OVER LORD Gun Fist & Gun Head 作:丸藤ケモニング
いや、今まで少なかったの?と聞かれればそうでもないと答えるしかないんですが。
# プロットで書いてあったことを書いてなかったので加筆修正しました。
ようやく終わったな内装整理。
いや、俺は約束守っただけだぜ?
ちょ、俺の決め台詞をとるんじゃねぇよ。
んじゃぁ、次は俺をいじるんだろう?
ああ、そうだGSUを完成させたいんだよ、俺は。
おいおい、マジでそれがいるのかよ。無理だろ、アインズ·ウール·ゴウンが独占してるんだから。
……ああ、回りから作っていくのか。了解だ、何がいる?
希少金属の割合が高いな。まぁ、頑張るがよ。
え?ゴーレムの分も?了解だ、任せとけ。
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さて、地下牢に放り込まれて約三時間か。まぁ、ご丁寧に後ろ手に拘束した状態ってのがまた不便だな。
しかし、結局あの魔神とか言うのはなんだったのか。あいつらに付き合って一向に見つからず、そのまま王都とやらに戻ってきて、ここへぶちこまれるとか、冗談じゃねぇぞ。いや、もし俺が件の魔神だと思われてるなら、それも妥当な判断か。少なくとも、俺があっちの立場ならそうする。
さっきからシャイアがうろうろして鬱陶しいな、落ち着けよ。ちなみにナールは町に置いてきてもらった。シルキーも一緒だ。ナールに関しては、人間種なんで町で下ろして問題ないとガガーランが言ってくれたが、あのイビルアイとか言う女はいい顔をしなかった。と、言うか、あいつは俺たちを下に見すぎだろう。何度顔面を中央にめり込ませてやろうかと思ったか。あの双子はそれなりに話が分かった。片方はナールから離れなかったし、片方はシルキーから離れなかったが、まぁ、監視の意味合いがあるんだろう。優秀な冒険者だ。
そう言えば、ここに来るまで色々話が聞けて助かったのも思い出した。しかし、王国、帝国、法国の三国があり、王国と帝国は小競り合いの真っ最中、帝国が戦争を仕掛けてくるのが収穫期の繁忙期、それに会わせての徴兵、と。ついでに王国内部は王の派閥と六大貴族派閥の権力争いの真っ最中と。ふむ、詳しい話が聞けてないのがあれだが、王が無能なのかそれとも六大貴族がアホなのか、それとも両方が糞みたいな人間の集まりなのかは知らないが、王国はいよいよ不味いんじゃねぇか?いや、一概にそうとも言い切れないか。
「むがーーーーーー!」
ブベラッ!?
「なに一人でボーッとしてんのよこのボケアホハゲハゲハゲ!!」
「てめぇっ、なにいきなり腹パンしてくれてんだゴラァ!!」
「うっさい!だいたいあんたがそんな頭してっからあたしらがこんなところに閉じ込められてんでしょうが!慰めろ!このあたしをな!なんであたしを道連れにするんだこのボケ!!何が「俺が魔神なら召喚者がいるだろ。こいつならやりそうじゃねぇか。こいつもぶちこめよ」だ!あほったれー!」
「悪かった悪かったっての!殴るなボケ!まここから出られたら慰めてやるよ!んな事より考えのすり合わせをしとかねぇか?」
「いいだろう。と、言うかそういう建設的な話をしたかったのよね」
こう言う、一旦爆発してクレバーに物事を考えることができるようになるってのは、いいことだ。ストレスの発散口になる方はたまったもんじゃないがな。
「まず王国についてだが」
「お先真っ暗、滅亡間近って所じゃないの?ラキュースってお嬢さんから貴族の腐敗っぷりを聞かされたときはどういったらいいもんかと思ったわねぇ。無論、言いたかないけど貴族の腐敗を見抜けなかった、もしくは見てたけど手を打てなかった王さま、何て言うのは愚の骨頂だわね」
「同意見だ。さて、続いては帝国だが」
「そっちに関しては、まだ王国側の人間からしか意見を聞けてないけど、まぁ王国よりは遥かにましじゃない?問題は異形種や、ドワーフを除く異種族が差別の対象らしいわよね。あたしやあんたが行くとしたら、よっぽどなんかしないと溶け込むのは難しいわね」
「逆説的にナールは問題ねぇって話でもある。見た目人間のシルキーも、まぁなんとかなるか。問題は俺とお前、と」
「あたしらは見た目からして異種族異形種だからね。まぁ、なんか闘技場とかあって、そこで実力示せばそこにいても問題はないらしいけどね」
「見世物になるつもりはねぇ。ついでにいやぁ、結局迫害の対象っつぅのも、あれだしな」
「だねぇ。じゃぁ、法国は?」
「却下、論外だろ。人間至上主義のくそったれのお膝元なんて、死んでも御免だね」
「なんだっけか?アーグランド評議国は?いわゆる亜人の国らしいけど……」
「よく分からん国だってのは聞いたな。情報が集まらない限り、候補にはあげらんねぇ。竜王国に関しては?」
「ノーコメント」
まぁ、馬車のなかで聞いた話だとこんなもんか。これからの事を考えるに当たり、注意すべきはどこへ言っても迫害の目があると言うことか。そう言えば、この世界の魔法についても面白いことを聞いたな。
「第三位階まで使えれば一流、第四位階は達人、第五位階は英雄ねぇ。あんまりにも低すぎるわね、レベル」
「一応、ナールにもその辺は伝えてあるし、シルキーも問題ないだろ」
「迂闊なことをするタイプじゃないものね二人とも」
そう考えりゃ、一番迂闊なことをする俺らがここへ押し込められたのはラッキーだったといえるかもしれねぇな。
と、二人で顔を付き合わせて話したいことを全て話終えると同時に、この地下牢へ続く石畳に鎧の擦れる音と鉄で補強された戦闘用ブーツ、そしてどうもヒールのついた靴?が石畳を叩く硬質な音が反響しながら響いてくる。シャイアが警戒したように「二人、武装あり……」と俺に警告を飛ばす。しかし、まぁ心配ないだろ。殺すならわざわざこんなところに放り込んだりはしないだろうし、ここに数時間程度で戻ってくることもないだろうからな。
しかして、やって来たのは予想通りと予想外の人間だった。
一人は、無論あのラキュースとか言う女騎士、相も変わらずこっちを疑っているのも隠そうともせず、警戒の色を滲ませている。恐らく、こっちが妙な動きのひとつでも見せれば、即座に攻撃してくるだろう。
もう一人は、先程のラキュースとは正反対の輝きを持つ美女だった。うまく言い表せねぇが、そうだな、ラキュースが太陽だとするならこっちは月、しかし、満月じゃねぇな。なんだろうな、この女の持つ妙な影みたいなもんは。もちろん、思い過ごしだって可能性もある。しかし、俺の本能みたいなもんが警告をあげるのを無視するつもりはない。
「この方達ねラキュース。うん、お話通り、変わった頭をしてらっしゃいますわね?」
「おいおい、誰だか知らねぇけどよ、開口一番が人の頭を馬鹿にするってのはどういう了見だ?まずは名前を名乗るところからじゃねぇのか?」
「そーねぇ、どこのお偉いさんか知らないけど、ちょっと居丈高過ぎないかしらお嬢さん?あ、それともこっちから名乗った方がいいのかしら?どうも身分の高い人みたいだし」
俺の言葉に追従して、シャイアが相手を小馬鹿にしたようにそう言ったが、実は半分くらいが演技だ。本人曰く、本気半分演技半分くらいで挑発すると、いい具合に頭に血が上って、口を滑らすことが多くなるとかなんとか。
事実ラキュースは、こめかみに青筋を浮かべ、こちらへと殴りかかってきそうな気配を濃厚に発散している。しかも、そんな人間の前で更にどや顔をして挑発する辺り、この女の根性の悪さが窺えるだろう。
しかし、もう一人の方が、少し不気味だ。無邪気そうな笑顔を浮かべている。まるで、挑発に気づいていないような表情だが、しかし、身に纏う雰囲気はこちらの思惑を全て飲み込んでしまいそうなほど深く濃い何かに包まれているような気がする。もしかして、このお嬢さん、マジで油断ならねぇかもな。
「ま、しょうがない、あたしから名乗ってやろうかね。シャイア·ブラックソーン。見たまんまのダークエルフさ」
「乾 十三。見たまんまの、半生体人形だ」
「これはこれは、ご丁寧に。私はラナー·ティエール·シャルドルン·ライル·ヴァイセルフ。恐れ多いことながら、人々には黄金の姫、などと呼ばれておりますわ」
この名乗りに、さすがのシャイアも開いた口が塞がらないようだったが、俺にしてみればそこは予想できていた。しかし解せないのは、なぜこの国の姫様が、魔神だなんだと言われている奴のところへ足を運んだのか、と言う一点である。しかも護衛は一人、ラキュースのみ。
「それで、魔神だなんだと言われてる俺に何の用だ?」
「貴様!王女殿下に向かって……!」
「ラキュース、いいのです」
今にも飛びかかりそうなラキュースを片手で制し、黄金の姫は話を始める。
「まず、一つ目の用件、それは貴方を見極めに来たのです。他人からの報告では、正確な人となりが分かりませんからね。ここまでの一連の会話で分かったことと言えば、あなたが大変用心深い、と言う事でしょうか」
「はっ!俺はただ単に臆病なだけだ。用心深いなんて、とんでもない評価だな」
「そうでしょうか?ご本人が言うのですから、恐らくそうなのでしょうね」
柔らかく、人を包み込むように笑う。しかし一方でどこか拒絶しているような、そんな空気も、一瞬だが感じる。油断ならねぇな。
「さて、二つ目ですが、一つ目とも被りますが、あなたが邪悪かどうかの見定めですね」
「ほう、で、俺はあんたにどう映ってる?」
「私とて、そこまで人を評価できる者では無いのですが、少なくとも邪悪ではない、そう判断させていただきました。無論、あなたはあなたの利があれば、他人を平気で裏切る、そんな人かもしれませんが」
「そうかい。じゃぁ、一つ訂正しといてもらおうか。俺はな、決して約束を破るつもりはない。もし俺が約束を破るとしたら、約束をした相手が俺を裏切るか、俺の信念に反することをしたときだけだ」
「そうですか……ラキュース、私、決めましたわ」
パーッと花が開くような輝く笑顔を浮かべて、黄金の姫はラキュースが止めるのも聞かずに鉄格子へと近づいてきた。そして笑顔のまま、俺とシャイアに告げた。
「ここまでの分析を鑑みて、あなた方を雇い入れようかと思いますわ」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そんな話があった後、俺とシャイアは地下牢から連れ出され、なんだか複雑な道のりを延々歩かされた後、絢爛豪華な廊下を過ぎ、これまた絢爛豪華な部屋へと通された。なんつぅか、居心地悪ぃ。シャイアはまた別らしく、部屋の中を興味深そうに見て回ったり、調度品をもって品定めしているようだ。あいつ〈 マーチャント 〉のクラスを持ってるんだっけか。ナールを除けば、割りと遊びのあるクラス構成だな、俺ら。
「さて、あなた方を雇いたいと先程申しましたが、内容をお聞きになりますか?」
「俺らだってアホじゃねぇんだ。きっちりと内容は聞かせてもらう。ついでに、契約書を書くならシャイアがやる。ああ見えても、あいつは国許じゃ有名な商人だったからな」
まぁ、嘘じゃないよな。だからどや顔でピースをするな。アホに見える。
「いえいえ、雇い入れると言っても、私が何かをやるときの手駒になっていただければいいんですよ?」
「ふん?使い捨てにしますつってんのか?」
「いえいえ、そこまでは申しておりませんよ。ただ正直に申しますと、それだけ危険があり、あなた方を消耗品と見なして扱うこともある、と言う話ですので」
「……その対価として、俺たちを自由の身にし、なおかつ冒険者組合に参加させようと、そういう話だったよな?」
「ええ、その通りですわ。冒険者組合には多少の顔が利きますの」
ふむ、悪くないどころか、十分以上のメリットがある。横目でシャイアを見れば、シャイアも悪くないと言いたげに首を縦に振っていた。ふむ、ならば聞くべきは……。
「はいはーい、姫ちゃんに質問」
「なんです、シャイアさん」
「ぶっちゃけ、何をあたしらにさせたいのさ。言いたくないけど、国内で起こることなんて、そこの蒼の薔薇がいれば大抵なんとかなると思うけど?」
その言葉に、黄金の姫は顎に手を当てて考える。だが、それも一瞬。
「そうですね、すごく簡単に言うと、他国の情報を集めてきていただきたい、そう思っております」
「他国の情報……帝国とか法国とかね?ああ、いや違うわね。姫様が欲しいのは、帝国の情報。しかも内部事情ね?つまり、王国が送り込んでいるスパイは役に立ってない、もしくはスパイそのものを送り込んでないって所じゃないかしらね」
「読みきられましたね。そうですね、個人的に雇っていたスパイは全て帝国に捕縛されたようです。私は帝国の情報が欲しい。出来るなら、帝国に先手をうち、戦争をなんとか回避して、国力の復活に力を注ぎたい、そう思っております。それと、先程、国内で起こることは蒼の薔薇がいれば大抵なんとかなるとおっしゃいましたが、現状ではそもそも物理的な人数が足りておりません。ですので、国内でも行動していただくことになると思います」
ふむ、俺とシャイアは同時に頷いた。これはあれか。チームを分けた方がいいかもしれない、そう言うことか。
「分かった、引き受けよう。とは言え、だ。まだこの辺りの風習やら文化やらに詳しくなくてな。もう少し勉強する時間が欲しいんだが?」
「ああ、そう言えば、お二人はどこから来られたんですか?」
ようやくその質問か。俺たちは嘆息しながら、少なくともそれっぽく聞こえるように脚色しながら、異国からやって来たと説明をした。
まさかその後、数時間にも渡って話をさせられるとは思いもしなかったぜ。やれやれだ。
あー、煙草吸いてぇ……。
オーバーロード成分が多いな、そういつもおもいます。
次回も頑張ります。まぁ、こんな感じですけど。
しかし、まぁ、ろくに戦わない作品だなぁ、おかしいなぁ。
ちょいと台詞を追加しました。無理矢理感半端ねぇ。