Muv-Luv MUSHAの名を持つガンダム   作:アドベンチャー

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第16話 力の持つ理由【後編】

唯依ルート

 

「結構すすんだけれど、どこまで続いているの?」

 

大和と別行動をとってからだいぶと時間が経過したが、見えているのは通路を構成している白い壁と天井に設置してある内蔵型のLEDライトだけだった。そんなことを思いながら唯依は進んでいると、やっとのことで出口が見えてきた。

 

「ここは?」

 

出口を出ると大きなドーム状の造りになっていて、通路の横には何枚もの巨大なガラスが嵌めこまれていることで真下にあるモノがはっきりと見えた。

 

「コーン型の……エンジン?」

 

後に名前を知ることになるが、唯依が見つけたのはプトレマイオスのガンダムに搭載されているGNドライヴとは似て非なるモノ、30基のGNドライヴ[T]と1機のブレイヴ指揮官機と5機のブレイヴ一般機が囲むように置かれていた。

 

「まるで守っているみたい」

 

そんなことを言いながらブレイヴ指揮官機をよく見てみると、左右のサイドバインダーにはGNドライヴ[T]が搭載されていなかった。

 

「やはり、コレはこの機体のエンジンなのね」

 

再びGNドライヴ[T]を見ていると、その奥にはさらに先へと進める通路があった。

 

「(まだこの先に何かあると言うの?)」

 

床を蹴り、唯依はさらに奥へと進む。その先にあったのは……

 

「なんなの…コレ……」

 

出口を出ると、唯依の真下にあったのは戦術機やMSをはるかに超えるモノだった。ソレを人はモビルアーマー(MA)と呼ぶ。

 

「こんな機体が存在するなんて……」

 

床を蹴り、真下にあるMAのところまで降りる。そのMAは固定アームと固定用ワイヤーで奪取されないようにしっかりと繋がれていた。

 

「(封印されてるみたい)」

 

率直な感想を述べると、機体の襟の装甲に英語で名前が入っていた。

 

「ええと、AMA-X7 Shamblo(シャンブロ)?」

 

その真紅のMA シャンブロは今にも武装の大型アイアン・ネイルでワイヤーを引き千切れそうな感じをしたが、さらにそれを超えるMAがその奥に封印されいた。

 

「大和君。私、とんでもないモノを見つけてしまったみたい……」

 

シャンブロから離れると、全体を見るために天井付近まで上がった唯依は先程までに見たシャンブロがそのMAと比べると天と地ほどの差があった。

そのMAの名は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大和ルート

 

時間は少し遡り、唯依と別行動してからすると先程のMS格納区画ほど広くはないが、ガンダムタイプのMSが左右の格納庫に並べられていた。

 

「ここはガンダムタイプ専用の収納区画なのか」

 

床を蹴り、ゆっくりと進む。

大和を一番最初に迎い入れてくれたのは増加装甲を纏ったダークブルーと白のガンダムと重武装をしたトリコロールカラーのガンダムだった。

 

「フルアーマーガンダム(サンダーボルトver)。そして、ZZガンダム」

 

右の格納庫には全関節にはシーリング処理が施されていて、両腕・バックパック・増加装甲内にはビーム兵器と実体弾兵器が大量に装備されており、右腕・左腕・サブアームに合計4枚のシールドを持ったガンダム『フルアーマーガンダム(サンダーボルトver)』

左の格納庫には右手に2本の銃身を持つビームライフル『ダブル・ビームライフル』、背中には巨大なバックパック、更には3つのパーツに合体・分離することができるガンダム『ZZガンダム』

 

「そして、その隣にはペーネロペーとΞガンダム、か……」

 

先程の2機の隣には全身と両肩にフライト・ユニットを装備して、各部にファンネルミサイルを内蔵した30m級のガンダム『オデッセウスガンダム(ペーネロペー)』と『Ξガンダム』

 

「第5世代MSのガンダムまであるのか。…ん?」

 

しかし、その奥には今までのガンダムとは違い、Ξガンダムからの格納庫には全てカバーによって保護されていた。

 

「どういうことだ?」

 

再び床を蹴り、その内の1つの前に移動する。そのカバーには型式番号が入っており、その機体の存在を表していた。

 

「ASW-G-08…。なるほど、自らの手で封印を解けとでも言うのか?」

 

『カチッ!』

 

そう言うと、カバーの開閉ボタンを押すと整備用ケーブルに繋がれたガンダム(悪魔)が姿を見せた。

 

「はじめましてガンダムバルバトス。外に出た気分はどうだい?」

 

その機体『ガンダムバルバトス』は問いに答えるようにツインアイを一瞬だけ輝かせた。

 

『(汝、強大な力を持つ覚悟はあるか?)』

 

「!」

 

『ガシャン!』

 

再び頭の中に声がダイレクトに伝わるのと同時に一番奥にある扉が開き、上階へと上がる階段が見えた。

 

「……」

 

大和は導かれるままに上へと進む。

 

「これは……」

 

上に登って出口を出ると、再び重力が発生して自分の重みが感じてきた。だが、それだけではなかった。

その区画は姫路城の居住区画ほど広くはないものの、半分ぐらいは海になっていてその真ん中には(あか)色の大きな鳥居があり、その正面にある陸部には姫路城と同じほどの知名度を誇る社殿が建っていた。

 

「……厳島神社」

 

大和の目の前の光景には自然と調和し、日本三景の1つに数えられている広島県廿日市にあった神社『厳島神社』があった。

 

『(汝、強大な力を持つ覚悟はあるか?)』

 

「発生源はあれか」

 

声が聞こえた大和は発生源と思われる厳島神社の方へと足を進める。

 

「この神社も女神の仕業なのか」

 

陸地から社殿へとあがり、大和は姫路城と同じく海中と敷地ごと転移したのだと判断する。

しばらく厳島神社を探索していると、本社のところにはあるMSが待っていた。

 

「まさかとは思っていたけど、こっちの世界に来ていたのか。()()()()()()()

 

そこにあったのは赤と金色の塗装が施されたた鎧状の装甲・左腰には太刀『日輪丸』・背中のバックパックには火縄銃型のビームライフル『種子島』と槍『散光丸』と薙刀『電光丸』を装備した武者ガンダムシリーズの1号機『真武者頑駄無』だった。

その真武者ガンダムは意思を持つかのようにコクピットハッチを開けて大和を乗せる。

 

「覚悟、か……」

 

コクピットのシートに座った大和は1つだけ起動している真ん中のモニターに目を向けた。

 

『真武者頑駄無を起動させるには、以下の質問に答える必要があります。』

 

【キョウダイナチカラヲモツカクゴハアリマスカ?】

 

YES(はい)』 『NO(いいえ)

 

この質問を見ると大和は深くシートにもたれ、真武者ガンダムに向かって話すように言った。

 

「なぁ、真武者ガンダム。結論から言うと自分には覚悟なんて無いのかもしれないな…

転生した直後の時、女神の特典から貰った能力と武者ガンダムMK-2で戦って他の機体でも戦って、正直に言うと強大な力で戦うことが当たり前だと思っていたのかもしれない」

 

今までの出来事をポツポツと語っていく。しかし……

 

「だけど、今は違う。日本での生活と防衛戦でわかったんだ。それだけでは世界を救えないと。

だから、これからは世界を救う為・大切な人を守る為・平和な日々を取り戻す為にその力を貸してくれ!ガンダム!!」

 

コクピット内に大和の声が響く。

 

「って、ガンダムに言っても返事がくるはずもないか」

 

そう言うと、真武者ガンダムから降りようするが()()()()()()()()ようだ。

 

『YES』ピッ!

 

「…え?」

 

突如、押してもいないのにモニターが動きだし、真武者ガンダムのシステムがたち上がる。そして、シートに仕込まれた生体認証システムによって大和の生体データが登録される。

 

『SYSTEM All GREEN

PILOT TOUROKU:YAMATO KOUZUKI』

 

登録が完了すると、真武者ガンダムの全装甲のカラー()が一層に鮮やかな色へと変わり、頭部のツインアイが輝いた。

 

「ありがとう。そして、よろしく。真武者頑駄無」

 

 




いかがでしたでしょうか?
前編をデート話、後編を革命機 ヴァルヴレイヴの起動要素を取り入れた作者なりの大和の成長話にしてみました。
さて、大和の後半主役機となった真武者ガンダム。武者ガンダムMK-2のパイロットはさて置き、唯依は一体なにを見つけたのでしょう?


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