七色の魔法使いの日常   作:yourphone

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これが日常

 

「や……やった……遂に…遂に!完全自律人形の完成よ!」

そしてその人形を抱きしめ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眼が覚める。

「…夢、か」

 

~○~○~○~○~○~

 

夢は寝てみるもの、なんて初めて言ったのは何処のどいつだろうか。おかげで何とも言えない倦怠感と共に起きる事になった。

 

自分で言っといて何だが、逆恨みにも程がある。

 

「はぁ…」

 

三日程前に作ったカレーを今日も食べる。

魔女である以上、食物を摂取する必要は無いのだが食べないと一日の始まりを感じられないのだ、仕方無い。

 

どうしてカレーを作ったのだったか。

 

…そうそう、魔理沙がたかりに来たからだ。

あれは出会う度に強くなっている気がする。努力してるのでしょうね、きっと。

 

カレーを食べ終わり皿を人形に片付けさせる。動かしているのは私だが、最近はそれこそ無意識に動かしている事が多い。

 

手を洗い、消臭の魔法を家に掛け、作業部屋に入る。

 

~○~○~○~○~○~

 

今までに作った事のある人形は大量の人形で部品ごとに組み立てる。

妖怪の山の河童に教えて貰った方法だ。工場制手工業(マニファクチュア)とかいうらしい。

これを取り入れたら、弾幕ごっこ用の人形の生産効率が格段に上がった。

常に一定数の人形を手元に残しておきたい私にとって素晴らしい話だ。

この事はつまり、弾幕ごっこで出せる実力が増えた事に相違無い。

本来なら一人では出来ないことらしいが私は人形を遣えば一人人海戦術が出来るので全く問題ない。

 

私自身は新しい人形の作成の為に頭を悩ます。

大元の体は作れた。後はテーマに沿って服や装飾や、場合によっては武器を作ればいいのだが。

 

「肝心のテーマが決まらないわ……」

 

私の今までのテーマは、昔母親…といって良いのか分からないが、私を創った人に教えて貰った『外の世界の都市名』を元にしていた。

 

が、ネタが尽きた。

正確には覚えている都市を全て使いきってしまったのだ。

苦し紛れに藁人形を投げ付ける『ストロードールカミカゼ』や人形を爆発させる『リターンイナニメトネス』といったものを考え出したが、如何せん弾幕ごっこ用だ。

 

「…駄目ね。思い付かないわ」

 

こういう時は、気分転換に外に出るに限る。

人形達の動きを止め、お気に入りの人形七体を連れて向かうは人里。

 

~○~○~○~○~○~

 

「あー!人形遣いのお姉ちゃんだー!」

 

よく訪れる広場に行くと小さい男の子が叫んできた。

 

「みんなー!お姉ちゃんが来たよー!」

「やったー!」

「わーい!」

「あらあらまあまあ」

「お、来たか!」

 

ワラワラと人が集まってくる。それも、老若男女問わずにだ。なんなのだあの子は、召喚士の子孫か何かなのか。

 

「あー、えーと今日は人形劇をするつもりじゃ…」

 

ダメだ、聞き入れて貰えない。

…だから七体も連れてきたのだが。

さて、ならば何の劇にするか。

 

……そうだ、ハーメルンの笛吹にしてみようか。

 

~○~○~○~○~○~

 

うん、即興にしては上出来だろう。

わざわざ内容に合わせて広場を歩き回っただけはある。

子供も大人も喜んでくれて良かった。

 

ん?あれ、劇をしに来た訳じゃ無い…。

 

まぁ、いいか。

 

おひねりもそれなりに貯まった。そうね、人形の素材を買いにでも行こうかしらね。

 

足りなくなったのは鉄、火薬、人参、お米、それと…念のためスパイスとカレールーも買おうかしら。

 

「おや、君は七色の」

「あら、髪ヶ白先生。こんにちは」

 

人里を歩いていると寺子屋で働いているワーハクタクに会った。確か、髪ヶ白 慧音とかいったか。

 

「違う、上白澤 慧音だ」

「あら、失礼しましたわ。髪の毛が白いのでつい」

「いや、その理屈はおかしいだろう、人形遣い殿」

「私はアリス・マーガトロイドですわ」

「知っているよ、アリス・マーガリン」

「ハクタク先生ともあろうものが人の名前を間違えてはいけないでしょう?」

「お互い様だろう?」

 

軽い言葉の応酬。

弾幕ごっこをする者同士、これくらいはそれこそ会話だ。

 

「それで、どちらに?」

「ああ、今日は家庭訪問の日なんだ」

「となると、このそれなりに広い人里を一人で?」

「いやまさか。教師は私だけではないよ」

 

へぇ、そうなのか。

てっきりこの人が一人で仕切ってるのかと思ってた。

 

「それは初耳ですね」

「おいおい……。貴女は何しに?」

「気分転換ついでに人形劇と買い出しですわ」

「そうか…確か、完全自律人形の作成が目的だったか?」

「ええ。ただ、今はそれは抑えていますの」

「ほう?それは何故?」

「まだその時では無いって思ったからですよ」

「はぁ?」

 

まあ、この感覚は他人には分かりにくいだろう。詳しく教えるつもりもない。

 

「ではこれで。家庭訪問頑張って下さいね」

「ああ、元気でな」

 

~○~○~○~○~○~

 

買い出しを済ませ、家に帰る途中、霊夢に出会った。

 

「アリス!」

「どうしたの?」

「ここいらで紫見なかった!?」

「スキマを?いえ、見てないわ」

「本当?」

「えぇ。何かされたの?」

「……」

 

紅白の巫女さんは顔を赤らめて黙り混んでしまった。本当にどうしたのかしら。

 

「その…………よ」

「え?」

「だから…………のよ」

「聴こえないんだけど」

「あーー!もうっ!あの変態!私の服を!何処かに持ってったのよ!」

「今着てるじゃない」

「そうだけどそうじゃない!」

 

何が違うと言うのか。あ、着ている服以外って事かしら。

 

「それはご愁傷さま。まあ、何処かで見かけたら服を返すように言っておくわ」

「ありがとう!」

 

何処かに飛んでいく。

とりあえずスキマ妖怪が見つかりますようにと祈っておく。限り無く不可能に近いだろうが。

 

~○~○~○~○~○~

 

人形作り以外やることもなく、カレーを食べきり、たまにはと自らの手で鍋を洗う。

むう、焦げ付きが酷いわね。深皿にでも小分けすれば良かったわ。

 

結局新しい人形は作れず、夜になった。

……月が綺麗だ。明日は…そうね、あの妖怪寺にでも行ってみようかしら。妖怪を元にすれば面白いのが作れるかもしれない。

 

寝る。





息抜きに書いたものです。
続く…かも。
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