ポケットモンスタードールズ   作:水代

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注意:番外編だよ! 本編9割9分関係無いから見なくても良いよ! 見ても特にこの先役に立つわけじゃないよ!


深淵踏破の【アビスシーカー】

21XX年7月7日 【イズモ】→【アビス】

 

 

「今日も空は真っ黒だねえ……っと」

 

 瓦礫の山を踏みしめながら見上げた空は今日も真暗く、ドス黒い。

 轟と、今日もどこかで音がした。世界が壊れる音だ……毎日、毎日、それこそ生まれた時からずっと聞き続けてきた音だ。今日も世界が壊れ、軋み、悲鳴を上げる。

 

 黒を押し返す半透明な壁を前にして、足を止める。

 

「さてさて……今日も行きましょっと」

 

 【深淵領域(アビス)】と呼ばれるそこに一歩も踏み出す。

 直後にぐにゃり、と世界が歪む。当然だろう……この結界の内と外では文字通り()()()()()のだ。故に踏み出した一歩は、世界と世界を飛び越える一歩である。

 一瞬で黒に染まる視界。【アビス】には【光】が存在しない。そんなことは子供でも知っている。

 

 昔々、【黒天】様が奪っていったから。

 

 【アビス】には【距離】が無い。

 【アビス】には【死】が無い。

 【アビス】には【心】が無い。

 【アビス】には【安らぎ】が無い。

 【アビス】には【理】が無い。

 【アビス】には【空】が無い。

 

 全て奪われたから。ずっとずっと昔に奪われて、今も尚取り戻せていないから。

 故に【深淵探査者(アビスシーカー)】は常に危険と隣り合わせだ。

 初めて【アビス】に向かい、そこから戻って来れた人間は3%と言われている。

 例えば一歩踏み出し、すぐに戻ろうとして……けれどそこに戻り道が存在しないのが【アビス】だ。

 【距離】が存在しない【アビス】において、大事なのはイメージだ。

 【想像】を【創造】し、【空想】を【実態】とする。本来ならあり得ないようなことだが【理】が破壊された【アビス】において、イメージによって場所を【手繰る】ことこそが何よりも重要となる。

 それができない97%は死ぬ……否、【死】を奪われ、死ぬことすらできず、屍となって尚永劫の苦痛を味わい続ける地獄へと落ちる。

 けれど、それでも人類は【アビス】を歩くことを止められない。

 

 求められたのは七つの扉。

 

 【星天の扉】

 【時空の扉】

 【冥界の扉】

 【罪業の扉】

 【夢界の扉】

 【破戒の扉】

 【天空の扉】

 

 百年前にとあるポケモントレーナーが残したとされる【離反存在(ダークモンスター)】の居場所だとされる場所。

 史上唯一この【深淵領域】を踏破したとされる伝説のトレーナー。

 けれど彼の名は現代にはすでに残っていない。

 

 ()()()()()()()すら人類には無かった。

 

 ただ最後には【アビス】の中に消えて戻ってこなかったとされる。

 

 それから百年。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 * * *

 

 

 ??年?月?日 【????】

 

 

 薄っすらと、少女が目を開く。

 視界に映るのは漆黒。光の一筋も刺さない漆黒の闇。

 ただそれを見つめ、見つめ、見つめて……動かない。

 呆然。今の少女の一言で表すならばそれだろう。

 いっそ寝ぼけている、と言ってしまえば平和的に聞こえるかもしれない。

 一寸の光も刺さない、狭い岩質の何かに閉じ込められたこの状況を平和と呼ぶならば、だが。

 

「…………」

 

 僅かに口を開いた少女だったが、けれどその口からは何の言葉も無いままに時間だけが過ぎていく。

 そうして無為に時間だけが過ぎていき。

 

 やがてその目を閉じる。

 

 何も考えられないと言わんばかりに、目を閉じ。

 

 やがてその意識が途絶えた。

 

 

 * * *

 

 

21XX年7月7日 【アビス】→【????】

 

 

 あても無く、黒の中を彷徨う。

 とは言っても先ほどから何とかイメージを【手繰ろう】とはしているのだが、どうにも上手くいかない。

 昨日まで上手く行ったからと言って、今日も上手く行くとは限らないのが【アビス】という世界だ。

 故に偶の不調、と言えばそれまでなのかもしれない。その偶が一度で致命的なことを除けば。

 

 じとり、と緊張からか汗ばむ。

 

 一度足を止める。変わらない黒一色に染め上げられた景色の中、一体どれだけ歩いたかも分からないが、そうして足を止めてみれば思った以上に自分が疲弊していたらしく、体が重かった。

 時の概念が消滅した世界だけに空腹や渇き、眠気といった生命らしい欲求は沸いてこないのが唯一の救いと言ったところか。

 

 直後、地響き。

 

 ごごごごご、と鳴動する足元。

 遠くから聞こえる轟音。軋む世界、崩れる領域。

 けれど最早子守歌にすらなるほど昔から聞いてきたそれらに今更驚くことも無い。

 止めていた歩みを再び始める。

 一歩、一歩とたどり着く先を明確に想像しながら。

 

 そうして踏み出した足が、がさり、と何かを踏みしめた。

 

「……えっ」

 

 顔を上げた途端、視界に広がる光景に一瞬絶句した。

 

「……()()()()()

 

 白い雲が空に浮かんでいた。

 オレンジ色に光る眩しい何かが空に浮かんでいた。

 オレンジ色の光に彩られた茜色の空がそこにはあって。

 

「…………」

 

 ただ呆然としていた。

 生まれてから今に至るまで、空というのは黒い物で、光なんてものは【イズモ】の中で生み出された人工灯しか見たことの無かった自分にとって、()()()()というのは正真正銘初めての光景だったのだ。

 

「…………」

 

 ざり、と無意識に後ずさった足が砂利を蹴った。

 音に引かれるにように視線を落とし。

 

「……なに、これ」

 

 白い石材で建てられたそれは、言うなれば塔だった。

 地上十数メートルはあるだろうか。

 壁があちこちと崩れ、全体的に老朽化と風化の進んでしまった朽ちた塔だったが、これほどの物を作る技術すら喪失してしまって現代において、重大な発見であることは事実だった。

 即座に鞄からカメラを取り出し塔とその周辺の光景の写真を数枚取る。

 

 【深淵の渦道(アビスロード)】【異次元回廊(ウルトラホール)】【霊王冥宮(ヨミヒラサカ)】【奈落監獄(タルタロス)】【悪夢世界(ファントムオブナイトメア)】【死極の黒森(シュバルツシルト)】【常闇の天海(ダイコクテン)

 

 【深淵領域】から繋がる先は現在までに七つ、【未踏領域(イズモ)】を含めれば八つが確認されており、その先に【扉】があるのだと言われているが、そのいずれにも該当しない九番目の場所。

 持ちかえれば百年ぶりの大発見になることは間違い無いだろう。

 

 生きて帰れれば、だが。

 

 思わず後ろでに手を伸ばす。

 腰に付けたボールを手に取り、けれどその中に入ったポケモンを出すことはできない。

 トレーナーとしての適性に恵まれなかった自分ではこのボールを使うことはできない。

 【アビス】の内側でポケモンを繰り出すならば、絶対的な条件が一つ必要になる。

 

 異能者であること。

 

 正確に言えば、【アビス】の法則を塗りつぶせるだけの力があること。

 でなければ手持ちのポケモンを繰り出してもあっという間に【深淵無法】に飲まれて【離反存在(ダークモンスター)】へと姿を変えてしまう。

 このボールの中身を投げれば一瞬の隙は作れるだろう、代償は子供の時からずっと一緒だった友への背徳だが。

 

 それでも、一人ではない。

 

 一緒についてきてくれる仲間がここにいる。

 

 ARCボールによって保護されている間は友もまた【アビス】を超えることができる。

 

「……うん、大丈夫。大丈夫、大丈夫っと」

 

 何度となく、自分に言い聞かせるように呟き。

 顔を上げる。目前には崩れそうな塔。

 一歩踏み入れるれば、ざり、と風化した岩壁が砂利となって撒かれた床を踏みしめる。

 

 …………。

 

 ……………………。

 

 ………………………………。

 

 何も起こらない。

 

「……変な気配は、無いっと」

 

 【アビス】特有の背筋を凍り付かせるような悍ましさが感じられない。

 果たしてここは本当に【深淵領域】の一部なのだろうか?

 そんな疑問すら浮かんできて。

 

「上へ登る階段……落ちてる」

 

 そう広い塔でも無いため入ってそのまま見上げれば頂上が見える。

 螺旋階段のようなものが頂上に向かって伸びているが、けれどその途中で階段が崩れ落ちていた。

 間は数メートルほどあり、さすがに跳んでいけるような距離でも無いし、そもそも階段自体が老朽化し過ぎて恐らく足を載せたらそのまま崩れるのでは無いだろうか。

 というかそもそも見える範囲、上に何も無い。

 もしかすれば屋上にあたる部分に何かあるかもしれないが、ここから見える範囲で何か特別なものは見えない。

 とは言え、現代には再現不可能な過去の建築技術を持って作られた塔である、もしかすれば自分には分からない仕掛けか何かがあるのかもしれないが、自分に分からない時点で最早お手上げである。

 

「……外れ、かな? っと」

 

 いや、こんな場所があること自体は大発見なのだが、この場所に何の意味があるのかと言われれば何も言えない。

 そもそももう一度来ようと思って来れる場所でも無い。

 来た時見た光景の衝撃で、最早【アビス】の内側で何をイメージしていたのかすら覚えていないのだから。

 

「取り合えず後何枚か写真撮ったら帰還かなあっと」

 

 命あっての物種。少なくとも、【アビス】の先にこんな場所があることを【イズモ】に持ち帰らなければならない。

 距離が存在せず光源も無いため永劫彷徨って生きた屍になる危険性が高い【アビス】だが、【離反存在】というのはその先のそれぞれの領域に巣食っていて【アビス】自体にそれらは存在していない。

 

 たった一つ【掃除屋(スイーパー)】という例外を除けば。

 

 帰り道のイメージは問題無い。

 帰るべき場所が明確に分かっているならばいかに【アビス】だろうと……否、【アビス】だからこそ真っすぐ帰ることができる。

 だから問題はあの【スイーパー】に出くわさないか否か、という運である。

 

「っと……」

 

 そんな風に考えながら歩いていると塔の地面から飛び出した何かに蹴躓く。

 少しだけ痛かった足を見やりながら、視線を移して。

 

「……ん?」

 

 地面から飛び出した突起を見つめ、視線を細める。

 手で軽く突起の表面を叩いてやれば、それが一部が折れた取ってなのだと気づける。

 

「何かあるのは……上じゃなくて、下か? っと」

 

 バッグパックからハンカチを取り出し折れて一部が尖った取っ手を掴む。

 錆びと土で腐食してはいるが、どうにか持ちあげれそうだった。

 そうして周囲の土ごと持ちあげてみれば、直径一メートル弱ほどの球形の蓋が持ち上がり、後にはぽっかりと空いた穴。

 梯子があるが錆びと腐食で使えたものでは無い。

 

 どうするか、を少しだけ考え。

 

「行くっきゃないよね……っと」

 

 地面に杭を深く突き立て持ってきたロープを結ぶ。

 長さ三十メートル。これで足りなかった場合は諦めるしか無いだろうがさすがにそこまで深くは作らないだろうという楽観的ではあるが予想もある。

 穴にロープを垂らし、壁を蹴りながらゆっくり降りていく。

 腐食しているとは言え、足場代わりの梯子があるのでそう難しい作業でも無い。

 一部梯子を踏み抜いて危なかったが、それでも何とか底まで降りる。

 

「ざっと十メートル半ってところかなっと」

 

 穴の底にはさらに横穴があり通路になっているようだった。

 通路の先は見渡せないが、どうやらまだ奥があるらしい。

 少しだけ迷ったが、【アビス】特有の感覚は無い。

 だからと言って安全とも限らないが、もう一度来れるかどうか分からないという点で行かざるを得なかった。

 もう一度ボールを手に取る。

 

 かたり、と一度だけボールが揺れた。

 

 それがまるで友が自分を励ましてくれているかのようで。

 

「よし……っと」

 

 歩き出す。

 かつかつ、と石畳を叩きながら通路を進んでいき。

 

 そうして。

 

「…………」

 

 すっと、目を細めた。

 

 

 * * *

 

 

21XX年7月7日 【サイハテ】

 

 

 ()()()()

 

 見たそのままを言えば、それは墓場だった。

 台座の上に置かれた石棺とその周りに置かれた石の花。

 正確には花を模して彫った石、と言ったところか。

 朽ちず、枯れぬ永劫の花束。

 石棺の中は見えない。ぴたりと閉じられた蓋は重々しく、開けようとするなら一苦労だろう。

 とは言え、動かせないほど重いというわけでも無い。

 

 少し気は引けるが、けれどここに来て手ぶらで帰るわけにもいかない。

 

 その場の状況を写真に撮影して、石棺の蓋に手を伸ばす。

 

「……ん?」

 

 触れた手に感じる触感に覚えた違和感に、思わず声を出す。

 この塔を思い出す。

 古びて、朽ちていて、風化していて……何十年、どころか何百年も経っているかのように思えた。

 だが時間の概念が破壊されてすでに五十年以上の時が経つ。

 その時から世界は時間的概念変化が止まっているためこの塔はそれ以前からこれほど朽ちていたということになる。

 

 だがこの石棺はどうだ。

 

 まるで作ったばかりのように劣化も無く、手触りも良く磨き抜かれている。

 これだけ時代が合っていない……後から付け足したかのように歪だった。

 そうなると益々その中身が何か、という問題になる。

 

 最後にもう一度だけ周囲を確認する。

 

 部屋には台座と石棺以外に特に何も無い。

 【アビス】のような嫌な感じもしないし、本能が危険を訴えてくることも無い。

 石棺に向き直り、大きく深呼吸する。

 そうして蓋に手をかけ。

 

 ずらした。

 

 

 ずず、ずず、ずずず

 

 

 石を引きずる音と共に、石棺の蓋が徐々に開き。

 

 

 そうして。

 

 

 そうして。

 

 

 そうして。

 

 

 そこにいたのは。

 

 

 

 

 ―――青い髪の少女だった。

 

 

 

 

 * * *

 

 

21XX年7月7日 【サイハテ】

 

 

 背筋が震える。

 

 恐怖ではない。

 

 ただ、棺の中に眠る少女は、息を飲むほどに、背筋が震えるほどに美しかった。

 

 まるで完成された芸術品か何かのように。

 生命の鼓動が完全に止まったかのように、時間の流れに取り残されたかのように。

 静止した世界に眠る少女はただそうあるだけで世界から切り離されていた。

 

「…………」

 

 絶句して、思考も回らない。

 

 ただ惰性のように動いていた手が、石棺の蓋を最後まで開ききり。

 

 ごとん

 

 蓋が地面に落ちると同時に大きな音を立てる。

 静寂が破れさり、思わずびくり、と体を震わせ。

 

「……ん」

 

 ()()()()()()()()()()()

 

「…………?!」

 

 ()()()()()()()()()()。その事実に目を見開き、同時にそれの生命の鼓動が止まってなんかいなかったことを認識する。

 

 薄っすらと、少女が目を開く。

 

「…………」

 

 すう、はあ、とゆっくりと吸って吐き出された呼吸の音だけが部屋に響き。

 

「……こ、こ」

 

 ぼんやりとした目で少女が言葉を紡ぎ。

 

「……キミは……誰……?」

 

 呆然としながら呟いた自身の言葉に。

 

「わた……し……わた、し……は」

 

 ゆっくりと、まるで自分で自分の言葉を咀嚼し、飲み込んでいるかのように。

 

「……エア」

 

 自らの名を紡いだ。

 

 

 

 




お久しぶりです。
はい、とてもお久しぶりです。
ドールズフロントラインやってたらいつの間にかこんなに間空いてました(


今回の話は2,3話前あたりの「アカリちゃん」とか「メイリちゃん」の世界の話。

実はドールズ三章書き始めた辺りで「千年くらい先の未来でエアちゃんが目を覚まして荒廃してしまった世界を偶然エアちゃん見つけたトレーナーと彷徨う話」みたいなのを構想してて、余りにも突拍子が無いんで没案にしてたんだけど、何か流れで書いてた「アカリ」とか「メイリ」の世界の話と絡めると「あれ……これ行けるんじゃね?」となってちょっと書いてみた。まあもう続かないだろうけど。


というわけでちょっとだけ解説していくよ。


この世界は「一周目の世界」の話です。
つまり「ハルトくんがレックウザに負けた」世界の話。
百三十年前(ドールズ本編)にダークレックウザにハルト君が負けて、その時にエアちゃんはオーバー進化してる。んでも、絆が足りなくて暴走、そのせいでレックウザに敗北。その時に海の底まで叩き落されて二度と上がってこれないように封じられた。
因みに創造神リセットは本当に一からやり直してるのではなくて、世界を過去から分岐して切り離している。つまりこの世界は半ば創造神に見捨てられた世界と言える。
んで、レックウザが大暴れして世界中大惨事。さらにカロスで同じく大惨事(カロス編の内容なのでネタバレにつき秘密)が起きてだいたい人口の9割は死滅してる。
最終的には【イズモ】以外の全地方が『とある存在』によって生命が死滅した大地へと変えられた。
因みに【黒天】とか【魔神】とか【冥王】とかその他4匹の計7匹はその『とある存在』によって『離反存在』と呼ばれる物に変えられている。

『離反存在』は簡単に言うと『アルセウス』のメタ存在。
『ダーク』タイプという既存のタイプを全て殺すタイプを持ち、『アルセウス』の生み出した世界の理を『奪い』『殺し』『破壊し尽くす』存在。

まあそんなわけで最初の『闇黒』ことダークレックウザの誕生から僅か十年で世界存亡の危機にまで追い詰められた人類は最後の砦たる『イズモ』地方に立てこもって徹底抗戦するよ。
『イズモ』地方は世界で屈指の超越種が生まれやすい土壌だから十年の間に五、六体くらい新しい超越種が生まれてるけど、そもそもダークレックウザからしてアルセウス以外勝てねえよこんなのってレベルの理不尽なので全員駆逐されました。
もう絶体絶命、って時に降臨したのがアルセウス(分身)。え? 見捨てたんじゃないのかって?
本体は見捨てて次行ったよ。ただ世界運営のために分身は残ってるけど。
分身なので本体よりかは弱いけど、それでも世界を運営するための存在なので普通のめっちゃ強い。
ぶっちゃけ攻めに転じれば『離反存在』全滅させれなくも無かったけど、それやると攻めてる間に人類が絶滅します。というわけで『イズモ』地方に境界線を引いて結界とし、『イズモ』と『それ以外』を分けてしまった。
で、アルセウスが来てくれて人類が保つと分かったので『ハルト』くんが『イズモ』の外に出ます。
え? 生きてたのかって? 生きてたよ。エアいなくなったの十年引きずってたけど。
絆が深いって言いかえれば愛が重いってことだよね(
まあ本編の場合、全員愛が重いからどっちもどっちで良い感じになってるけど、片方喪失すればまあこんなもんよ。
で、ハルトくん十年の間にしっかりシャルちゃんとかその他孕ませて一人だけ『イズモ』の外側に出ました。この時にはすでに『深淵領域』はあった。
とは言えこの世界のハルトくんはアルセウス仕立てで主人公補正強いのでちゃんとラスボス手前まで行ってます。つまり『深淵領域』を踏破した唯一の人物。
まあでもハルトくん言って見ればDQの「オルテガ」みたいなものなので、ラスボス手前までマッピングしてそこで息絶える。
後を継いだのはハルトくんの子供たちなわけだが、まあハルトくんみたいな主人公補正無いわけで、普通に二十年後には大半死んでる。因みにアカリちゃんとメイリちゃんも死んだのはこの時。
そこから百年、人類は停滞……どころかガリガリ世界壊されてるんだよなあ。しかもイズモの維持のためにアルセウスちょっとずつ消耗してるし。
百年経つ頃にはアルセウスさん(分身)も限界が見え始めた……本体さえ、本体さえいれば……。
とは言ってもあと百年は持つけどな、時間のスケールが違う。
概念をいくつか分担して管理させてたんだけど、管理者が片っ端から殺されてるせいでイズモの内側におけるそれら概念をアルセウスさんがやらないといけないので余計に消耗してたり。



という前提で今回の本編に繋がる。



因みに『深淵領域』ってのは海です。正確には海だった物。
じゃあ陸地は? ってなるけど、それぞれの『離反存在』が『カントー』『ジョウト』『ホウエン』『シンオウ』『イッシュ』『カロス』『アローラ』をそれぞれの理で染め上げてしまって、言うなれば『ダンジョン』になってる。
で、このダンジョンの最奥にあるのが『扉』。そしてその奥にいるのが『離反存在(ボス)』。
じゃあ今回の場所なに?ってなるけど。
「深淵領域は海」。ところで「エアちゃんどこに堕ちた?」
そう、海に堕ちたけど海は深淵領域になった。
普通のポケモンなら一緒に飲み込まれて『離反存在』の仲間一直線だが、エアちゃん「超越種」だから、つまり自分で『自分の理』を持っている。
というわけで新しく陸地ができました。
そしてそこに偶々巻き込まれて助かった人たちがいて……。

ぶっちゃけると『そらのはしら』です。
もう老朽化とレックウザの暴走のせいでちょっとしか残ってないけど。
そしてそこにいた『りゅうせいのたみ』たちが新しく塔を修繕して、地下室を作り、眠ったままのエアちゃんを棺に入れて収めた。

ところで本編で書いたような気がするけど『超越種になって一旦新生する』だから絆をうしなって野性味全開で暴走する。
でも『だいたい百年くらいで理性を取り戻す』って書いたよね?

というわけで、今回出てきたエアちゃんは百年眠ってて理性は戻ってるけど、頭ぼんやりしててしかも新生した影響で『名前以外全部忘れてる』。
でも何か大切なものがあった気がするし、忘れちゃいけないなにかがあった気がする。

というわけで今回の話の後、トレーナーちゃん(女の子だよ)についていって物語スタート!


という話。


因みにアカリちゃんやメイリちゃんが登場するのはその後の話。
トレーナーちゃんは異能弱いからトレーナー本来ならできないんだけど、エアとか超越種なら自分の理で守れるから『離反存在』にならない、なら超越種集めれば自分もトレーナーできるじゃん、というわけで。

こいつの手持ち全員超越種化するんだぜ……。

伝説パ……なんという厨パ。

でも『破戒』がうっかり『理』壊してるから、理からの逸脱もしやすいんだこの世界。
で、アカリちゃんとかメイリちゃんも超越種になってるよ。
ドールズ本編だとあれまだ本気出してないから。でもちょいちょい割と問答無用で何も燃やしてたの、あれ超越種としての能力の断片だね。元ネタとしてはシャルちゃんの能力に近い。

んで、超越種集めてまずは『霊王迷宮』攻略したトレーナーちゃんだったけど、肝心の『冥王』に咄嗟に『冥界』越しに別世界に逃げられてそれを追えるのが『ゴースト』タイプの『アカリ』と『メイリ』だったんで、追って行ったら……ドールズ本編と繋がったのだ。




というのを今考えてみた。
うん、絶対面倒臭いねこれ。やっぱ無しだわ。

もし設定欲しい、とか流用したい、とか人いたら好きにしてくれ、どうせ俺は書かない。

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