今日明日、午後から用事があるため、午前に投稿します。
それではご覧ください。
もうすぐ梅雨明けだというのに、この豪雨は一体何なんだ・・・。くそっ、降らないと思って傘持って行かずに、自転車で来てしまったから、しばらく待つしかない。
「あれ?比企谷君」
下駄箱の入り口で、上を見上げながらやむのを待っていると、横から太宰が話しかけてきた。
「どうしたの?帰らないの?」
「傘持ってきてないんだよ・・・」
「ありゃ、それは大変だ。はい、入っていいよ」
太宰は傘を広げ、俺の袖を引っ張りながら、自分の入っている傘に入れようとした。
「おい、それはさすがにまずい。大丈夫だ。すぐやむと思うから」
「この豪雨で?」
「うっ、待つ」
さすがに相合傘とか俺には到底無理だ。第一目立つし、太宰に色々な意味で迷惑がかかるかもしれない。
「さ、遠慮せずに入りなさい!」
「いや、だから」
「早く帰りたいんでしょ!」
掴まれた腕を強引に引っ張られ、無理矢理相合傘の中に入れられてしまった。
「はぁ、分かったよ。傘は俺が持つから」
「うん。お願いね♪家はどっち?」
「校門から出て右だ。悪いな、歩かせちまって」
「気にすることないよ。困ってたから助けただけ」
こいつやっぱりお人好しだなあ。きっとさぞかしおモテになっているんだろう。こういう奴は誰に対しても優しいからな。
少し喋りながらも、我が家に到着した。
「本当にありがとな」
「ううん、いいよ。・・へえ、ここが比企谷君の家か」
太宰は俺の家ををまじまじと観察している。普通の家だよ?兵器とかそういうの仕組まれてないから。
「ありがとな太宰。今度何か礼をする」
「え?いいよわざわざ」
「いや、しなきゃ俺の気がすまない」
「・・・うーん、そこまで言うなら・・。あ、そうだ!明日土曜日で学校休みだよね」
「そうだけど」
「じゃあ、明日比企谷君の家行っていい?」
・・・・ワッツ?この子、今何を言ったのかわかっているのかな?いいのか?男の家にホイホイ入ってきて(イケボ)。
「太宰は大丈夫なのか?」
「え?何が?」
うわぁ、気に留めないどころか完全に気付いていない様子だ。逆に意識してしまっている俺が恥ずかしくなってくる。
「まぁ、太宰がいいならいいぞ」
「本当!やったー。じゃあ明日、11時に行くね♪」
「随分と早いな。・・・分かった。じゃ、また明日な」
「うん。じゃあね」
「ただいま」
「あ、おかえり。お兄ちゃん。・・なんか話し声が聞こえたけど、誰かいたの?」
「ああ、実は傘忘れてな。太宰が入れてくれたんだ」
「・・・・はぇ?だ、太宰って、この前にデートした?」
「デートじゃない。お出かけだ。・・・そうだけど」
「あ、あ、・・あ、あのお兄ちゃんが、あ、相合傘ーーーーー!?」
おい、言うな、何も言わないでくれ。俺だって遠慮したんだよ。
「お兄ちゃんの青春が到来だーーーー!」
両腕を天に仰げながら大声で叫んでいる小町を無視し、枕を被って悶えようと、自室に籠ろうとしたら、小町は俺の肩を掴み、相合傘の経緯を全部吐かされた。
「ふむふむ、それで明日、うちで遊ぶことに・・・」
「あ、ああ・・」
何でこんなことになってしまったのだ・・・。そして、小町は少し座っていた椅子から離れ、何故か電話をしている。
「うん、じゃあ明日ね。バイバーイ♪」
この世に生を授かって17年。これ以上ないというくらい史上最悪な嫌な予感が、俺の全身を駆け巡る。
「小町、明日友達と勉強することになったから。帰りは夜になるかな♪」
「はぁ!待て待て待て。家で男女が2人だけなんてマジでシャレにならない!そして何故そう仕込んだ?」
「やっぱりぃ、お邪魔はしない方がいいかなぁ~なんてぇ♪。後お兄ちゃんヘタレだからそんな間違い起きないでしょ?」
「うわ、すっごい笑顔で言ってきたな。すげぇ腹立つ。でも否定はできない」
「頑張ってね♪」
小町は鼻歌交じりで、そそくさと自分の部屋に戻っていった。っていうか頑張るって何を頑張るんだよ・・・。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
なんかこれ八幡じゃないな感が否めないので、少し捻デレ度をアップさせようかなと思う。
また明日。