頑張れ、イッセー!
では、どうぞ!
―― 一誠side
「んん?……あれ、朝か?」
ここは……別荘での俺の部屋で、俺のベッドだ。あれ?俺昨日どうしてたっけ?確か、敵の情報と
「あれ?俺どうしてたんだ?」
んん?んー………
止めとくか。思い出せないもんは思い出せん!ってか、何となくだけど思い出したくない!
「さて、と。今日も特訓か。けど、またルドガーに吹っ飛ばされると思うとなぁ…いや、俺が勝てばいいんだけどな。けど、あいつ手加減しねえし……」
ドゴォォーーン!!という爆発音が一階から聞こえて、ビクリと体を硬直させる。って、爆発!?
「な、何だ、どういうこった!?」
俺は急いで階段を駆け下りて、一階の広間に出る。そうすると、玄関口である扉は壊されて大穴が空いていた!!
「こ、これは……」
「ん?なんだ、あの時の下僕悪魔か?」
「おめえは!!」
そこに居たのは10日後のゲームと約束したはずの、ライザーって野郎が立ってやがった!ってか、その腕には見覚えのある紅い長髪が映った。おい、まさか……
「ち、まだ残ってたのか。粗方片付けたと思ったんだがな」
「粗方って――っ!!アーシア、朱乃さん、小猫ちゃん、木場!!」
俺の目の前には、血を流して倒れる仲間がいた!……おい、嘘だろ?
「アーシア!」
「……ぅ」
「まだ…息はある!」
「当たり前だろう?嫁に迎えるリアスの眷属を焼くなどはしないさ」
「誰が、誰の嫁だ!」
「リアスがこの俺、ライザー・フェニックスの嫁になるって言ったんだよ。聞こえなかったかい、下僕悪魔君?」
「テ…メェ!!」
「はは、生意気な目だな。今の内に躾けておくか?」
コイツ…!!
ん…待てよ。アーシア、朱乃さん、小猫ちゃん、木場……
「………おい、ルドガーはどうした?」
「ルドガー?……あぁ、そう言えば、あの時リアスの部屋で見た人間か?そう言えば見ていないな。まぁ、居ないのならそれでいい。人間如きに悪魔側に干渉などしてほしくは無いからな。もしくは、さっきの炎でもう灰になってるかもなぁ?」
「………うっせえよ」
「なに?」
「うっせえーって言ったんだ!!お前のマッチみたいな火に、あいつが負けるか!!」
「は!マッチか。下級悪魔如きが、よく吠えるものだなぁ!!」
ゴゥ!と、呻りを上げる様にして、俺に熱風と炎が飛んでくる!
「っぶね!」
「はは!今のを避けるか!いいだろう、少しばかり遊んでやる」
ライザーの手には炎が灯る。くっそ!部長を抱えて片手なのに、この威力かよ!コッチも腹括るしかねえよな!!
「来い、『
『Boost!』
「ほう、噂に聞く二天龍の力が宿ったという
「うお!?」
また、炎飛ばしてきやがった!やっぱ、遠距離相手だと、この
「うおぉぉぉぉ!!」
「ははは!考えなしの突進か!少しは学習しろよ、下級悪魔!」
アイツは真っ直ぐ炎を放ってくる!だけど、こんな速度くらいなら避けられるんだよ!俺はぐっと、足に力を籠める!
「な、なに――」
『Boost!』
「もらったあぁぁ!!」
一気にアイツの前に躍り出てやった!これなら、直撃コースだろ!
「ぐはっ…ぁ!」
「………甘いな」
地面に背を付けているのは俺の方だった。な、何が起こった?アイツに拳が当たる直前に、訳も分からず吹き飛ばされた。
「接近すれば勝てるとでも思ったか?俺はフェニックスだぞ?その身に纏うのは、炎と風。その気になれば、この屋敷ごと焼き払うのは造作もない。ほら、どうした?せっかく時間を取ってやったんだ。もう少しくらい俺を楽しませてみろ」
「…上等だ!」
俺はもう一度、あいつ目掛けて突貫する。ワンパターンだけど、仕方がない。俺には朱乃さんみたいな強力な雷撃は無いし、小猫ちゃんの様な怪力も、アーシアの様な癒す力も、木場みたいな剣術も、ルドガーの様な強さも、全部ない。俺にあるのはコレだけだから、コレだけで何とかするしかねえだろ!!
『Boost!』
「食らえ、ライザーーー!!」
「学習をしない奴だ」
「ぐあっぁぁ!!」
また、吹き飛ばされた。くそ……あの炎と風の防壁を何とかしねえと!!
「はぁ……ソレしか能がないなら、これ以上楽しめる要素もないな。いい加減諦めないのか?俺もリアスとの婚礼の準備で忙しいんだ」
「……は、はは。そんなの来ねえよ」
「……何?」
「この場で、お前を倒すからなぁ!!」
何とか立ち上がって、啖呵を切ったのはいいけど、本当にどうすっか……
「はぁ……出来もしない事を。……いい加減俺も飽きてきたぞ?そうだな……少し変わった趣向が欲しいところだな。次、お前が倒れるたびに、そこに居る『雷の巫女』や、『戦車』のチビッ子、元シスターだとかいう女を裸にしていこうか?」
……は?
「その後はそうだな……俺の手籠めにするのも良いかもしれないなぁ?どうせは俺のものにな――」
ゴォ!!
…こいつは、何を言ってるんだ?
「……おい、ライザー・フェニックス。テメエ、覚悟しろよ?」
『Boost!』
「テメエなんかに!部長も!朱乃さんも!アーシアも!小猫ちゃんも!誰が渡すか!!赤い龍帝さんよ。本当に居るんなら、俺に力を貸せ!!」
『Dragon Booster!』
聞こえる音声が変わった!一気に力が倍増されたのは分かる!けど、まだだ!まだコイツを倒すには力が要る!!もっと、もっと大きな力が!部長をこんな奴に渡さないための大きな力が!!
「まだだ!コイツを倒すにはまだ大きな力が要る!俺に応えろ!『赤龍帝の籠手』!!」
『Dragon Booster Second Liberation!!』
「うおっ!?変わった!?」
俺の籠手は、その形状を変えた!所々から金色の突起が出て、フォルム自体が鋭角に変わる!
「……ほう。さっきよりは、いい力の塩梅だ。『さっきよりは』な。だが、接近できなければ意味がない!!」
「それは……どうかなっ!」
「な――ちっ!」
俺は手近にあった、大きめの瓦礫を投擲した。これぞ小猫ちゃん直伝の岩投げだ!けど、当然岩は砕かれる!
それでいい。コッチは次の手の準備が出来たからな!
「この程度で!」
「あぁ、その程度じゃ倒れねえよなぁ!!」
俺の拳の先端にはピンポンボール大の魔力弾ができた!昨日、ルドガーは俺のなけなしの魔力でも活用の仕方はあるって言っていた。なら、それを信じさせてもらうぜ!
にしても、我ながら小っけえぇぇ!!け、けど、重要なのは威力だ!
「食らえ、ドラゴンショット!!」
ドゴオォォ!俺の手から離れた魔力弾は極太の赤い閃光となって、地面を抉りながら一気に突き進む!だけど、アイツなら当然――
「ちっ!何という威力――」
「待ってたぜ、クソヤロー!」
アイツが避けるのなんて想定済みなんだよ!魔力素人の俺が撃ったあんな大雑把な攻撃、当たるわけねえ!だったら、何度も打ち込んでやる!アイツはフェニックスだって事に誇りを持ってる!だったら、上方向に飛ぶはず!だから、俺も一気に跳躍して、待ち構えさせてもらったぜ!!
「まさか――」
「ドラゴンショット!」
アイツのほぼゼロ距離の上方向から下に向けて、今度は一気に放つ!あ……やば…
俺の意識はそこで、途切れる。チクショー……
すみません、部長……
――side out
――ルドガーside
「ふぅ……皆、もういいぞ」
俺がそう言うと、全員が起き始めた。
「……ルドガー君、もうお降ろしてもらっていいかしら?」
「っと、あぁ、すいません」
「あと、その姿ももう解いて良いわよ。正直、鳥肌が立つわ」
「焼き鳥野郎だけにですか?」
「…上手くないわよ」
「そりゃ、残念です」
俺は元の姿に戻る事にする。久々にやったけど、上手くいったな。まぁ、言葉遣いは自分でやってて、悪寒がしたけど。
「……血糊でベタベタです」
「うふふ、仕方ありませんわ。これも今度勝つためですもの。協力しましょう、小猫ちゃん」
「それにしても、ルドガー君の演技にはビックリしたよ。本当に本物みたいだったからね」
「やめてくれ。ライザーの真似事は自分でやってて、鳥肌モンだった」
「やっぱり、ルドガー先輩は悪魔……」
「ちょっと、小猫ちゃん!?お願いだからヤメテくれる!?」
「はぁ~……あなた達……」
っと、ここでネタ晴らし。イッセーの鍛錬の為に、俺がライザーの振りをしてました。俺の神器、『
で、今回は水の属性の微精霊と、光の属性の微精霊に頼んで、光の加減やら色々と弄って、いわゆる水と光によるホログラムを作ったわけだ。
「さて、アーシア。イッセーの方は大丈夫かしら?」
「はい。多分、魔力を使い過ぎたんですね。よく寝てらっしゃいます」
アーシアに膝枕をされる形で、イッセーは横たわっていた。あいつ、意識が無い時にコレされて、悔しがるだろうなぁ。よし、証拠写真撮っとくか。
「……ル、ルドガー君、悪い顔してるよ?」
「ん、そうか?」
「やっぱり、悪魔か」
「だから、ホントにヤメテってば!それに、モノホンの悪魔はそっちでしょが!」
「……はぁ、眷属をまとめ上げるって大変ね」
「うふふ、けどこれはこれで楽しいわよ。リアスもそうじゃなくて?」
「……否定はしないわ。それにしても、まさかここまで上手くいくとは思わなかったわ」
俺達全員が、イッセーの攻撃によって空いた大穴を見る。あのイッセーの赤い魔力の一撃は大きなクレーター……というより、空洞を作る結果になった。
大きさにして、直径は10mくらいで、深さは30mってとこか?底の方が良く見えないし。貫通力に特化してたみたいだな。この辺、特性を持った魔力弾を教えてもいいかもしれないな。あいつに器用な事が出来ればだけど。
「……まさか、『
「いえ、違うと思いますよ」
「え?」
「
「っ!……そうね。こんなんじゃ、あの子の主失格だわ」
っと、あー……ちょい言い過ぎたかも。思いの外効いたみたいで、リアス部長の顔が深刻そうなものに変わる。もしかして、その辺の事気にしてたとか?う、うーーん、フォロー入れておくべき、か?
「ま、まぁ、イッセーの奴もまだまだ未熟な部分が多過ぎるくらいですから、眷属と一緒にリアス部長も成長していけば、いいんじゃないですか?悪いところは改善して、良いところはより良いところに昇華させて。最初から完璧な人なんて居ないんですし」
「…………ふふ、その通りね。あなたって、可笑しいわね。私よりも年下の筈なのに、私よりも色々な事を知ってるみたいで。後輩に慰められるなんて、初めてだわ」
「あー……はっはっはっ……」
うおーー!危ねえぇぇ!!危うくバレるとこだった!今度から注意しねえと!
「あ、そうだ。イッセーの奴は、今日はさすがに動けないと思うので、今日はここまでにしておいてやりましょう」
「えぇ、そのつもりよ。小猫、イッセーを運んであげてくれるかしら?それと、アーシアはイッセーの看病を。それが終わったら、今日は軽めのトレーニングだけして切り上げましょう。あまり、根を詰めてゲームの前に体を壊したら元も子もないわ」
うん、その判断には賛成。今日で合宿4日目。前日は休みにしたとして、残りの時間は、明日から8日目までの四日間。残りは確かに少ないが、ここ3日間はずっとハードワークだったから、一旦休みを挟むべきだろうな。
ま、明日からまたノンストップで扱き上げるけど。それに、追加メニューもあるしな。それはそれとして、イッセーには休みを与えておこう。イッセーは小猫ちゃんに運ばれていった。それにアーシアが付いていく形だ。
「さぁ!じゃあ、私たちの方は昨日に引き続き、模擬戦をやるわよ。と言っても、各自一戦ずつにしましょう」
「「はい、部長」」
「了解です」
その後、俺はリアス部長、朱乃副部長、木場と一回ずつ模擬戦を行った。そこに、帰ってきた小猫ちゃんも加わって、それで今日の鍛錬は終了となった。
って事で、実は偽物でしたw
まぁ、決着はキッチリとレーティングゲームで付けてもらいましょう。
ではまた次回!