捻くれた少年と恥ずかしがり屋の少女   作:ローリング・ビートル

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   ラブライブ!サンシャインの推しメンが決めづらいです。

  それでは今回もよろしくお願いします。


不思議

 

 ベッドの上で天井を見上げながら、今日の出来事について考える。

「……は……八幡先輩……」

 口元から自然と零れる名前。本人に対してそう呼べた事はないけれど。

 父親以外の男の人とあんなに長い時間一緒にいたのは初めてだった。そもそも家に行った事なんてなかった。

 そのせいか普段より意識してしまって先輩に失礼がなかったか不安になる。

 そういえば先輩が倒れ込んで来たとき私……。

「~~~~!」

 思わず枕を抱きしめ、ゴロゴロと左右に転がる。せ、先輩はただ倒れただけなのに、わ、私ったら、私ったら!

 その後、下着売り場に連れ込まれた時も私は勘違いをしていた。で、でもあれは先輩が悪いんですからね!

 それに先輩は何とも思ってなかったかもしれないけれど、手を握ってたし……。

「~~~~!」

 再びゴロゴロと左右に転がる。味わった事のない感情にどう対応すればいいのかわからないでいる。

「は、花陽……何してるの?」

「ぴゃあっ!」

 お母さんが心配そうに枕を抱きしめた私を見ていた。普段おっとりして、何事にもあまり動じないお母さんのこんな表情は滅多に見れないだろう。

「な、何でもないよっ!」

「そう、比企谷君ね」

「あうぅ……」

 お母さんは静かにドアを閉めた。

「先輩の…………ばか」

 自分の失態を先輩のせいにしたところで、電話が鳴った。

 小町ちゃんからだ。

 

「ふぅ~~っ」

 湯船に浸かり今日の疲れをほぐしていく。今日は小町と花陽だけでなく、星空という新メンバーが加わったからいつもより賑やかだったが、非モテぼっちの俺には馴染まない空気だったので、気疲れしているようだ。何というかメダカを海水に入れるみたいな。いや、死ぬんじゃね、それ。それにメダカっていつも友達とつるんでるじゃん。チッ!

 花陽といる時はなんだか非日常の中にいる気がする。まあ、普段はメールのやりとりばかりで、たまに電話するぐらいだから、こうして会うのは非日常と言って差し支えないだろう。だがそれだけじゃない何かがそこにある。雪ノ下の真っ直ぐすぎる純粋さや罵詈雑言、由比ヶ浜の不器用なやさしさやおバカ発言、戸塚の可愛さと可愛さと可愛さ。材木座……はいいや。そういった普段俺を取り巻く日常とは違う何か。比べるものではないと思いつつ、それでも違うところを探してしまう何か。

 俺はそれを探りながら、少し恐れながら、湯船の中でゆっくり目を閉じた。

 危うく風呂で爆睡するところだった。

 

 翌朝…………。ゴールデンウィーク最終日。

「……………………い」

 小町が俺を起こしに来た。だがいつものように乱暴ではない。

 俺の妹は可愛いが優しいわけがない。

「あの……起きてください」

 声のする方へ目を向けると花陽がいる。何だ夢か。

 俺は再び目を閉じた。

 






   溜まったアニメ、映画、ラノベを消費してきます。

   読んでくれた方々、ありがとうございます!

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