テッセン戦でチークがボルチェン撃ってたの特性が「ちくでん」だったらどうすんだろう、みたいなこと言われたが、その前に「なれあい」使ってるので特性は「ほおぶくろ」で固定されてます、安心してボルチェン撃ってます。
書いてた時はそう思って書いてたけど書き終わったら忘れてるド低能作者。
「行け、ルウ!」
「チーク、頼んだ!」
父さん…………センリが出したのはガルーラ。
そしてこちらはチーク。
相性的に言えばこちらが不利だろうか。
初手は恐らくメガシンカからのグロウパンチだろうか。メガガルーラからすれば当然の選択であり、もしくは“じしん”で一気に落としにかかってくる可能性もあるだろう。
圧倒的超火力アタッカーのメガガルーラ相手にチーク…………デデンネでは耐久力不足としか言いようがないかもしれない。
「チーク! “なれあい”」
「ルウ…………“グロウパンチ”」
直後。
センリの胸に付けられたバランスバッジにセンリが触れ。
ガルーラの体が輝きに包まれていく。
メ ガ シ ン カ !!!
「グラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
メガガルーラが咆哮を上げ、拳を振り上げ。
「にししっ…………ほら、アチキと仲間になろーゼ?」
“なれあい”
擦り寄ったチークがメガガルーラを一撫でする。
「グラアアアアア!」
“グロウパンチ”
メガガルーラの拳がチークを吹き飛ばそうとし。
「避けろ!」
するり、とチークが直線状に振るわれるそのパンチを避け。
“ほっぺすりすり”
もう一度密着し、頬を擦りつけてメガガルーラを『マヒ』させる。
「グラアアアアアアアアアアアアアアア!」
自身よりも小さな相手にいいように遊ばれていることに激怒したメガガルーラが再びに拳を振り上げ。
“グロウパンチ”
二度目の拳はチークを捉え、その小さな体躯を吹き飛ば…………そうとして。
“ボルトチェンジ”
その拳を、電撃を纏った脚で蹴り
「にしっ」
くるり、と空中で一回転し、チークが身軽に着地してこちらへ戻って来る。その様子から大したダメージは受けてないと判断できる。
「お仕事完了さネ」
「戻れ、チーク」
ボールへとチークを戻す。
たったの二、三手、これだけのために居たのは事実。
けれども。
「行け、イナズマ!」
「はい!」
「ルウ! “じしん”」
「グラアアア!」
“じしん”
大地を震わせる一撃がボールから出したばかりのイナズマを襲い…………。
イナズマが僅かに身を縮こまらせる…………
「…………特性が消された…………だけでは無いな、攻撃も下げられたか」
センリの言葉に、にぃ、と口元を釣り上げた。
そもメガガルーラが対戦において無双に近い強さを誇った理由は一重にその特性にある。
“おやこあい”
攻撃技を行った後に、その半分の威力でもう一度攻撃すると言うこの特性こそが凶悪であり、強力無比だった。
メガガルーラはステータスだけ見れば完全に物理アタッカーだ。
だがこの特性のお蔭で特殊アタッカーも出来なくはない。
できなくはないが、けれど最大の強みを生かすならば、物理アタッカーだ。
だからその両方を一気に潰したのだ。
チークの特技…………“なれあい”。
“あまえる”と“なかまづくり”を足し、相手の『こうげき』を下げながら“特性”を変えてしまうと言うかなり凶悪な性能の技だ。
物理アタッカーであるメガガルーラから『こうげき』と“おやこあい”の両方を一度に剥ぎとってしまえば後はやや能力の高い並のポケモン程度でしかない。
当たり前だが、この効果は戦闘に出ている間だけだ。だから一度戻されれば消える。
だがそれでも、先発の意気は挫かねばならない…………
メガガルーラの性能は確かに凶悪だが。
センリのトレーナーズスキルがそれをさらに
センリの…………父さんの戦い方とは即ち、超攻撃重視のフルアタッカー構成に近い。
メガガルーラを使ってきている辺り、やはりガチパ…………本来ジム戦で使わない全力で来ているのだと分かる。
だからこそ、分かることもある。
メガガル―ラ、ケッキング、そして以前の大会で見せたカビゴン、ドーブル、ケンタロス。
恐らくこの五体が確定だろう。そしてあと一体、まだ知らないあと一体がいる。
それが何かは分からないが…………恐らくこれもアタッカーだろう。
父さんのパーティは本当に攻撃主体の前のめり過ぎるくらい前のめりな構成をしている。
だがそれが恐ろしいほどに強い。
センリのトレーナーズスキルによって支えられている。
知っている、実を言うとそれを知っている。
トレーナーズスキル:せんいこうよう
その効果は。
敵が『ひんし』になるたびに、全能力を1段階上昇させる。
敵を倒すほどに意気を上げていく圧倒的アタッカーの群れによる暴力。
その効果を。
つまり、リフレクター、ひかりのかべなどと同じく。
はっきり言うが、恐ろしいほどに強い。
テッセンなどもトレーナーズスキルを使ってきていたが、あれはまだ手加減の範疇だったらしい。
ジムリーダーとは本来こんなバカげたトレーナーズスキルを
その中でもセンリのトレーナーズスキルは一つ飛びぬけているらしいが。
未だにトレーナーズスキルの一つも極められていない自身は、その時点で恐ろしいほどのハンディキャップを負っていると考えて良い。
そしてこのトレーナーズスキルを発揮された状態で、先発のメガガルーラに下手に攻撃を許せば。
そのままガンガン能力を上げられ、硬い、速い、強いメガガルーラと言う手が付けられない怪物が誕生することとなる。
先発と言うのは基本的に起点作りが多い。攻撃の起点、エースを無償で場に出したり、味方に優位な状況を作ったり、そう言うアタッカーで無く変化技を使う相手が多い。
そして迂闊に出したその最初の先発をメガガルーラで無常にも狩っていく、慌てて対処しようとアタッカーを出せば先発を倒したことで能力値を上昇させたメガガルーラの暴威の前にひれ伏し、一度火が付けば最早誰にも止められない、最強の特性“おやこあい”とトレーナズスキルによって底上げされた能力値の前に先発に6縦されたなんてこともザラだ。
最も、父さん自身がこのガチパを余り出さないため余り知られてはいないが、知っている人間は恐怖に心を抉られ、トラウマを発症する。
故に絶対にこのメガガルーラを止めなければならない。
後から出てくるならば対処のしようもある、数の優位があれば勝ちようもある。
故に。
「戻れ、ルウ」
必ず戻してくる…………言っては何だが、ここで使い捨てれるほどメガガルーラは
たった一体のメガシンカ枠。ここで使い潰せる程度しか無いならば、勝ち目などあるはずも無いが、幸いそうでは無かったらしい。
「行け! ケンタ!」
「イナズマ“わたはじき”」
指示と同時にイナズマの全身が綿毛のようなもので覆われ…………ぶるり、と身を震わせそれを飛ばしていく。
“わたはじき”
場に出てきたケンタロスが絡みついた綿毛に動き辛そうに身をよじる。
そして。
「戻れ、イナズマ!」
「ケンタ、すてみタックル!」
“すてみタックル”
「ブモオオオオオオ!」
ケンタロスが全力のタックルを仕掛けるが、一瞬早くイナズマをボールへと納める。
ゲームでは交代すると相手の攻撃を無条件に受けるために無暗な交代は危険だったが、現実ならばタイミングを合わせて交代させれば一手透かせることもできる。
ただしタイミングが早ければ相手が攻撃を止めて、次に出るポケモンを出待ちされるし、遅ければそのまま攻撃を喰らってしまう。
しかも相手の攻撃を避けようと動けば狙いがずれてボールに収まらないため、もしこれをしようとするならば、ポケモンを棒立ちさせておくか、トレーナー自身が超高度な技術で正確に狙いを定める必要がある。
それに加えてタイミングがシビアなのもあり、かなり難易度の高い技術とされている。実際自身もこうして動かないようにさせた上で、『すばやさ』を下げた敵でも無ければ成功率は低い。
そして、交代際にもたもたしていては透かしても無意味だ、ケンタロスが動き出す前に次を出す。
「行け、シャル!」
「は、はい!」
ケンタロスの後方にシャルを解放すると同時に。
「かげぬった」
そして。
「落とせ、シャル!」
「はいっ!」
シャルが両手を構えると、その手の中に
黒い…………影のような炎はその大きさを増し、直径一メートルほど球体へと転じると同時、シャルがその炎を押し出すようにして放つ。
「っあああ!」
“ シ ャ ド ー フ レ ア ”
放たれた球体がケンタロスを襲い。
着弾と同時に黒い炎が弾け、その体が燃え上がる。
「ウモオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?」
ケンタロスが絶叫し、その身を焦がしていく。
体が弾けた火の粉がその影へと降り注ぎ。
僅か数秒で炎が消えていく。
だがその時には。
「ヴ…………モ…………」
動かないケンタロスの姿がそこに残されて…………。
「戻れシャル! 出てこいイナズマ!」
「っ戻れ、ケンタ!」
一瞬にして自身のアタッカーが落とされたことに驚くセンリの隙を突き、シャルとイナズマを高速で交代させる。
直後、ケンタロスを戻したのはさすが、と言えるかもしれないが。
「“わたはじき”」
「出てこい、ゴンスケ!」
場にカビゴンが出てくると同時、イナズマの“わたはじき”が発動する。
場に充満する綿毛にカビゴンが邪魔そうに手を動かすが、綿毛が舞うだけで意味など無い。
「戻れイナズマ! 来い、エア!」
「ゴンスケ! “じしん”」
“じしん”
イナズマと交代で出てきたエアにカビゴンが“じしん”を放つが『ひこう』タイプを持つエアには当たらない。
「…………出てきたか」
父さんがぽつり、と呟き。
「勝負所だな」
きっと目を細めた。
「行くぞエア…………一発目、決めるぞ」
「…………ふん、誰に物言ってるのよ」
任せなさい。
自身の
瞬間、エアの首に下げられたメガストーンが輝き出し、その全身を光が包んでいく。
そうして。
「ルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
メガボーマンダへと成ったエアが咆哮し、大きく浮き上がる。
「ゴンスケ! “ギガインパクト”!!!」
「エア! “すてみタックル”!!!」
“う で じ ま ん”
“ ギ ガ イ ン パ ク ト ”
“ ら せ ん き ど う ”
“ す て み タ ッ ク ル ”
両腕を振り上げたカビゴンの“ギガインパクト”と、螺旋を描きながら抉り込むようなエアの“すてみタックル”が激突する。
弾けるように下がった両者だが実際には
とにもかくにも、まだまだエアは行けそうだ、と次の指示を出す。
「もう一発“おんがえし”!」
「“ギガインパクト”だ!!」
弦がしなり、矢が放たれるようなイメージ。弾けるように螺旋を描きながら飛びだしたエアと、その鈍重な体だけに動きが遅れるカビゴンが再び腕を振り上げ。
“ ら せ ん き ど う ”
“ お ん が え し ”!!
一瞬早く、エアの攻撃がカビゴンの体へと突き刺さる。
一メートル、二メートルと、わざの余りの威力にその巨体が引きずられ。
「ぐ…………ガアアアアアアアア」
カビゴンが咆哮を上げ、振り上げた腕を振り下ろす。
“ギガインパクト”
振り下ろされた拳がエアへと襲いかかり…………直前で力を失っていく。
「ぐ…………おう…………」
カビゴンが倒れる、と同時にエアに積み技を指示し。
“かりゅうのまい”
エアの全身が炎に包まれていく。
「…………ふむ、ならば、次はお前だ。ボス」
センリが三つめのボールに触れ、投げる。
放たれたのは。
「キュイッキュ~」
紫色の体に二本の長い尾の猿のようなポケモン…………エテボース。
「…………不味いかなあ、これ」
思わず呟く。エテボース、と言えば…………。
となればここは…………。
「戻れエア」
「ボス“うらみのビンタ”!!」
センリの指示にエテボースが動き出し、それより一瞬早くエアをボールへと戻そうとボールが機動して。
「ぐ、あああああああああああああああああああああ!!!」
絶叫にも近い声を上げながら、エアがボールへと収まって行く。
「おいうち効果?! いや、それだけじゃない…………エテボース…………まさか?!」
気づく、気づいてしまう。
そして目の前の男を…………センリを見る。
「やってくれた」
「してやったり、だな」
にやり、と笑いながらセンリがエテボースを戻す。
これで確定だ。
特技、そして持ち物。
持ち物は恐らく
そして特技は。
トレーナーズスキル:せんいこうよう
味方が敵を倒すたびに味方の全能力が1段階上昇する、この効果は味方の場の状態として扱われる。
特技:シャドーフレア タイプ『ほのお』『ゴースト』
分類:れんごく+シャドーボール
効果:威力90 命中95 PP5 100%の確率で相手を『やけど』にする。このわざのタイプは『ほのお』『ゴースト』のどちらか相性の良いほうになる。“かげぬい”状態の相手を攻撃した時、威力が2倍になる
シャルちゃんが極悪過ぎて笑うw
なんでカビゴンにはしなかったかって?
HP種族値75、とくぼう種族値70のケンタロスなら一撃で落とせても、HP種族値160、とくぼう種族値110のカビゴンじゃ耐えられる可能性が高いから。
耐えられると“じしん”撃ってくるので危険。それでなくても、センリのようなベテラントレーナーだと何がしか対策されそうだとハルトくんが思ったから。
裏特性:うでじまん
手を使った攻撃の威力を1.5倍にし、わざの反動を無効化する
手だけでギガインパクト撃ってるから別に体は動くよ? と言うパッパ理論。
カビゴンの体を重さを軸にした技術なので、カビゴン級に重くないとできません。逆に言うとカビゴン級に重いやつはみんなできる(
そして新登場エテボース。
特技:うらみのビンタ 『ノーマル』
分類:ねこだまし+かたきうち+おいうち
効果:威力60 命中100 優先度+2 相手を100%の確率で怯ませる、戦闘に出て最初のターン以外では失敗する、前のターンで味方が倒されている時、このわざの威力を2倍にする。相手が交代する時、このわざの威力を2倍にし、交代前の相手を攻撃する
因みに特性:テクニシャン(
全体的にパッパの殺意が高い。