終わった世界の後日談   作:豚派

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異世界の狩猟事情

 これまでのあらすじ。

 

 ベルちゃんことベルティーユに連れられて異世界プルミエールへとお持ち帰りされてきた俺は早速ベルちゃんの家へと向かう、と見せかけてベルちゃんのお友達と会うことになった。

 

 正直に言うと、その相手というのはこの時点で予想はできていた。ドラプリのイベントにおいて、ベルちゃんには仲のよい二人の友達がいるのだ。その二人とは即ち、

 

「私が悪魔族のロキだ。そして――」

「妖精族のルールーじゃ。宜しく頼むぞ、ベルちゃんの『おにーちゃん』殿」

 

 ロキちゃんとルールー様。ベルちゃんと似たり寄ったりな体型――もとい希少価値のありそうなプルミエール人である。

ちなみにルールー様は御年100歳超えの純正ロリBBAであり、そしてロキちゃんはどことは言わないが大きくなると有名な血筋の中で唯一成長が遅れているというそれぞれかなりの希少価値がある。

 この二人にベルちゃんを加えた3人は希少価値を旨とする者として、日夜勢力拡大に勤しむ仲なのだ。

 そんなベルちゃんを教祖とする貧乳教の話はさておき、すぐ目の前に存在するツッコミ待ちの事案が一つ。

 

「なんか人一人入りそうな袋が中に何か入っている状態で二つほど転がっている件について」

 

 まあ言わずともわかってはいる。彼女達三人は友達であり、仲間であり、つまり似た者同士とも言えるのだ。

 俺が触れずにそっとしておいたほうがいいんじゃないかと思いつつ指摘した袋の中身を、ロキちゃんとルールー様は満足そうな顔をしながら見せてくれた。

 

 それぞれに成人男性一人ずつ。見事に御同輩である。

 

「今巷では肉食系が流行っているそうなのでな」

「ベルちゃんに便乗して我達も、ということなのじゃ」

 

 うんまあ、いい獲物取れたとか嬉しそうに笑う肉食系ロリとか俺得ですけどね。ベルちゃんに確保された時点で俺の人生も薔薇色確定なわけですがせやけどロリコンちゃうんやで。

 ともかく同じ境遇となった二人だが、よくよく見るまでもなく先ほどの俺と同様ぐっすりと夢の世界であった。これ絶対スリープですよね?などと問えば完全肯定モードの返答が。

 

 ここで説明しておくと、プルミエールの住民には戦闘中や探索時に発動できるスキルがあったりなかったりする。そのスキルの一つに相手を睡眠状態にするスリープというものがあった。

 この先は言わずとも何に使われたか察していただけるかと思う。あえて言うのであれば、据え膳状態で目覚めることになるであろう彼らの今後に幸あることを祈る文言くらいのものだろう。

 

 

 

 さて、今回ベルちゃんと一緒にロキちゃんとルールー様に会ったのには理由があったらしい。とはいうものの、お互いそれぞれのパートナーの紹介と言えば聞こえは良いが、要は取った獲物の見せ合いっこだ。

 狩猟民族かお前ら、とツッコミを入れようにも、エルフ族という穏やかそうな顔した割にガチな狩猟民族集団の存在するプルミエールである。うっかり狩猟民族出てこいや!などといってしまったばっかりに、呼んだ?とか言いながら寄ってきたのがその辺歩いてる普通のエルフ族ならまだしも、つい先日プルミエールを救った二代目ドラゴンプリンセス&マスターの頭のおかしい方ことフィオナだったりしかねないのがこの王都なのだ。腹ダムドほんとこわい。

 

 話が逸れたが、概ね平和的な性格の持ち主が多いわりに狩りと聞くと目の色変えてどこからともなく集まってきてはガチめな狩猟を行うエルフ族ですら、さすがにボーイハントの結果を見せ合うなんてことはきっとない……んじゃないかな正直ないと信じたい。とはいうものの連中三メートル級のウサギですら獲物としては普通呼ばわりしてるしどっかおかしいからありうるのかもしれない。やっぱりプルミエールには頭のおかしい種族しかいないのか。

 

 というかそもそも、俺にしろ目の前で転がってるお仲間にしろ、袋に詰められて連れてこられたのであればそれは不法入国とかそういう類のものにならないんだろうか。

 

 などといった内容のことを、連れてきた彼らのどこがよかったかを自慢しあう希少価値ガールズにやんわりと伝えてみた。みたのだが、

 

「……おにーちゃんなら、問題ない」

「えっ」

「だっておにーちゃんは、マスターの……」

 

 俺が一体なんなのか。ベルちゃんが意味深なことを続けようとした時、急に街中が騒がしくなった。

 

「フィオナだ!二代目ドラゴンプリンセスが来るぞーッ!!」

「皆目を合わせるなよ!いつダムドが飛んでくるかわかんねーぞ!!」

 

 世界を救った切り札の片割れ相手に酷い風評被害だ。そう思った五秒前の自分はなんと愚かしかっただろうかと、五秒後の俺は後に語ることになる

 

 

 

 轟音と振動、そして続く静寂。

 見ればうわあという顔の青年と、腹を抑えて蹲る褐色肌のエルフ族の少女、そしてさらにその場を一撃で支配した白い肌のエルフ族の少女。

 

 ああ、我々は今伝説を目撃しているのだ。世界を救った二代目のドラゴンプリンセスと二代目マスターとついでに二代目ドラゴンプリンセスの幼馴染の妹分(主に被害担当)という、目を合わせたらダムドが飛んできても文句が言えない伝説を。

 

「今ブタって言った奴出てこいよ直々にダムドしてやろう」

「落ち着けフィオナ!言ったのはそこで崩れ落ちてるから!!」

 

 暴力的な笑顔と共にその手に闇色の魔力を纏わせ、今しがた屠った妹分に追撃のガチ折檻すら辞さない。

 つまり、これがプルミエールという世界の最大戦力、二代目を襲名したドラゴンプリンセスとその破壊力であった。

 

 

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