社会人共がクトゥルフやった時のリプレイ   作:スパークリング

5 / 42
Part.5

 クロノスの肖像から現れた異形の怪物。それは手始めに弓香を鉤爪で引き裂き、先程まであなたたちと話をしていた小さな少女を無残な肉塊へと変貌させてしまいました。

 神話生物、残忍な悪意……空鬼の姿を直視してしまった皆さん。目の前で少女が惨殺されてしまったボーナスを含めまして1/1D10+1の《SAN》チェックです。おまけとしまして5パーセントの《クトゥルフ神話》技能をプレゼントしましょう。

 

 古美門《SAN》62 → 31 成功

 勇儀 《SAN》60 → 43 成功

 咲夜 《SAM》47 → 39 成功

 遊星 《SAM》51 → 70 失敗

 京楽 《SAN》52 → 06 成功

 

「俺だけ失敗か。1D10+1か。これは大変なことになりそうだな(コロコロ)……3。よし、助かった」

 

 ここまで結構チェック挟んでいるのに発狂なしとはやりますねぇ……。えー、空鬼は鉄格子をすり抜けるように通過した後、あなた達に襲い掛かります。

 ではここで、今出てきた1体の空鬼のステータスを決めましょう。(コロコロ)……決まりました。ステータスを公開します。

 

空鬼/残忍な悪意

STR:22 CON:14 POW:8

DEX:9  SIZ:24 INT:7

耐久力:19 DM :+2D6

 

「この空鬼脳筋だな。攻撃が当たったらひとたまりもないぞ」

 

 さて空鬼の設定も終わりました。さぁさ。戦闘開始です。

 

「《DEX》17。俺からか。だが特にやることはない。俺はこの場から離脱して車を持ってこよう。GM、できるか?」

 

 許可します。では遊星は車を持ってくるために、地下室から脱出しました。車を持ってきてここまで戻ってくるのに、2ラウンド後の最後までかかるものとします。

 

「待っていてくれみんな。車を持ってくる。すぐに逃げよう」

 

「頼んだぞ遊星! 次は《DEX》16。あたしか?」

 

「私も《DEX》16です」

 

 1D100をどうぞ。高い方が先に行動します。

 

「(コロコロ)……2」

 

「(コロコロ)……78。わかっていましたけど私からですね。ファイティングナイフを1本取り出して《投擲》します」

 

 咲夜 《投擲》70 → 20 成功

 

 空鬼の《回避》判定です。

 

 空鬼 《回避》?? → 70 失敗

 

「よし、完璧に捉えました。ファイティングナイフのダメージ算出ですね」

 

 1D4+2+1D4/2 → 6

 

「6点のダメージです」

 

 咲夜の投げたナイフは深々と空鬼に刺さります。一瞬空鬼が怯みますが、何もなかったかのように戦闘態勢を整え直しました。

 

「次はあたしの攻撃だねい。45口径のオートマティックをぶっ放す。58パーセントだ」

 

 勇儀 《拳銃》58 → 02 クリティカル

 

「「「「クリった!?」」」」

 

「クリったぞGM。回避不能でいいな? 更に弾は貫通している」

 

 いいですよ。ダメージ計算です。45口径のオートマティックは1D10+2ですから2D10+2ですか。強烈ですね。

 

 2D10+2 → 6

 

「6か。ツイてないねい。どうだい?」

 

 弾丸は空鬼の身体を貫通しますが、あまり効果がないようです。

 

「ちっ。やっぱりオートマティックじゃ安定性がないか。次は近接格闘に切り替えるよ」

 

「次はどっちだ? 私は《DEX》10だ」

 

「ボクも同じだよ」

 

「残念だが私も特に攻撃に参加しない。部屋の隅っこに移動して遊星が来るのを待つ。だから自動で京楽警部のターンだ」

 

「よしボクの攻撃だね。《杖》で殴りかかろう」

 

 京楽 《杖》75 → 89 失敗

 

「失敗か。空ぶっちゃったねぇ」

 

 では最後、《DEX》9の空鬼の攻撃です。鉤爪で攻撃します。攻撃対象は……先程杖を空ぶった京楽、あなたです。

 

 空鬼 《鉤爪》?? → 21 成功

 

「当然《回避》するよ。75パーセントで成功だ」

 

 京楽 《回避》75 → 51 成功

 

「よし、《回避》成功だよぉ!」

 

 空鬼の大振りな攻撃は京楽がさっきまでいた地面を抉り、小さなクレーターを作り上げました。

 

「あ、危なかったねぇ……」

 

 2ラウンド目に突入です。

 

「俺は車を地下に続く階段の近くに停めて降りる。みんなのもとに向かうぞ」

 

「次は私です。2本目のファイティングナイフを《投擲》します!」

 

 咲夜 《投擲》70 → 65 成功

 空鬼 《回避》?? → 41 失敗

 

 1D4+2+1D4/2 → 4

 

「4点のダメージですか。ダメそうですね……」

 

「今度はあたしだねい。《マーシャルアーツ》+《キック》だ」

 

 空鬼のSIZが勇儀の倍以上ありますので、《跳躍》に成功してから攻撃判定になります。

 

「《跳躍》は初期値か……でもいい。《跳躍》だ」

 

 勇儀 《跳躍》25 → 03 クリティカル

 

「っしゃあ、またクリティカルだ!」

 

 んー……では回避不能ということで。攻撃を続けてください。

 

「よし。頭を狙うよ」

 

 部位狙いですか。ダメージボーナスを1段階上げることを認めますが、《キック》に10パーセントのマイナス修正を加えます。よろしいですか?

 

「ああ、構わないよ」

 

 勇儀 《キック》75-10 → 32 成功

 勇儀 《マーシャルアーツ》78 → 02 クリティカル

 

 なっ!?

 

「またクリティカル!?」

 

「勇儀ちゃん今日のダイス運冴えてるねぇ……」

 

 えー……マジですかぁ。で、では2D6を3D6にしてダメージ判定どうぞ。ダメージボーナスも1段階上げて1D6で。

 

 3D6+1D6 → 17

 

「じゅ、17点のダメージだ……」

 

「こ、これは……」

 

 あー……えー……じゅ、17点ですかぁ……。

 では勇儀の強烈なキックが怪物の頭部を捉えた……次の瞬間、ゴキリ、という生物の体内から聞こえてはいけないような音が静かに地下室内に響く。勇儀は嫌な感触がキックを放った足に伝わりました。

 そんな跳躍していた彼女の足が再び地に着いたとき、あなた達と対峙していた怪物の首はありえない方向へねじ曲がっていました。

 怪物は2本の脚がふらりとよろめかせると、遂には頭を曲がらせたまま、地面に向かってその巨体を力なく投げ出す。地面に接する刹那、怪物の身体はこことは違う空間に溶け込むかのように消えていきました。戦闘終了です。

 

「まさか勝ってしまうとは……」

 

「さすが山の四天王の名前を借りていることはある」

 

「クリティカルのせいだねい。撃退じゃなくて殺しちまうとは想定外だったよ」

 

 えー、空鬼を倒した光景を目撃した皆さん……あ、遊星は外でしたか。では遊星はタイミングよく空鬼が倒れたときに地下室に駆け込んできたということにします。

 

「みんな! 車を持ってきたぞ……て、へ?」

 

 まあそんなリアクションを取るでしょうね。では改めまして、皆さん、1D3を振ってください。振りたくない人は振らなくてもいいですよ。

 

「振っておこうか(コロコロ)……3」

 

「(コロコロ)……2」

 

「(コロコロ)……1」

 

「(コロコロ)……3」

 

「(コロコロ)……2」

 

 ではその数値から1を引いた分の《SAN》値を回復させてください。本当は撃退で上々なレベルの怪物に勝利して平静を取り戻したと判断します。

 

「このGM優しいですね。私は回復しませんでしたけど」

 

「騙されるな十六夜さん。ここで回復させても削り切る自信があるからこのGMは回復させているんだぞ? 私なんて1D6の《SAN》値回復イベントの直後にニャルラトホテプが真の姿を現して《SAN》チェックを課せられたことがある」

 

「結果はどうだったんだい?」

 

「《SAN》値直葬に決まっているだろう。1D100だぞ?」

 

「だろうな」

 

「ニャル様の真の姿を直視しちゃったらねぇ?」

 

 まあまあ、まだそんな酷いことは起きませんから安心してください。

 

「やる気ではあるんだ」

 

 さて、それはそうとロールプレイに戻りましょうか。

 

「露骨に反らしやがったねい。まぁいい。じゃあバケモンを倒しちまったあたしはさっきまでそいつがいた空間をぼんやり見ながらつぶやく。や、やった……のか?」

 

「私は部屋の隅っこで唖然としている」

 

「私は……そうですね。私も唖然とします。あまりにも呆気なさ過ぎましたので」

 

「ボクも開いた口が塞がらない」

 

「俺は戸惑いながらみんなに声をかける。み、みんな。車を……その……持ってきたぞ?」

 

「その声を聴いて私は平静を取り戻す。あ、ああ遊星くん、丁度いいところで戻ってきてくれた」

 

「あ、ああ……なんか……その……帰るか? みんな」

 

「……そうだな」

 

「……ああ」

 

「……そうですね」

 

「ボクはもうちょっとここに居るよ……。本当は帰りたいけど、刑事としてこの事実を明らかにしないわけにはいかないからねぇ。GM、ボクは地下室から出たら上司に連絡を入れる」

 

「私たちは帰るぞ。今日の行動は終わりだ。とりあえず無人島と別荘を購入して明日また調査を再開する」

 

 わかりました。ではあなたたちが地下から外に出ますと、遊星が乗ってきたセンチュリーを囲うように、3台の黒塗りの車が停まっていました。

 

「……これはマズいんじゃないか?」

 

 あなたたちの姿を確認するなり、車の中からサングラスを掛けたスーツの男たちが出てきます。ああ、すみません、1人だけサングラスかけていない男がいました。

 胡散臭い笑みを浮かべた金髪の男。顔立ちからして日本人ではありません。

 その男は他の黒服たちを手で制して後ろに下がらせると、あなたたちに近づき、話しかけてきました。

 

「警戒する。足のホルダーじゃなくて胸元に突っ込んだ拳銃に手を伸ばす」

 

「私もさっき回収したナイフをいつでも取り出せるようにしておきます」

 

「杖を少し構えておく」

 

「おやおや、そこまで警戒しなくとも、私たちはあなたたちと交戦するつもりは毛頭ありませんよ」

 

「信用できんな。ならどうしてそんな連中を後ろに控えさせている? もっとそれらしい対応のやりかたがあるだろう? そもそも君たちはどこの誰でどういう連中だ? ちなみに私は古美門研介。探偵だ」

 

「おやおや、これは失礼しました。私は加納三吾。私も探偵のようなものです。しかし、私はそこそこ高い地位に就いているものですから、こうして何人もボディガードが付いてきているのです」

 

「それにしても付いてき過ぎでは?

 

「それよりもおかしいところがあるぞ。加納三吾だと? GM、やつは日本人の顔立ちじゃないんだよな?」

 

 はい。欧米白人の顔立ちですね。ちなみにAPPは18です。

 

「アウトだな。明らかに神話生物だ。だが私たちは神話生物の確認をさっきのバケモノ以外を確認していないからそのままロールプレイに徹する。ふん、探偵か。守秘義務で話せないと思うが一応聞いておこうか。何を探っている? ちなみに私たちは公開するつもりはない」

 

「言ったでしょう? 探偵のようなものであると。つまり守秘義務は私たちにありません。なのでいいでしょう。知りたいと言うのならば教えます。私たちは訳有って祟道理子という少女を探しているのです」

 

「私たちと同じか。……あ、GM。今のはプレイヤー発言だ」

 

 はいはい。

 

「ところであなたたちは、ここの地下で妙な生物と交戦しましたか?」

 

「ああ、なんか意味の分からんバケモノがいきなり壁の中から出て襲ってきたな」

 

「猿と虫を足して2で割ったようなやつだったな」

 

「あたしが蹴り殺しちまったけどねい……」

 

「というかどうしてそれを知っているのですか?」

 

「予兆があったのでなんとなくですけどちょっと待ってください。け、蹴り殺したのですか!? 空鬼をっ!?」

 

「空鬼? あのバケモノの名前かな?」

 

「え、ええ。次元と次元の間を移動する怪物です。おそらくあなたたちが遭遇したのはその中でも弱い部類のやつだったのでしょう」

 

「STR22、SIZ24の空鬼が弱い部類なのか?」

 

 そういうことにしといてください。

 

「その怪物は壁の中から出てきたのですよね? その壁には何か、奇妙なものとかが描かれていませんでしたか?」

 

「あったな。ちょっと正気を失いかけたが。アレはただの絵じゃないな」

 

「絵というよりも図形に近かったかなぁ」

 

「そんなにペラペラしゃべって大丈夫なのかい?」

 

「こっちとしてもあれの正体がわからないわけだしな」

 

「向こうから喋らせて情報収集しようって魂胆さ」

 

「やはりそうでしたか。その壁に描かれていたのは、おそらくとある神を模して図形化したものでしょう」

 

「とある神? どんな神だ?」

 

「私もその神の名は知りません。ですがそれが『時』と『次元』を統べる存在であることだけは知っています。おそらく『時』と『次元』を統べる神の肖像が一種の『(あな)』となり、次元の彼方から空鬼が出現したのでしょう」

 

「何を言っているのかはさっぱりわからないけどねい、要するに地下の図形を描いた奴はその時の神様とやらと交信を取ろうとしていた頭のおかしい奴ということかい?」

 

「その認識でいいと思いますよ」

 

「理子ちゃんはそんな人たちに捕まってしまったのですか……助けてあげないといけませんね」

 

「その通りです。そこで私からの提案なのですが、どうです? 私たちと手を組みませんか? 私たちの目的とあなたたちの目的はおそらくほとんど一緒、あるいは目的を達成する過程で必要なことでしょう? 敵の敵は味方というやつです。どうですか?」

 

「うん、断る」

 

「即答かい。でもあたしもお断りだねい。おまえらは胡散臭すぎる」

 

「私たちが言えたことではありませんけどね。勿論私も反対です」

 

「どちらでもいい。俺はみんなの意見に従う」

 

「ボクも断ろうか。キミたちのバックの組織がどんなのかがわからないし、警察官としてそんな得体のしれない人間と行動することは出来ないねぇ」

 

「そもそもの話、どうしておまえたちは祟道理子を探している? 目的がわからん奴らのどこをどう信用しろというのだ」

 

 なるほど。じゃあ皆さんは加納と協力する気はないのですね?

 

「「「「「ない(ねい、ですね、よ)」」」」」

 

 それでは加納は困ったような笑顔を見せます。

 

「そうですか。それではしょうがないですね。では我々はこれで」

 

 と言ってこの場から去っていきました。

 

「全員?」

 

 全員です。

 

「車が全部見えなくなったら帰るか」

 

「そうだな。もう帰ろう。十六夜さんも星熊くんも遊星くんも、今日はゆっくりしたまえ。明日からまた頼む。京楽警部はどうだ? 今日はここで撤退して、明日また一緒に行動しないか?」

 

「ふむ……そうだね。それがよさそうだ。報告するって言ったけど、やっぱりやめておこうかな。怪しい連中が出てきたし、今ここを公表したら取り逃がしちゃう可能性が出てくるからねぇ。逃がしちゃったら理子ちゃんとやらも助けられないだろう? ならボクもここで帰る。車に乗れるかい?」

 

「5人までなら頑張れば乗れるぞ」

 

「じゃあボクも乗っていっていいかな。正直今は1人で帰るのは辛いからねぇ」

 

「ああ、いいぞ。家まで送っていってやる。遊星くん、車を出したまえ。GM、私たちはこれで行動終わりだ」

 

 了解しました。

 ではこの日の皆さんの行動を終了し、次の日に移行します。

 

 

 

 

     ――To be continued…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。