FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS 作:マーベルチョコ
第12話 最強チーム
ここは魔導士ギルド、妖精の尻尾。
ギルドの中にある酒場では昼間なのに酒を飲んだり、騒いでる人が大勢いる。
そんな中で1人悩んでいる少女がいた。
「んー次はどっちの仕事にしようかなー?」
綺麗なブロンドの髪をサイドテールにした少女、ルーシィは次の仕事をどうするかカウンターで依頼書を見比べて悩んでいた。
すると横から、エプロン姿の青年が声をかけた。
「次の仕事はもう決まったのか?」
オレンジ色の髪を短く立たせている青年、ハルトだ。
「まだ決められないの」
「ゆっくりでいいからな。ルーシィが決めた仕事に着いて行くからよ」
「うん、ありがと」
ルーシィは他のメンバーと何度か一緒に仕事に行く機会があったが、
一番一緒に行く回数が多いのハルトとマタムネだった。
今回も一緒に行く約束をしている。
「そういえば今日マタムネはどうしたの?」
「今日は修行をしに行ったぞ。時々『秘密の特訓でごじゃるー!』って言っていなくなっちまうんだ」
「あははっ! あんまりマタムネの真似ができてないわね」
「うるせー」
「あら? 楽しそうね」
ハルトとルーシィが談笑をしていると、このギルドの看板娘ミラジェーンがやってきた。
「あっ、ミラさん! ハルトのマタムネの真似ができてなくて…」
「あっ、おい言うなよ」
「そうなの? 私もやってみようかしら…」
すると、ミラは手を顔にやり、
「はい!」
すると顔だけがマタムネになってしまった。
顔だけがマタムネになっているので気味が悪い。
「えーー!?」
「やっぱり…」
「どうかしら?」
「いや似てますけど…」
ルーシィも若干引いている。
「そういえばハルト、もうそろそろジャムが出来上がっているんじゃないかしら?」
「あぁそういえば忘れていたな。サンキューなミラ」
ハルトが厨房に行ったのを確認するとミラはルーシィに詰め寄った。
「ところでルーシィ?」
「ひいぃぃぃ!」
しかし、マタムネの顔のままなので怖がってしまう。
「あら、ごめんなさい」
ミラが魔法を解き話を続けた。
「最近ハルトとはどうなの?」
「え!? いやどうって…」
ミラに突然ハルトとの関係を聞かれて顔を赤らめてしまう。
「だってルーシィ、ハルトのこと好きなんでしょ?」
「うえ!? いや、なんで…」
「いつも見てればわかるわよ」
そう言われルーシィは俯いてしまう。
「最初は少し気になる程度だったんですけど…」
「そこからどんどん意識しちゃったのね」
「…はい」
「私はルーシィとハルトすごくお似合いだと思うけど…
ほらハルトとすごく仲がいいじゃない?
ハルトがここまで親しくなる女性なんて私見たことないもの」
「ミラさんでも?」
「そうね。私でも最初の頃はルーシィみたいによく仕事に誘ったりしてくれたことはなかったはね。 それに…」
「それに?」
「なんだかハルトがルーシィを見る時の目って何か…特別な様な気がするの」
「特別…ですか?」
「そう」
「女の勘ってやつでごじゃるな」
「「………」」
「っていつ間のにいたのよ!?」
いつの間にかまたがルーシィとミラの近くに座っていた。
「おかえりなさい」
「ただいまでごじゃる」
「いや、ただいまじゃなくて…
ど、どこから聞いてたの?」
平常運転のミラに戸惑ってしまうが、マタムネには聞かれてはまずい話を聞かれてしまったことが大きかった。
何故ならマタムネはハルトと一緒に生活をしているので、どこでこの話が漏れるがわかったもんじゃないからだ。
「ルーシィが変な鳴き声をあげた時からいたでごじゃる」
「あれは鳴き声じゃなくて悲鳴よ…って、それよりも最初からじゃない! 絶対にハルトには言わないでよ! 今の会話のこと!」
「言わないでごじゃる。せっしゃはルーシィ殿を応援してるでごじゃるよ」
「え?そうなの?」
「そうでごじゃる。そろそろハルトも前に進まなくては…」
「?」
マタムネの後半の言葉は小さい声で言ってのでルーシィには聞こえなかった。
「そうでごじゃる! ルーシィ殿!ハルトをデートに誘ってはどうでごじゃろうか?」
「デ、デート!?」
「それはいいわね」
マタムネの突然の提案にルーシィはまた顔を赤くしてしまう。
「む、無理よ!」
「どうして? やってみなきゃわからないじゃない?」
「だって…ハルト、時々私ごしに誰かを見ている様な感じがするんです」
ルーシィがそう言った時の顔は、少し寂しそうな感じだった。
「誰を見てるかわからないけど、その時のハルト、なんかすごく大切な人を見てる顔をするんです…。
もしかしたら、恋人なのかもしれないし……
今思えば私ってハルトのこと何にも知らないなぁ」
ルーシィは少し落ち込んだ表情を浮かべる。
「だったら、これから知っていけばいいでごじゃる。
見てもらっていないなら、一緒にいて見てもらえばいいでごじゃる
弱気になってはダメでごじゃるよ!」
そんなルーシィにマタムネは励ましの言葉をかける。
「マタムネ…」
「そうね。私も応援するわ!」
「ミラさんも…そうよね。今弱気になってちゃダメよね!
私ハルトをデートに誘ってみます!」
「何に誘うって?」
「ひゃあぁぁぁぁ!!?」
ルーシィが気合を入れた直後に、ハルトが厨房から戻ってきた。
「えっ、いや、その…」
突然のことだったのでルーシィの心の準備ができず、慌てふためいてしまう。
「ハルトー、ルーシィのことどう思っているでごじゃる」
「ん?」
「ちょっ…マタムネ!」
「どうって…まぁ頼りになる奴だと思っているけど」
「そうじゃなくて異性としてむぎゅっ!」
「何言ってるのかしらこの猫ちゃんはー!?」
マタムネがルーシィにとって聞かれちゃまずいことを聞こうとしたので、遮る様にマタムネの顔を手で挟み、大声を出してごまかした。
「どういうことだ?いせ「やあ!何の話をしてるんだい?」」
すると、ハルトの言葉を遮る様にロキが話かけてきた。
ルーシィはこの時初めてロキに心の底から感謝した。
「ルーシィとハルトが最近いい感じだなーって話をしていたの」
「ちょっとミラさん!」
まさかのミラの追撃に顔を慌ててしまうルーシィ。
「そうなんだ。ルーシィ、僕とも仲良くなるために愛を語り合わないかい?」
「却下で」
「即答!?」
さっきまでの慌てぶりがウソの様に、冷静に言った
「そんなつれない君も素敵だけどね」
それでも諦めないロキはルーシィに近寄るが腰にかけてある星霊の鍵を見つけると態度が一変した。
「き、君!星霊魔導士だったのかい!?」
「そうだけど?」
「なんたる運命のイタズラ…!すまない僕たちはここまでにしよう!!」
そう言い残し、走り去って行ってしまった。
「なにが始まっていたのかしら…?」
「ロキは星霊魔導士が苦手なの」
「たぶん昔、女の子関連で何かあったでごじゃる」
「……」
去って行ったロキにミラやマタムネはそう言うが、ハルトはロキが行ったほうを黙って見ていた。
「そうなんですか…って、あんた達いつの間にケンカしてんのよ!」
すぐ横で騒いでいるなと思ったら、いつも通りナツとグレイがケンカをしていた。
「何でテメェはパンツ一丁なんだよ!」
「テメェが暑苦しいからだろうが、このクソ炎!」
「んだと、コラァ!」
「やんのか、コラァ!」
毎日、ケンカをしているのでみんなも止める気なんてさらさらない。
しかし、ルーシィは飛び火を恐れてか、ハルトに話かける。
「ね、ねぇハルト止めなくていいの?」
「大丈夫だろいつものことだし、それにそろそろあいつが帰ってくる頃だからな」
「あいつ?」
ルーシィが誰なのかを聞こうとしたら、さっき走り去って行ったロキが慌てて帰ってきた。
「ナツ!グレイ!まずいぞ!」
「「あ?」」
「エルザが帰ってきた!」
「「あぁ!?」」
“エルザ”と聞いた瞬間、ナツとグレイだけでなくギルド全体が慌て出した。
それと同時にギルドに重い物が移動する様な音が響いた。
その音が響くたびにギルドメンバーの顔には緊張が走る。
その音がするとほうを向くと、鎧を着た緋色の美しい髪の美女が人間より大きい角を肩に担いだ姿で現れた。
「今戻った。マスターは居られるか?」
「お帰りエルザ!マスターなら定例会よ」
「む、そうか。 急ぎの用事があるのだが…」
(あの人がエルザ…さん? ちょっとびっくりしたけど、綺麗な人だなー)
巨大な角を持ってきたことに多少驚いたが、エルザのその凛とした姿に見惚れた。
「あ、あのエルザさん? そのバカでかい角は何ですか?」
「討伐した魔物の角だ。地元の者が記念にと装飾してくれてな。綺麗だったので土産として持って帰ってきたのだ。迷惑だったか?」
「い、いえ!滅相もない!」
その態度を見るとエルザが相当偉い立場にいる様に見える。
「それよりお前達、また問題ばかり起こしているようだな。
マスターが許しても私は許さんぞ」
「「「………」」」
エルザが周りをぐるっと見回し、そう言うとギルドのメンバーは全員気まずい顔をした。
「まずはカナ、なんという格好で呑んでいる。ナブ、相変わらず依頼板の前でウロウロしているのか?仕事をしろ。それから・・・」
出るわ出るわギルドのメンバーへの小言でルーシィのエルザに対する印象がだいぶ変わっていった。
「今日のところはこれくらいにしておこう。まったく、世話が焼けるな・・・」
エルザは仕方がないと言った顔をしたが、他のメンバーはげんなりとしていた。
「そういえば、ナツとグレイはいるか?」
ガタッ!
さっきの喧しさをエルザが来た途端、抑えていたナツとグレイだが指名された途端、逃げ出したが、
「あい、こちらに」
ハッピーの裏切りによりあっさりと見つかってしまう。
「なんだお前達そんなところにいたのか」
「あい」
「お、おうエルザ、今日も俺たちは仲良くやってるぜ」
「あい」
「ナツがハッピーみたいになってる!?」
エルザに見つかった瞬間、肩を組み必死に仲が良いように見せている。
「あの二人どうしちゃったの…?」
「ナツもグレイもエルザが怖いのよ。
ナツは昔、エルザにケンカを挑んでボコボコにされたし」
「あのナツが!?」
ルーシィはナツの実力を知っているから驚いてしまう。
「グレイは裸で歩いているところを見つかってボコボコに」
「またボコボコ!?」
「ついでロキは口説こうとして半殺しになったでごじゃる」
「そこまで!?」
エルザの武勇伝をミラから伝えられるたびにルーシィのなかでは、
もはやどこかの鬼軍曹ではないかなと思えてしまう。
すると、ナツとグレイに話終えたエルザにハルトが話かけた。
「おうエルザ、おかえり」
「ハルトか、ただいま」
「甘い物食べるだろ? ちょうどジャム作ったところだからすぐにできるぜ?」
「そうか、ならいただこうか」
ハルトとエルザが長年の友のように接しているのをルーシィには別のように見えていた。
「ね、ねぇマタムネ、あの二人ってどんな関係なの?」
「ハルトとエルザ殿でごじゃるか? それは仲がいいでごじゃるよ。
恐らく、女性メンバーの中では1番多く一緒に仕事に行ってるでごじゃる」
それを聞いてルーシィは崩れ落ちそうになる。
さっきまで意気込んで、ハルトに積極的にいこうと思ったのに、もう落ち込んでしまった。
ルーシィには美人のエルザとイケメンのハルト(ルーシィ視点)はお似合いのカップルに見えたのだ。
「マタムネ…私もうダメかも…」
「どうしたでごじゃる!?」
ハルトが厨房から戻ってきた。
「ほれ、苺のタルトだ」
「うむ…、相変わらずハルトのスイーツは絶品だな
一家に一人欲しいくらいだ」
「ははっ、俺は家具じゃねぇよ」
エルザが冗談を言うがルーシィには致命傷になる。
「ほらぁ〜、今のは遠回しの告白じゃない〜」
「今のはただの冗談でごじゃる!」
エルザがスイーツを食べ終えるとナツとグレイに向き直った。
「ナツ、グレイ、そしてハルトにも話がある」
「ん?俺にもか?
「あぁ、3人に頼みがある」
「「「頼み?」」」
「仕事先で少々やっかいな話を耳にした。マスターの判断をあおぐつもりだったのだが、早期の解決が望ましいと判断してな」
「あー!じれってぇな!頼みって何だよ!」
遠回しに言われてるからなのか、短気なナツが痺れを切らした。
「単刀直入に言おう。3人の力を貸して欲しい。
着いてきてくれるな?」
その言葉にハルトたち3人は驚くが、それは他のギルドメンバーにもだった。
「な、何? みんなどうしちゃったの?」
周りがざわめき出したのを落ち込んでいたルーシィも気づいたようで、周りをキョロキョロと見ていると、ミラが驚いたような口調で声を出した。
「エルザにハルト、ナツとグレイ…今まで考えたことなかったけど、
これって最強チームかも…」
「!!」
その言葉には、状況がわからなかったルーシィをも驚愕させることだった。
感想…欲しいです。