ラブライブ!サンシャイン!! Another 輝きの縁   作:伊崎ハヤテ

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 例えアニメが終わろうとも、内容で炎上しようとも、私の想像は何一つ揺るぎはしない。
 さーてアニメが終わってもこっちは平常運転で、いえさらにスロット上げてやっていきますよー!
 今回は花丸回。花丸ちゃんにおれののっぽパンを食べてもらいたい。


38話 そして最後のページからは

「じゃあ今日のミーティングはここまでにしておきましょうか」

 ダイヤさんの一声に皆は立ち上がり、部屋を出始めた。おれも手を伸ばして立ち上がった。

「んー、やっと終わったか……」

「何言ってんの。櫂は殆ど発言してなかったじゃん」

 曜がジト目で睨んできた。今回は次のライブに出す曲の歌詞作りのミーティングだった。テーマが「ラブソング」らしく、なかなかに難しいテーマだった。

「自分の恋愛観を語れって言ってもなぁ。男の聞いたって参考にならないっしょ」

「そんなことないよ! その、櫂が誰のこと好きなのか皆気になると思うし……」

 曜が少し頬を赤らめてちらちらと見てくる。好きな人がいるのか、と問われてもおれ自身どう答えていいのかわからなかった。

「それこそおれの恋バナになって本題から逸れるだろうが」

「それもそっか。でも、好きな人がいないって否定はしないんだ?」

 上目遣いで曜がおれを見つめてくる。今度はおれが頬を赤らめた。

「企業秘密です。ここからは事務所を通して下さい」

「いーじゃん、教えてよー!」

「いーやーでーすー」

 曜が肘でおれを小突き、おれは自分の肩を抱いた。なんだかんだで曜とは一番につきあいが長いから、こんな風にじゃれ合うだけでもなぜだか楽しかった。

 ふと、ズボンのポケットに違和感を感じた。いつもあるはずのものがない。

「悪い、さっきの部屋にスマホおいてきたみたいだ。先に戻ってくれ」

「ほーい」

 曜の敬礼を背中に、おれは部屋へと戻った。

 

「ここに……、おっ、あったあった」

 柔らかいイスの奥に落ちていたスマホを見つけポケットにしまった。

「さてと風呂にでも入ろうかね……ん?」

 部屋を出ようとしたおれの視界に床に落ちた一冊のノートが入った。灰色の表紙とごく普通のノートだ。

「誰かが落としたのかな?」

 それを拾い、ノートの表紙に書かれている表題に目を通した。

 

「紫堂せんぱい観察日記  国木田花丸」

 

「アサガオの観察日記か!」

 表題を見て一人、そうツッコんでいた。おれ、花丸ちゃんに観察されてたの? どこかで宿題にでもされてたのか?

 女の子の私物の中身を見るなんて最低かもしれない。でも表題のインパクトに、内容に興味が湧いてきた。

「ごめんね花丸ちゃん」

 そう心の中で彼女に謝ると、おれはノートを開いた。

 

●月×日 晴れ

 せんぱいの後ろに座っていたら突然善子ちゃんみたいなことを言い始めた。相手がまるだったことに気づくと、海に向かって走っていった。

 なんとか落ち着かせると、一緒に帰ってもらった。ちょっと嬉しかった♪

 

「ああ、あったなそんなこと」

 おれはあのときの感情が蘇りそうになり、それを振り払うように次のページをめくった。

 

○月◇日 曇り

 合宿三日目。せんぱいはダンスの練習を見てた。気のせいかまるや果南ちゃん、鞠莉ちゃんをよく見てた気がする。もしかして、まる達の胸を見てたのかな? でも練習の後すぐに水をみんなに配ってたずら。せんぱいはスケベ、でも皆に優しい。

 

「いや見てねーし! 見て、ねーし・・・」

 完全に否定出来ない自分が情けなかった。

 

○月●日。 雨

 千歌ちゃんの旅館はちょっと古いのか廊下が狭いのが玉にキズずら。せんぱいとすれ違った時、せんぱいは壁によりかかってまるに道を譲ってくれたずら。でもまるの胸がひっかかってしまったずら。まるが悪いはずなのにせんぱいはひたすら謝ってた。不思議な人ずら。

 

「まあ、あのときは。ねぇ・・・」

 確かにあのときの花丸ちゃんの胸はすごかった。どっしりとしていて柔らかく、存在感があった。あれはもしかすると果南ねえちゃんよりも――

「って、そうじゃなくて!」

 おれは一人ツッコミながら日記をめくった。

 その後も読み続けていると最後のページ、今日の日付になった。

 

○月××日 晴れ

 今日は皆でラブソングの歌詞作り。どうしよう、まるは恋愛経験なんてないずら。でも、恋って聞いて紫堂せんぱいが浮かぶのはどうしてなんだろう?

 

「……」

 そういえば今日のミーティング、花丸ちゃんは一度も発言してなかったような。ちらとおれの方を向いては俯き、向いては俯きを繰り返してたっけ。それって――

 

「あーっ!!」

 

 そんなおれの思案をとびきり大きい声が妨げた。声の方向を向くと、日誌を書いた本人である花丸ちゃんが身体を震わせていた。

「は、花丸ちゃん?」

「どこかに落としたと思って戻ってみれば……、せ、せんぱいに読まれちまうなんて……」

 みるみる瞳が涙で揺れる。堪らなくなったのかおれが声をかける前に背を向けて走り出してしまった。

「せんぱいのエッチスケッチワンタッチずらぁぁあ!!」

「いやネタが古いな!!」

 おれは日誌を掴んで、彼女を追いかけ始めた。

 

「花丸さん! 手すりは滑る所じゃありませんわよ! 花丸さんっ!」

 彼女を追いかけてホテルのロビーまで来ると、ダイヤさんが階段の踊り場で階段の下に向かって叫んでいた。

「ダイヤさん! 今ここに花丸ちゃん来てませんでしたか!?」

「えぇ、花丸さんったら階段の手すりを滑って降りるんですもの。もっと女性として……」

「ありがとう! おれも急いでいるんで!」

 おれも勢い良く走り、手すりに腰を落として下まで一気に滑り降りた。

「紫堂さんまで! もうっ!」

 怒りを露わにするダイヤさんを余所に、おれはホテルを出た。

 

「花丸ちゃん! 待ってくれ!」

「せんぱいの助平! ラッキースケベ!」

おれ達は二人、海岸に添った道路を走る。第三者から見れば青春真っ盛りな情景に見えるかもしれないが――

「おれが悪かったから!」

「おら、せんぱいに汚されちまったずら~! せんぱいのヘンタイ!」

 と花丸ちゃんが大声で言うもんだから、おれへの風評被害が凄まじい。このままではおれは内浦の変態として君臨してしまうっ!

「もうおら、お嫁に行けないずらー!!」

「大丈夫だから! おれが――」

 取り敢えず花丸ちゃんを落ち着かせないと。おれは必死になって叫んだ。

「おれが責任とるから!」

「え?」

 おれの言葉に花丸ちゃんの足が止まった。おれは息を切らしながら足を止めた彼女に追いついた。

「本当にごめん。花丸ちゃんのこれ、勝手に読んで……。詫びに何でも言うこと聞くからっ……」

「本当、ですか? 本当にまるの言うこと聞いてくれるんですか?」

 花丸ちゃんは少し頬を赤らめている。

「ああ。おれには見ちゃった責任が、花丸ちゃんに詫びる責任があると思う。おれに出来る限りのことであればなんだって……」

「そ、そうですか。じゃあ……」

 花丸ちゃんは頬が赤いまま上目遣いでおれを覗き込むと、柔らかく微笑んでくれた。

「おやつ奢って下さいずら♪」

 

「――っあぁむっ……。ん~、おいしーずら♪」

 それからおれ達は海が見える場所に腰掛け、おれが買ってきたお菓子やら菓子パンを食べていた。もっとも八割方花丸ちゃんが食べているんだが。

「やっぱり一番はのっぽパンずら♪」

 頬を抑えて美味しそうに咀嚼する彼女を見ていると、思わず頬が緩んでしまう。今なら落ち着いて話せるかな。おれは彼女に向き直ると頭を下げた。

「本当にごめんな。花丸ちゃんのノートなのに、勝手に見ちゃって……」

「ああ、もういいずら。それこそ勝手にせんぱいのこと観察してたおらも悪いし、そもそも忘れておいてったおらにも落ち度があるし……」

「そう言えばそのノート、さっきの歌詞作りのミーティングに持って来てたんだよね。それって……」

 そこまで言いかけておれの心臓がドキリとした。曲のテーマは「ラブソング」だった。つまり花丸ちゃんはおれをそういう相手として意識してるってことなんじゃないのか?

「それが……、まるにもよく分からないずら……」

 花丸ちゃんは食べるのを辞め、視線をのっぽパンに落とした。

「おら、一度もその、恋ってのをしたこと無いから……。これが恋なのかどうなのかよくわからないずら……」

「そうか、恋が何かわからない、ねえ……」

 恋をしたことがない花丸ちゃんに、どうしたら恋ってものを教えることが出来るのか。おれに何が出来るのか……。

「それじゃあさ、続けてみたらいいんじゃないかな。観察」

 おれは持っていたノートを彼女に手渡した。

「え?」

 受け取った花丸ちゃんが首を傾げる。おれ自身何を言ってるのかよくわらかないけど、花丸ちゃんの力に、助けになりたいと思って、口を動かした。

「これからもおれを観察して、それが本当に恋なのかどうか、見極めてみたらいいんじゃないか?」

「いいんですか? おら、もっとせんぱいのこと観察していいずら?」

「ああ。観察対象がそう言ってんだ。何も遠慮することないさ」

「でも、せんぱいは観察されてるって知ってるから正しい観察は出来ないような……」

 あれ、おれって意外と信用ない? 

「そうずら!」

 妙案を思いついたのか花丸ちゃんはノートをおれに差し出した。

「せんぱい! まると交換日記しませんか!?」

「交換日記?」

「そうずら。そうすればありのままのせんぱいを見ることが出来ると思うから……。ダメかな?」

 ノートで口を隠しながら少し首を傾げる花丸ちゃん。おいおい、そんな風に可愛い仕草されちゃあ断れないじゃないか。

 それに、おれ自身花丸ちゃんのことをもっと良く知れるチャンスでもある。

「花丸ちゃんがそれでいいなら、いいよ。しよっか、交換日記」

「はいずら♪ あ、せんぱい。そののっぽパン食べないんですか?」

 おれの四分の一程残ったのっぽパンを花丸ちゃんは指差した。

「うん。結構大きいよね、のっぽパン。もうお腹いっぱいかも」

「それじゃあ……、あむぅ!」

 ひょこ、と身を乗り出し、花丸ちゃんはおれのかじりかけののっぽパンをぱくりと食べるとそのまま全部食べてしまった。

「えへへ、ごちそうさまでした♪」

 といたずらっぽく舌を出した。

「お、お粗末さまでした……。あの、花丸ちゃん?」

「ずら?」

 本人は自覚してないのか、首を傾げていた。おれは体温が上がるのを感じながら指摘してやる。

「その、間接キスなんだけど……?」

「――っ、あぁ~!!」

 瞬時に顔を赤らめる花丸ちゃん。

「せ、せんぱいの、えっち……」

「なんでおれなんだよ!」

 びし、と彼女の頭にチョップを軽くいれてやる。そして互いに笑い合う。ふにゃっとした笑顔が可愛らしかった。

 そうやって笑いあっていると、おれのスマホが震えた。見てみるとダイヤさんからのメッセージだった。

 

『先程の花丸さんとの件でお話があります。花丸さん共々わたくしの部屋に来て下さい。来なかったら、わかりますよね?』

 

 そのメッセージを見て、おれ達は立ち上がった。

「それじゃ、行こうか花丸ちゃん」

「はいずら」

 この後、ダイヤさんにめちゃくちゃ説教された。

 

 

●●

「うぅ、足が痺れたずら……」

 痺れが残る足をさすりながらノートを開く。今までは紫堂せんぱいを観察するために使ってたノートだけど。今度からは違う使い方をすることになるんだ。

 紫堂せんぱいとの交換日記。きっかけはせんぱいに観察日記を読まれたことから始まったことだけど、結果的にOKかもしれないずら。

 そしてふと思い出す、せんぱいの言葉。

 

『おれが責任とるから!』

 

 それを聞いた時、ものすごーく胸がきゅんきゅんしちゃった。せせ、責任って? 責任とっておらをお嫁に貰ってくれるってことずら!? って思っちゃったっけ。それを誤魔化す為におやつをご馳走してもらっちゃったけど。

「どうしたのまるちゃん? 何かにやけてるけど?」

「な、なんでもないよルビィちゃん!」

 いけないいけない。顔に出ちゃってたみたいずら。これはまるとせんぱいだけの秘密ずら♪

 観察日記の最後のページをめくり、新しく日付を別に書く。夕飯の後、せんぱいに渡そう。まず何を書こうかな?

 これからのせんぱいとの交換日記にやりとりにワクワクしながらまるはペンを走らせるのでした。




 取り敢えずアニメお疲れ様。内容に関して、俺は四の五の言える立場じゃないのはわかっている。だけどこれだけは言わせてくれ。今後あるかもしれないアニメサンシャインの為に。

 花田とアニメスタッフはあんまり信用するな。

 あれが脚本から降りたらすぐにでも見に行けるんだが……。 

 今回のサブタイの元ネタは、わかりますよね? アレをちょっと文字ってみました。

 アニメが終わり、意気消沈な方々も多いでしょう(終わったことより内容にショックを受けてる方が多いのかな?)。
 だけどこれからなんです。ここからが始まりなんですよ。
 彼女達が0から1にしたのなら、1から更に広げて、盛り上げてやるのがおれ達のやるべき事だと思う。止まってなんかいられない。だからおれは走り続けます。もっと多くの人に、このコンテンツのキャラクターはこんなに可愛くて魅力的なんだって知って欲しいから。

 ご意見ご感想、企画等のお便りお待ちしてます。
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