仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー NOVEL大戦BREAKER 作:火野荒シオンLv.X-ビリオン
翔「遂にコラボが始まるのか……」
シオン「と言っても、今回は物語の導入部分だから、翔たちの出番はまだ少し先だけどね」
翔「おいちょっと待て」
狼煙~時の列車での攻防戦~
とある空間……そこは辺り一面砂のようなものに囲まれており、周囲には崖に等しい岩がある、殺風景に等しい場所……
しかし、見る限り静寂な雰囲気を漂わせるその空間に、何かが響き渡る……
それはまるで、電車が走るような、そんな音が辺り一面に響いていた。
そしてその音を発する存在は、まさに今、この静寂な空間を"走っていた"。
それはまさしく電車そのもので、全体的に赤く、およそ4両に渡って繋がって走っていた。
「―――ゴルァハナタレぇぇぇぇ!!テメェ俺様のプリン勝手に食いやがったなぁぁぁぁ!!!」
「へっへーん!バカモモがトロトロしてるのが悪いんだよー♪」
「もう、たかがプリンで騒ぐなんて、先輩は大人げないよ……」
「そうやでモモの字。世の中早いもん勝ちや」
「うっせぇクマ、テメェみたいな寝てばかりのやつに言われたくねぇよ!!」
「はいはーい、喧嘩はその辺にして、コーヒーができましたよー」
「あ、ナオミちゃんコーヒー1つちょうだい」
「カメテメェ暢気にコーヒー飲もうとするんじゃねぇぇぇぇぇ!!あ、俺もコーヒー1つ」
「先輩だって頼んでるじゃん」
「うるせぇ!!」
その電車―――"デンライナー"から、賑やか……というよりはかなり喧しい話し声が聞こえる。
デンライナーの中で談笑(?)しているのは……赤い鬼に、青い亀、金色の熊に紫色の龍……に似た、異形の生き物……そしてその存在たちに平然とコーヒー(と呼ぶには色々と混ざってるが)を差し出す、このデンライナーの乗務員らしき女性だった。
女性―――"ナオミ"からコーヒーを受け取った赤い鬼―――"モモタロス"は、とりあえずそれを無駄に優雅に一服すると、再度紫色の龍―――"リュウタロス"に向かって怒りを露にする。
「ふー……やっぱこのコーヒーはうまいぜ……んでハナタレ!テメェ俺のプリンに関してはどう落とし前つけるつもりだ、あぁん!?」
「えー……めんどくさいからやだー…」
「んだとコラァ!?」
「もう、静かにしてよ先輩……あまり煩くすると、オーナーに先輩が騒いでたって言いつけるよ?」
「ちょっと待てカメ、テメェ何さらっとオーナーを脅しに使ってくるんだ!?」
このデンライナーのオーナーと呼ばれる人物を脅しに使う青いカメ―――"ウラタロス"の言葉に、モモタロスは本気でびびる。
因みにこの短いやり取りの間に金色の熊―――"キンタロス"は………いつのまにか鼾をかいて眠っていた。
と、突然デンライナーのナオミがいる付近にある扉が開き、そこから一人の青年が入ってくる。
それに気付いたモモタロスが青年の名を呼び、青年---"野上栄太"は彼らの前まで歩いていく。
「ただいまー」
「ん?おぅ栄太!戻ったか!!」
「……あれ?三奈ちゃんたちは?」
「ん、あぁ、三奈はまだ買い出し。翔と拓磨は付き添い……ってか、強制連行された。んで、俺は今回のパーティーの主役だからって言われて無理矢理帰らされた」
「あぁ、なるほど……」
唐突のウラタロスの質問に栄太は答え、それを聞いたウラタロスは納得する。
現在このデンライナーは、モモタロスたち"イマジン"という存在とナオミ、栄太の他に、今はこの場にいない3人の仲間や、彼らと共に戦うとレジェンドライダーたちと共に、自身の世界で起きた異変……というべきものを解決するために戦うものたちが集まっている。
……まぁ、基本的にこのデンライナーでは遊んだり何かのパーティーみたいなものを開いたりと、騒がしいことしかしないのだが。
「おい聞こえてるぞ地の文!!」
「先輩、誰に向かって叫んでるの?」
「あぁ……多分あれ、聞こえちゃいけない声が聞こえたんだな………」
「えーっ!?何それ!!僕も聞きたーい!!」
……それはともかく、彼らも様々な世界で、世界を救うような様々なことを行う、言わば正義のヒーローたちの集まりである。
しかし今回は特にそれと言って何かがあったわけではなく、今回はちょっとした"パーティー"を開くことになっていた。
「あ、そうだ。火野さんたちは?」
「ちょっと用事があるから、全員遅れるだとよ。ったく、侑斗もオデブもこの間のやつで少し詳しく調べたいから参加できねーって言いやがるし……」
「オーナーは?」
「オーナーは駅長さんも誘おうとしてるらしく、一人で言っちゃったよ………自転車で」
「はっ!?キングライナーのところに!?しかも自転車でって………あの人どれだけすごいんだよ………」
「でもさー、折角『おかえり、栄太』パーティーを開こうって思ったのに………これじゃあ始めようにも始めらんないよー………」
リュウタロスの言葉に、モモタロスも賛同するかのごとく頷く。
………そう、これはとある事情で、ある日栄太が何処ぞの戦極凌馬という科学者に無理矢理洗脳まがいなことをされ、それを無事に助け出せたことによるお祝いパーティーを開く予定だったのだ。
しかし、先程リュウタロスが述べたように、今の状態では始められない………理由は簡単、今いるメンバーだけでパーティーを始めても、つまらないからだ。
そもそも助けられた側が主役なのに対し、彼を助けようと行動したものたちがパーティーに参加しない、というのはあんまりすぎる………
しかし栄太は気にせず、その辺の席に座ると、リュウタロスを宥めながら、何か石のようなものを取り出していた。
「まぁまぁ、誰もこのまま来ないって訳じゃあないし、大人しく待っとこうぜ?」
「…?栄太、その石はなんだい?」
「うわぁーっ!モ○ットボ○ルみたいな石だー!へんなのー!!」
「デンライナーに向かおうとした途中、これが転がってきたんだ………んで、面白い形してたから持って帰ってきた」
「転がってきただぁ?この石っころが勝手にか?」
栄太の言葉を聞いたモモタロスは、奇妙な形をした石を手に持ちながら、彼に尋ねる。
モモタロスの質問に対し彼は頷くと、そのまま話を続ける。
「うん、勝手に。拾って辺りを見回したけど、誰もいなかったんだよ………そもそも人気のない場所にいたから、人はその時絶対、いなかったはずなんだけど………」
「なんだよそのホラーみてぇなのは!?」
「あっ!モモタロスがびびってる~!」
「び、びびってねぇよ!!」
「でも不思議だねぇ………こんな形した石、その辺に落ちてるものかな?」
「誰かが削ったにしては形がよすぎるし……そもそもこれ、わりとデカイから、作るとしても面倒じゃね?」
戯れるモモタロスたちを無視し、ウラタロスと栄太はさらりとモモタロスの手から取り上げた石を石を不思議そうに見つめる…………
と、その時だった。
---ズドォォォォォォォォォォォォォォォン!!!
「うおっ!?」
「うわぁぁ!?」
「「!?」」
「キャアァァ!!」
「!?なんやなんや!?」
突然大きな音が鳴り響き、それと同時にデンライナーそのものが大きく揺れる。
そのままデンライナーは運転を勝手にやめ、そのまま停車………それを栄太は不振に思い、外に出てみる。
そして………外を出た栄太は、その目に写った光景に絶句していた。
同時にモモタロスたちも外に出てくると、栄太と同じように驚いていた。
「……なっ………!?」
「おい栄太………!?」
「!こ、これって……」
「うっわぁ………"海賊船"だぁー!!空飛ぶ海賊船だぁー!!」
「なんであないなもんがこないな場所にあるんやぁ!?」
---そう、今、彼らの目の前にあるのは…………以前モモタロスたちが戦った時の戦艦よりも、一回り以上大きな、海賊船だった………
その海賊船は空中に浮かんでおり、ゴーガイガレオンみたいに、どことなく機械的な造りをされていた。
あまりにもの大きさと、突然現れたことが相まったせいか、栄太たちはこれ以上、何も言えなくなってしまう。
………と、じっと海賊船を見つめていたリュウタロスが、突然騒ぎ出す。
「……ねぇねぇみんな…!」
「ど、どうしたのリュウタ…?」
「………そ、【空から人が】……降ってくるよ………!?」
「「「「!?」」」」
リュウタロスの言葉に、4人は海賊船の方を凝視する。
………確認できたのは、2つの粒のようなもの………それが急速に、今栄太たちがいる場所に向かってきていることだった。
それに気づいた栄太たちは一度距離を取り、再度急降下してくる存在に目を向ける。
そして………降ってくる存在が、人間だと気付いたのは、おおよそ50メートルほどの高さからだった。
それを知った栄太たちは、流石にこの砂だらけの地でも、あの高さから落ちたらどうなってしまうかを想像し、そのままその場で大騒ぎしながらどうすればいいかと動き回る。
しかし急降下してくる2人の人間は、地上まで30メートルほどになると、足を地面に向け、同時に履いている靴を弄る。
すると履いている靴からジェット噴射のようなものが放出………その勢いは強く、あの高さから落ちてきたときのスピードが一気に弱まっていく。
やがて足が地上につくまで1メートルにも満たないほどになると、靴のジェット噴射は放出をやめ、"降りてきた"2人の人間は、ゆっくりと砂の地を踏みしめていた。
降りてきた人間のうち1人は、銀髪のツインテールに赤い瞳、全身が銀に近い色をした服を着た、15歳前後の美少女で、もう1人は濃い茶髪に黒い瞳……そしていかにも海賊の船長であるのをアピールする帽子と黒のジュストコールを身に纏い、赤い長ズボンを履いた男だった。
そんな彼らの姿を見た栄太は、彼らから………特に明らかにあの海賊船の持ち主であろう男から、得体の知れないものを感じ取っていた。
(な、なんなんだあいつら……見ただけでヤバイってのが伝わってくる………!)
「わぁー!すっごいよみんなー!海賊だよ海賊!!」
「∑ってリュウタロス騒ぐのやめてくれ!?」
しかし、よほど海賊に会えたのが嬉しいのか、空気を読まずリュウタロスはおおはしゃぎし、栄太は必死にそれを止める。
一方でモモタロスはというと、珍しくあの海賊の男に突き掛かろうとはしなかった。
恐らくリュウタロス以外、男から発せられる異常ななにかを感じ取ったのだろう………事実、モモタロスの額から、汗のようなものが流れ落ちていた。
(モモタロスたちまで警戒している………やっぱりコイツ、危険だ………!)
「---おい、そこのお前」
「!」
突然、今まで黙っていた海賊の男が、栄太に向かって話しかけてくる。
栄太は一瞬驚くが、ひとまず落ち着き、彼になんの用かを慎重に尋ねる。
「……何か用ですか?」
「あぁ、そうだな……用があるのは確かだ………お前、変わった形をした石を拾わなかったか?」
「(石、だと……それってまさか………)……いや、知らない……というか、デンライナーに攻撃みたいなことしてきたの、アンタら?」
男の口から変わった形をした石と言う単語が出た瞬間、栄太は瞬時にデンライナーに乗る前に拾った石を思い浮かべる。
が、ピンポイントでその事を聞いてきたのを不振に思い、あえてその場で嘘をつき、そのまま強引に話を変えようとする。
しかし海賊の男は栄太の言葉に耳を傾けず、隣にいる銀髪の少女に話しかける。
「……ミール、あの電車かいうやつの中に"ある"か?」
「えぇ、"ある"わよ……もっとも、まだ力は解放されてない状態だけどね」
(!?あの子、透視能力でもあるのか………!?)
「……その表情を見る限りじゃ、テメェの言葉は嘘だったっつーことだな……はっ、生意気なことをしやがる……」
ミールと呼ばれる少女の言葉に栄太は驚き、その際顔に出てたのか、男に嘘をついていたことがバレてしまう。
それに対し栄太は落ち着きを取り戻すと、素早く後ろに下がり、同時に"デンオウベルト"を取り出し、腰に巻いていた。
「ッ……んで、どうすんのさ?嘘ついたから殺すってか?」
「それでもいいけどよぉ………今回はテメェが拾った石に用があるんだ……それを大人しく渡せば考えてはやる………渡さねぇなら、殺してから奪い取る」
「お断りだね……あの石を渡すのも、奪われるのも、殺されるのもね………モモタロス!」
「お、おう!」
栄太の声にモモタロスは返事をすると同時に、体を半透明に近い姿になって、栄太の中に入り込む。
すると栄太の髪の毛は一部が赤くなり、瞳が赤くなっていた。
そして装着したベルトの赤いボタンを押すと、何処からか取り出したパスポートのようなものを構え、一言(その一言は、モモタロスの声そのもの)呟くと、パスポート……"ライダーパス"をベルトに翳していた。
「へっ……変身」
『Sword Form』
それと同時に音声が鳴り響き、栄太の体が黒いスーツに覆われる。
が、すぐその周りにオーラアーマーと呼ばれる物が現れ、それらがスーツに装着されていく。
そしてマスクの部分には桃のレリーフがマスクについてるレールを渡り、顔面の前で止まると、レリーフが中央で割れ、そのまま固定されていた。
そして先程栄太が立っていた場所は、赤い姿をした存在が立っていた。
その赤い存在………"仮面ライダー電王・ソードフォーム"は親指で自分を指差したあと、決め台詞のようなものを言いながら軽く前屈みになり、同時に両腕を大きく広げていた。
「---俺、参上!」
「あれは確か……仮面なんとかってやつ……?」
「仮面ライダーだよ。仮面ライダー電王……よぉーく覚えときな………さぁ、最初から最後までクライマックスだぜ!」
『ちょ、モモタロス、何そのまま俺の体まで操ってるんだよ!?あ、ウラタロスたちはそこの女の子押さえて!!』
「りょーかいっと。それじゃあ先輩、その海賊の船長らしき人、頼んだよ。……さて、お嬢ちゃん。僕に釣られてみる?」
「うーむ………あんまし嬢ちゃんに手ェ出したくないが………大人しくしてくれるなら、泣く目には遭わせへんでぇ?」
「とりあえず気絶させるぐらいなら、問題はないよね?答えは聞かないけど!」
『いや、答え聞かなくても相手は生身なんだから手加減してやってくれよ!?』
栄太の言葉を聞き、ウラタロスとキンタロス、リュウタロスはミールの方を向き、電王SFは海賊の男を見る。
ミールの方は多少仮面ライダーの名前を知っていたのか、少し興味深そうに見つめ、男の方は………
「---ハハッ、ハハハハハハッ!!こいつぁおもしれぇ………いいぜ?武器を持ってかかってきな」
『なっ!?』
「どうした?生身の人間には、武器は使えねぇってか?とんだ腰抜けなやつらだなぁおい」
「んだとゴルァ!?だったらマジで受けてみやがれ!」
『ちょ、やめろモモタロス!そんな挑発に乗るな!!』
笑っていた。
男は笑いながら電王SFを挑発し、それに乗ってしまった電王SFはデンガッシャーと呼ばれるものをソードモードにし、本気で切りかかる。
……だが………男はニヤリと笑みを浮かべると、普通の人間ではあり得ないほどの速さで動き、電王SFがデンガッシャーを振るう前に、刃がついてないところを掴み取っていた。
「なっ!?」
「おっせぇよ!!」
「ぐ、うぉぉわぁ!?」
「先輩!?」
「なんやあの男!?軽々と蹴り飛ばしおったで!?」
武器を振るう前に押さえられ電王SFは驚くが、その間に男は腹部を思いきり蹴る。
そして握っていた武器を離すと、電王SFは大きくぶっ飛ばされ、そのままデンライナーにぶつかっていた。
その際デンライナーは大きく揺れ、同時に電王SFがぶつかった場所は、小さなクレーターができていた。
それを見たウラタロスは驚き、キンタロスは男の方を向きながら叫ぶ。
が、そんな彼の前にミールという少女が立ち塞がると、背中からなにかを引き抜く。
引き抜いたのは棒のようなもので、ミールはその棒を軽くつつくと、手に持っていた棒は一瞬で倍近くの長さに伸びていた。
そしてそれを軽々と振るうと、それをキンタロスの顔面にぶち当てていた。
「ごぶっ!?」
「キンちゃん!?」
「あの女の子も十分強いよ!?」
「…死ね」
「う、うわぁ!?がっ……!?」
「うぐっ!?つよ、い……」
「ぐ、うぅ……カメ…クマ……ハナタレ…!」
『な、なんだこいつら……桁違いすぎる強さだ………!?』
顔面に派手に攻撃をもらったキンタロスはその場に倒れ伏せ、気絶してしまう。
しかしミールはなおも棒を振るい、一瞬にして残りの2人も気絶してしまった。
それを見た電王SFたちはゆっくりとデンライナーから離れながら、先に倒れた仲間たちを見る。
「……チッ、仕留め損ねた……」
「ミール、お前はもういい。目を休めとけ……にしてもざまぁねぇなぁ?たった2人の生身の人間に、たった1回の攻撃でこの有り様………弱すぎるぜ…」
「ん、だとぉ…」
「とりあえずさっさと終わらせてやっからよ………"コレ"、使わせてもらうぜ………」
『!そ、それは……戦極ドライバー!?』
男は懐を漁ると、黒いなにかを取り出す。
それを見た栄太はその黒いもの………戦極ドライバーに驚くが、男は構わずそれを腰に装着させる。
そしてもう一度懐を漁ると、今度は海賊の旗にあるような、骸骨の顔と剣が描かれた南京錠のようなものを取り出す。
「そういやまだ名乗ってなかったなぁ…」
『パイレーツ!』
「俺の名前はバン。無限海道(インフィニティ・マリンロード)を率いる、世界一の宇宙海賊の船長だ!」
『ソイヤッ!パイレーツアームズッ!!出航!オン・ザ・マリン!!』
男---バンは南京錠のようなもの"ロックシード"を施錠すると、ロックシードから音声が流れる。
すると頭上にチャックのようなものが現れ、それが開くと、その中から海賊が被るような帽子(俗に言う海賊帽)の鎧が現れる。
そしてバンはロックシードを戦極ドライバーにセットし、カッティングブレードと呼ばれるものを倒すと、ドライバーから音声が鳴り響き、同時に海賊帽の鎧が彼の頭に突き刺さる。
すると彼の体は海賊帽から下が黒いアンダースーツに包まれる。
そして海賊帽の鎧はゆっくりと開き、両端は方を守るアーマーとして、海賊帽そのものは胸を守るプロテクターとして………そして肩と胸の隙間からバンが身に付けていたのと似た黒のジュストコールが着せられ、風がなびいた瞬間大きな音をたてる。
そして展開された鎧から出された顔は、まるで骸骨のようなマスクをしており、彼は頭上に右手を持ってくると、そこから全体的に黒く、金色のラインと白い羽が何本か突き刺さった海賊帽が現れる。
それを頭に乗せると、マスクの複眼が怪しく光っていた。
それを見た電王SFは素早く身構え、戦闘体制を未だに維持する。
一方のバンだったものは、海賊帽から手を離すと、自身を指差しながら告げていた。
『ッ…!』
「……テメェ、確かさっき、仮面ライダーっつーのを名乗ってたよな………どうやらこれもそれの類いなんだろ?だったらついでに、今決めたコイツの名前、教えてやんよ………狩武(かりぶ)だ。仮面ライダー、狩武………死ぬ前に覚えときな」
「はっ!誰が覚えるかそんなもん!何故ならテメェが先にくたばるからよぉ!!後テメェみてぇなやつにライダーを名乗る資格なんざねぇ!!」
「……全く、さっき実力差を見せられておきながら、向かってくるとは……馬鹿なやつだ」
電王SFは闇雲に突撃していくが、仮面ライダー狩武は鼻で笑うと、右手を前に翳す。
すると目の前に骸骨のような紋様が現れ、そのまま直進していた電王SFに直撃する。
その紋様から強力な電気が流れ出し、電王SFはそれをもろに受けたあと、再び大きく吹き飛ばされていた。
「『ぐああっ!?』」
「はっ、よえぇよえぇ……弱すぎて俺の物にする気にもならねぇぜ」
「ぐっ……んだとゴルァ!?」
『落ち着けモモタロス!コイツ、真正面から相手したんじゃ勝てない!』
「んなこと言われたったカメたちがやられてるんじゃあ、クライマックスになるどころかライナー以外になることすらできねぇぜ!?」
「ごちゃごちゃうるせぇやつらだ………纏めて消えろ」
「『!!』」
電王SFが騒ぎあっている間に狩武はサーベルのような武器"カリビアンサーベル"を呼び出し、カッティングブレードを2回ほど倒す。
するとカリビアンサーベルに強いエネルギーが溜まっていき、それを見た電王SFは慌てて防御の体制をとる。
『パイレーツ・オーレ!』
「!やべぇ!?」
『モモタロス!避けろ!』
「馬鹿言ってんじゃあねぇよ!?ありゃあ馬鹿でかいもんが来るに決まってんだろ!避けても意味ねぇよ!!」
「---死ね」
「『!!』」
やがてエネルギーが収集され終わると、狩武はカリビアンサーベルを十字に振りかざし、溜めたエネルギーを解き放つ。
十字に解き放たれたエネルギーはそのまままっすぐに電王SFに向かっていき、そのまま攻撃が直撃する。
同時にスーツから火花が一斉に飛び散り、電王SFはその場で爆発していた。
その爆発はすさまじく、背後のデンライナーも巻き込み、大爆発を起こしていた。
狩武はなにも言わないままロックシードをドライバーからはずし、変身を解く。
「…つまんねぇやつだったな……ミール、究極石はどこら辺にある」
「…まっすぐ歩けば、その先にあるわよ……けどその前に、彼ら、"まだ生きてる"わよ」
「…何?」
ミールの言葉を聞き、バンは爆発が起きた場所を睨む。
……先程爆発が起きた場所には、変身が解けた栄太とモモタロスが、その場で倒れていた。
2人の体はボロボロで、特に栄太は生きているのが奇跡と言えるほどの状態で、その上意識は辛うじて残っていた。
それを見たバンは軽く驚くが、それがどうしたと言わんばかりに、倒れてる彼らを横切る。
「ぐ、ぅ……ッ…!」
「…まだ生きてやがったか……ま、その様子じゃあ、すぐにくたばるだろうがな……」
「ま、て……がはっ!」
「安心しろ。そんなに死にたいなら、あとで俺が引導を……」
デンライナーに向かおうとするバンを栄太は止めようとするが、彼の口から血が吐かれる。
そんな彼に対しバンは、後で殺すと告げた………瞬間だった。
突然壊れたデンライナーから、金色の光が溢れ出す。
それを見たバンは驚き、急いでデンライナーに向かおうとするが、その前に光は消えてしまった。
何があったのかと栄太は辛うじて残ってる意識で考えるが、バンの方は舌打ちし、ミールの方を向く。
「ミール!そこにあった究極石の移動先はどこだ!」
「待って!今探して……見つけた!場所は幻想郷の………ッ!」
突然ミールは目を押さえると、その場で踞る。
それを見たバンは舌打ちしつつ、彼女を肩に抱えていた。
「チィ…力の使いすぎか……」
「ごめん…でも、どの幻想郷かまでは突き止めたわ……」
「そうか……なら、さっさと回収しに行くぞ」
「ま、て……にが、す……がはっ……ッ!!」
「命拾いしたな、お前……死にたくないんなら、さっさと応援でも呼びな。どうせその体じゃ、助かるかもわかん寝ェがな」
バンはいまだに無理矢理体を動かす栄太にそう告げると、ブーツを軽く触る。
するとブーツから彼らが降りてきたとき以上のジェット噴射が放出され、そのまま彼らは、空にある海賊船に向かって飛んでいってしまう。
栄太は未だに彼らを止めようと腕を空へ伸ばすが、その前に栄太の意識は、ゆっくりと遠退いていった………
~~~
「…………ん……ここ、は……」
「栄太さん!気がついたんですね!」
「……三奈、ちゃん……?」
「よかった……もうこのまま目が覚めないかと…心配で……!」
栄太が次に目覚めたのは、どこかの一室………
ここはどこかと思っていると、突然女性の声が聞こえる。
栄太は顔を起こし、声が聞こえた方を見ると、見慣れた人物---"三奈 裕子"が椅子に座っているのが見えた。
三奈は涙目になりながら栄太に声をかけ、栄太はいきなりの状況に頭を一旦整理させる。
そして気絶する前のことを思いだし、体を無理矢理起こす。
が、あの時に受けたダメージが相当酷かったからか、至るところの傷が一斉に痛みを発していた。
「えーと……何がどうなって………!思い出した……ッ!?いってぇ………!?」
「だ、駄目ですよ!まだ動いたら!!」
「ぐ……あのヤロォ………!」
「気持ちはわかりますけど、押さえてください!」
「ッ……ごめんごめん。ついとり乱しちゃって……んで、ここどこ?俺、あの時てっきり死んだと思ったんだけど…」
「ここはターミナルに設置された病室です。ナオミさんがデンライナーの動きが止まったとき、咄嗟にSOSを出したそうなんです」
三奈の話によると、どうやらナオミがデンライナーが停車して栄太たちが外を出ていったと同時に、SOSをキングライナーに向けて送り、そのあとバンたちにばれないよう、こっそりデンライナーから抜け出していたらしい……
そしてバンたちが去っていったと同時にキングライナーが救助に駆けつけ、そのまま救助されたとのことだった。
それを聞いた栄太は納得するが、ふとモモタロスたちの状態が気になり、三奈に尋ねてみる。
「……そういやモモたちは?」
「モモちゃんは栄太さん同様酷いダメージだったのにも関わらず、栄太さんより先に目が覚め、怪我も半分は治してもらってます。ただ……ウラちゃんたちは、頭を予想以上に強く打たれたせいか、未だに目覚めてないです」
「…そっか……」
三奈の話を一通り聞いた栄太は、その場で顔を俯かせる。
と、突然部屋の扉が音をたてながら開く。
入ってきたのは、デンライナーの責任者であるオーナーで、彼は栄太に声をかけていた。
「おやぁ栄太君、君も早くに目が覚めてくれましたか。いやはやよかったよかった」
「オーナー……すんません、デンライナー壊されてしまって」
「いえいえ、構いませんよ。デンライナーに関しては、よく壊れたりしますから……それよりも栄太君、君に話があるのですが、よろしいですか?」
オーナーの言葉に栄太は首をかしげる。
オーナーは珍しく口をモゴモゴとさせ、話すのをためらうが、やがて決心がついたのか、静かに栄太に告げていた。
「話、ってなんですか?」
「実はですね……非常に申しにくいのですが……たった今入った情報なのですが、赤獅子ダイヤ君のいる幻想郷が、君が戦った宇宙海賊たちに襲われました」
「!?」
オーナーの言葉を聞いた栄太は驚き、目を見開く。
赤獅子ダイヤ………それは普段彼らが暮らしてる世界とは別の世界に住む、栄太の親友……
その彼が暮らす世界………つまり彼のいる幻想郷が、バンたち無限海道に襲われたとのことだ、驚かずに入られなかった。
栄太は感情を高ぶらせながら、その幻想郷がどうなってるのかをオーナーに問い詰める。
「ダイヤたちの世界が襲われた!?それってマジか!?状況はどうなってるんだ!!?」
「落ち着いてください栄太君」この情報は先程入ってきたばかり……それ以降の情報は、まだ入ってきてません」
「マジ、かよ……助けにいかないと……ッ!!」
「まだ無理しちゃ駄目ですって!」
「でも助太刀にいかないと!あのバンってやつ、桁違いの強さだったから、ダイヤたちでも勝てるかわかんねぇんだ!!」
「でも栄太君、君はその彼に打ちのめされましたよね?」
「ッ!」
オーナーの言葉に栄太は高ぶっていた感情を押さえる。
……実際にオーナーの言う通り、栄太はバンに酷く打ちのめされた。
その傷は未だに癒えてすらないのに、彼が助けに向かったところで、足手まといにしかならない……
しかし彼は「それでも」と呟く。
「……それでも、親友が危険に晒されてるんだ……だったら助けに行かないと……」
「…栄太さん……」
「…栄太君の気持ちはよぉぉぉぉぉぉぉく、分かりました……」
栄太の言葉を聞いたオーナーは、突然懐を漁り出す。
栄太たちはそれを見て首をかしげていると、オーナーの懐からライダーパスとデンオウベルト……そして何かの豆のようなものを取り出していた。
どこからそんな大きいもの取り出したのと二人は驚くが、オーナーは構わず、取り出したものを栄太に渡す。
「君が使ってたベルトは派手に壊れましたからねぇ………緊急用のベルトを手配しておきました。パスに関しては無事だったので、他の時の電車に使うことは可能です」
「…オーナー……ありがとうございます!………ところでこの豆は?」
「食べるとほんの少しですが、傷が瞬時に回復する豆です」
「……それって確かせん」
「おっと栄太くん、それ以上は大人の事情ですよ?」
栄太はオーナーからベルトとパスを受け取り、同時に受け取った一粒の豆を口にする。
そして……栄太は完全に起き上がると、ベッドから降り、服を着替える。
そしてオーナーと三奈に行ってきますと告げると、病室から退出していた。
それを静かに見送った三奈は、オーナーに尋ねる。
「…本当によかったんですか?今の彼を戦場に行かせて……」
「どうせ彼は我々の忠告を無視してまで、助けに行こうとしてましたよ……そういうあなたも、本当によかったんですか?彼を止めなくて」
「……本当、何で止めなかったんでしょうね………けど、彼はきっと、無事に帰ってきます。……絶対に……」
~~~
一方のモモタロスは、一人病室で騒いでいた。
「だぁぁぁぁぁぁぁあんにゃろぉぉぉぉぉぉ!!今すぐぶっとばしに行きてぇぇぇぇ!!!」
モモタロスはベッドに取り付けられたテーブルを叩き壊しながらま怒りを露にする。
が、やがて落ち着きを取り戻すと、静かにため息をついていた。
「……しかし栄太があんな怪我してしまった以上、変身できないのが……いや、むしろあんな怪我を追わせたんだ、栄太をこれ以上巻き込むには……」
「---モモタロス!!!」
「∑うおっ!?栄太!?おま、怪我はどうしたんだ!?」
「大体治った!というわけで、今からダイヤたちがいる幻想郷に行くぞ!!」
「はぁ!?」
と、突如としてモモタロスのいる病室の扉が思い切り開かれ、そこから栄太が現れる。
突然の栄太の登場にモモタロスは驚くが、栄太は構わずにモモタロスに幻想郷に向かうことを告げ、モモタロスはそれを聞いて驚いていた。
「おい待てよ栄太!なんでいきなりそんなこと……」
「アイツらの世界に、あのバンってやつがいるんだよ!お前もあの海賊野郎、ぶっとばしてぇだろ!?」
「……いいのか?今回は偶然助かったが、次は俺はともかく、お前は死ぬかもしんねーぞ?」
「何弱気になってるんだよ……行きたくねぇのか?」
モモタロスは栄太が怪我したことを考え、本当にいいのかを尋ねる。
だが、栄太の迷いのない言葉を聞き、モモタロスは少ししてから、笑っていた。
「……へっ、一応忠告したんだ。それでも行くなら、どうなってもしんねぇぜ?」
「モモタロスの方こそ、怖じ気づいてるんなら、やめといた方がいいんじゃない?」
「はっ、バカ言うなよ……俺様があんなやつに怖じ気づく訳ねぇだろ」
「……そっか……そんじゃ、さっさ行こうぜ」
「おうよ!!」
栄太の言葉にモモタロスは大きく返事をする。
そして二人はそのまま、彼らのために用意された代用の時の電車のある場所へ、走り出していた。
やっと執筆終わりましたー。
長かった……ここまで来るのに地味に長かった………
しかしこれからのことも考えると……なぁ………(白目)
さて、やっと始められましたコラボ小説。
今回はモモモタロスさんのとこのキャラを中心に自分のとこのキャラや他の作者様のキャラは出していません。
一応導入部分なのもあるからですが……プロローグでどうしてこんなに長くなったのだ……
因みにモモモタロスさんの作品である『仮面ライダー電オーズ』なのですが、オーズ要素は皆無です←
……さて、まず今回の話の内容ですが………
………モモモタロスさんごめんなさい…………!(土下座)
どうしてもオリジナルの敵キャラの強さを見せたかったのもあって、こうなってしまいました……本当に申し訳ない………
オリ敵キャラ・バンが変身するライダー、狩武はカリブ海から取ってます。
一応海賊に関係がありますからね……
因みにカリビアンサーベル以外にも武器を使えます。
スーツ事態の戦闘スペックに関してはそれなりに高い方です。
バンたちが狙う石に関しては、物語の中盤かそこらで明かすつもりです。
果たして彼らが狙う石は、どれ程の力を秘めているのか……そこは読者の皆様にご想像をお任せします。
そしてシリアスなシーンすらぶっ壊しにかかるオーナーェ……
因みにオーナーが栄太に渡した豆は言わば、某7つの玉を集めると願いが叶うアニメのやつの劣化版みたいなものです。本家じゃないのかよと言う突っ込みはなしで。
そしていきなりソードフォーム縛りになってしまった栄太ェ………
一応ライナーには変身できますけど……デンカメンソードはモモタロスたち4人の力を借りることが多いので、なっても地味に戦闘では不利です。
まぁ、一応栄太も戦闘能力は高いので、なんとかなるでしょうけど……
さて、次回予告ですが、次回はアーニャスタシアさんのところのキャラたちが中心に出ます。
一応他作者様のキャラ、ならびに翔たちも出すつもりですね。
それでは、今回はここで。感想待ってます(土下座)