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桜の木が花を散らし青々しくなってきた5月初め、佳織が噂を持ちかけてきた。
「ねぇ秋穂、特殊電話番号って知ってる?」
「えと、特殊番号のこと?110番とか119番とかのことでしょ。知ってるけど、なんで?」
「ううん、それは特殊番号。実は、特殊電話番号っていうのがあるんだって!」
ゴールデンウィークも終わったばかりだというのに日射しは強くなる一方で外は暑い。小高い丘の上にある高校に自転車を押しながら登る私と佳織は、額に若干の汗を浮かべていた。
既に私は疲れきっており、佳織の噂話をいちいち聞いている余裕を持ちたくはなかった。だから私はまるで興味が無いという風に、佳織の方に目も繰れず丘を登っていた。家から近いからという理由だけで学校を選ぶものではない。あと二年もこの坂道を登らなければいけないだなんて受け入れがたいことだ。
しかし、佳織はそんな私の気持ちなどお構いなしに話を続ける。
「なんかね、変な噂があるのよ。ある場所である番号に電話すると、繋がりはするんだけど何も聞こえなくて、しばらくするとむこうから切られるんだって。なんか怖くない?」
「なにそれ、バカみたい。そんな怪奇現象あるわけないじゃん。仮に本当だったとしても、私にとってはその状況を発見出来たことの方が怖いよ。なんでそんな特殊な条件下の状況を発見できたのさ」
「それは、まあそうかもだけどさ。もう、秋穂はホント浪曼がないよ。それに、こういう場合普通の女子高生なら、きゃーこわいーぐらい言ってみせるもんだよ。なんだよその冷めた反応」
「そういうのを女子力って言うんだっけ?そんなもんはとっくの昔にどこかに捨ててきたよ」
もう、などと言っていじけてみせる佳織の姿は、まさに年相応の女子高生と言った感じで女の私から見ても可愛く見えた。
私がそんな仕草をしても滑稽なだけだ。
教室に入るなり男子も女子も佳織が話していた噂話で持ちきりだった。クラスのほとんどがこの話をしているため嫌でも耳に入ってくる。この噂を確かめに行った他の学校の生徒が失踪した、などという噂もあるようだ。
佳織は机にカバンを置くやその噂話に参加しに行ってしまった。
佳織は昔からこういった噂話に弱い。小学生の時、他のクラスの男子がお漏らししたという噂を聞きつけたときは真っ先に確認しに行った。中学の時も、クラスにいた女子が誰と付き合っているかなどを周りと一緒に探っていた。いったい何が彼女をそこまで駆り立てているのか、私には不思議でならなかった。
そういえばどうして私は佳織と親しくなったんだろう。
「はい、ホームルーム始めますよ。席に着いてください」
チャイムの音と同時に先生が教室に入ってきた。
「みなさん、最近妙な噂が出回っているようですが鵜呑みにしないでください。それに、中間テストも近づいてきています。みなさんしっかりと勉強するように。また―――」
上着のポケットに入れていたケータイが小刻みに揺れる。どうやらメールが来たようだ。
私の席は廊下側の一番後ろの席にあるため、ケータイのバイブ機能が動作しても先生に見つかる心配はない。
『さっき噂の場所聞いたんだけど、一緒に行こ!』
おそらく先生の言っていた妙な噂とはこの噂のことなのだろう。わざわざ学校側から念を押されるということは何かトラブルが絡んでいるに違いない。
危険なことは避けたいけれど、正直言って私自身も少し興味が湧いていた。怪奇現象など、普通に生きていて遭遇できるような経験ではない。
何より危険があるのなら佳織一人で行かせるのは少し不安だった。きっと彼女は一人でも行くだろう。
『いいよ、じゃあ放課後一緒に行ってみよう』
初投稿になります。
終着点すら考えずの見切り発車です。
えと、なんとなーく思いついたまま整合性とかも考えずに書いていきます。
よろしくお願いします。。。
読みやすい文章にしていきたいと心掛けています。
そのため、誤字・脱字・間違った表現や感想がありましたらコメントしてください。