Muv-Luv MUSHAの名を持つガンダム   作:アドベンチャー

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第2話 トータル・イクリプスの世界

1997年4月

 

-南太平洋-

 

「……ここ、どこ?」

 

大和は一言で言うと、迷子になっている状況である。

女神に転生させられて目を覚ますと、四方八方に青い海があり空を見上げると綺麗な星空が広がっていた。そして、大和は自分が乗っている()()()()()()()()()を見て少し考える。

 

「何処かで見たような感じがすると思ったのだけれど、コレって………もしかして、ガルダ?」

 

そう。現在、大和は機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)に登場した海に着水している超大型輸送機 ガルダの上にいたのだった。しばらくガルダの上を捜索していると、機内へと繋がるハッチを発見したので中へと入る。

 

「真っ暗だ。ガルダのシステムが起動していないのかな?」

 

そう言うと、大和は機内の壁に設置してある緊急時用のライトを取り出してスイッチをONにする。

 

『ピカッ!』

 

「うっ!」

 

ライトのスイッチをONにした瞬間、光が何かに反射したので大和は顔を(しかめ)た。そして、光の位置を変えると目に見えたのは……

 

「家紋?……もしかして!」

 

光の位置を一気に上の方へと変えた。そうすると、頭部と胸部の一部しか見えていないがこの機体が何なのかがはっきりと分かった。

緑色のツインアイと2本の金色の角が装着している(かぶと)をかぶったように見える頭に胸の中央には家紋のようなマークが彫られている装甲が見えた。

 

「武者ガンダムMK-2……」

 

そう呟くと、大和は目の前の機体『武者ガンダムMK-2』をしばらくの間、ずっと見ていたのだった。

 

「ここがコクピットか。システム起動、機体チェック開始」

 

場所は変わり、格納庫で武者ガンダムMK-2を見た後にガルダのコクピットに来た。そして、機長席である左側の席に座るとシステムを起動させ、ガルダの機体チェックに入る。

 

「出力上昇。エンジンに異常無し。燃料は満タン。周囲に敵影なし。……ん?なんだ、コレは?」

 

ガルダの機体状況を見ていると、座席の下にファイルが挟まっていた。それを見てみると、どうやら女神からの手紙だったので音読する。

 

「え〜と、なになに。

『この手紙を読んでいるということは上手く転生出来たのですね。おめでとうございます。もう、お気づきになっているとは思いますが移動手段として超大型輸送機 ガルダをオマケとしてプレゼントさしていただきました。ガルダの他にも有るので探してください。

 

追記

久しぶりに大サービスしちゃった☆』

しちゃった☆って、おいおい……」

 

手紙の他にもファイルの中を調べて見ると、日本帝国 近衛軍衛士養成学校の転入書類と武者ガンダムMK-2を始めとする各モビルスーツ(MS)とビーム兵器の設計図面データや機体のスペックデータが入っているUSBメモリーが一緒に導入されていた。

 

「さてと、このまま日本に行っても良いのだけれど、先に人類の敵とやらを見に行きますか」

 

そう言うと大和は、ガルダの操縦桿を握り右手で出力レバーを前にたおす。そうするとガルダは前に前進し、次第に機体が浮かび上がり離水すると、最前線であるヨーロッパへと進路をとるのだった。

 

「探せと言われても、ガルダって物凄く大きいからなぁ〜。探し回るのが大変だよ、コレは」

 

ガルダを自動操縦モードに切り替え、十数室ある内の1つの部屋で大和はタブレットで機内案内図を見ていた。

発進してから食料庫・各部屋・サブフライトシステム(SFS)用格納庫・武者ガンダムMK-2がいる第1格納庫などの合計4ヶ所の場所を確認した。後は第2格納庫と第3格納庫を見て回るだけだ。

 

「果たして、何が出るのかな?」

 

そう言うと椅子から立ち上がり、第2格納庫と第3格納庫へと足を運ぶのだった。

 

 

 

 

-第3格納庫-

 

「え〜と、弾薬と素材っていうのは分かるのだけれども……これはパーツなのかな?」

 

1番近かった第3格納庫を先に見ることにして中に入って見ると、そこには大量の弾薬とモビルスーツ(MS)を建造する為の素材、未完成だが機体の一部と思われるパーツなどが数多くあった。

 

「これって……クローアームだよな?」

 

そう言うと、特に完成に近いパーツ『クローアーム』に触り、部品の状態を見る。

 

「ほぼ、完成されているな。ガンダムUCの中でクローアームを装備している機体っていったら……アレかな?」

 

頭の中でその機体を思い浮かべる。

建造するのはまだまだ先になるなと思い、次に第2格納庫へと向かった。

 

「ま、マジか……」

 

第2格納庫に来ると大和は、ここに格納されている4機の機体に驚いていた。

 

「クシャトリヤにヤクト・ドーガ、ジェスタ!それにシナンジュ・スタイン!!」

 

その中で最も驚いたのは、『原石』だった。大和はシナンジュ・スタインの目の前まで来る。

 

「ヤクト・ドーガとジェスタなら分からなくはないのだけれども、クシャトリヤとシナンジュの改修前であるシナンジュ・スタインがオマケで済むレベルなのかなぁ?」

 

MSN-06S シナンジュ・スタイン

サイコフレームの強度と追従性の実験機として開発された試作モビルスーツ(MS)であり、シナンジュに改修する前の姿。その性能は従来のMSをはるかに超える機体性能(スペック)を持っており、スピードに関しては高速MSの約3倍の速度を出すことが出来る機体である。

 

「もしかしたら、単純なスピード勝負だと武者ガンダムMK-2より速いかも……。そろそろ、ヨーロッパに到着する時間だな」

 

そう言うと、大和はガルダのコクピットへと戻る。そして、コクピットに戻るとガルダのレーダーによる地上の状況をスキャンする。

 

「物の見事に赤いマーカー(BETA)ばかりだな。少しだが、青いマーカー(戦術機)がいるということは作戦行動中なのかな?」

 

画面に映し出された状況は、大半が赤いマーカーによって埋め尽くされており、青いマーカーが必死になって反撃しているのが分かる。それを見て考える。

 

「(出撃すると多少は姿を見られるけど……や()えざるを()ないか)」

 

そう決断すると、座席から立ち上がり第1格納庫へと向かう。

 

 

 

 

-武者ガンダムMK-2 コクピット内-

 

MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM

 

Generation

Unpubdued

Nuclear

Drive

Assault

Module

 

MUSHA GUNDAM MK-Ⅱ

 

パイロットスーツに着替えて、武者ガンダムMK-2に乗り込むとシステムを起動させ、キーボードでOSを調整する。

 

「CPC設定完了。ニューラルリンケージ。イオン濃度正常。メタ運動野パラメータ更新。原子炉臨界。パワーフロー正常。全システムオールグリーン。武者ガンダムMK-2、起動!」

 

機体調整が終わると武者ガンダムMK-2のツインアイが一瞬だけ光り、次にコクピットから直接ガルダのシステムを操作し、後部ハッチを解放させる。

 

「煌月 大和、武者ガンダムMK-2、行きます!!」

 

そう言うとスラスターを全開にして、戦場へと落下して行った。

 

 

 


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