FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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だいぶお待たせしました。
色々と忙しく、こんなにかかってしまいました。
これからもぼちぼちやっていきますのでよろしくお願いします、


第112話 陽だまりの中に

たった一瞬で数百の敵を倒したクスコ。

側で見ていたエルザたちにも何が起こったかわからなかった。

突然凄まじい風がクスコを中心に広がり、敵を血だらけにして倒したのだ。

クスコは子供達が入れられている檻を切り裂き、子供達を解放した。

 

「大丈夫だったかい?」

 

クスコはさっきまでの冷たい顔ではなく、優しい表情に戻っていた。

 

『先生〜!!!』

 

子供たちはやはり怖かったのか全員クスコに抱きつく勢いで迫ってきて、くすこはそれを優しく受け止めた。

 

「怖かったね。もう大丈夫ですよ」

 

一人一人の頭を撫でて慰めていると、倒れた敵の中から動く音が聞こえてきた。

 

「ギャホ……ゲホッ………!お、思い出したぜ………お、お前の正体………!!」

 

血だらけの傷だらけになったガトーが咳き込みながら声を出す。

 

「あいつ!あの時のギャホ猿か!!」

 

「なんでこんなところに……」

 

戦ったナツとグレイはガトーがいることに驚き、クスコはガトーに向かって歩き出す。

 

「ギャホホ……!アンタみたいな奴がこんなところで孤児院なんて……似合わねぇな!!ゲホッ!ゲホッ!」

 

ガトーは苦しそうにしながらも嫌らしい笑みを浮かべ、大声で叫ぶ。

 

「なぁっ!!元悪魔の心臓(グリモアハート)の幹部!!!処刑人クスコ!!!」

 

ガトーのその言葉にハルト以外の妖精の尻尾のメンバーは驚きの表情を見せた。

 

「悪魔の心臓!?」

 

「パラム同盟の一角だ!!」

 

「クスコさんが……元幹部!!?」

 

子供たちも戸惑う様子を見せるが、クスコはそれに構わず、また手から大鎌を作り出し、ガトーに向かっていく。

 

「いかん!クスコ殿を止めろ!!!」

 

最悪の事態が頭によぎったエルザは声を張り上げるが、その時にはもうクスコは鎌を振り下ろそうとした時だが、その腕をハルトは掴んで止めた。

 

「やめろ。殺気、漏れ出てるぞ」

 

クスコはゆっくりと腕を下げ、魔力を抑えた。

 

「ギャホホホホッ!!アンタが命を取らねえなんて!!!何があったん……」

 

「フン!!」

 

「ギャホ!!?」

 

ガトーが煽ってくるが全てを言い終わる前にハルトは拳を顔に叩き込んで無理矢理黙らせた。

こうして事件は一件落着したが、クスコたちには重い思いを残させた。

 

 

その後、呼び出された軍によりガトーを含めた盗賊たちは捕縛され、協力した村人たちも捕縛された。

ルーシィたちは怖い思いをした子供たちを慰めるため一緒にいるが、その中、ルーシィは少し離れたところでボロボロになった屋敷を見つめているクスコとそこに近づくハルトを見ていた。

 

「大丈夫か?」

 

「……ん?あぁ、体に怪我はないよ。何も攻撃は当たってないしね。久しぶりに魔法を使ったが鈍ってなかった」

 

「体のことじゃない」

 

ハルトのその言葉にクスコは悲しげな表情になる。

 

「この子達を育てていて、もうあの頃の自分とは決別できたと思っていたよ……だけどそんなことはなかった……僕はやっぱり最低な人間だ」

 

「そんなことは……」

 

「彼らを傷つけても何も感じなかった。当たり前のように血を流させたんだよ?普通の人間の感性じゃない……」

 

ハルトが否定しようとするがクスコは自身がいかに狂っているか静かに話す。

 

「………そんな狂ってる人間があんなに慕われるかよ」

 

「え?」

 

「パパーー!!!」

 

ハルトの呟きにクスコが振り返るとレジーが抱きつく勢いでクスコに飛んできた。

クスコは慌てて受け止める。

 

「レジー……」

 

「パパすごいよ!!あんなに強かったんだ!!」

 

「でも…僕は………」

 

「パパはあたしたちを守ってくれたんでしょ?それにあたしたちはパパがとっても優しいことは知ってるよ」

 

レジーは屈託のない笑顔を見せる。

クスコは戸惑う表情を見せるが、エルザたちといる子供たちもレジーと同じ笑顔で憑き物が落ちた顔になった。

 

「ありがとう」

 

 

その後、ボロボロになった屋敷から荷物を取り出し、引っ越しの準備をしていた。

 

「軍に言えば屋敷も直してくれんじゃねえか?」

 

「いや、元々麓の村人とは仲が悪かったし、これを機に違う土地に引っ越そうと思ってね。どこがいいかな?」

 

すると皆、手を挙げて次に住みたいところを挙げていく。

 

「お城!!」

 

「街がいい!!」

 

「暑いところだろ!!」

 

「バーカ。寒いところだろ」

 

「鍛錬できるところがあれば文句はないな。あと美味しいケーキ屋があればなお良し」

 

「あの……クスコさんたちの引っ越しなんですけど……」

 

何気に混ざって自分が住みたいところを言ってくるナツたちにルーシィは静かにツッコむ。

 

「海がいいな」

 

レジーの一言にクスコは笑顔で頷く。

 

「じゃあ海にしようか」

 

結果、彼は海辺の村に引っ越すことに決まった。

荷物を全て荷台に乗せ、間も無く出発する前にそれぞれが別れの挨拶をしていた。

 

「本当に報酬金はいいのかい?」

 

「ああ、こっちはほぼ働いてないしな」

 

「子供達と過ごせて楽しい時間だった。その金は子供たちとの新しい生活に使ってくれ」

 

クスコは報酬金を払うと言うが、今回はクスコが大多数の盗賊を倒してしまったので、報酬金をもらうのは悪いとハルトとエルザが申し出ていた。

 

「また野球しような!ナツにいちゃん!!」

 

「おう!!またな!!」

 

「今度遊ぶ時は魔法教えてね」

 

「任せろ」

 

「今度は魔法見せてね!」

 

「うん!もっと上手になるね!!」

 

「僕も!!」

 

子供たちはナツたちにまた遊ぼうと約束していた。

 

「ふぇ〜ん、別れたくないよぅ……」

 

「キャス!猫ちゃんたちは自分たちの家があるから離さないと可哀想だよ!」

 

「オイラたち、ナツたちのところに帰らないと」

 

「レインたちが心配だよー」

 

「三食魚付きだよ?」

 

「………」

 

「ちょっとオスネコ!」

 

ハッピーたちに懐いていた猫耳の少女は別れたくないのか、離さない。

 

「ルーシィお姉ちゃん!」

 

「レジー!」

 

「ルーシィお姉ちゃん!パパと仲直りできたんだ!それとね……パパが魔法を教えてくれるんだって!」

 

レジーが嬉しそうに言うが、ルーシィは昨夜のクスコの姿を思い出し、少し不安になったがレジーの嬉しそうな表情にそんな考えは何処かに行ってしまった。

 

「よかったわ!魔法の勉強頑張って!」

 

「うん!ルーシィお姉ちゃんもハルトさんとの関係頑張ってね!!」

 

「えぇっ!?な、なんでそれを……!!」

 

「バレバレだよ?」

 

その後、別れの挨拶も済ませ、クスコ一行の馬車が出発しようとしていた。

 

「それじゃあ、皆さん。本当にありがとうございました」

 

『ありがとうございました!!!』

 

「気にすんな。落ち着いたら手紙くれよ」

 

「みんな!元気でね!!」

 

手を振って別れの挨拶をしてくる子供たちを見送ったハルトたちもギルドへの帰路についていた。

 

「しっかしよー今回の報酬は本当に貰わなくてよかったのかよ」

 

「仕方なかろう。確かに我々も盗賊を討伐したがそれは微々たるものだ。ほとんどがクスコ殿が討伐したのだ」

 

「今回はウェンディたちの初仕事だったのよ!!貰えるものはちゃんと貰っておきなさいよ!!」

 

「シャルル!私はいいから!」

 

「僕も気にしてないよ」

 

「あたしもー」

 

「アンタに言ってないわよ!」

 

「ひどーい!」

 

皆が楽しそうに話しているのを横目で見たハルトはふと外の景色に目を向け、クスコの言葉を思い出していた。

 

(エリオが闇ギルドに?なんで……)

 

ハルトの心に不安が広がっていた。

 

「嫌な予感がするな………」

 

「ハルト、どうかした?」

 

考え込んでいたハルトが気になり、ルーシィが話しかけてきたが、ハルトは顔に出さず、笑って見せた。

 

「なんでもねぇよ」

 

「そう?あっ!そういえばね!この前新しいケーキ屋さんを見つけたの!一緒に行かない……?」

 

「何!?新しいケーキ屋だと!ルーシィ!私が行こう!!」

 

「いや……エルザじゃなくてハルトと行きたいんだけど……」

 

いつもの光景にハルトの不安は片隅に追いやられた。

しかし、この時の嫌な予感が後に現実になってしまうのはまだハルトには分からなかった。

 

 

草木が生い茂り、蔓がいたるところに巻きつき、半壊している建物がほとんどで人が生活している面影は全く見られない古代都市。

その中心部にある一際大きな建物の中を眼鏡をかけた灰色の髪をした優男風の男が歩いており、開けた場所につき、その中央で低いステージのようなところに座っていた金髪の男が優男に話しかけた。

 

「準備はできたのか?」

 

「いいえ。あともう少しかかりますね」

 

「急がせろ。最近評議員が嗅ぎ回っている」

 

優男はその容姿と同じで物腰が柔らかい話し方だが、その答えに金髪の男は少しイラついた口調で命令した。

 

「わかりました。しかし、貴方はどうなんですか?」

 

「何がだ」

 

「かつての仲間を殺せるんですか?エリオ」

 

金髪の男の名はハルトが心配していた仲間と同じエリオだった。

 

「仲間か……アイツは仲間じゃない……………仇だ」

 

エリオの目に怒りと殺意が宿る。

 

「そうですか……それで誰を儀式に使うか決まりましたか?」

 

「……こいつだ」

 

エリオはポケットから写真を取り出し、優男に向かって投げ、それを拾う。

 

「なるほど……」

 

「行くぞ。狙うのはルーシィ・ハートフィリアだ」

 

不穏な影がハルトたちに近づいていた。

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