俺の高校生活は、彼女によって変化が訪れる   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。



それではご覧ください。


4日目

俺にとって唯一の憩いの場、昼間の潮風が心地いい、このベストプレイスで、日課の昼食タイムを楽しんでいた。俺は基本購買でパンを2個買うだけだから、食う時間をさほど有しない。20分くらいは余裕ができるため、こうして、潮風とテニスボールがはじける音を堪能しながら、遠くを見つめている。この時間が、学校で唯一くつろげる場所だ。

 

「あ、やっぱりここにいた」

 

するとそこへやってきたのは、前に俺にとって人生で初めての友達である、太宰春歌が訪れた。

 

「太宰か」

 

「やっほー」

 

何ともあほらしい挨拶だ。そして、いつものように俺の隣に座ってきたので、俺はいつものように少し距離をとる。

 

「いいね~、ここ。風が気持ちいい」

 

「ああ。ここは俺が苦労して、1人でいられる場所を見つけたんだからな」

 

「まぁ、確かに人通りは少ないし、案外くつろげるかもね」

 

太宰はそう言って、腕を上にあげ、背筋を伸ばした。今は絶対に横を向いてはいけない。煩悩退散。

 

「それよか、何でここに来たんだ?」

 

「比企谷君いるかな~?って思ったから」

 

えー、その言い方だと、俺に会いたがってるように聞こえるじゃん。昔の俺だったら勘違いして、勝手に舞い上がってるところだぞ。

 

「クラスの友達とでも話してればいいのに。俺といたって、あんまり楽しくないぞ」

 

「いいのいいの。ちょっとお喋りしたかっただけだし」

 

「お喋りって・・・。俺に話題提供スキルなんてないぞ」

 

「私が勝手に話すからいいの」

 

「そーかい」

 

そこまでして俺と話したいことでもあるのか?

 

「そういえば比企谷君。私のメール無視したでしょ?」

 

「は?メール?・・・・・あ、きてる」

 

受信履歴を確認すると、一番上に太宰春歌という文字があった。時刻は23時という夜中だ。

 

メールの内容は

 

『今日の夜ご飯、私の大好物のオムライスだったんだ~。美味しかった!

 比企谷君は何が好きなの?』

 

という、俺にとっちゃ至極どうでもよい内容だった。

 

「いや、こんなことわざわざ送らんでも・・・」

 

「ええー、初めてのメールなんだから、これくらいがいいの。それで、比企谷君は何が好きなの?」

 

友達同士って、こんなどうでもいいことをわざわざメールでやり取りしているのか?俺にはいまいち理解ができいない。・・まぁいいや、とりあえず質問には答えよう。

 

「俺は、ハンバーグだな。和風でもデミグラスでも、何でもいける」

 

「成程。ハンバーグね。・・・子供?」

 

「オムライスの太宰には言われたくない」

 

そもそも、ハンバーグ好き=子供っていう思考がすでに子供のような気がする。

 

「オムライスは子供じゃないよ!」

 

「いや、そこで熱くなられても困る。そろそろ予鈴もなるし、行った方がいいぞ」

 

「あ、そうだね。じゃあ、行こうか」

 

あれ?何で俺も一緒に行くことになってるんだ?お1人でどーぞ。

 

動かない俺を不思議そうに首を傾げながら、こちらを窺っている。

 

「ん?どうしたの?早く行こう」

 

どうやら、俺の意図が伝わっていないらしいので、仕方なく一緒に戻ることになってしまった。

 

「あ、次からはちゃんと返信してよね」

 

「善処する」

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

奉仕部には入れないと思います。

また明日。

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