最近、八オリ作品が増えてきて、歓喜しています。
それではご覧ください。
晩飯も食い終わり、風呂から出た後、自分の部屋に戻ると、メールが届いていることに気づいた。春歌からだ。
『明日は購買で買わないでね。それと一緒に食べよう。答えは聞かない』
拷問?何も買わせないつもりなのに、一緒に食べよう?答えは聞かないって・・・。どういうつもりなんだろう。もしかして、『今日の昼ご飯は私だよ』って言いだして、人気のないところに連れて行かれるのか?『私を食べて』って言われるのか。もう~春歌ちゃんったら破廉恥ねぇ~。大歓げ・・コホン。はい、よからぬ妄想もここまでにしよう。
取り敢えず、パンは買わない。答えを聞くつもりはないという事だな。了承。
翌日、約束通り何も買わず、晴天の中、ベストプレイスにて、春歌の到着まで待機。今日も頑張ってるなぁ、テニス部。あの銀髪美男子、確か同じクラスになったんだよな。まぁ、向こうは知らないだろうが。
「はちまーん♪」
いつもよりニコニコと上機嫌な可愛い笑顔でやってきた春歌。手には2つの弁当がある。
「はい、お弁当作ってきたよ」
「本当か!ありがとな」
何も買うなというのはこういう事だったのか。素直に凄い嬉しい。手作りの弁当なんて何年ぶりだろう。
中を見ると、卵焼きにアスパラのベーコン巻き、ハンバーグに唐揚げなど、男子高校生には嬉しいおかず且つシンプルイズベスト。俺にとって完璧と言っていい。
「いただきます」
早速卵焼きを一口。・・・美味い!そして甘い!まさか甘い卵焼きを食べられるとは・・・。
気付けば、無我夢中で食べていた。
「ごちそうさまでした」
ものの10分しないうちに全部食べ切ってしまった。
「えへへ、そんなに美味しかったんだ♪」
春歌は満面の笑みを浮かべている。
「ああ、マジで美味かった。毎日食いたいくらいだ」
「じゃあ、毎日作ろうか?」
「でも、きつくないか?」
「寧ろ、そこまで美味しく食べてくれるなら、やる気も出るよ。・・・それに、花嫁修業になるしね」
そこまで恥ずかしがるくらいなら、最後のは言わなくてもよかったんじゃないか?改めて俺も恥ずかしくなってくる。
「なんか、弁当作ってもらうのに、さらにここまで歩かせるのは申し訳ないな」
「気にしなくていいのに・・・」
「いいや、気にする。春歌がそこまでしてくれるんだ。俺も少しは変えなきゃいけない。・・・だから、これから昼は一緒に食おう。教室で」
「いいの?」
「ああ」
正直、こんなに可愛い彼女が俺なんかと一緒に食うなんて、っていう周りの嫉妬と何かされる怯えてたが、今日で終わりだ。堂々としてよう。彼氏がこんなんじゃ、春歌に申し訳ない。
「あ、お弁当のおかず、何かリクエストある?」
「そうだなぁ。量は今日よりも多く、肉多めのバランスが取れるおかずがいいな。お願いできるか?」
「うん!任された!」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
また明日。