夏コミ行こうか迷ってます。
それではご覧ください。
本日、ついに文化祭の開幕です。私、太宰春歌は、比企谷君との文化祭巡りというお楽しみを胸に抱き、現在受付を頑張っています。仕事がない比企谷君が羨ましいです。
ちなみに比企谷君とは、いつもの場所で待ち合わせをしています。後30分、頑張ろう。
「春歌、もういいよ」
気合を入れなおし、仕事に真っ当しようとしたら、突然友人に話しかけられた。
「え?何が?」
「後は私たちがやるから」
「え?何で?」
「比企谷君と約束してるんでしょ?ほら、行ってきなよ」
そう言うなり、私が付けていた受付の腕章を取られてしまった。そして、見事に見抜かれてる!誰にも言ってないのに!
「そんなにそわそわしてたら、誰だって気付くよ」
嘘!そんなに分かりやすかった。無意識に態度に出ちゃってたんだ!恥ずかしい!
「ほらほら、彼氏が待ってるんでしょ?」
「まだ彼氏じゃないよ!・・・・ありがとう」
「いいっていいって。後で一杯話聞くから。ガツンといっちゃえ!」
拳を突き出して、応援してくれる友達。私もそれに応えるべく、拳を突き出した。
「うん。決めてくる!」
友達の応援のおかげで、少し自信がつきました。
今日、私は比企谷君に告白します。
いつも話している場所に着くと、比企谷君が飲み物を煽りながら、待ってくれていた。
「お待たせ」
「おう。お疲れ」
彼は私に労いの言葉を送り、飲み物を差し出した。あ、私の好きな紅茶だ。
「ありがとう。よく知ってたね。私の好きなもの」
「たまたまだよ」
うっそだぁ、私が紅茶買ってるとこ見たくせにぃ。
「じゃあ、取り敢えず、適当に回ろうか」
やっぱり文化祭と言ったら食べ物だよね。私は片手にアメリカンドッグ、対する比企谷君はクレープを食べている。彼はかなりの甘党だ。
「あ、折角だから私のクラスのお化け屋敷行ってみる?」
「いや、辞めといた方がいいんじゃ・・・」
「どうして?」
「お前のクラスだろ?俺なんかといたら、変な噂されて迷惑かかるんじゃないか?」
・・・はぁ、おそらくこれが彼なりの優しさなんだろうけど、ここまでくると呆れるというか、さすがにムッとくる。
「もしかして、怖いからそんな事言って逃れようとしてる?」
口に手を当てながら、嘲笑のしぐさをした。
「なっ、そんなんじゃねぇよ。いいぜ行ってやるよ」
煽り成功。ただ単に怖がってる比企谷君を見たいだけ。普段あんなにクールぶってる人が、ビックリする姿を拝みたい。
「キャア!」
「わっ!」
「比企谷君!」
「・・・・・」
「何でお前が一番怖がってんだよ!」
「だ、だって、ここまでのクオリティだとは思わなくて。ていうか、比企谷君全然怖がってないし・・・」
「何でクラスのお化け屋敷の仕組みを知らないんだよ・・・。ていうか俺も結構ビビったぞ。表に出してないだけだ」
ず、ずるい。そのポーカーフェイス力を少し分けてほしい。
あ~、怖かったけど、その拍子で思わず比企谷君にしがみつけたからいいや。
チョンチョン
ん?唐突に肩を叩かれた。振り返ると、先程仕事を請け負ってくれた友人が、何か紙をもって立っている。
「はいこれ」
渡された謎の紙を見ると、そこには驚愕の光景が・・・。
先程、私は比企谷君にしがみついたと言いました。そして、その瞬間を友人に撮影されていたという、とんでもなく恥ずかしい写真です。
「ちょっと!何やってるのー!」
羞恥半分怒り半分に、友人の両肩を思いっきり揺らした。
「だ、だって、思い出づくりに」
「もっと他に方法あったでしょー!なんでわざわざナイトスコープまで使ってるのー!」
「ど、どうした太宰?急に大声なんか・・・」
突然大声をだした私を心配したのか、比企谷君が驚きながら、ポカーンとしている。
「な、なんでもないよ!」
私は咄嗟に写真をポケットにしまい
「なんか、体育館で何かやるらしいから行ってみようよ」
「お、おい太宰!」
誤魔化すように強引に比企谷君を連れて、体育館へと向かった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回は結構力いれてるので、読んでくれると嬉しいです。
また明日。