世界を堕とす輪廻の徒花〜たったひとつの約束〜   作:超天元突破メガネ

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締めってやっぱり難しいですね。


終章「想いの辿り着く先〜final destination of a promise〜」

AP241:6/22 13:28

惑星ナベリウス上空

それは、あっという間の事だった。

侵食されていたナベリウスの地表が、時間を巻き戻すように元通りになっていくと同時に、宇宙空間に現れたワープゲートも、みるみるうちに消えていく。

「あら」「お!」「やったな、、、!」

ワープゲートの外で待機していた揚陸艇に、歓喜の声が飛び交う。

「双子」との激戦を制し、揚陸艇の中で休んでいたイオも、その光景を見つめていた。

「お疲れ、センパイ。」

緑を取り戻したナベリウスを見て、イオは笑って呟いた。

 

AP241:6/22 13:30

惑星ナベリウス:帰還の地

色とりどりの花が咲く、美しい花畑。

「帰還の地」と名付けられたこの場所に、揚陸艇が着陸する。

しかし、、、どういう訳か、12人のアークスは既に、花畑に立ちつくしていた。

「、、、、、、」

やや戸惑った様子で、辺りを見回していたヒツギは、揚陸艇から歩いてくるアメリアスに気づいた。

「アメリアス、、、?」

「ヒツギ!これこれ!」

アメリアスがかざしていたのは、先ほど投げ渡したコートエッジ。

どうやら、甲板に落ちていたらしい。

「あ、、、うん、ありがと、、、」

ヒツギははっとして、コートエッジを受け取った。

「終わったね、、、」

「うん、、、」

短く、言葉を交わす。

「『深遠なる闇』撃退任務、全行程が終了しました。各員は帰還して下さい。」

アークスシップから、作戦終了の通達が届き、周りのアークスが帰還し始める。

「じゃあ、帰ろっか、、、」

歩き始めたアメリアスに、ヒツギは小さく声をかけた。

「、、、アメリアス」

「何?」

ヒツギは慎重に言葉を選んで、控えめに尋ねた。

「さっき、『深遠なる闇』のコアに攻撃した時、、、」

ヒツギの言葉は、そこで途切れてしまう。

「それが、どうしたの?」

口に出したくなかった。考えられなかった。

それでもいつの間にか、ヒツギは言葉を紡いでいた。

「コアの中に、、、誰かいたような気がしたんだけど、、、」

「、、、!」

アメリアスの瞳が、一瞬、不安げに揺れる。

少し目を逸らして、少女は答えた。

「気のせいじゃ、、、ないかな。映り込んだ誰かの顔を見たとか」

「はあ、、、」

若干納得がいかなかったが、アメリアスの悲しげな瞳を見て、これ以上の言及はするべきではないと気づいた。

「ごめんね、変な質問して、、、じゃあ私、戻るから、、、」

コートエッジを背負い直したヒツギが、テレパイプへと消える。

アメリアスも何も言わずに、テレパイプに向かった。

 

AP241:6/22 13:50

アークスシップ:アメリアスのマイルーム

「お帰り、、、、マスター、、、」

声をかけたリオを完全に無視して、アメリアスはベッドに倒れこんだ。

「、、、『仮面』、、、」

外では『深遠なる闇』撃退成功で、盛り上がっていることだろう。

しかしその手段を知っているアメリアスは、喜ぶことが出来なかった。

「助けられないの、、、どうして、、、」

呟いた途端に、疲れがどっと押し寄せる。

あっという間に、アメリアスは眠ってしまった。

 

気づけば、アメリアスはナベリウスの遺跡に立っていた。

「ここって、、、」

マトイを救い出し、あの人と別れることになった場所。

アメリアスが呆然としていると、不意にアメリアスの前に、赤黒い光が渦巻いた。

「、、、、!!」

現れたのは、黒いコートを着て、仮面をかぶった後ろ姿。

「思い出したか、私が約束した事は、、、」

振り返ることなく、「彼女」は告げる。

「私、助けられないのかな、、、貴女を、、、」

アメリアスは俯いたまま、問いを返した。

「フッ、、、相変わらずだな、君は。私の声が聞こえてなかったのか?」

「え、、、?」

「それに、私は言った筈だ。マトイが笑顔でいてくれれば、それで良いと。」

アメリアスは顔を上げて、後ろ姿を見つめる。

「でも、それじゃあ貴女が、救われない、、、!」

「私は信じているさ。君の進む、未来を、、、」

そう答えて、彼女は振り返る。

すると、顔を覆っていた仮面が、すうっと消えて、

「マトイを頼む。たった一つの約束、君にも果たしてもらうからな」

「、、、わかった。私、頑張るから、、、」

胸に手を当て、意思を告げる。

「もう一度貴女と会えるまで、頑張るから。あの子が、、、ううん、みんなが笑っていられるように、頑張るから、、、!」

「、、、ありがとう。」

涙目で告げる少女に、「仮面」は笑って見せた。

「大丈夫だよ、アメリアス。私も、これから頑張っていくから、、、」

時間切れを伝えるように、「仮面」の体が再び光に包まれる。

光が消えた後も、アメリアスはじっと、その場に立っていた。

「、、、ありがとう、私。」

アメリアスは笑って、目を閉じた。

 

AP241:6/23 9:47

アークスシップ:ショップエリア

『深遠なる闇』との決戦から、1日が経って。

ジグに修理を頼み込むマリアの姿があったり、サラが後輩に激戦の話をしていたり、アークスシップは平和そのものだった。

「いやー昨日はきつかったー!」

ショップエリアのモニュメント広場に、イツキの声が響く。

「声が大きいぞ、イツキ。確かに、一筋縄じゃいかない相手だったな、、、」

「うんうん。攻撃は激しいわ、ウィークは効かないわ、、、」

「最後のレーザーの雨とか、アメリアスが機転を効かさなきゃどうなっていたことか、、、」

ヒツギやリナの口から語られる、激戦の様相に、イオは息を飲んだ。

「そんなに大変だったのか、、、」

「イオも大変だったよね、あんなダークファルス、何体も相手して、、、」

「ほんとほんと。あいつとは当分戦いたくない、、、ってあれ?センパイ?」

不意にイオが、テレパイプの方を見た。

イオ達が今話している、モニターのある休憩所に近いテレパイプ。その裏に隠れるように、アメリアスがこっちを見ている。

「あ、、、ばれた?」

「バレバレだって、、、相変わらず、隠れるの苦手だな。」

「えっへへ、、、じゃあ、出てきちゃおっかな」

そう言うと、アメリアスはバッと飛び出し、5人の前に着地した。

「何言って、、、って、ええええ!!?」

呆れていたイオの顔が、一瞬で驚愕に変わる。

アメリアスは、赤いネクタイに、黒いコート、、、ダークファルスの人間体が着ているのと、全く同じ衣装だった。

「ど、どうしたんですか、それ、、、?」

恐る恐る尋ねるイツキ。リナに至っては卒倒しかけて、アイカに介抱されている。

「えーっと、研究部が新しく開発したやつの試作品を、昨日アキさんに渡されて、、、驚くかなあって思って着てみたんだけど、、、」

皆の反応が意外だったのか、首をひねるアメリアス。

「、、、ちょっとびっくりしすぎじゃない?」

「「「そりゃびっくりもするわ!!!」」」

イツキ、リナ、アイカのツッコミが重なった。

「まあまあ落ち着いて、、、にしても、妙にしっくりくるな、センパイが着てると。」

「あ、確かにそうかも」

イオとヒツギが、そんな感想を口にすると、アメリアスは笑って、

「そりゃまあ、、、」

「まあ、何?」

「、、、なんでもない。」

アメリアスがはぐらかした所で、緊急アラートが鳴り出した。

「緊急警報発令!!侵食された旧マザーシップ『Xion』の反応が接近しつつあります!!」

「それってつまり、、、!」

「ダークファルス『敗者』、、、あのクソ全知、懲りずにまた、、、!!」

「お、落ち着いてセンパイ!」

「一難去ってまた一難、ね、、、」

「さっさと倒しちゃいましょう!えーっと、確か前哨戦があったような、、、」

「あいつはジャミングの為に、大量に下僕を召喚する。まずはその殲滅だな、、、」

6人はゲートエリアに移動し、準備を始める。

「みんな準備いい!?行くよ!!」

アメリアスを先頭に、キャンプシップへと向かう。

程なくして、アメリアス達を乗せたキャンプシップが、旧マザーシップへと飛び立っていった。

アメリアスの、、、アークス達の戦いは、続いていく。

 

Nobody knows future but it is fun

Thank you for leading

 




「頑張るから」の件のために、これを書いていました(嘘)
ルーサーとアメリアスの関係については、「顕現せし星滅の災厄」をご覧ください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

次回について
採掘基地防衛戦を予定していますが、まだ経験不足なので、
ビーチウォーズでも挟もうかと思っています。
ではでは、ではではではでは。
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