艦これで、学園モノ!   作:ウシミツ

1 / 1
どうも、ウシミツと申します。
「はつとーこー」というやつです。
主は年が若いので文法、設定のズレなど至らぬ所が多々あると思いますが、そのときはコメント等でお知らせください。すぐ編集するからっ!


始業、始めっ!

校庭には桜が咲き、窓からはほんのり磯の香りがする暖かい風が入ってくる。

道を行く制服姿の女子生徒達は姦しく、華やかな雰囲気を漂わせ、稀に見かける男子生徒は肩身が狭そうに歩いている。

ここは大海(たいかい)学園。

海沿いに建てられた学園であり、生徒は比較的少ないが、何故か事あるごとに苦情が来るぐらいにぎやかだ。

しかし、この学園には、時に有り難く、時に厄介な「特徴」がある。

 

〇 〇 〇

 

「皆さん、おはようございます」

 

「「おはよーございまーす」」

 

今日は四月の一日。新年度、新学期の始まりだ。

おそらく今日からこのクラスの担任になるであろう女性教員の良く通る挨拶とは裏腹に、もう慣れたのか生徒達のだるそうな、眠そうな緊張感の無い挨拶が響く。

 

「今日は、入学式の準備や片付けで忙しい先生が多いので授業はありません。変わりに自己紹介をしてもらいます」

 

まぁ、ありがちな流れだな。このクラスは一学年ではないので入学式には出ない。正直なところ、休みの方が都合が良いのだがクラス替え等のイベントもあってか登校する羽目になった。

 

「私は今日からこの二年三組の担任をする事になりました香取 薫(かとり かおる)です。因みに小学校から将来の夢は学校の先生でした。よろしくおねがいしますね。うふふ」

 

何わろてんねん。これ絶対小学校のころの将来の夢いわなきゃいけないパターンだろ。なにしてくれる。

 

「それでは次、副担の鹿島(かしま)先生、よろしくおねがいします」

 

「は、はいっ!えと・・・副担の鹿島 (あき)です。小学校のころの夢は・・・お嫁さん、でした。よろしくお願いします」

 

鹿島先生は真っ赤になりながらも自己紹介を終え、教室の入り口のあたりまでそそくさと移動してしまった。

恥ずかしいなら言わなくていいのに・・・。

 

「ありがとうございます、鹿島先生。それじゃあ、一番の阿武隈(あぶくま)さんと二十番の矢矧(やはぎ)さん、じゃんけんして勝った方から自己紹介をお願いします」

 

阿武隈・・・矢矧・・・変な名前だな。まあ恐らく、旧日本海軍の艦艇から取ったのだろうけど。

それににしてもだ、姓にせよ名にせよ女の子には勇ましすぎる。

因みにじゃんけんの結果は阿武隈が勝ち。

 

「うぅ・・・何でこんな時に勝っちゃうんだろう」

 

阿武隈さんは教壇に上がりぎこちなくおじぎすると自己紹介を始めた。

 

阿武隈(あぶくま) 朝日(あさひ)です。・・・覚え辛い名前だと思いますが、どうぞよろしくお願いします」

 

実際かなり覚え易いと思うぞ。書くのは難しいだろうけど。

しかし朝日か・・・阿武隈川の水源が朝日岳(あさひだけ)だからかな?安直だな・・・。

阿武隈さんが自己紹介を終えようとしたところで、香取先生のカットイン。

 

「阿武隈さん、夢は」

 

「夢・・・?え、言わなきゃいけないんですか!?」

 

「ダメよ♪」

 

やっぱ言わなきゃダメなのかよ。

 

「えと、小学校の頃の夢は、確か雑誌の編集者だったと思います」

 

ふむ、一人目にしてはインパクトがでかかったな。特に名前。

新学期なので忘れていたが女子は進級すると胸のリボンの色が変わる。彼女らは二年生なのでリボンは赤。

余談だが、一年生は黄色に近い橙。三年生は青、学校曰くマリンブルーだそうだがどう見ても青。

リボンは蝶ネクタイ型ではなく細い紐を蝶結びした感じだ。

話を戻すが、彼女は一見内向的だが指示されたら従い、声が小さい訳でもない。俺の勝手な偏見だが、「目立ちたくないけど頼って欲しい」タイプだな。

俺が変な事を考えていると、後ろから俺を呼ぶ控えめな声がした。

 

「ねぇねぇ坂本、あの子面白い名前だね」ヒソヒソ

 

「それお前が言うのかよ」ヒソヒソ

 

今俺に話しかけてきたのは木村(きむら) 川内(せんだい)。コイツもかなりの珍名。

そして俺の数少ない女友達。ただ単に一年の頃に席が近かっただけだが。

(俺に女友達がいたこと以外にも)驚くべきことはまだある。コイツは三つ子の長女であり姉妹全員がこの学校に在学している。そしてさらに!姉妹揃って二年三組の教室で座っている!まさか現実でこんな事があろうとは。

これまた余談だが座席は初日に自分で決められる。なのでコイツは、というか木村姉妹は俺の後ろに三人しっかりまとまって座っている。

 

「それじゃ次、木村さん」

 

「「「はい」」」

 

あちゃー。先生やっぱりやっちゃったかー。苗字で呼ばれたら三人で反応、「三つ子あるある」だよ。そもそも三つ子自体あまり見ないけど。

 

「あら?あ、木村さんたちは三つ子だったわね。じゃあ一人ずつ・・・」

 

「いや、大丈夫です。三人まとめてやるので」

 

「そう、じゃあお願いしますね」

 

そう、川内はサバサバした性格なのでルールとか流れとか気にしない。

妹達は不安そうな顔をしているが、そんな事も気にせず教壇に上がる。仕方ないと諦めたのか妹達もそれに続く。大変ですね・・・。

 

「私は木村姉妹の長女、川内(せんだい)!夢は今も昔も陸上選手、よろしくね」

 

「私は次女の神通(じんつう)です。姉さんが迷惑かけてすいません・・・」

 

さらっと夢紹介を回避したな。次女の神通は川内に比べておとなしく、常識人だ。

 

「私は那珂ちゃんっ!夢はアイドルになる事!那珂ちゃんって呼んでね!よっろしくぅ☆」

 

コイツがかなりの曲者。人によりけりだろうが、一々言動がムカつく。

良くも悪くも人目をよく集める奴だ。

阿武隈さんとか鹿島先生とか超ひいてる・・・。

 

「じゃあ次、坂本君」

 

名前を呼ばれて俺は席を立つ。相変わらず香取先生はニコニコしてるなぁ、逆に怖い。

 

「はーい」

 

この手の自己紹介は慣れている。人前に出る事はそう苦ではない。

 

「五番の坂本(さかもと) (ゆう)です。小学校の卒アルの夢の欄には提督って書きました。どうぞよろしく」

 

俺が紹介を終え、席につくと教室が若干ざわついていた。所々から「提督ってなに?」とか「変な男子だなぁ」とか聞こえる。阿武隈さんは何故か俺をガン見してるし。

 

「相変わらず愛想がないねー」

 

と、後ろから川内。

 

「姉さんはもう少し大人しくして・・・」

 

さらに後ろから神通。

 

「那珂ちゃん的にはオッケーだよ!て・い・と・くぅ!」

 

とどめの那珂ちゃん。こいつらうぜぇ(神通除く)。

ざわついた教室が香取先生の良く響く声による指示で静かになる。

うん、第一印象はバッチリだな。この自己紹介なら人がたくさん寄って来る事もない(特にこの学校は女子に比べて男子が少ないので一層気を使う)。しかも提督なんてワードは一部の男子にしか分からないだろうからその道(海軍オタ)の男子と友達になれる!なんて素晴らしい!

なんて残念な事を考えているうちにも自己紹介は続く。が、名前にインパクトが無いと覚えにくい。まあ覚える気すら無いんだけど。

え?何でかって?こんなに女子が多いのに何故覚えようとしないのかって?それは、俺が小規模な女性不信だからさ!なお川内姉妹は別。奴らは不信より先に騒がしさ、ウザさが来るのであまり気にならない。しかし次女の神通は別格だ。絶対なんかあるよあの人。川内がたまに神通に敬語使うもんだから尚更怖い。

 

「じゃあラスト、矢矧さん」

 

俺が一人でくだらん茶番をしている間に最後の一人までいってしまったらしい。

この学校は生徒数が少ないので、一クラス二十名の三クラス構成なので学年で六十人とかなり少ない。

 

「はい」

 

矢矧さんは大人びた声で返事をし、教壇に上がる。

 

「二十番の矢矧(やはぎ) (れい)です。よろしく」

 

あれーおかしいなーどこで夢を言う流れが途切れたんだろー。

矢矧か。分かる人には分かるだろうが、名前負けしないスタイルの良さが目立つ。しかも何かクールな感じがかっこいい。と、思った次の瞬間。

 

「っ!?」

 

あ、教壇の段差でコケた・・・。意外とドジっ娘っぽい。幸いそれに気付いた人は少ないけど。

 

「あの子も坂本みたいに愛想ないね~」

 

相変わらずの川内は俺に一々話しかけてくる。

 

「俺は愛想が無いんじゃなくて正直なだけだ」

 

「そんなんだと、新しい後輩に嫌われちゃうよ?」

 

「別に好かれたくない」

 

それっきり川内は「ふーん」とか「へぇ~」とかしか言わなくなった。お前には愛想があっても語彙が足りないな。

 

「じゃあ自己紹介はこの辺で終わりにして、今日はもう下校して結構です」

 

香取先生の指示をうけ「さよならー」といって教室をでる生徒達。

俺はいつも一人かとある男子の友達と帰っているが、今日は友達が部活のミーティングで遅いので一人で帰るとする。因みに俺は帰宅部。過去最短の帰宅にかかった時間は6分42秒。自転車をマッハでこいで叩き出した。

とまぁこんな感じで、この学校は俺の家から近い。近いからこの学校にしたというのもあるが、俺がこの学校に通っている最大の理由は、「俺の女性不信を直すため」だそうだ。文法が伝聞なのは母さんと親父が変な気を回したから。

正直俺も自分の女性不信っぷりには嫌気が差していたので若気の至り(というかノリ)で受けて見事に合格。

女性と付き合うには二年生ぐらいが妥当だし、そろそろ頑張らないとなぁ。まあ付き合うといっても俺に恋愛なんて出来ないだろうから、気軽に話せるぐらいになりたいです まる

 

そうそう、この学校の「特徴」だけど。見ての通り、男女比がおかしい。

具体的には二対八ぐらい。これが俺にとっては酷く厄介だ。

 

続く。

 




おいっすうぅ!(八時ダヨ感)
どうでしょうか、楽しんで頂けましたか?
個人的には一つの話にしては長過ぎたなと思っています。
因みに、この作品は読者様が『艦これ』のキャラを知っている体で進めています。
もし、「キャラの説明欲しい!」などの感想がありましたらお知らせください。
あ、そうそう。
この作品のメインヒロイン枠は恐らくきっと多分十中八九川内です。
なお、出演させたいキャラがいましたら、そちらもコメント等でよろしくお願いします。
長々と失礼いたしました。またいつか!

PS.夏イベント2016のせいで次の投稿が遅れるかもです ドゲザァ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。