プラマイ!   作:梨味

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過去最大文字数!2300字だけど。


Our faith

5月2日 7時30分

 

戦いは続いていた。前から、僕も赤坂も……というか、僕に関わる人間は大体しぶといらしい。だから、どちらも一向に倒れる気配は無い。どっちも、戦いを放棄するなんてマネはしないだろう。少なくとも、僕はしない。

「はぁはぁ………」

「…………」

しかし、どちらも息遣いが荒い。赤坂は我慢しているようだが、やはり疲労しているように見える。

「…………………!!!!」

「なっ!………」

スゲー速さでこっちに向かってきた。避けようとしたのだが………

「がはぁ…………!!」

右腕を全力であろう一撃で折られた。すると、すかさず左足に拳銃を当ててきやがった。そして、次の瞬間、トリガーが引かれて足に着弾。一瞬、思考が停止する。だが……

「赤坂ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

僕の右足は、図らずも赤坂を蹴っていた。まぁ、当たり前だが吹っ飛んだ。しかし、すぐに立ち上がろうとする。だが、僕の脳と生きている足はそれを許さなかった。脳も左足も色々な意味でボロボロ。でも、これだけは脳が命令を出し、生きている右足が行動した。

「許してくれ、お前を目覚めさせるためだ」

僕の刀は、赤坂の右腕と左足を突き刺していた。

「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

コイツの肉声を聞いたの、久しぶりだ。ブラックアイは、心をも閉ざす。だから、何か喋ることはしない、何か痛みを感じたりしない限りは。

「…………………」

「そんなに睨まれてもな」

見当違いだったらしい。僕のときは、痛みで暴走は治ったらしいが、どうやらこれは違うらしい。

『おい前山』

「水田?こんなときになんだよ」

『首を冷やせ、そうすれば暴走が止まる』

「は?」

気付いたら無線が切れていた。急いでいたようだったが、やはり冷静だった。それはどうでもいいが、首を冷やす、か……………こんな日ほどそれがしやすい日は無いだろうな。

「赤坂!目を覚ませ!」

赤坂が悶え苦しんで半うつ伏せ状態になっているところに、雪玉を投げ込んでやった。首に。

「もう、止めろよな……」

赤坂も気絶してしまったが、僕も意識がそこで途切れていた。こんな戦い、久しぶりだったからな。

 

 

5月3日

 

「また数ヶ月のうちにに来るだって!?」

「あぁ」

僕は、長田研究所の水田ルームに来てる。それはどうでもいいが、また来るらしい。天地獣が。まぁ、覚悟しろって時点でまた来るのは予想できていたが。

「だから、能力増強計画の遂行が急がれたと」

「そうだ」

「…………………なら、なんで赤坂なんだ。別に他の人でも良かっただろう」

「信頼が、必要だった………」

「へ?」

ボソボソと言ったが、確かに信頼が必要と聞こえた。どういうことだろう?

「信頼って、何だよ」

「いや、何でもない。ところで、アンタは何でここが分かったんだ」

「……………敵は、案外近くにいる。かな?」

「は?」

「映り込んでいないつもりだったんだろうが、残念だったな」

「!!!」

どうやら、もうどういうことか分かったらしい。なら、正解を言う必要はなさそうだな。

「大丈夫。叔父さんにはいろいろ黙っておいてもらってるから。じゃあ、僕はこのナリだから、お引き取りするぜ」

「そうか…………俺も、野暮用があるからこの辺で」

「あ、ちょっと待て。もう1つ、聞きたいことが」

「何だよ」

「僕や青村に能力を与えたのは、お前たちか?」

「…………違うな。アンタらに能力があるのを知ったから、計画を実行に移した」

「そうか。じゃあ今度こそ出てくぜ」

「あぁ」

水田や、長田研究所とは長い付き合いになりそうだ………

 

 

「あっつ……」

昨日までの異例の天候が嘘みたいに暑い。おかげで雪ももうすっかり無くなっている。

「まーえちゃん♪」

「あ、赤坂!?つ、つーか今右腕シャバシャバなってっからシェイクやめれ」

コイツ………いきなり抱きついてきやがった。コイツには羞恥心は無いのか………あ、そういえば無かったわ。

「病院はどうした」

「逃げ出してきちゃった☆」

「逃げ出してきちゃった☆じゃねぇよ!今すぐ病院戻れ!これでも心配なんだよ……」

「え?今なんて〜?」

「な、なんでもないよ!」

と、冷たく当たってるけど、やっぱり心配だ。傷つけた本人が言えたことじゃないとは思うが。

「…………………ごめん」

「へ?」

「私が注意しきれてなくて、連れ去られて、変なモノまでつけられた。強くなれたみたいだけど、うれしくない」

「赤坂………」

ここまでショボくれてる赤坂は初めてだ。いつも下ネタしか言ってないようなヤツが、ここまでになるとは………

「赤坂」

「何?……」

「しょうがねぇじゃん、いくら注意してたって相手の知恵が勝ってしまえば意味が無いんだから」

「そんなもんかな………」

「それに、その能力が嫌みたいだけど、僕だってそれは同じだ」

「え?」

「僕だって、この能力は好きになれない。だけど、僕がこの日本、この世界を救えていると思うと、まぁいいかって諦めがつく」

「ということは、私も戦わないといけなくなるの?」

「まぁ、そうだな。いつか、お前の力が必要になる。この数ヶ月以内に」

「数ヶ月以内!?」

「あぁ」

「…………………………そっか、私、必要なんだね」

「あぁ、そうだとも」

赤坂は、最初暗い表情を見せていたが、自分が必要だと知った瞬間、パァと表情が明るくなった。

「ねぇ前ちゃん」

「なんだ」

「ヤろ?」

「…………………………骨折が治ったらな」

「マジ?やったあ♪」

まぁ、いいや。子供を孕んでしまっても。つーのは嘘だが。とにかく、赤坂が明るくなってくれてよかった。

 

とりあえず、この騒動は終わった。だが、また数ヶ月以内に大きな戦いが待ち受けている。だから、赤坂もこの能力を手に入れたのはデカイ。あまり友人を巻き込みたくはなかったが。でも、ポジティブに捉えておくか。今からネガティヴになってたら、体が持たないからな………

 

〜複製篇・完〜

 




赤坂は下ネタ言わせてるのがちょうどいい。

次回からまたギャグ回!新キャラが出てくる、かも?
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