ポケットモンスタードールズ   作:水代

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執筆意欲が死んでて更新遅くなりました。


生え変わり時期なんじゃ…………

 伝説種とは存在そのものが別格の存在だ。

 

 と言ったってゲーム的に見れば種族値は合計600オーバー、一番高いアルセウスでも720。

 準伝説と呼ばれる存在が基本的に600、偶に580もいる。

 ならば600族と比べてもそれほど大きな差異は無い、と言える。

 

 実機で考えるならば。

 

 だが現実的に考えて欲しい。

 タイプ的に有利なポケモン数匹用意した程度で勝てるような存在が()()、などと呼ばれるか。

 レベル上限まで育てた600族で対等に渡り合えるような存在が()()()()()()()足り得るのか。

 

 分からない、分からない、分からない。

 

 自身が体験したのはゲームであって、現実ではない。

 この現実で伝説のポケモンがどれほどの存在なのか、自身には分からない。

 

 だからこそ、知りたかった。

 

 レジギガス、文字通りの伝説の存在を持つ彼女を訪ねたのはそのためであり。

 

 来るべき伝説の目覚めへの備えでもあった。

 

 

 * * *

 

 

 伝説のポケモン、と呼ばれる存在は世界各地にいる。

 自身の出身、カロスにも伝承だけならば残っている。

 ポケモントレーナーならば一度くらいは夢想するだろう、伝説のポケモンを自らの手に、などと。

 だがそんなものは所詮夢で、語る言葉とて戯言に過ぎない。

 

 まず遭遇すること自体が稀である。

 

 いくつかの目撃証言から辛うじて存在することだけは分かっているが、その大半がどこに生息しているのか、どんな生態をしているのかすら分かっておらず、どこに行けば遭遇できるのか、と言う問題がまず最初に立ちはだかる。

 

 伝説のポケモンと言うのは、遥か昔より存在しているものが大半であり、古い文献などにその名を見ることができる。

 故に、それを調べることで、ある程度の生活パターンや生息地なども絞り込むことができ、ひたすらに現地で探し続ければ、稀にだが出会うことも出来る。

 

 そして次にぶつかるのが。

 

 出会って、逃げられないかどうか、である。

 否、逃げられるという言いかたは正しくは無い。

 正確には視界に入れてもらえるかどうか、だ。

 

 伝説のポケモンと言うのは、圧倒的な強さと超常的な力を持つ。

 

 それこそが、伝説のポケモンが伝説たる由縁であり、ただ個体数が少ないだけの幻のポケモンとは一線を画す理由でもある。

 

 伝説種、伝説のポケモンには、神と謳われるような超常的な力を持っている…………とされている。

 

 誰もその真実を確かめたことが無いのだ、本当かどうかなんて、分かるはずも無い。

 そして他を圧倒するほどの力を持つからこそ、伝説と言うのはある種、傲慢だ。

 

 脅威にもならないと判断されたならば、相手にされない。

 戦うことすらできないのだ、そんな状態でボールを投げてもまず避けられる。

 

 だから本当に伝説種を捕まえるならば、まずは相手に脅威だと感じてもらう必要がある。

 

 そしてバトルに入りそしてそして。

 

 そこからが本当の始まりだ。

 伝説種に敵だと認められる、それだけの力を持ってして、伝説とは圧倒的な暴威だ。

 レジギガスとの戦いは文字通りの死闘だった。

 

 伝説種にはその存在を象徴するものが一つある。

 

 カロスの伝説ならば破壊と生命、そして秩序。

 ホウエンの伝説ならば干ばつと大雨、もしくは大洪水。

 

 その象徴は伝説種たちが過去に起こした伝説から大凡のものが読み取れる。

 そして実際に戦って自身が知ったのは。

 

 伝説種はその象徴とも言えるものを概念的力として発揮する。

 

 レジギガスの象徴はつまり()()()()()()()と言う伝承。つまりは“怪力”だ。

 防げず、耐えれず、どんな物質もどんな生物も一撃で砕く究極にして必殺の一撃。

 触れれば砕ける、躱せば空間が揺れる。そんな拳を振りまわし、タイプ相性すら無意味なものと化したその一撃に多くのポケモンたちが倒れ。

 

 都合五十用意したレベル上限のポケモンたちの八割が『ひんし』にされ、残りの二割でようやく捕獲に成功した怪物だ。

 

 だが、正直に言って。

 

 ()()()()()()()()()()()()

 

 多少己惚れるならば、自身だからこそ、その程度で行けた、と言う思いもある。

 並のトレーナーならば、レベル上限のポケモン百用意しても一蹴されただろう根本的な強さの違い。

 

 それから。

 

 どうしてレジギガスなのか。

 

 それは。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 五十のレベル100のポケモンの一斉攻撃に揺れながら、振るう拳の一撃で一体ずつ確実に屠り、最終的に戦えるポケモンの数が残り十を切った時、ようやくその動きを止めた怪物。

 

 それでも尚、それは最弱なのだ。

 

 伝承と照らし合わせるならば、どんなものも一瞬で破壊しつくす圧倒的暴威も無く、破壊された生命を一瞬にして芽吹かせる圧倒的回復力も無く、海を枯らし生命を干からびさせる力も無く、大雨と洪水によって全ての命を飲み込む力も無い。

 同じシンオウの伝説は他にもいるが、時間を操り司るポケモン、空間を操り司るポケモンとどう考えても手も足も出ないような存在だった。

 

 故に最弱なのだ。

 

 例え大陸を動かすほどの怪力があろうと、小島を一撃で砕き沈めるほどの剛力だろうと。

 

 ただそれだけ、なのだ、レジギガスと言うのは。

 

 言うなれば、ただ極端なほどに攻撃力が高いだけのポケモン、と言い変えることができる。

 

 他の伝説種のような天災のような力は持っていない。

 

 故に狙い目だった、狙うことができた。

 

 自身にも、自身でも。

 

“頼みがあるんだ”

 

 だから、信じがたい。信じられない。

 

“ホウエンの伝説を捕まえたい、協力してくれないか”

 

 そう告げた彼の言葉に、驚愕する。

 無茶だ、無理だ、無謀だ。

 もしかして、もしやすると、自身のレジギガスに勝ってしまったがために、そのせいで。

 

 錯覚してしまったのではないだろうか、伝説に勝てると。

 

 それは間違いだ、それは勘違いだ、それは見当違いだ。

 

 必死になって止めた、余りにも無謀過ぎると。

 

 けれど。

 

“分かった…………その時は、協力する”

 

 最終的には折れた。

 同じ伝説を目指した一人のトレーナーとして、そして自身に打ち勝った彼の頼みだったからこそ。

 自身は頷いた。

 

 それは彼が、決して自身の無謀さを理解していないわけではないと分かったからだ。

 

 それでも、それが必要なのだと、そうしなければ。

 

「…………ホウエンが滅びる、か」

 

 信じ難い…………とは言えない。

 本当に伝説種と言うのは一体で地方を滅ぼすだけの力がある。

 まして、彼の語るホウエンの伝説と言うのは殊更特殊だ。

 

 伝説同士が敵対している、など信じがたい。

 

 グラードン、そしてカイオーガ。

 

 それが彼の語る伝説の名。

 

 曰く、海を枯らす干ばつの化身。

 曰く、陸を飲み込む海の化身。

 

 その二体が近い将来目覚めること、それを利用しようとしている人間がいること、その道筋の先にはホウエン地方の壊滅が待っていることなど、彼はつらつらと語った。

 

 どうしてそんなことを知っている、とは聞かない、と言うかどうでも良い。

 

 少なくとも、自身はそれを信じた。

 いつの時代でもどの地方でも伝説を利用しようとする人間と言うのはいる。

 実際にそれができるかどうかは別としても、そう言う人間がこの地方にいても何もおかしくは無い。

 

 阻止しなければならない。

 

 だが単純に阻止しただけではいつかまた再び伝説を利用しようとする人間が現れるだろう。

 だから捕まえる、と言った彼の言葉に。

 

 ああ、それは嘘だ。

 

 直観的に理解した。

 何が、とは分からないが、恐らく伝説を捕まえるのはもっと別の理由な気がする。

 だが少なくとも、悪用しよう、と言った感じの人間ではない。

 もっとも、自身が彼を好いているからそう思いたいだけかもしれないが。

 

 考えても仕方ないのならば、後はそう、シンプルな話だ。

 

 彼を…………ハルトを信じるかどうか。

 

 少なくとも、自身は信じると決めた。

 あの時、自身の手を引いてくれた彼のことを。

 

 だから自身も語る。

 自身の知る限りの、伝説と言う存在を。

 

 

 * * *

 

 

 レジギガスはほぼ育成されていないポケモンだ、とシキに告げられた時。

 

 いったい何の冗談だ、と思った。

 

 全能力を全開まで積んだメガデンリュウの最大威力の攻撃を()()()()したあの異常なまでのパワー。

 初撃で押せたからこそ、そのまま勢いのまま押し切れた、と言う感じがある。

 むしろ、一度でもグロウパンチなどで『こうげき』を積まれていたら、負けていたかもしれない。

 それほどまでに異常な強さを持っていた。

 

 持ち物、そしてトレーナーズスキルによる特性の反転強化。

 

 その二つを持ってして、ようやく半分だとシキは告げる。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()だと、そう告げた。

 

 あの強さで、あの火力で、あれでまだ半分。

 

 さらに言うなら。

 

 恐らくレジギガスが伝説の中でも最弱だろう、と。

 

 それは理解できる。

 

 単純な能力だけで比べればレジギガスだって十分に伝説と呼べるだけの力はある。

 

 だがそれだけだ。レジギガスにはそれ以外のものが無い。

 

 アルセウスのような創世の力も無く、ディアルガのような時間を操る力も、パルキアのような空間を操る力も、ギラティナのような対を司る力も、グラードンのような海を干上がらせるような力も、カイオーガのような陸を飲み込むような大雨を降らせる力も、ホウオウのような死した命を蘇らせることも、ルギアのような荒れ狂う海を鎮める力も、レシラムのような世界を燃やすほどの熱量も、ゼクロムのような世界を焼き尽くすほどの電力も、イベルタルのような破壊の力も、ゼルネアスのような生命を操る力も無い。

 

 大陸を動かすほどの怪力、それだけがレジギガスに与えられた力である。

 

 それとて伝説に語られるほどの無双の剛力。圧倒的破壊力を持つポケモンなのは間違いない。

 

 だが。

 

 それでも。

 

 戦う、と言う点において、伝説種の中で一番やりやすい相手であることは間違い無い。

 

 それでも、まだ自身は甘かった。甘く見ていた。

 

 決勝で戦ったレジギガス。

 確かに強かった。これぞ伝説級と呼べる存在だと、実感できた。

 だが種族値的に考えれば、メガデンリュウだって伝説に劣るわけではない、だから対抗できたのだと、思っていた。

 

 あれでまだ半分。

 

 もし野生時だったレジギガスと戦ったならば、自身の手持ち六体全てを使っても勝てないかもしれない。

 

 タイプ相性すら意味を為さない、概念的な圧倒的暴威。

 

 守っても、守りを貫通する究極の一撃。

 

 そして異常とも言えるタフネス。

 

 想像するだけでおぞましい。

 シキは良く勝ったものだと思う。

 

 だが、とにかく、だ。

 

 これで一人、協力者が出来た。

 

 自身がこのホウエンリーグに出た目的は大きく分けて三つだ。

 

 一つ目は単純に、自身と手持ちたちがこの世界でどこまで通用するのか試すこと。

 

 二つ目は名声と権威を得ること。

 例えばの話『べにいろのたま』と『あいいろのたま』の場所を知っている自身は、先に確保に動くことができる。

 だが普通に言っても確保などできるはずも無い。

 

 だから、権威が必要だ。

 

 できればポケモン協会を動かせる立場。

 そう、チャンピオンなどならばまた話は違ってくるのではないだろうか。

 リーグ優勝、と言うだけでもかなりの名声があるが、権威、となれば四天王クラスかチャンピオンの座が必要になってくる。

 もしダメならば、チャンピオンに素直に協力を依頼するしかないだろう。原作ならば共に戦ってくれる仲間的な位置づけだが、あのチャンピオンは肝心な時に居ないから頼りづらい。

 そもそも自身の実機からの知識をどこまで語っていいものか、という問題もある。

 

 故に出来るならば、自身がチャンピオンになれることが望ましい。

 

 まあそれには、四天王と、そしてあのチャンピオンを倒さねばならないのだが。

 

 そして三つ目。

 

 協力者を作ること。

 第一候補はチャンピオン。先も言った通り、原作ならば協力してくれていた。マグマ団とアクア団の活動はホウエンの危機にもつながる以上、それをきちんと証明できれば協力は得られると思っている。

 だが協力してくれる人間は多いに越したことはない。

 

 そして先の決勝。

 

 思わぬ幸運があった。

 

 伝説種を捕まえたトレーナー。

 

 シキとの邂逅である。

 

 

 * * *

 

 

 ――――夢から醒める。

 

 

「ん…………」

 

 薄っすらと、意識が覚醒していく。

 ゆっくりと目を開きながら、目の前に見える肌色をぼんやりと考える。

 寝ぼけ半分の頭を回しながら、何の気無しに手を伸ばす。

 

 ふにゃ、と柔らかい感触がした。

 

「ん…………やぁ…………」

 

 そして耳元をくすぐるように聞こえてきた艶のある声。

 

 “あれ? なんか昨日もこんなことあったような…………?”

 

 そんな思考が一瞬、脳裏を過り、ふと視線をずらす。

 

「んー…………ます……たぁ……?」

 

 ずらした先、ジャストなタイミングで少女が目を開く。

 そして自身の視線と少女の視線がぶつかり合い。

 

「……………………ま、ます…………たあ…………?」

 

 直後、少女、イナズマが目を見開き、がばりと起き上がり。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「は?」

「え?」

 

 一糸纏わぬ白い肌に一瞬、目を奪われ。

 

「…………お前、服は?」

 

 呟いたその声に、イナズマが自身の状況を理解し、一瞬にしてその頬を紅潮する。

 

 そして。

 

「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 絶叫が部屋に響いた。

 

 

 




と言うわけで、野生時のレジギガスさんのデータ。
ステータス数値についてはアバウト。だいたいこれくらい、と考えて欲しい。



レジギガス Lv200
H18000 A1600 B660 C500 D660 S600
特性:スロースタート 持ち物:なし
わざ:ギガインパクト、じしん、しねんのずつき、ヘビーボンバー、にぎりつぶす、アルティメットブロウ

特技:アルティメットブロウ 『ノーマル』タイプ
分類:ギガインパクト+ばかぢから+インファイト+フェイント+きあいパンチ
効果:威力1000 命中90 優先度-2 相手の『まもる』や『みきり』等で無効化されない。 

裏特性:でんせつのいふ
このポケモンは『ひんし』にならない限り、捕獲できない。自身の『HP』の種族値を大幅に上昇させる。自身が受けるダメージを全て半減する。

アビリティ:たいこのきょしん
自身の使用する物理技が必ず相手の『きゅうしょ』に当たる。

アビリティ:おうのおう
自身を対象とする全てのデメリット効果を無視する。

アビリティ:たいりくへんどう
自身の『こうげき』の能力ランクが6以上の時使用可能。次に使用する物理技の威力を2倍にする。使用後、全ての能力ランクの変化を元通りする。この効果は“おうのおう”によって無視できない。

禁止アビリティ:むそうのかいりき
自身の『こうげき』種族値を2倍にする。自身の使用する物理技の威力を2倍にする。自身の使用する物理技が相手のわざ・タイプ・どうぐで半減、無効化されない。


物理防御⇒メガボスゴドラ並
特殊防御⇒ハピナスなんて目じゃない
HP⇒頭おかしい
攻撃力⇒一撃必殺


はい、これで伝説最弱レベルです。

因みに裏特性は捕獲時点で消えてる。その他色々変わったり、弱体化した部分がある。
これでトレーナーズスキルと持ち物で辛うじて補ってたのがシキさん。
ぶっちゃけ育成なんてできませんわ(
致命的だったのは、レベルが120まで下がってたこと。
上のステータス頭おかしい、と思うかもしれないが、よく考えてくれ。
レベル200なんだ(


そしてゲンシグラカイは250レベなんだ(絶望


大分遅くなったけど、次の更新はもっと速くしたい(願望
手持ちとのR18とか書きたいなあ(欲望
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