ラブライブ!サンシャイン!! Another 輝きの縁   作:伊崎ハヤテ

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 自己紹介などを聞いている限り、勝ちへの執着が一番高い気がするダイヤさん。架空ファイトでは、ヘルカイザー枠になってもらおうかしら。


6話 介抱は疑問漬けと共に

「……。どこだここ?」

 再び意識が身体へと帰還してみれば、空は天井に塞がれていた。周囲を見渡せば和風の部屋に一人俺は布団で寝かされている。障子から漏れる光は既にオレンジ色。丸半日寝てたことになる。やっちまったな、と頭を抱えようとすると、額の巻かれている包帯に気づく。

「失礼しますわ」

 外からの声の後に障子が開かれた。部屋に入ってきたのは、黒い長髪の女の子だった。

「気分は如何ですか?」

 俺のそばに彼女は正座すると、俺の容体を聞いてきた。座る仕草がきちんとしていて、華を感じる女性だ。

「ああ、もう大丈夫です」

 歳は俺と同じか、上といったとこだろう。思わず口調が丁寧になってしまう。俺の返事を聞いて安心したのか、彼女は微笑むとつつ、と頭を畳につけた。

「わたくしは黒澤ダイヤ、と申します。この度は、妹ルビィを助けて頂き、ありがとうございました」

「い、いやそんな……俺は……」

「助けて頂いたのにも関わらず、そのような怪我を負わせてしまい……」

 俺は大丈夫、と頭を掻いた。

「これ、妹さんの叫び聞いて倒れちゃっただけですから。自業自得っすよ」

「いえ、それが……」

 ダイヤさんは顔をあげると、伏し目がちに俺の方を見る。

「妹の叫び声を聞いて、その、貴方が妹に粗相を働いていると勘違いしてしまって……手荒な事を……」

 あの意識を失う直前の鈍い一撃はそれか。

「妹に事情を聞いて、我が家まで運んで手当をさせてもらって現在に至ります」

 本当に申し訳ありませんと、彼女は再び頭を下げる。礼儀正しいも、ここまで来ると逆にこちらが申し訳なくなる。

「もういいっすよ。こうやって手当してもらった訳だし。それで、妹ちゃんは?」

 これ以上話を進めても彼女は謝ってばかりだろう。俺は話題を変えることにした。

「ルビィならもうすぐ帰ってくると思います。帰ってきたら挨拶に――」

「いや、もう帰りますよ。ここで半日寝てたから身体の方はもう平気ですから」

 ですが、と引きとめようとする彼女を制し、俺は部屋を出ていこうとする。すると彼女は諦めたのかわかりました、と承諾してくれた。

「ですが、一つだけ。一つだけ聞いてもいいでしょうか?」

 何ですか、と問うと彼女は聞いてもいいのかどうか戸惑っている。そんなに聞きづらい内容なのかな?

「ここまで介抱してくれたお礼です、遠慮しなくていいですよ」

 俺の言葉に安心したのか、ダイヤさんの表情が少し明るくなる。

「ルビィとここまで来るまでの経緯は、あの子から聞きました。わたくし、どうしても気になることがあるのです」

「気になること?」

 逃げる時にお姫様抱っこしちゃったことかな? 「嫁ぐ前の乙女に何をするんですか」と咎められるのかな。

「どうしてルビィに絡んでいた不良たちをやっつけなかったのですか?」

「え?」

 予想だにしない質問に頭がフリーズする。

「そこはカッコよく不良たちをやっつけてルビィを助け出すものじゃありませんの?」

 そこまで言うと、ダイヤさんははっとして視線を落とす。

「ごめんなさい、わたくし、気に入らないことや気になることがあると聞かないことには落ち着かなくて……」

 何て言うか、この人はまっすぐなんだな。どうしても疑問に思ったことは全部口にしちゃう、まるで子どもみたいに。でもそこがこの人の可愛いさなのかもしれない。

 俺はそんな彼女の疑問に答えるべく、言葉を紡ぐ。

「そりゃ、勝てないからですよ」

「勝てない? 何故?」

「相手は五人ですよ。俺一人で挑んだって勝てる訳がないでしょ」

「ならどうして、勝てないと解っていて助けたのですか? 妹に、カッコよく見られようと思ったからじゃないのですか?」

 俺の答えに更に疑問をぶつけるダイヤさん。こうなったら納得してもらえるまでとことん付き合ってやろうじゃないか。

「もしカッコよく見られたいなら全員ぶちのめしてただろうさ。でも俺にはそんな力はないし、仮にある程度善戦出来たとしても、俺が三人の相手をしている間に残りの二人がルビィちゃんを捕まえてしまうかもしれない。それじゃ駄目なんだ」

 ダイヤさんは黙って聞いてくれる。俺は考えをまとめながら彼女に出来る限り丁寧に説明する。

「カッコつけようとしていざ喧嘩してたら助けたい子を守れなかったらなんの意味もない。だったらカッコ悪くてもいい、俺もルビィちゃんも無事に切り抜けられる手段を選ぶ。それだけですよ」

 ダイヤさんは黙って俺の言葉を咀嚼した後、俺に柔らかな笑顔を向けた。

「ありがとうございます。こんなに丁寧に答えて下さるなんて」

「いやいや、自分でも上手く答えられたかよくわかんないですよ。解って貰えて良かった」

「わたくし、このようにすぐに噛みつくように疑問をぶつけるものですから、周囲に『面倒だな』と思われてしまうようで……。紫堂さんもそう思われます?」

 苦笑しながら問う彼女に、俺は笑顔を向ける。

「いいんじゃないですか? そうやって疑問をまっすぐにぶつけられる人なんてそんなにいませんよ。むしろ子供っぽくて可愛いですよ」

「かっ、可愛い?!」

 彼女は顔を赤く染めて視線を右往左往させる。そして小さく「からかわないでください……」と呟いた。

 

 

「あっ……」

 俺が屋敷を出ようとした矢先、門の近くで妹のルビィちゃんに出会った。彼女は俺を見ると、少し後ずさりした。

「大丈夫? あの後学校には無事に行けた?」

 俺が近寄ろうとすると、彼女は更に後ずさり。門の裏側に隠れて、ちょこんと小さな顔をこっちに覗かせた。嫌われちゃったかな。そりゃ初対面の男にお姫様抱っこされればそうなるかな。仕方ない、と諦めて俺は帰ることにした。

「無事なら良かった。今度からは気をつけて登校しなよ? それじゃあね」

 俺がルビィちゃんの横を通り、少し歩き出した時だった。

「あっ……、あの!」

 鈴のように可愛く、それでいて大きな声。振り返れば門に隠れず、すこしオドオドしながらも立っているルビィちゃんの姿。

「きょ、今日は本当にありがとうございました! ま、また!」

 そう言って俺に少し変な笑顔を俺に向けると、彼女は家へと逃げるように戻って行った。

「また、か」

 また明日、とでも言いたかったのだろうか。また不良たちから助けるのはごめんだぞ。

「でも、いい笑顔だったな」

 別に見返りを求めていたわけじゃないが、あの笑顔を見れて『助けてよかった』と思えた。

 俺は頭の包帯を解きながら少し身軽さを覚えた足で帰路についた。




 一番ダイヤさんの扱いに困っています。その為、このようなエピソードになってしまいました。ダイヤファンの皆様、力不足で申し訳ありません。精進します。


 アニメはあんまり参考にしない方針をとってますが、それでも情報は入ってくるもので。μ’sヲタという属性をどうやらダイヤさんは付与されたようで。最初からダイヤさんを好きなファンの方にとってはあれはアリなんでしょうか?

 ご意見ご感想、お待ちしてます。
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