グリム童話 ダークサイド   作:深緑の古龍

2 / 3
こんにちは。
最近怨恨ヴィーゲンリートにはまっている、深緑の古龍という者です。
星夜が好きすぎて生きるのが楽しい。

ということで新シリーズ開幕です。
今回は、グリム童話たちの住む世界をもとにした、ホラーファンタジーとなっています。
注意もろもろは人物紹介に乗っていますので、読み始める前にお読みください。


序章
始まり始まり


グリム童話の世界は、平和なところ。

赤ずきんが暮らすきれいな森に、ラプンツェルの誰でも気軽に登れる塔。

アリスの住む不思議な国に、人魚の泳ぐ美しい湖。

白雪姫が住むお城に、ヘンゼルとグレーテルが暮らす森。

眠り姫が住むところには、アヒルの子が泳いでいる。

そして、大きなお城がもうひとつあって、そこに住むのは優しい王様。

王様はとても優しいグリム童話で、この世界に住まう全てのグリム童話を愛していた。

たまに、この世界には人間の子ども達が迷い混んでくる。

そういう子達を案内し、無事にもとの人間の世界へと返す役割として、管理人のグリム童話が存在する。

管理人のグリム童話はそれだけが役目ではなく、グリム童話の世界に異変がないか、グリム童話たちに困ったことが起きていないかを見て回っている。

王様と管理人のお陰で、グリム童話の世界は平和そのものだった。

 

人間の子どもも、よく迷い込んでくる。

そんなときは管理人が子どもの面倒を見ながら、グリム童話の世界を案内する。

子どもは美しいグリム童話の世界に夢中になる。

子どもがグリム童話の世界から帰るときは、いつもみんな同じ顔。

ニコニコとした、満面の笑顔で帰ってくれる。

グリム童話たちはそんな子どもたちに、楽しい楽しいおとぎの世界を満喫してもらう。

そして、その子どもが大人になって、子どもを産んだら、その子どもがまた世界へやって来る。

そうして、グリム童話の世界は消えることなく、存在し続けていた。

誰も覚えてはいなくとも、楽しかった思いではきっと、いつか蘇る。

だからこそ、この世界は必要だった。

 

ある日のこと、管理人は王様と約束した。

『お前は、大切な私の息子だ。ほかに管理人は要らない。ずっとそばにいておくれ、この世界を一緒に護っておくれ』

王様にそう言われ、管理人は頷いた。

グリム童話たちはみんな、王様が大好きだった。

王様がグリム童話たちを愛しているように、グリム童話たちも王様を愛していた。

管理人も、そのうちの一人。

王様の願いを、何でも叶えたがった。

王様の望む通りに、世界を見守った。

でもある日、王様はおかしくなった。

王様は言った。

『私に逆らうものは、全て不用品だ。私の言うことは絶対だ』

グリム童話の世界はおかしくなった。

赤ずきんは狂ってしまい、人肉を好んで喰らうようになった。

アリスは眠ったままで、目覚めることはない。

ヘンゼルとグレーテルは魔女の家にはいかず、ずっと森の中をさ迷い続ける。

人魚姫はあまり変わらない。今も魔女と仲良して、でも王子様とは仲が悪い。

アヒルの子は親や森の動物たちからいじめられ続け、管理人に助けを求める。

白雪姫は銃をもち、来る人々を撃ち殺す。

眠り姫は男性を拒んで、森の奥から出てこない。

グリム童話の世界に異変が起こったせいで、人間界の童話にも異変が現れた。

みんなのよく知るかつての彼らは、もうそこにはない……

 

管理人は今日も、狂ってしまったグリム童話の世界を見て回る。

彼の目に写るのは、記憶のそこに鮮明に残るあの美しい世界ではない。

何もかもが醜く歪んでしまった、変わり果てた世界。

それでも、そんな世界で管理人は今も、自分の職務を全うしている。

こんな世界になっても、迷い込んでくる子どもは少なからずいる。

否。

むしろ、迷い込む子どもが多くなった。

それが何を意味するのは、管理人にはわからない。

ただ彼は、グリム童話たちの様子を見て回り、子どもを無事にもとの世界へと帰す。

ただ、それだけ・・・

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。