眩い光に包まれた私はそっと目を閉じた
あぁ、こらから新しい世界へと旅立つのか、そう思うと嬉しさの余り鳥肌が立つ。神よ私は初めて貴方に祈ろう、どうかとびっきりの歓喜と道楽が満載の素晴らしい世界へと導いてくれ。
そして瞼の先の光が治っていくと静かに目を開けた……
と同時に足元の感覚が消えて突如浮遊感が私を襲った。
何だどんな方法であれこの登場の仕方は絶対なのか、神よ、もう一度貴方に祈ろう……私を救いたまえ。
フッと重力に従い私の体が地面へと落ちていく、新しい世界に来た途端に終了とはやはり人生とは上手くはいかないな。地面が死神の微笑みと手招きに見えてくるよ。
と思ったが、私は運良く木の上に落ちたらしくガサガサと音を立てながらゆっくり下に落ちていく。ドサッという音と共に背中を強打して地面へと到達する。
あぁどうやら助かった様だな、神よ感謝する。しかし彼方此方に傷が出来てしまったな木の枝が思っていたより硬かったせいか? 持って来た道具と薬品は……粗方無事だな。クソッタレ、戦闘用の身体強化剤が少し駄目になってしまった。まぁ何であれ死ぬよりはマシか、ゆっくりとだが真っ直ぐ立てている所を見るに脳への異常は無さそうだ。まぁ私の完璧な頭脳へ異常など許されるものでは無いからな。取り敢えず
さて、ここは何処だ?
呼吸が出来ている所を見ると人が住める惑星と言った所か、見たところ地球の様だが何かおかしいな……身体がやけに怠い、おまけに少し息苦しいな。二酸化炭素が多い星なのか? それに、周りは岩場と木だけ、空も暗いな。クソど田舎か何かか? 一体何処なんだ? 少し異常だな、環境適応薬でも打っておくか。兎も角移動する事に越した事は無いな、意思疎通が出来る知的生命体がいる事を祈ろう。
全く、歩き出してすぐに生命体を見つけたは良いが、何なのだ? こいつらは……どう見ても羽や角が生えている、それも聖書に載っている悪魔の様な。それに何やら武器らしき物を構えているな、普通の人間なら有り得ない事だぞ、煩わしい事に私はとんでもなくクソッタレな所に来てしまった様だな。
「答えろ人間!貴様、何処からやって来た!」
全く、煩いな。耳は有るんだ、そんなデカイ声で言わなくともちゃんと聞こえているとも。しかし、やはり私の事を人間と呼ぶ所を見るにこいつらはこの世界の人間では無いらしい、そしてこの世界にも人間がいるという事が分かるな。ふむ、つまりこの星は地球と見て間違いは無さそうだ。問題はここが地球の何処だと言う事だな。少なくとも喋れる様だし意思疎通は出来そうだ、こいつらに聞いてみるか。
「私の言葉が分かるか? ちょっと聞きたい事が有るんだが良いかね?」
「何だ!」
「君はいちいち大声を出さないと喋れないのかい? 全く……此処は一体何処なのかね? 少なくとも地球ではある様だが場所を知りたくてね。」
「此処は冥界だ!」
冥界? 冥界だと? それはあれか、聖書に載っている悪魔の巣窟の冥界か? 馬鹿馬鹿しいそんな物存在する筈が無いだろう。気でも狂っているのかこいつらは……
と言いたいが此処は異世界、それにこいつらを見るに人間では無い事は明らかだな。となるとこいつらはやはり悪魔になるのか、私の想像とは随分と違う様だがな。クソッタレ、面倒な所に放り出されたものだな。やはり神などと言うクソの役にも立たない者を当てにするものでは無いな。
さて、これからどうするか……私としてはどうにかして地上に出たいのだが、そもそも聖書の様に地上が有るのか?
「今度はこっちの質問だ!何処からやって来た!」
ふむ、ここは……
「実は私も分からないのだよ、気付いたら此処にいてね。どうにかして人間のいる所に行きたいのだが分かるかね?」
「何だと⁉︎ 嘘を付いても無駄だぞ!」
「嘘など付いていないのだが、困ったね……。なら君達のトップに合わせてくれないか? 見た所悪魔の様だから、トップは魔王になるのかな?」
「魔王様にだと⁉︎ 巫山戯るな!貴様の様な身元不明の輩などに魔王様を近づける訳にはいかん!」
どうやら話にならないようだね。
此処はいっそ逃走して自分でなんとかするか? 大丈夫私なら出来る。
「おい、もう食っちまって良いじゃねえか? どうやってかは知らねえが迷い込んだんだ、ならバレねえ内に殺っちまっても構わねえだろ。」
「まて、先ずは確認が先だ!」
どうやら別のやつは私を食う気みたいだな。クソッタレ、こんな所で終わってたまるか、それに、犬畜生にも劣る奴の臭い口に食われながら腸に入るぐらいなら自殺した方がましだ、侮辱も良いとこだな。やはり此処は逃げるに限るか、三十六計逃げるに如かず。
思いついたら即行動が私のモットーだ。
「どうやら揉めている様だから私は失礼するよ。」
「ッ⁉︎ 待て!」
おっと、戦闘は私の専門外なのだよ。最低限やりたくないのでね。
私はガスマスクを被り、白衣の内ポケットから逃走用の激臭玉と激辛玉を地面に叩きつける。シューシューと音を立てながら辺り一面を赤と茶色の煙が蔓延していく。周りから断末魔や咳込む声が聞こえて来る。咳き込めば咳き込む程苦しくなる激辛玉と激臭玉のコラボレーションだ、ふはははは!私お手製の発明品だ、さぞ苦しかろう。
それでは失礼するよ? 悪魔諸君。
私は来た道とは逆の森の方へ走り出した……
第二話でした。
博士は基本的に紳士ですが内心は口が悪く皮肉屋で非常識です。
早く博士のトンデモイカれっぷりを書きたい……
ではまたノシ