プラマイ!   作:梨味

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急遽予定を変更して「複製篇」をお送り致します。


複製篇
行方不明者・赤坂 奏


5月1日 8時34分

 

「赤坂が行方不明?」

「そう。クラスがざわつくからホームルームでは西屋先生言わなかったみたいだけど」

かなり驚いた。アイツ、普段はあんなヤツだけどクソ真面目なヤツだから体調不良以外で休んだのを聞いたことがない。

「園枝は何か知らなかったのか?」

「昨日は玲1人で帰ったから何も知らないんだって」

「そうか……」

正直、すごく心配だ。一応平静を保っているつもりだが、赤坂が突然姿をくらますなんてとてもじゃないが考えられないから何か良からぬことに巻き込まれていることも……

「とにかく、今日1日は様子を見ようよ。今は何もできないから」

「……そうだな」

とりあえず、何か進展があるのを待った。

 

同日 17時47分

 

「寒い…」

もう世間は5月だといういうのに寒い。おまけに空模様もなんだか怪しい。

奏については全く進展が無い。警察も探してはいるらしいが、その仕事ぶりが疑いたくなるほどの進展の無さだ。

「……………………………………………誰?」

無言で立ち止まり、そう言っていた。背後からつけられている気がしたのは学校を出た直後だった。背後に誰かいるのは確かだ。

「…………………怪しい者じゃない」

「女を後ろからつけといてよくそんなことが言えますね。おまけに、格好だって不審者そのものだ」

「心外だ」

マジか……そのナリで心外だとか言えるなんて……

「ところで、お前、青村 綾音か?」

「見知らぬ男にそうですなんて言えると思います?まぁ、そうですけど」

「そうか」

実を言うと、今少しだけ能力解放している。警戒心が解けたわけじゃないから。

「なら、今日の夜11時、街の外れの廃工場に来なさい」

「はぁ?見知らぬ男に名乗る時点でありえないのにそんな命令もっと聞くわけないでしょ!」

「赤坂 奏……」

「え?」

「赤坂 奏、君の友達だろ?そこにいるから迎えに行くといい。ただし、ちゃんと連れて行けるかは知らないが」

「え?ちょっと待って……」

聞き返す前に男は私の歩いていた方向に走っていった。というか、なんで奏の名前が?それに、ちゃんと連れて行けるか?意味が分からない。いや、言葉の意味は分かる。ただ、文章全体で考えたら全く分からない。………………………怪しさ満点だけど、今はちょっとした情報でも欲しい。だから、罠かもしれないけど、乗ってやろうじゃねぇの。

 

 

同日 19時24分 前山宅

 

「叔父さん、これって……」

「明らかに拉致されている一部始終だな」

僕の叔父さん・前山 尊人は県警のお偉いさんらしく、そのツテで街に設置されているカメラ映像を見せてもらった。だけど…

「この映像、昨日撮影されたやつだよね?なんで、拉致されてたことを報告しないのさ」

「実はこの映像を撮ったカメラ、警察官が盗撮のために設置したものだったんだ。だから、報告していなかった……」

「ふざけんな!」「!」

「1人の中学生が拉致されて、命がかかってるかもしれないんだ!それをくだらない事情で濁すんじゃないよ!」

両親以外に声を荒げたのはいつ以来だろう。だけど、これだけは許せない!

「…………………そうだな」

「叔父さん……」

「今すぐ、赤坂さんのご両親に報告に向かわせる。キッチリと」

「………………ありがとう」

僕は、ひとまず胸を撫で下ろした。だが、それ以降の足取りは分かってないから、安心はまだできない。とにかく、早く見つかってくれ…

 

 

同日 23時00分 廃工場

 

「・・・・・・」

23時になった。だけど、誰かが来る様子はない。もちろん、奏もいない。

「やっぱガセかな」

一応、何があってもいいように身軽な格好で来た。でも、私のゴッドウエポン、刃物はないけどね。持ってきたかったけど、親に見つかったらとんでもなことになる。

ガシャン!!

そのとき、一斗缶が倒れたような音がした。そして、人の気配も感じられた。だけど、薄明かりがついているとはいえ、一寸先はよく見えない。

急ぐようにして入り口から外を覗いてみたが、外には人の気配が無い。

「誰なの?」

そう言って、中のほうに振り向くと人がいた。そして、こう言った。

「死ね」「!!」

聞いたことのある声、どこか懐かしい声。そう、目に前にいるのは赤坂 奏だ。だけど…

バンッ!!

破裂音が聞こえた直後の記憶は無くなっていた。意識が飛んだのだろう。肩も痛い。

 

彼女、赤坂 奏はどうしてしまったのだろう。これが僅かに意識が飛んで、意識が戻って一番に思ったことだ。

 

to be continued……




さらっと親族が出てきましたがお気になさらず。

次回、複製篇第2話
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