのが、部室を構えるオカルト研究部の部員なのである。
校舎に入ってみると古びた外見とは異なり、そこそこ整備されておりとてもではないが使用されていないようには見えない。
二階に上がり、廊下の突き当り一番奥の扉のまえで木場が立ち止まる。
「さあ、部長がお待ちだよ」
ドアが開けられ最初に飛び込んできたのは部屋全体に描かれた魔法陣であった。
それ以外は調度品がやたらアンティークで高そうなこと以外変わった点はない。
そして正面の執務机には、この部屋の主であろうリアス・グレモリーが座っていた。
「ようこそ、歓迎するわ」
座ることを勧められ素直に腰を下ろす。
今この机には自分と一誠を除けば4人が座っていた。
正面がリアスと朱乃、一誠側に木場、そして俺のそばには羊羹を食べている小柄な女生徒。
「なんですか?」
あまり、感情の感じられない声で問いかけてきた。
(塔城 小猫(とうじょう こねこ)・・・)
駒王学園一年生
その小さな体と愛らしい顔つきで一部に熱狂的なファンを持つ学園のマスコット的な存在だ。
「好きなのか、羊羹?」
「・・・はい」
こちらに対して興味を失ったのか再び羊羹に注意を向けてしまった。
その様子に苦笑しながら改めてリアスのほうへと向き直る。
それが準備ができた合図と受け取ったらしいリアスが居住まいを正して口を開く
「改めて、ようこそオカルト研究部へ龍堂 誓哉君、兵藤 一誠君。
セイヤにイッセーでいいかしら?」
着席を促されリアスの前に腰を下ろす。
「ねぇイッセー、あなた昨日のことに関してどれくらい覚えているの?」
「昨日は彼女とデートに行きました。それで夕方公園に行って、それから・・・」
そこで口ごもるイッセー。
自分でも昨日起きたことがいまいち理解できていないのだろう。
「すいません、たぶん今の話は俺の勘違いです。今日友達に確認したら俺の彼女なんて見たことないとか言われるし・・・」
元浜や松田の記憶からは『天野 夕麻』に関する記憶がごっそり抜けおちていた。
一誠本人を除けば彼女の存在を知るのは俺を含めて三人だけだ。
迂闊なことがいえない現状、ひとまず俺もほか二人に合わせるスタンスを取っていた。
「天野 夕麻」
唐突にリアスの口からその名前が出てきたことに驚き、イッセーが詰め寄る。
「なんでリアス先輩が優麻ちゃんのことを知ってるんですか!?」
「落ち着きなさいイッセー。順を追って説明するから」
なだめるように席へと座らせ、説明を続ける。
「まず初めにイッセー、あなたが夢だと思っていることは昨日現実で起きたことよ。
あなたは天野夕麻に殺された。
そこにいるセイヤが証人よ」
一誠が驚いたようにこちらを振り向く。
「お前、今日訊いたら知らないって言ったじゃねえか!」
「悪いな俺も事態が完全に飲み込めたわけじゃないんだ。迂闊なことは言えなかったんだよ」
完全に納得したわけではないようだが、一応の理解はしたのだろう。
リアスの方へと向き直り続きを求める。
「あなた昨日駅前でこんなチラシをもらったわよね」
そう言って昨日一誠が握りしめていたチラシと同じものを見せてくる。
「はい確かにもらいましたけど、それが一体?」
「この中央に書かれている魔法陣はこれを持った者の強い思いに反応して、転移の魔法を発動するようになっていたの。
あなたが死ぬ間際に生きたいと強く思ったことで、私がその場に召喚されたというわけね」
そこまでまくし立てるように説明するリアス。
だが、一誠にとっては聞き慣れない単語だらけだったのだろう。
困惑したように質問を投げかける。
「魔法?召喚?あの、一体先輩は何を言っているんですか?
大体死んだはずの俺がどうして生きてるんですか、あなたはいったい何者なんですか!?」
その答えを示すように、オカルト研究部員の背に蝙蝠のような翼が出現した。
「私たちは、悪魔。
そして私はグレモリー家次期頭首リアス・グレモリー。
これからはあなたのご主人さまよ、よろしくねイッセー♪」
しかし、リアスの解答は一誠をより悩ませることになってしまったようだった。
「ごめんなさい、いきなり言われてもわけがわからないわよね。
順を追って説明するわ。
まず、あなたたちがフィクションの存在である思っている悪魔や天使、堕天使といった存在は現実に存在するわ。
でもあなたが今まで出会わなかったように、その存在を知っているのは一部の人間だけよ。
大半の人間は一生関わりを持つことはない、だからその存在が世間に知られていない。
だけどここ数百年は以前に比べてだいぶ接触の機会が増えてきているわ」
「それはなぜですか?」
「種の存続のためよ」
「種の存続、ですか?」
悪魔が種を存続させていくことと、人間が結び付かなかったのだろう。
オウム返しに一誠が問い返した。
「そのためには、さっき挙げた3種族の歴史について少し話をしなければいけないわね」
そう言うとリアスは、まるで物語でも語り聞かせるように訥々と話し始めた。
「昔悪魔、天使、堕天使の三種族は数百年の、三つ巴の戦争をしていたわ。
そしてそれは唐突に終わりを迎えることになる。
長きにわたる戦争の結果、三種族は種の存続が危ぶまれるほど疲弊しその事態を重く見た各勢力のトップたちは互いの不可侵を条件にこの戦争を終結させたわ。
しかし、実際はただの休戦状態、いつ均衡が破れぬとも限らない状況において戦力の回復は最優先事項だった。
そこで悪魔側はその他の生物を悪魔として転生させることを思いついたわ。それが悪魔の駒《イービル・ピース》よ」
そう言うと、宝石箱のような箱の中から血のように赤いチェスでいう騎士《ナイト》の駒を取り出す。
「悪魔の駒は対象の相手を使用者の眷属悪魔として転生させるの。
だから今ここにいるヒトは誓哉を除いてすべて私の眷属ということよ。
昨日駒の力で命を救われたあなたもね。
だからご主人さま」
自らを指差しにこやかに告げるリアスとは対照的に不安と疑問が入り混じった表情を浮かべる。
自分が本当に死んでいたことが信じられないのだろう。
自分の胸に手を当てて鼓動を確かめる動作を繰り返している。
「ちなみに悪魔の駒がチェスに似ているのは魔界でもチェスは人気を博していたかららしいわ。
それにちなんで一人が持てる駒の数もチェスに合わせて兵士8、僧侶2、騎士2、戦車2、女王1になっていて、今では眷属同士を戦わせるレーティングゲームと呼ばれるものがブームになっているわ」
「なるほど、自分の集めた眷属自慢と戦闘経験を積ませるって言う思惑がうまい具合に合致したわけか」
「そういうことね。
まぁなんにせよ、その悪魔の駒の力であなたは生き返ったというわけ」
しばらく呆然としていた一誠だが、自分の中である程度整理がついたのか今度は違う疑問が出てきたようだ。
「俺が本当に死んでて先輩に助けられて悪魔になったのは分かりました。
ありがとうございます、助けてもらって。
それであの、悪魔になると今までとなんか変わるんですか?」
当然と言えば当然か、自分の変化がどういった形で生活に関係してくるのか気になる。
「そうねえ、肉体的にはいろいろ変化があると思うけどそれは直に体験してもらった方がいいでしょうね。
大きな変化としてはここオカルト研究部に在籍して一緒に悪魔の仕事に参加してもらうことかしら」
「悪魔の仕事・・・」
一誠が蚊が鳴くような声でうめく。
明らかに言葉に押されている感じだ。
確かに響きだけ聞く限りなんとなく映画とかアニメにあるような命の契約を交わす、とかまがまがしいものを連想してしまうが、
「イッセーあなた、命を代償に~~みたいなことを考えたでしょ。
そういったことがないとは言わないけど、私たちが行うのはもう少し軽いものよ。
対価も相応のものしかもらわないしね。
まあもう一つ仕事はあるんだけどそれはひとまず置いておくとして、次はセイクリッドギアの説明に入るわね」
「イッセー、あなたはどうして自分が堕天使、天野夕麻に襲われたかわかる?」
いきなり優麻の正体が堕天使だったと聞かされ若干の動揺はあったようだが、一応自分でも考えていたようで時間をかけることもなく解答が飛んできた。
「それがさっぱりなんです。
自分で言ってて虚しくなりますけど、俺スケベなこと以外は何の取柄もないんですよ。運動も普通だし、勉強は大体平均チョイ下・・・。
ほら理由がわがりません」
言っている間に悲しくなってきたのか、最終的には号泣し始めたイッセーを苦笑交じりでリアス含め部員が見ていた。
特に小猫が道端のゴミを見るような眼で見ていたのはなかなか印象的だった。
「それはねイッセー、あなたに神器セイクリッド・ギアが宿っていたからよ」
リアスがしょうがないわねみたいな目を向けながら、イッセーに説明を始めた。
「せ、神器セイクリッド・ギア?」
一誠の方も落ち着いたのか、鼻水と涙を拭きながら話を聞く。
っていうか汚ぇな、オイ。
「ええ、神器は神が創った人間だけが持ち得る超常の力。
多種多様な力があり、中には神さえ屠れる神滅具ロンギヌスと呼ばれるものもあるそうよ。
堕天使の総督・アザゼルは神器に関して造詣が深いと聞くわ。
おそらくあなたが持つ神器がアザゼルのセンサーに引っかかったのね。
それじゃ、神器を出してみましょうか。
イッセーあなたが思う一番強いものを思い浮かべなさい、出来るだけ具体的に」
一番強いもの~、一番強いもの~と声に出して考えること数分、一誠の中でイメージは固まったようだ。
「いいわね、それじゃ思い浮かべた姿をそのまま真似しなさい」
ええ~、と恥ずかしがる一誠に対してこれが一番いいのと言われしぶしぶ構えをとる。
両手首の付け根を合わせ、その手を腰だめに構える。
いわゆるかめは○波の構えだ。
「ド~ラ~ゴ~ン~波ッッ!!」
何かを打ち出すモーションで手を前へと突き出す。
その手に光が浮かんだ。もちろん本当にビームみたいなものが出たわけではない。
光がはれると一誠の左手には赤く輝く籠手が出現していた。
(こいつはずいぶんと濃い龍の波動だな)
自分の中に眠る暴君たちがざわめくような感覚を感じていると、
(おい誓哉きづいたか?)
(ヴェル? お前が反応するってことはやっぱり・・・)
(ああ、奴のあの籠手には間違いなく龍の、それも上位種の力が宿ってやがるな)
(・・・にしては周りの反応がやけに薄くないか?)
(力が目覚めたばかりとというのもあるんだろうが、根本的に宿主のスペックが低すぎるのだろうなこれは)
(一誠・・・)
アドヴェルサの身もふたもない言い方に思わず熱いものがこみ上げてくる誓哉だった。
「無事にできたわね。それじゃ、つぎは―――」
そこまで話が進んだところでそれまで一誠に向けられていた視線が誓哉に向けられた。
「セイヤ、今からあなたにいくつか質問をしたいのだけど構わないかしら?
答えたくないことに関しては黙秘で構わないわ」
「ああ、それで構わない。今更だけど敬語とか使った方がいいかリアス先輩?」
「いいえそのままでいいわ。
じゃあ単刀直入に聞くわ。
セイヤ、あなたはいったい何者なの?
どうして昨日あの場所にいたのかしら?」
「まぁ簡単に言うと俺、少しだけ魔法が使えるんですよ」
「魔法が? あなた魔法使いの一族だったの?」
「いや、俺の両親はただの一般人。
ただ昔ちょっとそういう人種と知り合いになる機会があってな。
素質があるっていうから『ちょっと』教えてもらったんだ。
で、昨日はおかしな気配を感じて行ってみたらあの現場に出くわしたってわけ」
(そう、異世界で『ちょっと』な・・・)
(『ちょっと』、か・・・。クククッ随分と定義の広い言葉だな誓哉)
うっせと思いながら表には出さずに話を続ける。
「そういうことね。
それで、魔法が使えるっていうのはどれくらいのことができるのかしら?」
「たいしたことはできないな。 体力強化と元素系が少しって感じか」
「そう・・・、ふーん」
疑いが晴れたようではなかったがこれ以上聞いても無駄なことはリアスにも伝わったようだった。
(悪いな先輩、全部話すわけにもいかないんでな)
まさか異世界に行って魔王を倒してきました、なんて言ってもとても信じてもらえるとは思えない。
それなら最初からそこに関しては触れないようにしたほうが無難というものだ。
「まぁ、いいわ。
ところで誓哉、あなたこの部に入部する気はないかしら?」
「は? だってこの部は先輩の眷属が入部するんだろ? 俺はあんたの眷属じゃないぞ?」
「別に関係ないわ。
事情が分からない者を入部させるわけにはいかないけれど、あなたは一応当事者になるわけだし。 それに――、」
すっと目つきを鋭いものにしてこちらの理由が本命であると伝えてくる。
「何かを隠していそうな人間はそばに置いておいたほうが監視も楽じゃない?」
と挑発するように目線を送ってきた。
それに対して誓哉はというと
「ふーんじゃあ入部させてもらうかな」
とやけにあっさりしたものだった。
「・・・どういうつもり?」
「は?いや、あんたが入部したほうが楽だっていうからじゃあそれでいいかなと。
別に断る理由もないしな。美人多いし」
「・・・あなたなかなか愉快な人ね。
いいわ、それじゃあ入部していただきましょうか
さすがに悪魔の仕事を手伝ってもらうわけにはいかないけれど」
と苦笑を浮かべ空気を弛緩させた。
空気が弛緩したのを見計らって朱乃がリアスに駆け寄り耳打ちする。
それを聞いてなにやら思い付いたのか、こちらを見つめ話しかけてきた。
「ちょうど、オカルト研究部のもうひとつの活動依頼が来たわ。 二人とも一緒に来てもらうわよ」
俺と一誠は顔を見合わせる。
両者の顔には疑問が浮かび、代表して一誠が問いかけた。
「あの部長、もうひとつの活動ってなんですか?」
「はぐれ悪魔討伐よ。今回は見学だけのつもりだけど、二人とも準備だけはしておいてね♪」