Muv-Luv MUSHAの名を持つガンダム   作:アドベンチャー
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第12話 赤い彗星

ー上空15000mー

 

現在、ガルダは格納庫を破棄してから本州の京都に向けて飛んでいる。そんな時、ガルダ内の廊下を歩く上総がいた。

 

「まったく、いつまで掛かっているのかしら?」

 

そう言った上総はある場所へと向かう。

実はと言うと、唯依は上総や護衛の小隊の少尉達とは違い、山吹色の衛士強化装備を持ってきておらず、代わりに物資の中にあったパイロットスーツ(マリーダver)を着ている筈なのだが、あまりにも遅いので上総は唯依がいる部屋へと向かっている途中なのであった。

 

「唯依、入りますわよ?!」

 

『………』

 

上総がノックしながら言うも返事がない。致し方がないと思ったのか、上総が部屋に入いろうとしたとき……

 

『ちょ、大和君。く、苦しい』

 

『ちょっと待って。コレをこうしたら……』

 

『きゃぁ!大和君、どこに触ってるの!!』

 

「(はぁ……まったく、ラブコメですか)」

 

「はいはい。2人共、そこまでですわ」

 

上総は部屋に入り、パンパンっと手を叩いて2人の仲裁に入る。

その後、上総の助力を得てパイロットスーツのサイズの調整が出来たのであった。因みにこの時、唯依と上総の胸部では唯依の方が勝っていたことを知った大和は自分の胸の中にしまっておくのだった。

 

「(コレ、本人達に言ったら絶対殺されるパターンだよな?……)」

 

〜数分後〜

 

場所は変わり、MSデッキがある第3格納庫では整備兵が慌ただしくなって、慣れないベースジャバー(SFS)のシステムチェックをしていた。

衛士(パイロット)である唯依達は固定アームに接続されているクシャトリヤやジェスタを眺めている。そんなところに唯依と同じく軍服から()()()()の服装へと着替えた大和が来た。

 

「では諸君。少し集まってくれるかな」

 

「や、大和君。その格好……」

 

「ん?ああ。コレが()にとってのパイロットスーツみたいなものだから気にしないでくれたまえ」

 

そう言い、大和は6人にこれからのMSによる戦術について説明する。そんな中、上総が唯依に話しかけた。

 

「彼、本当に煌月君ですわよね?」

 

「た、たぶんそうだと思うけど……」

 

2人の目の前にいる大和は一言で言うなら圧倒的な威圧感を放っていた。大和の格好は茶色のブーツに白いズボンと金色の刺繍が入った赤い軍服を着ており、その顔には赤い瞳をした白い仮面を付けていた。そう、フル・フロンタルの格好である。

 

「「(別人みたい……)」」

 

2人は揃ってそう思い、耳を説明に戻すと大和(フル・フロンタルver)が各衛士が搭乗する機体を発表していたところだった。

 

「まず、護衛の少尉達にはベースジャバーに乗ったジェスタを。山城少尉にはローゼン・ズール、篁少尉にはクシャトリヤを担当してもらいたい。なお、クシャトリヤにはサポートとしてハロを付かせる」

 

『ヨロシクネ!ヨロシクネ!』

 

そう大和の足元でピョンピョンと跳ねる。そんなところに護衛の少尉の1人が手をあげた。

 

「中尉、1つ質問をしていいですか?」

 

「許可しよう」

 

「ありがとうございます。では、機体の選択された理由をお聞きしてもいいでしょうか?」

 

「ふむ、理由か。あえて言うなら経験だ」

 

経験?っと全員が頭を傾げる。

 

「私・篁少尉・山城少尉はMSに乗った経験がある。それに対して小隊の君達にはMSには乗ったことがないものの、私達とは違い連携のとれた行動が出来る」

 

「つまり……」

 

「そう。連携重視に君達をジェスタへ。私達は経験を生かしてローゼン・ズールやクシャトリヤにしたわけだ。他に質問等がある者はいないかな?」

 

そう聞かれると、誰も意を唱える者はいなかった。

 

「では、()こうか」

 

『カチッ!』

 

そう言うと、いつの間にか手に持ったスイッチを押して、格納庫の奥にある布で隠された機体がボディカラーである()を輝やせながらその姿をさらす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー現在ー

 

日本帝国軍・国連軍・米軍の戦術機は現在、再び侵攻して来たBETAを食い止めるために防衛線を張り、迎撃しているものの数に押されて劣勢になっていた。

その状況を最前線となった滋賀県の甲賀基地が見ている。

 

「くっ!これでは京都の二の舞だぞ!!」

 

『PPPPP!』

 

「どうした?!」

 

状況が良くないなかでアラームが鳴る。そして、観測員が報告した。

 

「高熱源体で移動する物体あり。数は6、いや7」

 

「ミサイルか?!」

 

「いえ、この動きは戦術機のようですが……」

 

その時、ソレは羽根のようなバックパックを展開させて、さらに加速する。それをモニターで見ていた観測員が驚愕した。

 

「あ、ありえない!先行する機体は後続機の3倍の速度で接近中!!」

 

戦場は変わり、BETA後方の戦域ではその正体であるシナンジュが先行していた。

 

「さぁ、見せてもらおうか。光線(レーザー)級の脅威とやらを」

 

そう言うと、要塞(フォート)級群を追い越して目標を光線級と重光線級に絞り、グレネード装備ビーム・ライフルの銃口を合わせて引き鉄を引く。

 

『!!!』

 

後方からのビームによって数体の光線級が駆逐され、光線級達は標的を先の方にいる戦術機からシナンジュに変更する。しかし……

 

「レーザーが強力であろうと、当たらなければどうということはない!」

 

四方八方からレーザーが矢のように飛んでくるも、圧倒的な機動力を持つシナンジュの前には無意味のようだった。

その後方では厳谷達がガルダの外部カメラでその様子を見ていた。

 

「まるで白い彗星だ」

 

「白い彗星?」

 

副機長席に座っている兵士がそう呟き、レーダー席に座っていた兵士がその単語に頭を傾げる。

 

「約半年前、ソ連にBETAが侵攻して来た時のことだ。状況は最悪で、味方機も少なく、退路も絶たれ、全滅まじかになろうとした時にソレが現れたそうだ」

 

2人の会話に機長席に座っている厳谷も参加し、モニター画面を見ながらそう言った。

その画面には必死になってレーザーを撃つ光線級がいるものの、そのレーザーをシナンジュは縦ロールで回避し、反撃にグレネード装備ビーム・ライフルで確実に光線級を殱滅していく。

 

「聞いたことがあります。たった1機で数万のBETAを全滅さしたとか」

 

「その機体は彗星のごとく、圧倒的なスピードで攻撃をかわし、脅威的なその武器でBETAを倒していくことから『白い彗星』と呼ばれるようになったそうだ」

 

「じゃあ、その機体は今はどこへ?」

 

「なに、答えは簡単なことだ」

 

そう言った厳谷は光線級を全滅させたシナンジュを指す。

そのシナンジュは武器をグレネード装備ビーム・ライフルを後ろ腰にマウントして、左腕から赤いビームサーベルの柄を取り出してビーム刃を展開させる。そして、最後に残った重光線級群の相手をする。

 

「まさか、あの機体が?!」

 

「ですが、色が違うのでは……」

 

「本人曰く、改修したんだそうだ」

 

話している間にもシナンジュは重光線級の懐に入り、ビームサーベルで斬っていく。

 

「赤い彗星……」

 

「ん?」

 

レーダー席に座っている兵士がぽつりと呟き、厳谷がそれに反応する。

 

「いや、白から赤に変わったから赤い彗星だと思いまして」

 

「……ああ、そうだな。(…赤い彗星、か)」

 

心の中でそう言い、画面のシナンジュを見ていた厳谷達であった。

戦場は再び変わり、シナンジュ(大和)の後方で戦い方を見ていたクシャトリヤ(唯依)ローゼン・ズール(上総)はそのスケールの違いに驚いていた。

 

「(すごい。パイロットスーツや衛士強化装備も着ないであんな空中機動が出来るなんて……)」

 

『コウホウ、チュウイ!コウホウ、チュウイ!』

 

そんなことを思いながら見ていた唯依は突然、ハロの警告に気を取り直して、その方向に顔を向ける。

 

要撃(グラップラー)級ですわ!』

 

その隣では上総が一足早く確認していた。おそらく、光線(レーザー)級の救援で戻って来たのであろう要撃級が向かって来た。

 

『どうします?唯依』

 

「決まっている。BETAは(たお)すだけよ!」

 

『ですわよね!』

 

そう言い、2人は自分達の戦場へと向かう。




次回は唯依(クシャトリヤ)をメインにして終わらせようと思うので、どうかしばらくお待ちください!

シナンジュの戦い方はガンダムUC episode2を元に自分なりに表現してみました。







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