―――蛮ちゃんが落とされたか。
ボールに戻しながら思考を加速させる。
ここまでの戦いで凡その相手の戦法というものが分かってきた。
オーソドックスな交代パ。ただし自分と同じように交代にバトン効果を入れていると考えられる。
基本的にオニキスの育てたポケモンというのは他の同じ種族に比べ一回りも二回りも強い。
それこそ、天賦とだって当たり負けしないほどに鍛えに鍛えてある。育成評価規格外の力は伊達でも何でもない。
どうやら過去の状態にまで
ここまでの戦いを見た限りでは地力だけで言えばこちらが勝っているように見える。
だが実際には互角、否、それ以上の奮戦を相手は見せている。
その種が恐らく何らかの方法で能力を上げている、その一番手っ取り早い方法が能力ランクを積むことだろう。
勿論オニキスとて同じ交代パとして積みながら戦ってはいるが。
初速が違い過ぎるな、と考える。
この頃のオニキスのパーティは天候パ。
『よる』を起点としてそれぞれが得意とする天候に変えながらそれをトリガーとして能力を積み上げ、交代していく。
つまり交代するほどに強くなるパーティなのだが、つまりそれは初期段階ではほぼ素の状態であるということだ。
大して相手のパーティを見る限り、ほぼ初手から能力ランクが
さらに言うなら交代パとしての強度が違う。
オニキスのポケモンたちは交代際に能力をバトンするように仕込まれているが、さすがに『ひんし』になればそれもリセットされる。
逆に相手のポケモンは先ほどの推定『こおり』タイプのポケモンを落としたにも関わらず交代して出てきたポケモンにはしっかりと能力上昇の効果が引き継がれれていた。
「ここで蛮ちゃんを落とされたのは痛いな」
蛮ちゃんなら気合で耐えると思っていた、いや、それを当てにしたのは間違いだったか?
だが実際に耐えていた、耐えていたのだが。
「タスキ殺しか」
戦闘続行系の能力も全部無理だ、恐らく死にかけたら問答無用で『押し込まれる』。
偶然とは言え蛮ちゃんをメタっていた。いや、タスキや『がんじょう』系特性を含めればよくある対策に引っかかってしまったと言うべきか。
読み負けた、というよりは読み違えたという感じか。
恐らく相手はそれほど読む力は無い。
悪手も無いが、こちらの思考の裏を読んだ手はこれまで無かった。
素直な指示だ、本来なら読みやすくもあるのだが。
「問題は、だ」
そう、問題があるとすれば。
「あれは何のポケモンだ?」
出てくるやつがどいつこもこいつも見覚えの無い
* * *
推定『じめん』タイプ。
しかも蛮ちゃんを一撃で限界まで追い込めたことを考えれば相当に高い攻撃能力。
そしてあの
『じめん』タイプで、『ドラゴン』タイプ。
「……ゴンさんでも連れてくれば良かったな」
あの
本来ならば様子見に一手、受けポケでも出したいところだが。
「あれはやばい」
ガブリアス、しかも推定天賦。
天賦ガブリアスならばワタルも持っていたが、目の前の相手から感じられる圧を考えれば最早それとしか考えられない。
さらに言うならば、手の中でカタカタと揺れる
「断ち割れ……クイーン!」
投げたボールからクイーン……オノノクスが現れる。
クイーンはオニキスが育成したポケモンの中でも特に特異な存在であり、その能力は。
―――天賦殺し。
「ふふ……
「ごめんだね、
優先度による割込み、強襲。
「ぶち当てろ、アース!」
“きずなパワー『めいちゅう』”
相手の声に
咄嗟の反応で手に持った斧でガブリアスの少女の持つ短刀を切り払おうとしたクイーンだったが
「ぐっ……」
「ぶっ殺す!」
“しゅくち”
“ファントムキラー”
さらに加速したガブリアスが短刀を振り上げ。
「戻れクイーン!」
咄嗟の判断でクイーンを戻し。
「ナイト!」
「
ナイトがフィールドに下り立ち、直後に振り下ろされたガブリアスの一撃でナイトが軽々と吹き飛ばされ。
「耐えろ、ナイト!」
「……
ぼやきながらも歯を食いしばって耐えたナイトが瀕死の体へ追撃しようとするガブリアスへと向き直り。
“ほえる”
吠えた。
ガブリアスが一瞬目を細め、けれどボールに戻っていく。
これで良い、あのままではガブリアスがどこまでも調子づくだけだ。
もう一度出てくるにしろ何にしろ、一度相手の勢いを断ち切り、リセットしなければそのまま押しこまれる。
同時に蛮ちゃんが展開した『すなあらし』がナイトの最後の気力を奪い、ナイトが崩れ落ちそうになるが何とか持ち直す。
直後に止んだ『すなあらし』に相変わらず運が無いな、と自嘲しながらナイトをボールに戻す。
最早ナイトに次は無いだろう。気力で耐えるのにも限界はある。次攻撃を受ければ確実に倒れるだとうと予想する。
「流れを取り戻すぞ……災花!」
全体的な能力はこちらのほうが高い、だが勢いは相手のほうにあることを自覚する。
となれば勢いを断ち切ったここで一気に押し戻す必要がある。
そのために、ここまで温存していた札を一枚切る必要があるだろう。
「行くぞ、メガシンカ!」
胸のペンダント……キーストーンが災花に持たせたメガストーンに反応し、光を放つ。
そうしてその姿が変じ、メガアブソルとなった災花が現れ。
「わっとと……あちきかい?」
強制交代によって最初に出てきた推定『でんき』タイプのポケモンが現れる。
「っ」
一瞬だが相手トレーナーの表情に苦味が走ったのを見て。
「戻れチーク」
ボールへと戻そうとしたその瞬間に災花が敵を捉える。
“おいうち”
逃げようとした敵へと突き刺さった一撃に相手が声にもならないほどに顔を歪め。
思わず舌打ちしたくなる。今のでも倒れないのか、と言いたい。
いや、いくら能力を積んでいると言っても、災花の一撃を食らって倒れないのはさすがに考えられない耐久だ。
となれば、何か絡繰りがあるはずであり。
「……タイプ相性か?」
推定『でんき』タイプ、さらに『あく』タイプの“おいうち”を半減できるとなれば。
「フェアリータイプ。つまり」
『でんき』『フェアリー』。
数百種類現存するポケモンの中でそんなタイプのポケモン二匹しかいない。
だが片方はこの間倒したばかりであり、しかも準伝説だ、こんなところにいるとも思えないし、何よりそれらしいオーラを感じない、となれば。
「デデンネか」
これだけバトルをしてようやく相手の手の内二匹が分かった。
なんともやり辛いバトルだと思う。
相手が何のポケモンか分からない、というのはデータ的にはこちら側だけ目隠しされて戦っているようなものであり。
相手の型から予想して行動を読んでいるオニキスからすればデータが見えない相手というのは面倒この上ない。
とは言え負けるわけにはいかない。
否、負けは無い。
チャンピオンとはそういう生き物なのだから。
* * *
「いってええええええええええええええええええええええええええええええ」
絶叫するチークを戻しながら、想像を絶する一撃に冷や汗を流す。
「能力ランク積んでなければ、物理受け寄りでかつフェアリーのチークでなければ、急所にでも入っていれば」
色々なIFが頭の中を駆け巡り、そのどれか一つでも実現していればチークが戻ってこれなかっただろうと思うと異常なまでの火力にぞっとする。
とは言え、メガシンカした事実と使ってきた技、そして相手の容姿から推察するに相手は恐らくメガアブソル……物理攻撃の鬼のような種族値をしていたはずだ。
それを受けてよく戻って来れたとチークを褒めたい。
とは言え、あれをどうするか悩む。
アースなら……いけそうではある。あれは一種完成された暴力だ。
残念ながら道具が違うので奥の手は出せないが『いのちのたま』で底上げされた火力と元の能力値、そして『とうしゅうかそく』によって最大にまで引き出された強さは最早容易に手をつけられる相手ではない。
―――のだが。
「ブラッキーは沈んだ……もう“ほえる”は無いとしても、他に何か手があるか?」
実際のところ自分の“きずな”によるバトンは強制交代でも途切れないので“ほえる”自体の強みは半減しているのだが、それでも強制交代というのは厄介だ。
チークが出てきてくれたのは半ば幸運と言えるが、問題は次だ。
アースで良い……と思うのだが、アースはすでに一度見せた。
先ほどの斧を持った女……恐らく『ドラゴン』タイプ。さらに一瞬とは言え、アースの攻撃を大幅に相殺したその攻撃力、そして色と特徴から考えて推定『オノノクス』と言ったところか。
一瞬の思考の間。
「アース!」
それでも、アースを信じる。
そう決め、ボールを投げ。
「戻れ災花」
相手がメガアブソルを下げ。
「今度こそ潰せ……クイーン!」
再び……推定オノノクスを繰り出す。
両者が再び激突し。
“しゅくち”
“ファントムキラー”
先手をアースの短刀がオノノクスを切り裂く。
「ぐっ」
先ほどと同じ光景、ただ違うのは。
「最後に……これだけは、もらっていきます、わよ」
“ドラゴンクロー”
振るわれた斧がアースの背を袈裟に切り裂き。
とくん、と鼓動が聞こえた気がした。
「がっ……ぐ……糞ったれが!」
突如感じる力の減衰。
絆を通してそれが理解できた。
今の一撃で、アースの力が一部削り取られた。
とは言え、まだ戦闘ができないというほどではなく。
気合だけで耐えていたオノノクスも崩れ落ち、相手がボールへと戻し。
「さあ、仕上げだ……討ち取るぞ災花!」
そうして再び相手が繰り出したのは先ほどのメガアブソル。
「アース!」
「災花!」
互いの指示が飛び交い。
“しゅくち”
“ファントムキラー”
放たれた弾丸がごとく、アースがメガアブソルへと飛び出し。
「呪われなさい」
メガアブソルが付きだした指がアースを差し。
「なっ」
予想もしなかった脱力に足がもつれ、アースが転がり勢いのままに反動ダメージを受ける。
そうして。
「落ちなさい」
“じゃれつく”
放たれた一撃がアースを沈めた。
* * *
運を
災花の切り札だったが、それに加えてクイーンの一撃がガブリアスの能力の一部を断ち切ったことで弱体化し、ようやくあの怪物を打倒すことができた。
ワタルのガブリアスと比べても遜色がないほどの怪物ぷりだったが、これで相手のアタッカーを一枚潰せた。
とは言えまだ相手は四体……内一体、デデンネは先ほどの“おいうち”であと一撃で倒れる寸前だろうが、まだ三体無傷の相手がいるのだ、油断ならない。
大してこちらは残り三体。しかも一体は『マヒ』状態の黒尾だ……あのガブリアスを倒すために札を切らされ過ぎたことは否めないが、それだけの相手だったことは確かだった。
そうして相手がガブリアスを回収し、次のポケモンを出す。
「やれ、シャル」
出てきたのは紫色が特徴の少女。
どこか見覚えが無くも無いフォルムだったが、それ以上に。
“かげぬい”
文字通り、少女の影が伸び、影が災花の影を捕らえ。
「……っ?!」
災花の動きが止まる。
「災花?!」
突然のことにどうしたと問おうとして。
“シャドーフレア”
相手から放たれた黒い炎が災花を包み、一瞬でその体力を削りきる。
焼け焦げ、倒れ伏す災花に理解が及ばない。
というかさすがにレギュレーションを無視し過ぎだろ、と思うが公式戦でも無いこの場においてそんな言葉がどれほどの意味を持つかと言った話であり。
「黒尾!」
「……なんですか、あれ?」
理解の及ばぬ光景に、黒尾が呆然としながら場に現れ。
“かげぬい”
再び現れた影が黒尾を掴み、その動きを止め。
“シャドーフレア”
炎がその全身を焼き、黒尾が倒れる。
“みちづれ”
倒れた肢体から影が伸び、相手の少女を掴むとその体力を一瞬で奪い取る。
なんとか発動したか、と得体の知れない相手が倒れたことに安堵しながらも、オートみちづれという運に頼らざるを得なかったことに内心舌打ちし。
「―――サザラ!」
最早言葉も無かった。
ただ信頼するエースの名と共に、ボールを投げ。
「■■■■―――ッ!!!」
竜の咆哮が決戦のフィールドに響き渡った。
* * *
響く竜の咆哮に緊張感が走る。
ボールを握る腕が震え、全身の力が抜けそうだった。
一言で言うならば。
剣と盾を持ったヒトガタは、オーラのようなものをまき散らしながら、さあ来い、とばかりに不敵に笑みを浮かべフィールドに立っていた。
「やっばいなあ……」
呟きながらボールを片手に持ち。
「チーク……最後の仕事だ」
「……ふ、へへ……ポケモン使いの荒いトレーナー、さネ」
気力だけで立ったチークがふらふらと体を揺らし。
「ま、出されたからには、お仕事、さネ」
“こうきしん”
“なれあい”
“れんたいかん”
一瞬で接近したチークがニヒヒ、と笑い。
怪物の身に触れる。
「あっ」
「……調子に乗ってるから」
不敵な笑みが崩れ、相手トレーナーが嘆息する。同時に、竜の表情に焦りのようなものが見え。
「お仕事完了、さネ」
“わるあがき”
もがくような竜の動作に巻き込まれてチークが倒れる。
そうしてチークを回収し。
「リップル」
「はいはーい」
“スコール”
無傷のリップルが場に降り立つ、と同時に場に雨が降り出し、夜と混じる。
取り合えず何のポケモンかは分からないが、竜なのは間違い無い。なんというかオーラのようなものがバチバチ弾けているし、同じ『ドラゴン』タイプを散々見てきたからこそ、何となく分かる。
問題はあの剣と盾……ギルガルドのように見えるのだが、それを装着しているという事実。
モンスターボールから同時に出てきた、ということはあれで一体のポケモンと認識されているのだろうか、正直そんなポケモン聞いたことも無いのだが。
「戻れサザラ」
とは言え、ニックネームから考えると。
「ナイト」
「
ブラッキーが場に現れ。
「リップル」
「はいはい」
“りゅうせいぐん”
降り注ぐ流星がブラッキーの身を撃ち。
「
“たくすねがい”
ブラッキーが天に向かって吼える、と同時にその身が崩れ落ち。
「サザラ!」
ブラッキーを戻したトレーナーから投げられたボールから飛び出し、再び怪物がフィールドに降り立つ。直後に降り注ぐ光が怪物の身に力を宿し。
「リップル!」
“どくどくゆうかい”
「サザラ!」
“りゅうごろしのつるぎ”
放たれた一刀がリップルを袈裟に切り裂き。
“スリップガード”
その身に纏う粘液が竜の全身に絡みつき、その動きを邪魔する。
「■■■■―――!」
竜が荒れ狂うように咆哮し、こちらを睨みつけ。
「戻れリップル」
直後に崩れ落ちたリップルをボールに戻す。
「……ふう」
嘆息一つ。視線を上げればフィールドに立つのは剣と盾を構えた怪物。
そしてこちらの残りは……。
「エース対決、か」
まあ構わない。
俺の絶対のエースになら全部任せれる。
だから、だから、だから。
「勝て! エア!」
最後の一つとなったボールを投げた。
* * *
「ルォォォォオオ!!!」
「■■■■―――!!!」
フィールドに二体の竜が舞い降りる。
片やサザンガルドという新種と化した新生の竜であり。
最強のチャンピオン、トキワの森のオニキスが絶対のエース、サザンガルドのサザラ。
片や伝説のポケモンレックウザをも降し、同じ伝説の領域へと至った竜。
ドールズマスターの最強のエース、メガボーマンダのエア。
尤も、それは互いが知らぬ事実ではあるが。
ただ一つ、相対すれば分かる事実がある。
目の前のソレが強敵であるという事実。
そして、互いが倒すべき敵であるという認識。
それだけはれば最早他には不要だった。
“きょっこうのつるぎ”
放たれるは七色の剣閃。虹を描く極光の剣がエアを切り裂かんとし。
“らせんきどう”
“スカイスキン”
“ガリョウテンセイ”
空中を蹴りだし、爆発的な推進力と共に螺旋を描く一撃がサザラを貫かんとする。
共に同じ『ドラゴン』であり、パーティの中核たるエース。
その矜持が誇りが、絶対に譲らないと互いを鼓舞し。
「オォォォォォォォ!」
「ルァァァァァァァ!」
激突し、弾け合い、再度ぶつかり合う。
強さを比べ合うように、確かめ合うように。
傷つけ合いながらも、互いを高め合っていく。
「ぶち殺せ、サザラァァァァ!」
「貫け、エアァァァァ!」
互いがトレーナーの声を、言葉を、思いを受け、両のエースの動きがさらに早く、勢いは激しく、戦いは白熱し。
「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
「ルォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
この一撃で沈め、と互いがその身の丈の全てをぶつけ合わんとした。
―――その瞬間。
「だあああああああありいいいいいいいいいいいいいん!」
ぱりん、と闇が割れた。
「カアアアアアアアアアアアアアミサマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ついでに空から星が落ちてきた。
「「は?!」」
トレーナーも、ポケモンも、互いが勝負も忘れその光景に一瞬ぽかんとし。
「だーりん、だーりん、だーりん、やっと見つけたわ、全く創造主様にも困ったものよね、こんな異世界くんだりまで世界を繋げちゃってお陰で探すのに苦労したわよ!」
「カミサマァァァ! ようやく一つ滅びを回避してこれからって時にこのおろかもの巻き込んでなにやってるでしか、さっさと帰るデシよ! まだやることいっぱいあるデシ!」
現れたのは首輪と鎖という中々危ない外見をした少女と、白い和服を着た少女の二人。
突然現れ騒ぎ立てる二人に呆然としているうちに。
―――あちゃ、邪魔が入っちゃった……今回はここまでかな?
声が聞こえた。
聞こえて、聞こえて、聞こえて。
―――残念だけど、夜明けだね。そっちの
声が誰かに語り掛け。
―――中々楽しかったよ。次はちゃんと現実で、ね?
そんなひたすらに一方的かつはた迷惑な宣言を告げて。
その場にいた人やポケモンの意識は薄れていった。
* * *
「……なんか変な夢を見た気がする」
朝起きるとひどくぐったりとしていた。
気分的には6:6バトルを一戦、それもかなりギリギリの戦いをした後のようなぐったりとした疲労感。
何だろう、夢の中でバトルでもしていたのだろうか、なんて考え。
「……まさかね」
アホらしいことを言ったと自嘲し、背伸びする。
時間を見ればいつもと同じ起床時間で。
「次は勝つ……ん? 次って何のことだっけ」
起き上がりながら無意識に呟いた言葉に思わず首を傾げた。
毎回毎回トレーナー戦するたびに思うが。
シャルちゃんやばすぎて本気で困るわ。
自分で作っておいてこいつだけは本当にやばすぎると俺が認める最凶の天使。
というわけでチャンピオンマッチVSオニキスニキでした。
全能力+6のガブリアスとか本気で悩んだ、真面目にどっかから野良ゴンさんがやってきてガブリアス倒して自爆してくれないとか、とか展開考えたくらいには悩んだ(
まあそれはさておき、同じポケモンをたたき台にしてもてんぞーワールドではポケモンバトルは『競技』であり、スポーツのようなもの。
つまりレギュレーション、ルールがあり、バランスというものがあるわけだが。
うちの世界にそのようなものはありません、うちの小説のメンバーレギュレーション制定すると大半ひっかかる反則性能なので、実際のところ同じルールでやったらハルトくん絶対に負けます。
トレーナーとしてのハルトくんって統率能力以外は全部オニキスニキの下位互換だからね。
じゃあなんで今回いい勝負してたん? ってなるのは、ハルトくんPTがレギュレーションとか無いなんでもありな糞性能ポケだったから、ってのと本小説におけるヒトガタポケモンの奇襲性が最大の要因。
オニキスニキの読みって基本的には実機的だから、相手のポケモンが何かというのは最低限知ってないと読み辛いと思う。
そしててんぞー世界の亜人種は萌えもん、つまり羽とか尻尾とか特徴残してるんだけど、うちの擬人は完全に人間形態。つまりトレーナー本人以外は戦わないとタイプすら分からないことが多い。まあある程度外見的なカラーリングとかの特徴はあるんだけどね。
つまり初戦限定の『これ何のポケモンだろう』という情報面での奇襲でオニキスニキ相手に優位を取ってたからこそのこの展開。
ぶっちゃけ二回目やったら絶対に負ける。
トレーナーとしての性能じゃぼろ負けしてるしね。唯一勝ってるの統率くらいか。
つってアローラ編だともう別性能なんだが。
そして微妙に次回があるみたいなことアルセウスが言ってるが。
そんなもの無いから(