sideアリア
ガタッ
小太刀が両手から滑り落ちた
ガバメントもとっくにスライドオープンして転がっている
私をぶちのめしたコイツは息一つ乱れていない
遠くなる意識の中みんなの歓声と悲鳴が聞こえる
神崎の無敗記録が破られた!
そうみんな叫んでいた
私は人生初の圧倒的な敗北を味わっていた
強襲科の闘技場で向かい会う
「縷依!あんたの実力見せてもらうわ!」
こいつには何かある
あたしの直感がそう告げている
裏付けるように縷依の事調べても経歴は何も出なかった
「あんたの化けの皮剥がしてやるわ!」
蘭豹のM500の銃声とともに縷依に向かって撃ちまくる
縷依は顔色一つ変えずに避けレッグホルスターからガバメントを取り出し足を狙い撃ってくる
自分もガバメントを使っているから弾数なども把握済みだ
縷依を追い詰めてアル=カタに持ち込む
こちらの思惑が分かったのか縷依もアル=カタで応じる
すきを見て肩に弾丸を撃ち込む
縷依との距離数センチ
当たると思った
アリアだけではなくその場に居た全員思っただろう
縷依がニヤリと笑い
次の瞬間___
「っ!!!」
アリアの背後に立ってがら空きの背中に銃弾を容赦なく撃ち込む
「ごほっ…、…げほっ」
なんで?
あの距離で回避は不可能だ。吐血しながらアリアは思う
「まだ続ける?」
縷依が心配そうに話しかけてきた
冗談じゃないと思う。まだまだ縷依は本気だしていない
「冗談じゃないわ!!」
背中から小太刀を取り出して切り掛かる
「アリア、無理するな」
「うっさい!!縷依なんかに!!」
事実こいつのいう通りさっきのであたしの動きが鈍くなっている
縷依だってSランク
こんな動きじゃ勝機が見えないかもしれない
「もうやめようよ」
刀をかわしながら縷依はいう
「何がなんでもあんたに負けないわ!」
「………ょうがない…」
ボソッと呟く縷依に思わず手が止まってしまった
「なん___っ!!!」
問おうとした瞬間とてつもない痛みが走った
「な、なん……な、の?」
体中から血が流れてく感覚
足元を見ると自分の血で真っ赤になっていた
縷依を見ると心臓がわしづかみされたかのような感覚に陥る
怖い
目の前に立っているのは美しい仮面を被った悪魔のよう
アリアの血を浴びて狂気に満ちた眼をしている
「ア、リア……」
ゆっくりと近づいてきて優しく抱擁してくる縷依
離そうとしても全く力が入らない
耳元で何か囁いた後再び首筋に鋭い痛みが走り完全に意識を手放した
side縷依
重みを感じ手元を見るとピンク色の髪がみえる
何があった?
アリアはなんで寄り掛かっているんだ?
何も喋らないアリアにいらつきを覚え手を離すと力なく崩れ落ちるアリア
「っ!!!」
名前を呼ぼうとしたが自分の違和感に気が付く
気がつかないうちにあの忌ま忌ましい本能に侵食されていたらしい
だがある程度は抑えが効くはずなのに
何故だ……
「おい!!!おま……っ!!、神崎に何した!?」
顔を上げると蘭豹が鋭い目で睨みつけてきたが自分の顔を見た瞬間驚きの色に変わりM500を構えた
口元を拭ってアリアを抱き起こし蘭豹に背を向ける
「先生……アリアを救護科に連れて行きます」
「ちょ、待てや!!星伽!!」
蘭豹の呼び止める声を無視して走りだす
闘技場から出ると野次馬達が興味津々そうに見てくるが縷依の纏う空気に自然と道を開け恐怖の色に変わる
「な、なんだ……アイツ」
闘技場の中心で蘭豹が呆然とした様子でつぶやいた