Muv-Luv MUSHAの名を持つガンダム 作:アドベンチャー
大和が転入して来て数ヶ月が経ち、秋の季節になると学校の帰りの電車で大和・唯依・志摩子の3人は来週から始まる実地訓練に向けて戦術機の操縦方法や団体での戦術などを勉強していた。
「……だから、こういう場合は低空飛行をして光線級を殲滅することが出来ると言うことなんだよ」
「でも、それでは……」
その電車の中で大和が唯依に
「何だか、こうして見ていると彼氏と彼女みたいに見えるなぁ〜」
「「……え?」」
突然の言葉に2人は固まり、しばらくすると唯依はだんだんと顔が赤くなって志摩子に言う。
「/////そ、そんな関係じゃありません!私はただ、大和君に戦術の勉強を教えて貰っているだけ!!/////」
「へ〜、”大和君”ね」
志摩子はニヤけながら唯依をからかい、追い打ちをかける。
「/////〜〜〜大和君も『これに対してソ連軍は防衛線を展開し……』
唯依は隣りを見ると、電車内に設置されたテレビのニュースを大和が真剣に見ている姿が見えた。
「(まずいな。予想よりBETAの侵攻スピードが速い)もう、ソ連まで来たのか」
「そうだね。……それよりも志摩子、そこ間違えているよ」
「うそ?!どこが?!!」
この時、この先の未来を知っている大和はこの様な平和が続けばいいなと思ったのであった。
この日の夜、大和がいるのは武者ガンダムMK-2が収納されている家ではなく、ベースジャマーでガルダなどが収納されている島に来ていた。
「やはり、今の状況では私しかBETAに対抗することが出来ないようだな」
そう言うと、大和はパイロットスーツではなく茶色のブーツに白いズボンと金の刺繍が入った赤い軍服を着ていた。そして、その顔には赤い瞳をした白い仮面を付けていた。
「まさか、フル・フロンタルの服装と仮面の一式があるとは驚いたな」
そんなことを言いながら、フル・フロンタルの格好をした大和は『原石』の目の前まで来る。
「さぁ、行こうか。シナンジュ・スタイン」
そうすると、ハイ・ビームライフルではなくビーム・ライフルに換装したシナンジュ・スタインの赤いツインアイが答えるように一瞬、輝いた。
-ソ連国境付近-
西側のユーラシアから侵攻して来たBETAに対してはソ連軍は防衛線を展開して要撃級を撃退したのは良いのだが、数体の要塞級と数十体の光線級・重光線級によって苦戦しており、次々と戦術機『Su-27 ジュラーブリク』がレーザーによって撃破されていった。
「どうして、こんなにたくさんの光線級達がいるのよ?!」
「無駄口叩いでないで逃げるぞ!レーザーに丸焦げにされたいのか!」
1人の衛士がそんな疑問を言うと、別の衛士がオープンチャンネルでそう言う。すると、前方から数体の要塞級が現れて、退路を塞がれてしまった。
「クソ!塞がれた!!」
「た、退路が……」
終わりか、と思ったが突然、何処からか発射された
「え?……」
「な、なんだ?次々とBETA共が倒れていくぞ?」
周りを見てみると、同じようにBETAが何処からか射撃されたビームによって、次々と倒されていった。そして、今度は
「不明?友軍機なのか?」
「あ!あれ!」
1人の衛士がそう言うと、戦術機のメインカメラでシナンジュ・スタインが見えるようになった。
その姿は他の戦術機と比べてみると形状が全く違い、普通ならば腰の部分にあるはずのジャンプユニットがないのと頭部のメインカメラがスリットアイタイプではなくて、ツインアイタイプになっている。そして、右手にはライフル『ビーム・ライフル』・左手には白と黒のシールド・腰にはバズーカ『ロケット・バズーカ』を装備していた。
「な、何なのでしょうか?あの戦術機は?」
「と言うより友軍機なの?あれ」
「一応、話し掛けて見み……って、おい!そこの戦術機!高度を下げろ!死にたいのか!!」
部隊の衛士達が会話していると、
場所は変わり、レーザーを発射してくる光線級・重光線をシナンジュ・スタインはビーム・ライフルで応戦した。
「なかなか、良いところを突いてくるが甘いな」
大和はコクピットのペダルを踏み、シナンジュ・スタインのスピードを加速させる。そうすると、無数に放って来るレーザーを簡単に避けてそのスピードに光線級・重光線級はついていけなくなり、シナンジュ・スタインを補足出来なくなってしまった。
「当たらなければ、どうと言うことはない!」
そう言うと、
「そろそろ、大詰めと行こうか」
そう言うと、腰に装着していたロケット・バズーカを取り出して、ビーム・ライフルの下部にドッキング(合体)させる。そうすると、バズーカの砲身が伸びて、照準を最後に残された光線級に向ける。
「フッ……」
仮面の下で少し笑うのと同時に、ロケット・バズーカを
「これで少しは侵攻スペースを遅らせることは出来たかな」
『PPPPP!』
「……予想はしていたが、これだけ派手に戦えば当然、そうは来るか」
「あいにくだが、ここで君達と
そう言うと、シナンジュ・スタインの左腕に装着しているシールド裏のミサイルを目の前のジュラーブリク達に向けて発射する。そうすると、反射的にミサイルを撃ち落とそうとするが、それよりも速く自爆して中から出てきた
後日、生き残った衛士達はシナンジュ・スタインの姿と戦い方から、こう呼ぶようになった。その名は……
『白い彗星』
何だか、大和の口調がフル・フロンタルみたいになってしまったな……