ポケットモンスタードールズ   作:水代

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イベント走り切ったぜ…………今話は本編じゃないです。本編は明日くらいに更新予定。

トレーナーステータスの『指示』『育成』『統率』の詳細と、実機で例えるならの『具体例』。


基本トレーナーステータス詳細

 

 

『指示』…………どれだけ的確な指示を出せるか。また相手の裏を読むことができるか。

 

これ多分具体的に分かってない人が多いと思う。的確な指示とかそんなの簡単だろ、って思うかもしれないが、現実的処理をすると実は非常に難易度が高い。

実機だとターンごとに『技の選択』における時間というのが長く取られているが、本小説において『1ターン=6秒』で処理されている。

技の発動というのは『優先度0』の技の順番が『すばやさ』に依存するように、『物理技』『特殊技』『変化技』、また『接触技』『非接触技』のいずれも優先度以外に速度に違いが無いと規定されている。

 

分かりやすく例を挙げるなら『ほのおのパンチ』『かみなりパンチ』『れいとうパンチ』など【相手に近づかないと攻撃できない】技も、『じしん』『いわなだれ』など【相手との距離が離れていても攻撃できる】技も、『ふぶき』『かみなり』など【相手に向かって飛んでいく】技も、実機通りに処理すると『すばやさ』が同じのポケモンが使う限りにおいて『同じ速度』で相手に当たるということになる。

つまりエビワラーが『ほのおのパンチ』を繰り出してる時にフリーザーが『れいとうビーム』使っても互いの『すばやさ』以外には何も関係ない、という現実的にはおかしな処理が発生する。

 

《エビワラー》→→→  ←←←《フリーザ―》

 

普通に考えて技が即時発動するなら、攻撃技に向かって突っ込んでくるという形になる以上、『れいとうビーム』のほうが必ず先に当たるはず、けれど例えば『スカーフ』などでエビワラーのほうが『すばやさ』が高くなると何故かエビワラーのほうが『れいとうビーム』飛ばしてるフリーザーに『れいとうビーム』が当たる前に接近して『ほのおのパンチ』を繰り出し、その後『れいとうビーム』が当たるという謎の判定が行われることになる。

これを現実的に考えると全ての技には『効果が発動するまでの溜め』が存在すると考えられる。『接触技』は相手に接近している間にその『溜め』が終了するため近づくと同時に攻撃できる。けれど『非接触技』はその場で放てるため、技を放つまで僅かな時間溜めるための動作を取る必要がある。

 

そして優先度は現状+5~-7までの13段階あり、1ターンの時間を6秒とする。

 

この場合、『優先度0』の技は2.5秒の溜め時間が発生する、と仮定できる。

 

優先度が±1されるごとに0.5秒の時間のズレが発生するとするなら。優先度+5は0秒。文字通りタイムラグ無しで繰り出せる。逆に優先度-7は6秒。つまりターンの最後に繰り出す技、となる。

 

――――と、【ここまでが前置き】。

 

これを念頭に考えてみて欲しいのだが。

 

1ターン6秒、そしてその中で【何秒で思考を纏めて指示ができる】?

 

実機で例えるなら、対戦時に【指示は先に出した物勝ち】。さらに【6秒以内に指示が出せない場合強制的に次のターンに進む】と考えてみれば良い。

 

【どれだけ冷静に】そして【どれだけ的確に】指示が出せる?

 

と考えてみれば、この『指示』というステータスの意味も分かるかと思う。

さらに現実には【相手と自分のポケモンの立ち位置(当然近ければ接触技も早く攻撃できる)】や【互いのポケモンのHPや状態の表示が無い】こと。

さらには【裏特性やトレーナーズスキルが存在する】中でどれだけ【正しい指示】が出せるか。

 

はっきり言って、この状況で裏を読むということがどれだけ難易度が難しいのか、というのが少しは分かるだろうか。

 

ぶっちゃけハルトくん、指示6とか言ってるけど全然普通じゃない。この世界に適応しきってる感本当に強い。

トレーナーステータスの6は平均的数値だけど、ポケモン協会が【評価してくれる】トレーナーたちの平均数値だから、実質的にエリートトレーナーたちの平均。つまりそれって言ってみれば同じだけの実力があると言ってるようなものである。

 

じゃあこの指示が高いってのはどういうことなのか、というのを【具体的】に示そう。

 

簡単に言うと【技の優先度が上がる】。

だって0.5秒相手より先に指示すればそれだけで【優先度+1】。1.5秒相手より先に指示できれば『きあいパンチ』が相手の優先度0の技と同じタイミングで入ることになる。

さらに相手との指示の差が高ければ高いほど『相手の裏を読んだ』手が打てるようになる。

特に『スイッチバック(交代時のターン消費をゼロにする技術)』は『相手の行動を読んで先に出すポケモンを選択する』必要があるからある程度以上『指示』が高くないと使えない。

 

逆に指示が低いと【優先度が下がる】。どれだけ『すばやさ』が高いポケモンだろうと、指示が来ないと攻撃できない(例外はあるけど)。となれば、トレーナーが指示を出してやれないと相手の技を棒立ちに受け続けるカカシになってしまう。

同時に『状況にそぐわない指示をしてしまう』。要するに『指示ミス』を連発してしまう。

 

と、まあこんな風に具体例を見れば、指示が高い低いがどれだけ重要か、というのは分かってもらえたと思う。

それから補助的な効果として、技の【命中率の上昇】が挙げられる。

単純に指示が高ければいい、というものでもないが、具体的にどの方向に向かって、とかどのタイミングで、とか詳細な指示を伝達できるなら技の命中率はただ指示を出すだけよりも当然上昇する。

ただ、なんでもいいから言えば良いというわけでも無く、ちゃんと『当てるための指示』ができるかどうか、というのは実戦経験の多寡が大きく関わるため、指示が高ければ絶対、というものでもない。ただ指示の高さは、ある種伝達能力の高さ、ということでもあるため、指示が低いトレーナーには少なくともできない。また指示がちゃんとできても、ポケモンの技の熟練度が低ければ当然意味がない。

また同じ要領で【回避率も上昇】する。要するにアニメの「かわせ!」みたいなもの。タイミングと避け方をきちんと指示できれば、ある程度命中率の高い技でも回避、ないし直撃を避けることができる。

 

 

 * * *

 

 

『育成』…………どれだけポケモンを育て上げることができるか。

 

育成ってなんだよ、というのは分かりやすく言うならば、【ポケモンをトレーナーの理想とする状態へと近づける】能力。

その究極が【専用個体(本編未出)】。

 

凄く当たり前かつ当然のことなのだけれども、ポケモンは生き物だ。そして生物である以上、生態というものがある。

例えば旅を始めたばかりのトレーナーが『トサキント』や『ケイコウオ』などの水棲系のポケモンを入手したとして【どうやって育てる】のか、というのが問題になる。

酷く当たり前だが、水棲ポケモンなら水の中と陸上で動きがまるで変ってくる。実機では全く関係ないと言わんばかりだが、現実的に考えて、『みず』タイプのポケモン、特に手や足が無い魚系のポケモンなどは陸上での戦闘は大きなハンディを抱えることになるのは分かると思う。これは一番極端な例だが、ポケモンは生物であり、ポケモンごとに固有の生態がある。そして育成とはまず【ポケモンを育てる環境】が必要となってくる。

とは言っても、実機でのように、野生のポケモンやトレーナーと戦いながらレベルを上げて、というのは可能だ。可能だが、それでできる育成とは【最低レベルの物】でしかない。

【裏特性】や【トレーナーズスキル(廃止予定)】などを始めとして、【努力値の調整や配分】、【技の変更】【タイプの変更】【技の熟練度上げ】などなど、育成はむしろ実戦外でこそ、発揮される技能である。

分かりやすい例を挙げるならサンムーン実装の『ポケリゾート』のような施設。

 

では【育成環境】とはどうやって作るのか。

 

一番手っ取り早いのが【金】である。

身も蓋も無いが、一番確実で、一番効力が高い。

実際、現実的問題として【基礎ポイント(努力値)】を知識としては認識していても、その実効力を認識できていないトレーナーが一番確実に【基礎ポイント】を割り振るためにはドーピングアイテム(マックスアップ、タウリン、ブロムヘキシン、リゾチウム、キトサン、インドメタシン)を使うしかないわけだが、実機だと9800円の品も、現実世界ではだいたいその10倍程度の値段がする。理由としてはそもそも『基礎ポイントというのが良く分かっていないのにそれを上昇させるアイテム』というそんな不可思議なもの作れる会社が非常に限定されていることなどがあり、需要が広まるにつれて、年々その値段が上がっていっている(作中で1個10~15万程度)。そのため、これらの道具を使うのはほぼリーグを本気で狙うようなトップクラスのトレーナーたちに限定されている。

ポケモン1体につき一種類10個、合計51個は使えるのでフルで使うと1匹最低510万~765万。まあ普通にトレーナーやっててここまで稼ぐには大都会でやってる大会優勝するレベルのトップトレーナーたちじゃないと個人でこれは払えない。

 

さらに言うならば、ポケモンを育てる場所の問題もある。本編だとハルトくんパーティーは基本的に人間形態が多く場所を取らないから良いが、例えばカビゴン、バンギラス、ボスゴドラとか重量級のポケモンの特訓をその辺でやったら、他にも技だって炎出したり氷出したり雷出したり、これをその辺の道端で撃ってたらどうなるか、という問題。アニメみたいに地面が抉れたのに次のカットで再生してるなんて不可思議現象は現実にはないため、育成する場所、というのが必要になる。場所、というか本格的な訓練をするなら土地と言えるレベルの広さが必要になってくる。この辺は実機でも『育て屋さん』を見れば分かる通り、敷地を広く取ってポケモンを育成している。その敷地の中には山場や水場などを用意して、色々なポケモンを預かれるようになってる。

他にも実機なら廃人必須の『しあわせタマゴ(五百万以上場合によって一千万を超える)』、『きょうせいギプス(百万以上)』『パワー系アイテム(各種二、三百万)』『とくせいカプセル(一千万)』『ポケルス(最低一億を超える)』や、『こだわり系アイテム(各種五百万)』『とつげきチョッキ(三百万)』『きあいのハチマキ(1個百万)』などなど、対戦で使用する道具なども含めると【育成】には莫大な費用がかかる。

因みに未来編において『スクール』ではこれら金のかかるアイテムを『備品』として在学期間中は貸し出される。そりゃ廃人もやってくる。

 

次に効果的なのが【コネ】だ。

本編なら『シャル』の裏特性の習得に博士に頼んでゴチム連れてきてもらっていたが、つまり育成のために必要なものを手に入れてもらうための人脈。大半は金で解決できるが、金はあってもコネがなければ入手できない。なんてものも時々はあるので、地味に有効な手段である。特に『ポケモン』を手に入れるのは『コネ』が非常に有力。ポケモン博士などなら珍しいポケモンやポケモンにまつわる曰く付きの品(メガリングとか)なども入手しやすい。

 

と、まあ世知辛いことを書いているが、現実なんてそんなものである。というかむしろ、ハルト君の例が例外的過ぎる(全ての不足をトレーナーの発想とトレーナーとツーカーできるポケモンの才能で補っていくスタイル)だけで、大半のトレーナーはそういう苦労をしている。因みにシキ(♀)ちゃんだってカロスに行けば自分用の育成施設がある。

で、問題は『金が無ければ育成できない』=『育成できなければ勝てない』=『勝たなければ金が手に入らない』というこの不毛な等式が現実には存在すること。

例えばダイゴのような生まれながらにして環境(土地、金、コネ)が揃っているトレーナーはほとんど望むがままに育成をできる。だがこれもまた例外過ぎるだけで、実際のトレーナーというのはまず旅に出てバッジを集めながらトレーナー同士のバトルで腕を磨きながら最低限の育成(レベリング等)を施していく。そこから大会などである程度の功績を出すことができれば、企業などからスカウトが来る。企業トレーナーとして企業に属する代わりに企業の施設を貸与する、という形になったり、或いはよほど優秀な結果を出せば企業が『スポンサー』として金を融通してくれるようになる。三章でどっかのアイテム会社のトレーナーいたけど、ああいう形でホウエンのトップクラスの戦いにはテレビなども入るし、そこで企業の名を背負って立つだけでも並のCMを凌駕する宣伝効果がある(ホウエンで視聴率8割)。

ポケモンが人類の隣人である世界で、人間社会を語る上で欠かすことのできない存在である以上、経済にまでポケモンの存在は大きく関わってくる。そしてポケモン同士を戦わせるポケモンバトルがその中に含まれないはずも無く、ポケモンバトル、そしてポケモンに関する商売というのはこの世界にとって必須の物となっている。故に『金』というのが『育成』からどうあっても切り離せない物となるのも必然と言える。

 

と、ここまでが『大前提』の話。

 

いくら環境が整っていても、肝心の育成能力が低ければ意味をなさない。逆に育成能力が高くとも、環境が無ければそれを十全に発揮することはできないのだが。

より詳しく言えば『育成』能力は【今ある環境でどれだけ育てられるか】の能力。育成環境は【より高度の育成能力を発揮させるための前提】。

先も言ったように場所や道具が無ければ育成能力が高くとも限界があるし、場所や道具だけあっても育成能力が無ければ宝の持ち腐れ。

 

実機的な例での【育成環境】は先も言った通り【ポケリゾート】のような施設だが、実機的【育成能力】の例としては【教え技】【技忘れ】【技思い出し】【早熟進化】【固有化】など。

前者三つはまあ実機にもあるので省くが、【早熟進化】は要するに【実機で設定されたレベルよりも前での進化】。

つまり昔からちょこちょこ敵とかであったやつ(ワタルのカイリューとかゲーチスのサザンドラとかお前らそのレベルだとまだ進化しねえだろってレベルで進化してる)。

ポケモンの進化は『トレーナーの育成能力』と『ポケモンの才能』の両方に関係する。逆に言えばどちらも低いとレベル100になるまで進化しねえ、とかそういうこともある。

次に【固有化】だが、多少の誤解を恐れず言うなら【特異個体を意図的に作り上げる】こと。『デルタ種』とは別の『タイプ変更』や実機にはない『固有進化』など、『他にはいない固有と化したポケモン』を育成で作り上げる。

本編の『メガ進化』ポケモンも半分くらいここに入ってる。とは言え通常の『メガシンカ』もあるのであくまで半分。

単純なタイプだけでなく、例えば『種族値』すらある程度変更させることができるし、本来覚えない技なども覚えさせることができる(それだけ育成能力があれば)。ただし当然だがやればやるほどデメリットも出てくる。

言ってみれば『本来の種』から『別の種』へと変わっていっているということなので、本来の種で覚える技を覚えなかったり、上昇した種族値の代わりに何か下がったりと一方的なメリットは受けられない。

 

因みに本編には出てきてないけど『色違いポケモン』というのは天然の『固有化』ポケモン。

実機だと『色違い』と通常種に違いは無いが、本編の世界観だと『色が変わる』程度には『異常』があると考えられるので、何らか通常の種とは異なった『特異性』がある。

 

あと実機には無いけど本作の重要要素の『裏特性』などもこの育成能力の高さが非常に大きく関係する。こっちは実機例出せないので本編見て何となく分かって欲しい。

また未来編の話になるが『地方固有育成』なども育成の範疇に入るため、育成能力の高さでもろに違いが出る…………ように調整したい。

 

あと単純な話だが『レベリング』が早い。

正確には『経験値』を『育成』に反映する能力が高い。

現実的に考えると実機のように相手を倒した瞬間突然能力が伸びる、というのも変な話であり、実際のところ、を考えるとバトルで得た経験を訓練で昇華している、というのが一番納得の行く話。

そして育成能力が高いトレーナーはこの経験値を一番効率良くポケモンに吸収させることができる。だから低いトレーナーより、より効率的に強くなれる。逆に言うと育成能力が低いトレーナーは経験値を昇華しきれない、つまりレベルが上がりづらい。

実機的に例えるなら『取得経験値』が育成能力次第で高くなったり低くなったりする。まあ道具(しあわせタマゴとか)で補えるけど、その類の道具も非常に高い。

 

だから育成能力はともかく、リーグの育成評価には『マネーパワー』も大きく含まれる。

というか単純にブリーダー雇って代わり育てさせても、それがその人の『育成評価』になる。

だから『育成評価』=『育成能力』ではない、ということは言っておく。

 

 

 * * *

 

 

『統率』…………文字通り『統べ率いる』能力。要するにどれだけポケモンに懐かれるかの能力。

 

ポケモンは生物であり、その全てが『意思』を持っており、『思考』している。

故に『納得』というものが必要になる。それは『意思』を持つ生物全てに言えることかもしれない。

 

トレーナーが自身を率いるに足る人間であると、自分と同等、或いは上の存在であると、ポケモン自身に『納得』させること、『認め』させること、それができない人間はトレーナーにはなれない。

何故ならポケモンは凶悪な生物だからだ。その気になれば人間などあっさりと殺せる恐ろしい怪物だからだ。

ヘルガーやグラエナ、サメハダーやギャラドスのような狂暴なポケモンは勿論のこと、デデンネなどの小さな小さなポケモンですらその気になれば『人を殺す』ことができる恐ろしい怪物と成り果てる。

だがこの世界の人間はそんな脅威に対して、敵意や害意でなく、友好と愛情を持って接した。

故にポケモンは人の隣人足り得る。人に懐き、人に情を抱き、人の友となり、人を愛する存在として、遥か昔より人の隣で生きてきた。

生物としての『野生的本能』とポケモン特有の『人類愛』は現代に至るまでどんなポケモンにも存在する。

だからこそ、人もまた『ポケモンの隣人』としてのあるべき姿を自分たちに求めた。それこそがポケモンと共に生き、時にポケモンを従え、時にポケモンと戦う、『トレーナー』という存在である。

ポケモンは物ではない。れっきとした生物であり、一個の生命であり、尊重されるべき意思がある。

そしてだからこそ、ポケモンが人類社会に交じって生きるためには人類と同じ物が要求される。つまり『規律』と『自律』である。

そしてそれをポケモンに順守させ、管理を義務付けられているのが『トレーナー』。だからこそ、トレーナーはポケモンを『従えさせる』能力が必要となる。

 

ここまでが大前提。

 

では実際『統率』がポケモンバトルにおいてどんな場面で関係してくるかと言えば、『ポケモンにトレーナーの指示を聞かせること』、だ。

なんだそれ当たり前だろ、と思うかもしれないが、現実にはこれはトレーナーとしての最も重要な分岐点だったりする。

『統率』能力というのは生まれ持った物や手持ちのポケモンとの相性のようなものが非常に大きい。勉強したから、練習したから、などと言ってポケモンが指示に従うわけではなく、先にも言った通りポケモンに『従うこと』を『納得』させなければならない。

一番ポピュラーなのは比較的素直な初心者用のポケモンを使って慣れていくこと、次いで普段から生活を共にして仲を深めていくこと、だろうか。

『統率』と言う言葉を『威厳』や『カリスマ性』、または『求心力』と言い換えても良い。これらは一朝一夕で身につくものでもなく、それに相応しい行いや風格があってこそ纏うことができる。

そしてトレーナーにとって最も分かりやすい『求心力』とはつまり『勝利を得ること』だ。このトレーナーに従えば『勝てる』と手持ちに思わせることができたなら、『自分の判断で戦うよりトレーナーの判断のほうが正しい』と思わせることができたならポケモンたちは自然とトレーナーの言葉に従うようになる。逆に負けてばかりのトレーナーは『トレーナーより自分の判断で戦ったほうがいい』と思われ、指示を出しても無視されてしまう。最悪『このトレーナーは信用ならない』と思われてしまえば、逃げ出してしまうことすらある。ボールに入れておけば逃げることは無くなるが、けれどボールから出しても言うことも聞かず、当然ながら育成することもできなくなる。そこまで行ってしまえばトレーナーとしては無能と言わざるを得ない。

逆に『納得』させることができたなら育成も捗る。さらにそれで強くなれると分かったならポケモンたちもより意欲的に取り組もうとし、育成も効率が上昇する。

このように統率とは非常に重要で、けれどとても分かりづらい能力だ。

 

 

では実機的効果で言うとどうなるかと言うと。

単純に言って『統率』能力が高いほど『なつき度』が高くなりやすい。さらに『なかよし度』が高い時に得られる効果【経験値補正、急所補正、回避補正、状態異常回復効果、根性効果など】が得られる(『統率』能力が高いほど発動率も上がる)。

あとは【乱数ダメージを抑える】効果がある。乱1、つまりやられるかやられないかの瀬戸際のダメージを頑張って堪える、というイメージ。そのためには【トレーナーのために命懸けになる】ほどの強い絆が必要になる。これは完全に『統率』能力の分野。

後は単純に【種族値の高いポケモンを従えられる】こと。実機だとそんなの関係ない、と言わんばかりに伝説のポケモンとか普通に従えてるけど、実際には準伝説どころか600族すら矜持の塊みたいな唯我独尊な性格のやつ多いため、並のトレーナーじゃ従ってくれない。特に『ドラゴン』タイプというのはその傾向が強く、600族のドラゴンは我が強いやつがとても多い。まあヌメルゴンみたいな例外もあるけど。

因みにこの世界における必要な『統率』能力とは【種族値の合計、レベルの高さ、個体値の高さ】の三つで決まる。あと多少性格なども考慮される(いじっぱなんかは懐き難い)。

…………まあ一つ分かりやすい例を出すと、本編に出てくるエアちゃん、『ボーマンダの6Vでいじっぱ』とかいう最悪レベルに懐きにくい性格だが、アレがハルトくん以外に懐くか、みたいな風に考えてみると多少分かるかもしれない。

他に言うならコメット、『メタグロスの6Vでいじっぱ』という同じく懐きにくいポケモンだが、ダイゴさん以外に懐いているのを想像できるか、ということ。

この二人の場合、『統率』の高さが足りているのもあるけど、それ以上に【相性の良さ】があげられる。

ハルトくんの場合、初期の6体は全て【相性が最高】。ダイゴさんは【はがね、いわタイプのポケモンは全て相性が最高】。だからはがね、いわタイプ以外の600族、もしくは準伝説はダイゴさんでも懐きづらい。

相性の良さはとても重要で、相性が良いポケモンはそれだけで要求する『統率』能力が低くなる。要するに多少『統率』が足りなくても『トレーナーとしてはまだまだだけど、仲の良い友達だし、こいつのために頑張ってやるか』みたいな心理をポケモンが抱いてくれる。逆に相性の悪いポケモンは必要とする『統率』も高くなるし、相性が最悪だと『統率不可能』という例も稀にある。

因みにハルトくんの場合、レジ系は相性最悪。『統率』することはできるが、一切本来の能力を引き出せない、つまり実機と同じレベルの強さしか発揮させれなくなる。

 

話は少し変わるが『統率(リーダー)』タイプのトレーナーのトレーナースキルは同じような効果になりやすい。

例えば『全能力を上昇させる』など。それは即ち、ポケモンのやる気を引き出すことで普段以上の力を発揮させることができるから。この時、相性の良いポケモンほど上昇量が大きくなる。

 

ところで『統率』能力だが、実のところ【バッジを取得する】ことで上昇させることもできる。

というのも、バッジを取得するということはつまりジムリーダーに認められる腕を持っている、ということ。それが多ければ多いほどより良い腕のトレーナーである、という証であるため、バッジを8つ集めれば大概のポケモンは言うことを聞くようになる(ただし人間社会に馴染んだポケモンじゃないとバッジの意味を知らないから野生のポケモンには無意味)。

 




なんか前からちょいちょい「この小説の設定使わせて」みたいな感想があるから言っておく。

世界観、設定などは自由にどうぞ。
本編に出てくるオリキャラを出すなら許可取って。

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