FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

115 / 141
新章アンドオリジナル回です。
ここから二連でオリジナル回をやります。
漸くハルトの過去が明らかになります。

オリジナル回なので色々おかしいところがあると思いますが楽しんでくれれば嬉しいです。


覇王の追憶 篇
第113話 過去からの依頼者


いつも通り賑やかな妖精の尻尾のギルド。

その裏庭でハルトはカミナ、レインと一緒にいた。

 

「霊槍スイレーン第三形態……!!ぐぐぐ……!!!」

 

レインは霊槍スイレーンを掲げて魔力を大量に込めて叫ぶとスイレーンが発光するが、それ以上なにも起こらない。

 

「そこまでだ」

 

カミナがレインに声をかけるとレインいは槍を下ろし、肩で息をするほど疲れた様子だった。

 

「ハァ…ハァ……」

 

「やはり無理か、神器の扱いは専門外だからな。アドバイスがしにくい」

 

「カミナならわかると思ったんだけどな。ダメか」

 

「神器は未だに解明されていないところがほとんどだ。わかっているのは古代に作られ、絶大な力を持っていることぐらいだ」

 

ハルトは疲れて座り込んだレインに近づく。

 

「お疲れ」

 

「は、ハルトさん……すいません。修行に付き合ってもらってるのに何もできなくて」

 

「しょーがねぇよ。神器の扱いかたなんて誰もわからないんだ。模索していくしかないしな」

 

「は、はい!」

 

「よし、じゃあ次は魔法の特訓だ。やれるか?」

 

「はい!やれます!」

 

レインは立ち上がり、ハルトと魔法の特訓に移った。

そしてそんなハルトたちを少し離れたところのガーデンチェアでルーシィ、ウェンディ、マタムネ、シャルル、ミントがお茶していた。

 

「レイン頑張っているね」

 

「はい!レイン!!頑張ってー!!!」

 

ウェンディが手を振って応援するとレインは手を振って応えた。

それに嬉しそうにするウェンディを見て、ルーシィはふとウェンディに聞いてみた。

 

「ねぇ、ウェンディって……レインのこと好きなの?」

 

「はわっ!!」

 

突然の質問にウェンディは驚き、顔を真っ赤にする。

 

「そそそそ、そんなこと……」

 

「だっていっつも一緒にいるし、レインと一緒にいるウェンディすごく楽しそうだもん」

 

「れ、レインとは小さい頃から一緒だったので…どちらかと言うと兄妹みたいなものですよ!」

 

そう否定してくるが顔が真っ赤なのは変わらない。

 

「実際のところどうなんでごじゃる?」

 

「うーん。お互い意識してはしてるんだけどねー」

 

「まだまだお子ちゃまで二人とも気づいていないのよ」

 

マタムネたちはルーシィたちに聞こえないように話していた。

 

「ルーシィさんだって……」

 

「うん?」

 

「ハルトさんのことどうなんですか?」

 

「好きよ」

 

ウェンディが意思返しでルーシィにハルトのことを聞くがルーシィは間髪入れず答えた。

 

「だ、大胆なんですね……」

 

「うん。この気持ちは本物だもん」

 

そう微笑んで言って見せたルーシィはウェンディが惚れ惚れするほど綺麗で、ウェンディは素直にルーシィを応援したくなった。

 

「そうなんですか……ルーシィさん!」

 

「どうしたの?」

 

「私応援します!!」

 

「え?う、うん。ありがとう」

 

その頃、レインはハルトと対峙して攻撃を繰り出していた。

 

「よっしゃ、かかってこい」

 

「はい!水竜の鉄拳!!」

 

水を纏った拳をハルト目掛けて放つがハルトはそれを片手ではたいた。

 

「ええ!?」

 

「ほら、もっと打ってこい」

 

「は、はい!水竜の激流!!」

 

レインは両手を前に構えて、手から激流を出す。

 

「覇竜の……剛拳!!!」

 

しかしハルトの剛拳の拳圧で激流は押し返されてしまった。

 

「うわわっ!!」

 

しかもレインは自分の激流に飲み込まれてしまった。

そこにカミナが助け出した。

 

「しっかりしろ」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「うーん……なんかなーあれだな。威力が全体的に弱い」

 

「うぐっ……」

 

ハルトの直球なアドバイスにレインは項垂れる。

 

「魔力は高いがどこか攻撃をセーブしている。殺せとは言わないが攻撃するときは殺意を持ってやってみろ」

 

「殺意を持って……」

 

そう言われたレインは暗い表情になる。

 

「レインは優しいからな。そこまで深く考えなくていいさ」

 

するとそこにミラがやってきた。

 

「ハルト!ちょっと来てくれないかしら?」

 

「どうしたんだ?」

 

「ハルト宛に依頼が来たんだけど、マスターが少し話があるって」

 

行ってみると険しい表情をしたマカロフがカウンターに座りながら一枚の依頼書を見ていた。

 

「じいさん。何の用だ?」

 

「おお、来たかハルト……これじゃ」

 

そう言って差し出した依頼書を手に取り、目を通すとそこにはこう書かれてあった。

 

 

『ハルトへ。過去の清算をしよう。追憶の谷で待つ。君の古い友人より』

 

 

それを見たハルトは眉間に皺を寄せた。

 

「何か心当たりはあるか?」

 

「ああ………」

 

マカロフの質問にハルトは曖昧に答えるが、マカロフにはその見当がついていた。

すると突然ハルトは依頼書を持って外に出て行こうとする。

 

「どこに行く?」

 

「追憶の谷に行ってくる」

 

「場所はわかるのか」

 

「おそらくボスコだ」

 

「そうか……カミナ少し評議会まで行って依頼の受理をしてきてくぬか?国外の仕事となると色々と手続きが必要じゃ。しかもボスコとなるとな」

 

「わかった」

 

カミナはそう言ってその場から消え、評議会に向かった。

 

「儂は国にボスコへの渡航の許可を貰ってくる。恐らく明後日に受理されるじゃろう。それまで待て」

 

「そんな必要は……」

 

「ハルト」

 

ハルトは一刻も早く行きたいのか、そんなものは必要ないと言おうとするがマカロフが真剣な表情になってそれを止める。

 

「5年前のあの件は儂にも責任がある。これくらいはさせておくれ」

 

それを言われたハルトはそれ以上何も言わなかった。

そしてそれを少し離れたところでルーシィはその様子を見ていた。

 

 

2日後、評議会と国からの許可が下りたはるとはマタムネと一緒に列車に乗っていたが………

 

「だけど、なんでまたお前たちも来るんだよ」

 

ハルトの呆れた目の先にはいつものメンバーが座っていた。

 

「えへへ……」

 

ルーシィが誤魔化すように笑うが、ハルトの過去が気になって仕方なくマカロフに頼み込んだのだ。

 

「いーじゃねぇか!ボスコなんて行ったことねえしよ!!」

 

「ボスコのスイーツに興味があってな」

 

「オレはエルザに誘われた」

 

「ボクたちもです」

 

ハルトは一息つき、仕方ないと諦めた。

 

「そう言えばボスコってどんなところなんでしょう?」

 

「よく名前は聞くが、どんな国か知らねえな」

 

「ハルトは確かボスコ出身だったな。どんなところなんだ?」

 

皆がボスコの名前は聞くが、誰もその実態を知らないと口に出す。

エルザが代表してボスコ出身であるハルトに聞くと、ため息を吐いて呆れた目で外を眺めながら答えた。

 

「掃き溜めみたいなところだ」

 

 

ハルジオン港にたどり着いたハルト一行は早速ボスコ行きの船を探すが、

 

「ボスコ行きの船が一隻もないってどういうことだ」

 

港でハルトが大声で船乗りに問い詰めるが、船乗りに男は仕方がないと言った表情だった。

 

「仕方ねぇだろ。ボスコとフィオーレが挟む海峡に海獣が現れて、通る船を全て攻撃して来るんだ。危なくて通れねぇよ」

 

「くそっ!」

 

「ハルト、どうするの?」

 

船が無ければボスコに行くことはできないので、ルーシィが心配して聞いてくる。

ハルトは港に止まってある船を眺める。

 

「少し待っててくれ」

 

そう言って、ハルトは一番奥に停めてあった船に近づいて行き、その船の側でタバコを吸っていた男に話しかけた。

 

「よお。ちょっといいか?」

 

「あん?……魔導士かよ。なんだぁ?特に悪いことなんかしてねぇぞ」

 

男はハルトが魔導士だと見抜き、あからさまに態度が悪くなった。

ハルトはその態度に気にもせず話を続ける。

 

「ボスコまで船を出して欲しいんだ」

 

「無理だな。今海域に海獣がいるから危なくて通れねぇ。他の船でも同じこと言うぜ。諦めな」

 

男はそこまで言うとそっぽを向いてタバコをまた吸い始め、ハルトの話をもう聞こうともしなかった。

 

「ハルト!大丈夫?」

 

するとそこに心配になったルーシィたちがやってくると男は視線を戻し、ルーシィとエルザをジロリと見ると 嫌らしい笑みを浮かべた。

 

「へぇーいい女じゃねぇか。そいつらを一晩貸してくれたら船のこと考えてやってもいいぜ?」

 

「あ?」

 

それを言われた瞬間ハルトの目つきが厳しいものに変わった。

 

「下衆な……」

 

「やっぱりモテる女って大変ね」

 

「ナツー、ルーシィが調子に乗り始めたよー」

 

「だな」

 

「いつものことでごじゃる」

 

ハルトは少し考える素振りを見せるが、次の瞬間男の襟を掴み持ち上げた。

 

「ぐっ……!?」

 

「ちょっ……ハルト!?」

 

「大切な仲間を差し出すわけねぇだろうが。海獣は俺たちが退治してやる。だから船を出せ」

 

「人に物を頼む態度じゃねえな……!!」

 

「お前らにはこんな態度でいいだろうが。軍の船を盗んでるんだからな」

 

「なっ!なんでそれを…….」

 

ハルトは男を持ち上げながら船に視線を送る。

 

「ボスコでこの船を見たことがある。所々変えてるけど俺の目は誤魔化せないぞ」

 

「テメー……軍の人間か……!」

 

「違う,。昔関わりがあっただけだ。ラトゥータの小鬼って言えばわかるか?」

 

「あの……!なら話は別だ」

 

男は『ラトゥータの小鬼』と聞くと男は驚きの表情から笑みを浮かべ、ハルトの手から離れた。

 

「悪いな、客人がた。同郷の奴がいるとなったらもてなさないとな。さあ、乗ってくれ」

 

突然の男の態度の変わりように驚くルーシィたちを尻目にハルトは男について行く。

それに慌ててルーシィがハルトに尋ねた。

 

「ハルト。何を言ったの?」

 

「別に……親切な人でよかったな」

 

ハルトが何かを隠しているのはルーシィでも気づき、気になった。

 

 

一悶着はあったが無事に出航できた。

 

「うげ〜……まだ着かねぇのかよォ〜………」

 

「まだ出発したばっかりだろうが」

 

またいつも通りナツが乗り物酔いになるがウェンディはトロイアをかけようとはしなかった。

 

「ウェンディ〜……頼むぅぅ。トロイアをかけてくれぇ……」

 

「ごめんなさい。ハルトさんが2日間は船に乗るからなるべくトロイアは使わないでくれって頼まれてて……」

 

「そんなぁ〜……うぷっ」

 

ナツは項垂れてしまった。

少し離れたところではハルトとルーシィが一緒の木箱に座ってその様子を見ていた。

 

「ボスコって結構遠いのね。2日もかかるなんて」

 

「いや、直線距離だとそうでもないんだがあそこは渦が巻いてて、船を遠回りさせるしか航路がないんだ。だからボスコとの国交も薄いし、情報が入ってこないしな」

 

ハルトの説明で納得したルーシィにハルトは付け加えた。

 

「あと、ウェンディとエルザには言っておいたけど、この船とボスコにいるときは俺の側から離れるなよ。もし俺がいなかったとしても絶対に一人になるな」

 

「どうして?」

 

「ボスコに着いたら理由がわかる」

 

ハルトはそれ以上何も言わず、前を見た。

この時ルーシィは必要以上に教えてくれないハルトにヤキモキしていた。

ハルトは自分のことになるとどこか一線を引いて人に知られたくないようにする。

ハルトのことをもっと知りたいルーシィは迷惑になるとわかっているが、好きな人のことを知りたい気持ちは止められなかった。

 

「ねぇ、ハルト」

 

「なんだ?」

 

「ハルトの昔のこと教えて……」

 

ルーシィがハルトに聞こうとした瞬間にさっき交渉した男が近づいてきて、話しかけてきた。

 

「やあ客人。イチャついているところ悪いね」

 

「い、イチャついてなんか……!!」

 

「何の用だ」

 

男が揶揄ってきたのをルーシィはいつも通り顔を赤くするが、ハルトは睨むように男を見た。

 

「ハルト……?」

 

いつも穏和なハルトが初対面の相手にここまで警戒しているのは珍しく、ルーシィは気になった。

 

「そんな警戒しないでくれよ。俺はアンタと話したかっただけなんだ」

 

「………ルーシィ。ナツたちのところに行ってくれ。少しこいつと話す」

 

「う、うん」

 

ルーシィが言われた通り、ナツのところに行ったのを確認したハルトは男の方を向いた。

 

「それで、何の用だ?」

 

「だからそんなに警戒すんな……ってのも無理か。ボスコ、しかもラトゥータ出身なら尚更か」

 

 

ハルトに促され、ナツたちのところにやってきたルーシィはハルトのことが気になりずっとハルトがいる方を見ているが話までは聞こえてこない。

 

「おいおい、ハルトのことが好きなのはわかるけど見つめすぎじゃねぇか?」

 

「ち、違うわよ!!そんなんじゃなくて……」

 

グレイが揶揄ってくるのを否定する。

 

「なんかハルト、ボスコに行くってなってからピリピリしてるなって思って……」

 

「確かにそうですね。いつもより口数少ないですし、ずっと周りを警戒してますよね」

 

レインも思い当たることがあるのかルーシィの言葉に同意した。

 

「しかし、警戒するのもわかる」

 

「え?なんでエルザ?」

 

ルーシィがエルザに尋ねるとエルザは周りをぐるっと見渡した。

 

「さっきから不埒な視線が突き刺さるのでな」

 

エルザはそう言って仕事をしていた船乗りの男を睨むと、男はそそくさとどこかに逃げていった。

 

「ハルトが言ってたのはこのことか………いいか絶対に一人で行動するな。常に誰かと一緒に行動するんだ」

 

エルザの注意に皆が返事するなか、ルーシィはずっとハルトのことが気になっており、そして何故かわからないが今回の依頼でルーシィはハルトの過去がわかるのではないか、予感していた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。