俺の高校生活は、彼女によって変化が訪れる   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

それではご覧ください。


16日目

 

私、太宰春歌はアポなしで比企谷君の家に訪問。ドアを開けたと思ったら、まさかの閉店ガラガラ。ムッとした私は、そのドアを開けたとき、目の前には比企谷君とその妹、小町ちゃんが立っていた。その小町ちゃんは、私と話したいことがあるという事で、兄である比企谷君を追い出し、リビングへと誘導された。

 

「それで、兄とはどういう関係ですか?」

 

い、いきなりぶっ飛んだ質問だ!・・・そっか、兄の事だから心配なのかな?そうだよね。会ったことのない人なんだから当然だよね。

 

「友達だよ」

 

今はね!

 

「友達ですか・・。兄とはどういった経緯でそんな仲に?あのごみいちゃんは自分から人と関わることなんて、小町が大嫌いと言わない限り、しないんですよ?」

 

ご、ごみいちゃん?比企谷君、何でそう呼ばれてるの?それと、今の話を聞いた限り、シスコンなの?頭が疑問で一杯です。

 

「入学式の日に、比企谷君がナンパから助けてくれたんだ。凄かったんだよ!3人相手に怪我なく追い払ったし!強かった」

 

「あー、お兄ちゃんは昔から体鍛えてるんですよ。なんか、いつどこで何されるか分からないって言ってね」

 

「どうして比企谷君はそう思ってるの?」

 

「小学生の時にちょいといざこざあったんですよ。それが原因で筋トレとか始めたらしいです。今じゃ、並の空手家よりは強いと思いますよ」

 

そっか・・・。だから自分から1人に・・・。

 

「でも、そんなお兄ちゃんが変わりつつあるんですよね。春歌さんのおかげです」

 

「え?私?」

 

「はい。なんか捻くれ具合が下がったり、自虐も減ってきたなぁと思ったんですよ。だから、ありがとうございます。そして、今後もあのごみいちゃんをよろしくです」

 

小町ちゃんは、はにかみながらそう言って、軽く頭を下げた。兄思いのいい妹だなぁ。何だか温かい・・・。

 

それと、自虐が減ったのは、言う度に私が頬を引っ張ってるから、そのせいだと思います・・・。

 

「うん。こちらこそよろしく」

 

私は、笑顔で短くそう返事をした。

 

「さて、ではいよいよ本題へ・・・」

 

小町ちゃんは、急に人が変わったかのように、目を細め、ギランと光らせた。

 

「兄の事、好きなんですか?」

 

「・・・・え?」

 

ええー!完全に予想外のドストレート質問が来てしまった!焦りのせいで口が上手く回らない。

 

「え、ええと・・・」

 

「さっきは友達と言ってましたが、心の中では今はね!とでも思ってましたね?」

 

なにこの子、エスパーか何かなの!?怖すぎる!小町ちゃんが段々前のめりになっているため、身が縮こまってしまう。

 

「好きなんですね?」

 

「はい・・・」

 

想い人の妹の勢いに気圧されて、負けてしまった私です。

 

 

「いやぁ、まさかお兄ちゃんを好きになる人がいるなんてねぇ。小町ビックリ。惚れた決定打は何ですか?」

 

「決定打っていうか・・。私、今まで恋って知らなくて、人を好きになるのも、分からなかったんだよね」

 

「珍しいですね・・・」

 

「それでね、友達に比企谷君といるとどんな気持ちなのかって話したら、それが恋だよって教えてくれてね。なんか気付いたら、顔まで赤くしちゃってて」

 

「ち、ちなみに、その気持ちとは・・・?」

 

「こ、心が、温かくて、楽しくて、可愛いって言ってくれて嬉しい・・。も、もうやめて!恥ずかしくて死にそう」

 

段々と声が小さくなり、次第に顔も自分でわかるほど真っ赤になった私は、限界になりテーブルに突っ伏してしまった。

 

「うはぁ、ベタ惚れじゃないですか・・・。さすがの小町も予想外です」

 

「それ以上言わないでぇ!?」

 

小町ちゃんの顔をちらっと見ると、清々しいほどの満面の笑みを浮かべていた。く、悔しい・・・。

 

「それじゃあ、兄を呼んできますね。お二人でごゆっくり。頑張ってね。未来のお義姉ちゃん」

 

「お、お義姉ちゃん!?ちょっとぉ!」

 

何だろう・・・。小町ちゃんには一生勝てない気がする。あの全てを見透かした様子は、比企谷君と似ている気がする。さすがは兄妹というわけか。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

挿絵が欲しい・・・。友人に絵描ける人いるんだけど、なかなか都合合わないんだよなぁ。もういっそ自分で描く?無理だな。

また次回。

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