捻くれた少年と恥ずかしがり屋の少女 作:ローリング・ビートル
アンケートお答えいただいた方々、ありがとうございます!しばらく受け付けていますので、気が向いた方はよろしくお願いします!
それでは今回もよろしくお願いします!
「うんうん、かなり集まりましたね~♪」
今、会議室には生徒会メンバー以外に、戸塚、材木座、戸部、川崎がいて、さらに城廻先輩を始めとする元生徒会メンバー、そして……
「いや~、隼人君達が手伝ってくれて助かったわ~」
「いや、いいんだよ。予定もなくなったしさ」
「つーか、あーしらは何すれはいいわけ?」
「確かに」
「だな」
葉山グループも勢ぞろいである。まあ、体力的な面を考えればかなりありがたい援軍ではあるだろう。ガンガン働いてもらいたい。そして、俺を楽させてくれ。
「一色、説明を」
「ですね。はい、では皆さん注目してくださ~い」
一色がカンペを読みながら、仕事の内容を説明する。
俺達の仕事は、座席を並べる事、入場の列規制、衣装等の搬入の手伝い、もちろん片付けも。さらに、もし雪が降れば雪かきも加わる。
一色の説明が終わると、皆頷きながら、それぞれ当日に思いを馳せた。
「君は変わったな」
「あん?」
一区切りついてぼーっとしていると、葉山が話しかけてきた。
「正直、2年の始めの頃とは別人みたいだ」
「いや、俺は俺だよ」
「何だかんだ言って、いろはだってちゃんと生徒会長をやれてる」
「あれは本人の資質だ。あいつ何気に人使い上手いし。さらに人使い荒いし」
「ははっ。そうかもしれないな」
「それに……」
「?」
「変わったとしても、一人で変わったわけじゃねーよ」
「……君がそんな事を言うとはな」
葉山はどこか寂しそうに笑う。その視線は果たして何に向けられたものなのか。
その思考を断ち切るように、ガラリとドアが開き、見慣れた白衣が目に入る。
「邪魔するぞ」
平塚先生がいつも通りノックもなしに入ってきた。本人は特に気にする様子もなく、教室を見渡す。
「おお、中々集まっているじゃないか。感心感心」
「どうかしたんですか?」
「ああ、入ってきたまえ」
平塚先生に続き入ってきたのは、雪ノ下と由比ヶ浜、そして……落ち着かない様子であちこちに視線を彷徨わせる相模南だった。
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「いや~、花陽ちゃんもラッキーだねー!」
「本当~、こんな素敵な偶然もあるんだね~♪」
穂乃果ちゃんとことりちゃんが何やらはしゃいでいる。うぅ……これはからかわれそう。そこまで嫌じゃないけど、やっぱり恥ずかしい……。
「アンタ達、浮かれてる場合じゃないわよ!うっかり会場で二人の関係がバレたらどうすんのよ!」
「そうよ!もしそれで変な事があって比企谷君が私に「エリチ」皆、関東大会に集中しましょう!」
「はぁ……先が思いやられるわね」
「本当にゃ~」
皆の落ち着かない様子に、真姫ちゃんと凛ちゃんは呆れていた。
そこで、希ちゃんの悪戯っぽい笑みが凛ちゃんを捉える。
「そういえば凛ちゃんは戸塚君とはどうなん?」
「にゃ!?」
予想もしなかった希ちゃんの言葉に、凛ちゃんの顔が真っ赤になる。視線がキョロキョロと落ち着かない。
「な、な、何の事にゃ!?」
「だって……ねぇ?」
「とっても仲良しだよね♪」
穂乃果ちゃんもことりちゃんも気づいているらしい。凛ちゃん…………戸塚先輩に思いが届くといいな。
「花陽だけではなく、凛まで……」
海未ちゃんがわなわな震えている。
そして、思いの丈を力いっぱい吐き出した。
「ハ、ハ、ハレンチです!!!」
その大声は冬晴れの空によく響いて、千葉にも届いてしまいそうだった。
読んでくれた方々、ありがとうございます!