社会人共がクトゥルフやった時のリプレイ   作:スパークリング

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新シリーズです。

週一で投稿できたらいいなぁと思います。


生命の木
Part.1


 はい、皆さん揃いましたね。TRPG【クトゥルフの呼び声】のセッションを始めさせていただきます。

 

「「「「「「よろしくー」」」」」」

 

 GMはいつもの射命丸の中の人が担当させていただきます。プレイヤーは4人……だったのですが、飛び入り参加者が出ましたので6人でやらせていただきます。

 えー、そこで大変申し訳ないのですが、キャラシートが2人分足りません。なんでこの家にはコピー機がないのでしょうか。

 

「さりげなく我が家をディスるのやめてくれませんか?」

 

「近くのコンビニでコピーすればいいんじゃないか?」

 

 それも考えたんですけど……外、出たいですか? 今雨凄いことになっていますけど。

 

「それは嫌だな。止むまでは出たくない」

 

 そうでしょう? 一応時間のかかるシナリオを用意してきましたし、クトゥルフ以外のキャラシートならあるので時間は潰せるんですけど、クトゥルフだけ足りないことに今さっき気が付いたんです。

 そこで、えー、大変申し訳ございませんが、この中の誰か2人は以前やったシナリオの中からなんでもいいですので継続探索者を選んで使っていただいてよろしいですか?

 

「あ、だったら私それでもいいわよ。新しく作るの面倒だったし」

 

「私もいいですよ。大体全部似たり寄ったりですから」

 

 ありがとうございます。

 

「念のために訊いておくけど、なんでもいいのよね?」

 

 ええ、キャラロストしていないのであればどのキャラシートを使っていただいても結構ですよ。

 

「わかったわ」

 

「じゃあ俺たちはキャラ作るか。シナリオ背景とお勧め技能と職業を聞かせてくれ」

 

 シナリオはクトゥルフ神話TRPGやろうず、青いくら様の【生命の木】です。

 舞台は現代日本。あなた達は夏の長期休暇を利用して知られざる秘島【出雲の秘島】の観光ツアーに参加していただきます。何人か個別オープニングをこちらで用意しておりますが、特に秘密にしなければならないことではございませんので、全員公開で行います。

 お勧め技能は《ナビゲート》《生物学》《歴史》といったところでしょうか。あとは《目星》《聞き耳》《図書館》ですね。戦闘技能は特に必要ありません。あってもおそらく無駄でしょうから。

 お勧め職業は特にありませんが、警察やジャーナリスト、ゴーストハンター、オカルト作家といったものを選ぶならば個別オープニングが用意されています。まぁあってもなくても特に変わりはありませんので強要はしません。

 それからあなたたちPCの中から誰か1人、所謂主人公的な役割を担っていただきます。丁度6人いますので1D6で決めようかなと思いますが、やりたい方がいらっしゃれば今ここでどうぞ。ただキャラロストする可能性が高くなりますし、割と慎重に、かつそれっぽい行動をしないと詰んでしまう可能性がありますので、自由にロールプレイしたい人にはあんまりお勧めしません。

 で、誰かやりたい人はいますか?

 

「私は遠慮したいわ。主人公よりサポート向きだしね。あと自由にロールプレイしたい」

 

「私も出来れば」

 

「オレも今回は遠慮したいですね」

 

「私も遠慮する」

 

「私もちょっと……」

 

「なんだおまえら……じゃあいいぜ、俺が引き受けるよ」

 

 ありがとうございます。特にキャラ作成で要求することはありませんので、自由にどうぞ。個別オープニングがあったり、ちょっとしたアイテムがあったりするだけですから。

 

「お、そうなのか?」

 

 はい。さぁさ、後はシナリオが始まってから詳しくお話ししましょう。皆さん、自身の分身となるPCを作成してください。

 

「「「「「「はーい」」」」」」

 

「さて、どの継続探索者を使おうかしらね」

 

「あの……これはいいのでしょうか?」

 

「……あ、いいんじゃない? あなたがそれ使うなら私もこれね。ねぇGM。私の継続探索者特徴1つしかないんだけど、大丈夫?」

 

 バッステのみならご自由に1つ、バッステがないならバッステを追加して60ポイントの技能ボーナスをどうぞ。

 

「わかったわ」

 

「ステータスが変化しているんですけど、趣味的技能を上げてもいいですか?」

 

 《INT》が上がっているんですか? じゃあ上がった分×10ポイント振り分けてどうぞ。

 

「ありがとうございます」

 

「よし、ステータスは高いな」

 

「お、それじゃあ万能キャラにするのかい?」

 

「何を言っている。ステータスが高いからこそふざけるんだ。私のキャラは……これだ」

 

「お、そのキャラで行くんですか? じゃあオレのキャラはこれですね」

 

「じゃあ私もそれに乗っちゃおうかな。職業はどうしよっか。学生にする?」

 

「学生探索者作るのがな……」

 

 【アカシック13】に掲載されている物を応用してもいいですよ。

 

「それなら簡単だな」

 

 

     ――――・――――・――――・――――

 

 

 出来上がったみたいですね。それでは順番にどうぞ。

 

「じゃあ俺から行くぜ? 俺は夢幻の白夜。36歳の公安警察官だ」

 

夢幻の白夜

性別:男 年齢:36歳

職業:公安調査官 特徴:鋭い洞察力 夜に弱い

STR:15 《幸運》55   《心理学》62 《聞き耳》63

CON:10 《アイデア》65 《説得》72  《隠す》65

POW:11 《知識》95   《追跡》67  《説得》65

DEX:08 《母国語》95  《図書館》75

APP:15 《回避》16   《目星》62

SIZ:11 《耐久力》11  《英語》59

INT:13 《MP》11   《法律》62

EDU:20 《DB》±1D4 《隠れる》67

SAN:55 《年収》500万 《忍び歩き》62

 

 ほう、公安警察ですか。

 

「ああ。普通の警察官よりもクトゥルフに関わりやすいかなって思ってな。それに俺が一応主役のポジションを引き受けたことだし、オーソドックスにな」

 

 いいですね。頼りになりそうなPCです。所持品もとくに問題ないですね。では次は……ああ、あなたたち3人は友人同士で普通に旅行しに来たんでしたっけ。じゃあ纏めてどうぞ。

 

「天草シノ。法学部大学3年生だ」

 

「津田タカトシ。文学部大学の2年生です」

 

「七条アリア。経済学部大学の3年生だよ」

 

天草 シノ

性別:女 年齢:21歳

職業:法学部大学3年生 特徴:勉強家 不思議ちゃん

STR:08 《幸運》45   《言いくるめ》65 《隠れる》56

CON:10 《アイデア》85 《経理》70    《目星》63

POW:09 《知識》75   《心理学》55

DEX:08 《母国語》75  《聞き耳》55

APP:14 《回避》16   《説得》63

SIZ:14 《耐久力》12  《法律》75

INT:17 《MP》09   《英語》63

EDU:16 《DB》±0   《追跡》58

SAN:45 《年収》0    《ナビゲート》58

 

津田 タカトシ

性別:男 年齢:20歳

職業:文学部大学2年生 特徴:芸術的才能 眼鏡を掛けている

STR:12 《幸運》45   《オカルト》55    《登攀》60

CON:16 《アイデア》60 《芸術(詩的表現)》80 《製作(料理)》62

POW:09 《知識》70   《心理学》76

DEX:11 《母国語》80  《説得》60

APP:14 《回避》22   《図書館》65

SIZ:16 《耐久力》16  《跳躍》55

INT:12 《MP》09   《歴史》64

EDU:14 《DB》+1D4 《目星》52

SAN:45 《年収》0    《聞き耳》52

 

七条 アリア

性別:女 年齢:21歳

職業:経済学部3年生 特徴:親の七光り 不思議ちゃん

STR:07 《幸運》45   《経理》70  《聞き耳》50

CON:15 《アイデア》55 《博物学》60

POW:09 《知識》75   《信用》75

DEX:15 《母国語》75  《図書館》56

APP:15 《回避》30   《法律》75

SIZ:12 《耐久力》14  《英語》80

INT:11 《MP》09   《写真術》40

EDU:15 《DB》±0   《乗馬》65

SAN:45 《年収》0    《目星》50

 

 役員共から3人ですか。一応聞いておきますけど、皆さん同じ大学ですよね?

 

「ああ。学部は違うがな。私は将来検事になるつもりだから、そんな風に技能を振ってみたぞ」

 

「オレは小説家になろうかと」

 

「私は実家を継ぐために勉強中だよ。職業技能はディレッタントで作っているけどね」

 

 なるほど、いいですね。……ってあれ? タカトシは眼鏡かけているんですね。

 

「先輩たちと同じ大学に通おうと無理な勉強し続けた結果、目が悪くなっちゃった。って感じの設定で行こうかなと」

 

 そういうことですか。まぁあなたが眼鏡かけてもかっこいいと思いますからいいでしょう。所持品も特に問題なしです。ただあんまり暴れないでいただけるとありがたいですね。特にシノの人。

 

「それは私の気分によるな」

 

 お願いしますよ。はい次……は、ああ、継続探索者の方々ですね。あなたたちも纏めてどうぞ。

 

「レミリア・スカーレットよ」

 

「その従者の十六夜咲夜です」

 

レミリア・スカーレット

性別:女 年齢:32歳

職業:ディレッタント 特徴:珍しい技能 不思議ちゃん

STR:15 《幸運》55   《図書館》55     《精神分析》62

CON:09 《アイデア》75 《芸術(占い)》80   《聞き耳》63

POW:11 《知識》75   《信用》76      《クトゥルフ神話》6

DEX:13 《母国語》75  《オカルト》55    《天文学》61

APP:15 《回避》26   《法律》76

SIZ:13 《耐久力》12  《日本語》80

INT:15 《MP》11   《武道(空手)》72

EDU:16 《DB》+1D4 《ライフル》43

SAN:55 《年収》1400万《心理学》66

 

十六夜 咲夜

性別:女 年齢:31歳

職業:メイド 特徴:手先が器用 大切なもの

STR:18 《幸運》350  《言いくるめ》63  《芸術(料理)》70

CON:24 《アイデア》105《応急手当》50   《ナビゲート》65

POW:70 《知識》60   《聞き耳》45    《機械修理》50

DEX:16 《母国語》60  《製作(料理)》70  《電気修理》30

APP:18 《回避》38   《経理》60     《クトゥルフ神話》99

SIZ:11 《耐久力》18  《心理学》63

INT:21 《MP》70   《目星》45

EDU:12 《DB》+1D4 《日本語》80

SAN:350《年収》500万 《運転》60

 

 え、ちょ。

 

「あ、この探索者って」

 

「……ああ。あのシナリオのやつですか」

 

「え? 咲夜さんのステータスはどういうことかしら?」

 

「人間のそれじゃないな」

 

「あたりまえじゃない。だって咲夜神様だもの」

 

「はい。私はシュブ=ニグラスの分霊です。今は訳有ってレミリアお嬢様に仕えています」

 

「自覚のあるシュブ=ニグラスとか強すぎるな」

 

 レミリアはともかく咲夜は……まぁいいか。それはそれで。律儀に1年経過していますし。でも咲夜の人大丈夫ですか? 《SAN》チェックがないのでクトゥルフ特有のスリルとか全くないですよ?

 

「これはこれで面白そうですし、このキャラ使うのこれっきりにしますからやりたいです」

 

 さいですか。ならまぁ、いいですよ。でもネタバレになっちゃいますのであんまり《クトゥルフ神話》技能使ってほしくないのですが。

 

「それは勿論」

 

 ならいいです。あとレミリアがロストしたらあなたも強制的にロストさせますから、そのつもりで。

 

「その場合のロストってさ、ただ死ぬだけじゃないよね?」

 

「絶対に邪神になるやつだな」

 

「私たちまで巻き添えじゃないか」

 

「大丈夫よ。私が死んだり発狂したりしなければいいだけだから」

 

 それではまぁ、色々と心配な面子なのですが、シナリオ始めていきまーす。

 まずは個別オープニングがある人からです。該当者は白夜ですね。

 

 

     ――――・――――・――――・――――

 

 

 まずは白夜の個別オープニングから。少し長いです。

 あなたは警視庁公安部に所属している刑事です。部署の都合上、あなたは身分をある程度隠さなければならない立場にあり、そして、あまり表沙汰にできない案件を担っています。そんなあなたはとある案件を上司から任されます。

 隠岐島の近くにある、知る人ぞ知るパワースポット【出雲の秘島】の黒い噂の調査です。

 

「黒い噂?」

 

 はい。出雲の秘島を訪れた観光客が、メイン観光スポットである神樹の森で行方不明になり、後日死体となって発見される、という事件が多発しているというものです。

 

「噂ということは、本当かどうかはわからないんだな?」

 

 そうですね。

 あなたは秘島の噂の真偽を確かめ、もし本当ならば失踪・変死事件についての真相を解明し、上手くいくのであれば解決せよと上司から指示を受けて行動を開始します。

 あとですね、なぜあなたがこの大役を任されたのか、なのですが。それはあなたが幼少期に一度だけ、両親に連れられてその島を訪れたことがあるからです。

 

「お、そうなのか」

 

 はい。と言っても記憶はうっすらで、本当になんとなく憶えている程度なのですが。

 以前雑談で仲間たちとパワースポットについて話をしていたときにあなたがこの島について口にしていたことを上司が見ていて、それが理由であなたに頼んだということです。一度とはいえ、島に行ったことのある人間を向わせた方が何かを掴んでくるだろうと考えたのです。

 

「刑事の勘ってやつだな。しかも公安警察官のだ。説得力が違う」

 

 ということで、あなたは夏に開催される出雲の秘島観光ツアーに参加することにしました。

 

「事前に調査をある程度済ませておくことにする。とその前にだ。さっきうっすらとだけどその島に行った時の記憶があるって言ったな? その内容を聞かせてくれ」

 

 神樹の森に訪れた際、あなたは両親とはぐれてしまいます。途方に暮れていたあなたですが、そこでこの世のものとは思えないほど美しい銀髪の少女と出会った、というものです。顔はぼやけてしまっていてはっきり思い出せません。

 

「ふーん……その少女と会った後にどうなったか、覚えているか?」

 

 過程は覚えていませんが、気が付いたときにはあなたは両親と再会を果たしており、その手の中には古い御守りが握られていました。

 

「その御守りは今も持っているか?」

 

 今も大切に持っています。左胸ポケットの中にありますよ。

 

「御守りの中身を確認するぜ。何が入っている?」

 

 銀色に輝く何かの金属片です。

 

「成分は?」

 

 調べたことはないので詳しくはわかりませんが、見た感じ鉄のようなものなのではないかと察します。

 

「《アイデア》ロールしてもいいか?」

 

 どうぞ。

 

 白夜《アイデア》65 → 77 失敗

 

「ちぇっ、ダメか。じゃあ次だ。出雲の秘島について調べるぞ。観光ツアーがあるってことはそこそこ有名なんだろ? 普通にグー◯ル検索だ」

 

 壱岐島の近くにあるパワースポットで、「生命の木」と呼ばれている巨大な神木とそれを取り巻く「神樹の森」が主な観光スポット。なんでも「神樹の森」で果実を口にすれば身も心も若さと潤いを取り戻し、「生命の木」の根元から湧き出る霊泉の水を飲めば精神が清められ生への活力が漲る、という謳い文句があります。

 ネットの評判では、実際に「神樹の森」で採れた果物はどれも絶品で、島の水は全て井戸水でやはり美味しいということです。

 

「《図書館》を使ってもっと詳しく調べてみよう」

 

 白夜《図書館》75 → 17 成功

 

 では時々霊泉が虹色に輝くことがありその光景は幻想的である、という書き込みがあったのを見つけました。

 

「それだけか。じゃあもういいや。俺の行動はこれで終わりにする」

 

 わかりました。それではタカトシ、レミリア、咲夜のオープニングに行きましょう。

 

「え? オレ、レミリアたちと知り合いなの?」

 

 いえ、知り合いじゃなくてもいいですよ。個別オープニングと言っても共有の情報あげるだけですから。2人とも《オカルト》高いので。咲夜は《クトゥルフ神話》技能ですけど。

 あなたたちは夏の長期休暇を利用して、どこかに行こうという話になりました。そこで出てきたのが出雲の秘島でした。

 出雲の秘島の「神樹の森」には「生命の木」の化身とも呼べる霊的存在が住んでいて、ごくまれに森に入り込んだ人間の前に現れるというものです。

 

「お、なんか俺の昔話と繋がりそうだな」

 

「霊的存在……妖精みたいなものかな?」

 

 そうですね。木の精は人間に対して非常に友好的で、可憐な少女の姿で現れるらしいです。ただその怒りに万が一でも触れてしまうと真っ黒な恐ろしい怪物となって牙を剥くという言い伝えもあります。

 

「可愛い少女の姿で現れて、怒ると黒い怪物になるって……咲夜」

 

「GM、その……それって《クトゥルフ神話》技能で判定できますか?」

 

 自動成功とします。咲夜はその存在が自分と同じ神の分霊の1つだと確信することでしょう。

 

「咲夜の家族みたいなものね。どうなの咲夜」

 

「どうでしょうか。今の出雲の秘島は平和なようですので友好的だと思いますが、もし何かの拍子で邪神になられたら大変ですね」

 

「そうね。ちょっと会いたくなってきたわ。咲夜の家族ですもの、さぞかし可愛らしいのでしょうね。どうかしら咲夜。せっかく仕事もオフだし、一緒に行かないかしら?」

 

「お嬢様が参られるところに、咲夜はついていくのみです」

 

「もう、違うわ咲夜。私はあなたと一緒に旅行に行きたいのよ。あなたも楽しんでもらわないと困るの。私はあなたが行きたくないところには行きたくないわ。正直に言ってちょうだい」

 

「……正直な話、あまり行きたくはありません。お嬢様が危険な目に遭うリスクが生じますから。しかし、私と同じ存在がどのようにこの世界に存在しているのか、気にはなります」

 

「私のことは大丈夫よ。これでも鍛えているし。それに……あなたが私を守ってくれるんでしょう? 咲夜」

 

「勿論でございます。私がいる限り、お嬢様の身に危険が及ぶことはございません」

 

「なら大丈夫ね。行きましょう」

 

「はい、喜んで。という感じで私とお嬢様はツアーに参加します」

 

「じゃあオレは妖精ってフレーズにつられて旅行に行こうって思うかな。その際に高校時代からよくしてくれている先輩たちも誘ってみる。ひとりよりもみんなで行った方が楽しそうだから。萩村は海外に留学中だから誘うに誘えなかったということにする」

 

「それなら私は乗るぞ。旅行か、久しく行っていなかったな。津田が折角誘ってくれたんだ。行こうじゃないか」

 

「私も行くよ。みんなで旅行って楽しいし、何より出雲の秘島には前々から興味はあったんだ」

 

「天草先輩も七条先輩もありがとうございます。ということでオレたちは旅行することになりました」

 

 話は纏まりましたね。ではこれでそれぞれのオープニングを終了します。さて、導入行きます。

 夏のある日のこと、あなたたちは二泊三日の観光ツアーに参加すべく、島へと向かう定期船に乗り合わせています。快晴の青空の下、潮風を感じながらの船旅は気持ちいいことでしょう。

 

「とりあえず人数確認だ。私たち以外に何人乗り合わせている?」

 

 男性NPCが6人です。全員一箇所に集まって話しています。仲が良さそうなことから全員知り合いのようですね。

 

「ということは12人で旅に来ているのね」

 

 ああ、ちなみにこのツアーはAグループとBグループで別れていて、それぞれ泊まる場所は同じですが、スケジュールが違います。探索者のあなた達は全員Aグループです。

 

「あら、じゃあここは自己紹介もかねて挨拶に行きましょう。他のみんなはどこにいるの?」

 

「俺は甲板の所にいる。ある意味俺は仕事しに行くようなものだからな。潮風にあたって気分を落ち着かせている」

 

「オレたちはどうしましょうか」

 

「定期船には個室みたいなのはないの?」

 

 4人が入る部屋がいくつかあります。皆さんには基本的にこの部屋で島に着くまでそれぞれ過ごしていただきます。

 

「それじゃあ全員で部屋にいることにしよう」

 

「そうなの? それじゃあ白夜から挨拶しましょうか。後ろから声をかけるわ。もし、ちょっとあなたよろしいかしら?」

 

「ん? 俺かい? なんだ?」

 

「同じツアー参加者同士の挨拶をしに来たのよ。これから3日間、よろしくね」

 

「よろしくお願いします」

 

「ああ、こちらこそ。というかGM、《知識》ロールしていいか?」

 

 どうぞ。

 

 白夜《知識》95 → 74 成功

 

「ああ、よくよく見たらあんた、もしかしてレミリア・スカーレットさんか? 占い師の」

 

「あら、私のことを知っているのね、と言いながらサングラスを取るわ。改めまして、レミリア・スカーレットよ。親しみを込めてファーストネームで結構よ」

 

「レミリアお嬢様の侍女の十六夜咲夜と申します」

 

「俺は夢幻の白夜という者だ。というかあんたら日本語が本当に上手いな」

 

「私たちスカーレット家一族は代々親日家でね。小さいときから日本語の教育も受けていたのよ。私個人も日本という国は大好きだから、こうして日本で活動しているのよ」

 

「そうかい。日本人の俺としてはこんなに嬉しいことはないね。これからも日本を贔屓にしてくれると嬉しいよ」

 

「あなた結構愛国心のある方なのね」

 

「まぁな。仕事柄ってのもあるけど、純粋にこの国のことを愛しているのは事実さ」

 

「へぇ。ちなみにご職業は?」

 

「あんまり口外できないからぼかすが、日本の公務員ってことだけは教えとくよ」

 

「ふーん。まぁ深くは訊かないでおくわ」

 

「そうしておいてくれると助かるよ。にしても俺はあんたみたいな有名人と旅行できるのか。嬉しい誤算だな」

 

「これも何かの縁よ。GM、《芸術(占い)》ってこのシナリオでも有効?」

 

 うーん、うん。今回はやめておきましょう? ね?

 

「仕方ないわね。まぁなくてもいいわ。白夜さんはどうしてこのツアーに参加されたのかしら? 私たちは『神樹の森』とその噂が気になってね」

 

「噂?」

 

「ほら、『生命の木』には精霊がいて、なんでも可愛らしい少女の姿で現れるって言い伝えがあるじゃない? 私たちはそれに興味があって参加したのよ」

 

「『生命の木』の精霊ねぇ。もしかして俺が見たのはそれかもしれないなぁと遠い目をしながらぼそっと呟く」

 

「聞き逃さないわよ。見た? もしかしてあなた、その精霊と会ったことがあるの?」

 

「精霊かどうかは知らないが一度だけな。俺がまだガキだった時のことさ」

 

 白夜はこのタイミングで《アイデア》ロールどうぞ。

 

 白夜《アイデア》65 → 23 成功

 

 では白夜はレミリアが連れている咲夜を見て、前にどこかで会ったことがあるような印象を覚えました。

 

「公安警察の俺が顔に覚えがあると感じたのか。これは頼れる情報だ。話は変わるが、十六夜さんだったか。前に俺と会ったことはないかい?」

 

「……実際はどうなのですかGM。返答に困るのですが」

 

 会ったとしても街中ですれ違ったかどうかでしょう。咲夜には全く覚えがありません。

 

「記憶違いではございませんか? 私はお会いした記憶はございませんが」

 

「……そうか。いや、悪いな。なんとなくそう思っただけだ。気にしないでくれ」

 

「そうですか」

 

「あらあら、咲夜を口説いちゃって。ダメよ、この子は私だけの満月なんだから」

 

「ははは、そんなつもりはないさ。ただどうも気になっちまってな。深い意味はないさ」

 

「さて、他の人達にも挨拶をしたいし、ここで一回お別れしましょう。続きは島に着いてから、ね?」

 

「ああ。じゃあな、と言いながら海の方に視線を戻す」

 

「じゃあGM、次は役員共の所に挨拶に行くわ」

 

 わかりました。ではレミリア達は津田一行のいる部屋まで来ました。えっと、大学生組はみんな部屋にいますか?

 

「オレはいるかな」

 

「私はいるぞ」

 

「私も」

 

「みんなでなんでもない話をしていよう。大学は同じだからよく会いはするが、こうしてみんなで旅行するのは久しぶりな感じがするな。高校生の時は結構自由にできたんだが」

 

「そうですね。主に七条先輩に連れられてですが」

 

「津田くんの方から誘ってくれたのは珍しいんじゃないかな? 妖精伝説だっけ? 津田くんもそういうのに興味があったんだね」

 

「なんとなくですけどね。小説やエッセイのネタになるかなって。思えばオレがこの道を選ぶきっかけになったのって生徒会に入ったからなんですよね。当時の会長の天草先輩と出会えたから、目指す将来が見えたんです。天草先輩との出会いはオレにとって、ある意味運命の出会いと言っても過言じゃありませんね」

 

「な、なっ」

 

「凄い。津田くんのロールプレイがまんまだ。さらっとシノちゃんを口説き落としに来てる」

 

「顔を赤くしつつ返事をするぞ。そ、そんな大層なことじゃない。津田が自分の才能を見つける過程は確かに私との出会いがあったのかもしれないが、それを将来の目標として頑張っているのは今の津田自身だ」

 

「じゃあ会長はオレが自分の才能に気付くきっかけになった人ですね。もしオレが小説家になってベストセラー作家になったら、真っ先に天草先輩にその本をプレゼントしますよ。勿論サイン付きで。一応、練習しているんですよ」

 

「そういえば津田くん、大学の文学科主催のコンクールに入賞したって聞いたけど、もしかしてその時もサイン書いたの?」

 

「はい。でも経験がなくって下手くそになっちゃって。だから今は練習しているんです。驕りじゃないですけど、結構自信が持てるようになったんですよ」

 

「そうか……チ◯トレの成果が出たんだな!」

 

「オレ、サインと小説の話をしてたと思うんですけど」

 

「それにな津田。なんだって初めてはみんな下手なものさ。もちろん性行為の時もな!」

 

「だからサインと小説の話をしていたんですってば」

 

「わかっているよ津田くん。マーキ◯グと官◯小説の話だよね」

 

「あなたはオレのことを一寸たりともわかってくれていませんね」

 

「……凄く入りたくないんだけど、挨拶はしないとね。ノックをするわ」

 

「はーいって返事をしようかな」

 

「じゃあ入るわ。失礼するわね。同じツアーに参加する者同士の挨拶に来たわ。ちなみにサングラスは外しているわよ」

 

 シノ  《知識》75 → 49 成功

 タカトシ《知識》70 → 98 ファンブル

 アリア 《知識》75 → 20 成功

 

「オレ、ファンブル出したんだけど……」

 

 本当に彼女のことを知らなかったということにしてください。

 

「じゃあ素で挨拶しようかな。ああ、それはどうも、よろしくお願いします」

 

「いやいや津田! なに普通に挨拶しているんだ! この人レミリア・スカーレットさんだぞ!」

 

「え?……ごめんなさい、わからないです」

 

「本当に知らないの津田くん。テレビじゃあ引っ張りだこの有名な占い師だよ?」

 

「……ごめんなさい、本当に知らないです」

 

「もう津田くんったら……失礼をしてしまってすみません、スカーレットさん」

 

「いいのよ、気にしなくって。堅苦しいからファーストネームでいいわ」

 

 レミリア《知識》75 → 52 成功

 

「ってあら? もしかしてあなた、七条アリアさんではなくて?」

 

「はい、そうです。七条アリアです」

 

「やっぱりね。七条グループっていったら日本の数ある財閥の中でもトップクラスだから覚えていたわ。私も一応、これでも財閥一家の娘だからね」

 

「スカーレット家に関しましては私もよく耳にします。相変わらずのご手腕ですね」

 

「父や兄たちが優秀なだけで私は日本で遊んでいるけどね。どうかしら? こうしてあったのも何かの縁だし、今度うちに遊びに来ないかしら? あんまり大きなパフォーマンスは出来ないけど歓迎するわ」

 

「まぁ、でしたら是非お願いします。機会が出来ましたら父や友人たちも連れて行ってもよろしいですか?」

 

「勿論よ。七条会長もあなたのお友達も大歓迎だわ。ところであなたは友達たちと旅行しに来たのかしら? それとも今から行く島にリゾート地にするとかなんかの視察かしら?」

 

「前者です。友達たちと旅行にきたんですよって感じでシノちゃんと津田くんにアイコンタクトを送るよ」

 

「助かる。改めまして後輩が大変失礼しました。彼女とは高校時代からの付き合いの天草シノという者です」

 

「いや、本当にごめんなさい。津田タカトシです」

 

「大丈夫よ。改めて……というかちゃんと自己紹介してなかったわね。勝手に話してしまってごめんなさい。私はレミリア・スカーレット。ファーストネームで呼んでちょうだいね。そしてこっちが侍女の十六夜咲夜よ」

 

「十六夜です。よろしくお願いします。と頭を下げます」

 

「これから3日間よろしくね。さて、ここでこれ以上話すのもあれだし、続きは島についてゆっくりしてからにしましょう。私たちはこれで失礼するわ」

 

「「「よろしくお願いします」」」

 

「大学生組の部屋から出るわ。さて、同じグループの人たちに挨拶は済んだし、私の行動はこれで終わりよ。部屋に戻ってゆっくりするわ」

 

「私も特に行きたいところはありませんので、お嬢様についていきます」

 

 了解しました。他の人は何か行動しますか?

 

「俺は特に。甲板でボーっとしているぜ」

 

「オレも特には」

 

「私もない」

 

「私も」

 

 了解しました。それでは出雲の秘島についたところまでシーンを飛ばしますね。

 

 

 

 

     ――To be continued…




夢幻の白夜=夢幻の白夜の中の人
津田タカトシ=不動遊星、滝谷誠の中の人
天草シノ=我那覇響の中の人
七条アリア=京楽春水、八意永琳の中の人
レミリア・スカーレット=古美門研介、毛利蘭の中の人
十六夜咲夜=十六夜咲夜の中の人

【クロノスを喰らうもの】【ある学校の階段の怪談】を参考
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